2009年6月5日~7日茨城県霞ヶ浦水系でJBトップ50シリーズ第2戦エースメーカーCUPが開催された。スポーニング期終盤の難しい状況に加え水位も天気も急変。多くの選手が苦しむ中、状況変化に上手くアジャストした小森嗣彦が298ポイントで快勝した。2位は青木大介。最近好調のゼッケン2番1番がワンツーフィニッシュした。
会場に到着して外に出ると肌寒い。Tシャツ一枚では厳しい。空は曇り霧も出ていた。フライト時、多くの選手はバウを右へ向けていた。湖岸をクルマでまわってみる。鰐~ナサカ~常陸利根~北利根牛堀。常陸利根で10艇ほど。水門や沈みモノ狙いがメイン。皆順調に釣れている感じではなかった。北利根は思ったよりボートが少なく5艇ほど。こちらも水門・沈みモノ・アシ狙いが多かった。日中も気温は上がることもなく20℃前後をキープ。時折小雨もぱらつく中、検量が始まった。
検量率は86%、リミットメイクが5名。この日のトップウエイトは霞ヶ浦水系の大会に滅法強い小野俊郎。大山エリアのリップラップをヤミーノーシンカーで丁寧に攻め4本。東浦のブッシュでビッグフィッシュ賞となる1600オーバーをヤマセンコーで捕って4950gをウエイイン。続いて2位は青木大介。常陸利根下流域の水門をプロセンコーのネコリグを使いランガンした。3位は北浦の水門をレッグワームのダウンショットやRC1.5のクランキングでまわった小森嗣彦、ウエイトは3855g。初日4位は泉和摩で、総合トップ5は初日の順位と殆ど変わっていないことに気付く。
2日目も肌寒い朝を迎えた。更に雨と風が追い打ちをかける。スロープが風下となりハラハラのランチング・スタートとなった。選手の動きは概ね初日と一緒。陸上からはその変化を気付き難いが、この日は水がかなり動いたらしい。この水域全体の水位を管理する常陸川水門が稼働。場所によってはかなりの流れが発生。また水位が減って初日釣っていた場所が干上がっていた・濁りがまわってきてダメになったという選手も多かった。 結果的に、今大会はこの「水位と流れの変化」について行けるかどうかが勝負の分かれ目になった。 昼前から少し天気が回復。晴れ間ものぞく中、検量が始まる。
2日目は小森嗣彦、青木大介がそれぞれ3キロ越えで単日1位、2位、同じ順位で予選突破。3位は福島健で2868g。同選手は初日に4キロを持っていたらしいが、エンジントラブルに見舞われ帰着遅れ。今大会で最も悔しかったであろう選手の一人。4位は常陸利根下流組の加藤誠司。 予選結果は小森・青木・小野・茂手木・泉と並んだ。1位~3位の間はそれぞれ10ポイントの差が付いた。予選通過ボーダーは118ポイント。予選の2日間で3匹、2キロが必要だった。
最終日はようやく青空が出た。しかし、風は3日間のうちで一番強かった。強い東風のため、南北に長い常陸利根~ナサカエリアの西岸はザブザブで釣りにならない感じだった。土手が多少ブロックするとはいえ、東岸でも風は強く、かなり釣りはしづらそうな状況。2キロを越えたら同船しているオブザーバーから本部へ電話が来ることになっているが、その電話も殆ど来ないらしい。
この日の検量は13時。12時過ぎには会場前にボートが集まってきた。暫定トップの小森もそのうちの一人。余裕の早上がり? 多くのギャラリーが見守る中、ウエイインショーが始まる。予選14位通過の野村俊介が3日目唯一のリミットメイクを果たし単日2位。会場前の水流が巻く僅かなピンスポットから5本釣った。これが効いて一気に9人抜きで5位入賞。予選を5位通過し3日目も2本釣った泉和摩が4位。3日間霞ヶ浦まで走り、合計300キロ以上は走ったという小野俊郎。最終日は404gのみだったが、成績的にはもの凄く重い1匹となり3位に踏みとどまった。 青木大介は1本ながら1222gで単日10位、41ポイントを獲得して2位をキープ。そして優勝の小森は最終日も4本2928gを持ち込み会場を沸かせた。300点満点中298gというパーフェクトに近い内容でシリーズ3勝目をあげた。
第2戦終了時点でのポイントランキングは以下の通り。第3戦は西日本のリザーバーで開催される予定だが、水位不足のため開催の有無は6月12日に発表される。
暫定順位 | 氏名 | ポイント計 | 重量計 |
---|---|---|---|
1位 | 小森嗣彦 | 99p | 26,848g |
2位 | 小野俊郎 | 92p | 20,137g |
3位 | 野村俊介 | 89p | 18,556g |
4位 | 北大祐 | 87p | 18,218g |
5位 | 茂手木祥吾 | 87p | 18,117g |
写真・報告:NBCNEWS H.Togashi