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JBトップ50第3戦東レ・ソラロームCUPストーリー

JBプロトーナメント情報2009

07月03日(金)~
07月05日()

岡山県 旭川ダム

JBトップ50 第3戦 東レ・ソラロームCUP

トーナメント概要初日結果2日目結果予選結果3日目結果トーナメント結果上位のフィッシングパターン写真

ストーリー

崩れなかった上流組の勝利。田渕秀明選手が連日のビッグバス!

Day1

シリーズ第3戦の舞台は夏の旭川ダム。早明浦ダムの減水で急きょ開催会場が変更になった。
これまでこのダムで2度のTOP50戦が行われているが、いずれも春のタフコンディション下のゲームでいい印象を持っている選手は少ない。しかし、今回はアーリーサマー。水温の上昇とともにバスの活性が上がるフィールドだけに、プリプラクティス段階から釣り込んでいた選手も多かった。

大会初日は田渕秀明、秦 拓馬の2選手が4kg台のビッグウエイトをマークした。田渕選手は中~上流の岩盤に着くサスペンドバス狙いと、上流エリアの2パターンで今大会に挑み、4本ながら4,705gを持ち込んだ。リグはネコリグとダウンショットがメイン。
秦選手はスロープから上流にエリアを絞り、マスタングヘッド1.8gにサスカートをセットしたスモラバオンリーでバッグリミットを達成。4,295gで初日を終えた。

3位は小谷エリアをネコリグ、西川下流にある垂直岩盤のやや深場(5~6m)をダウンショットで攻め、5本で3,540gを持ち込んだ茂手木祥吾選手。4位には第2戦ウイナーの小森嗣彦選手、5位には開幕戦のウイナー川口直人選手が続いた。

Day2

サイズは上流、数は中~下流エリアと読む選手が多い中で、2日目以降は中~下流で確実性が高いパターンをつかんでいた選手がどこまで挽回するかが注目された。
しかし、初日は21名いたリミット達成選手が2日目は11名とコンディションは明らかにタフへと向かう。上流エリアがどこまでプレッシャーに耐えられるかが焦点となる中で、この日も爆発したのは上流エリアだった。
2日目の主役は前日と入れかわり、長瀬けいいち選手と、阿部進吾選手が圧巻のパフォーマンスを披露した。

“ラフティング野郎”長瀬けいいちのド根性!

「やり切る男」として知られる長瀬けいいち選手が今回目指したのは最上流。大会初日の夜に上流部を中心に強い雨が降り、少し水位が高くなったことを彼は見逃さなかった。
エレキでは進めない流れの中でエンジンを酷使し、いくつもの瀬をクリア。競技エリアの境界線(導水管)まであと100mぐらいの地点まで遡る。そして、ラフティングさながら川を下りながら岩裏のヨドミを攻略。岩の反転流を利用したり、エンジンやエレキを川底に突き刺してボートをステイさせ、テキサスリグやスピナーベイトで次々とグッドサイズをキャッチした。
“清流エリア”にバスが着きそうなスポットは10ヵ所ほどとそれほど多くはなかったが、そこには邪魔をする者は皆無。「遡っては下る」を2度繰り返し、ほぼ同サイズで5本を揃えて2日目2位の4,595gを持ち込んだ。

激しい雨とともに始まったアベ劇場!

2日目に今大会唯一の5kg台を叩き出したのは阿部進吾選手だった。終盤にさしかかって採石場(会場の少し下流)エリアまで戻ってきたタイミングでスコールのような激しい雨。そして約2時間で7本のグッドサイズをキャッチするアベ劇場が始まった。
狙ったスポットは岩&冠水植物周り。ルアーは3/8ozモグラジグにチャターベイトのブレードをワイヤーで接続した『モグラ・チャター』なるチューニングルアー。ブレードの抵抗で頭を振り、十分なバイブレーションアクションを生み出すスピードで水面直下をリトリーブすると“ドカン”とバイトしてきたという。
「あ~、いいもん見せてもらいました」と同船したプレスも感激。エコ仕様のチャターベイトチューンがにわかに注目を集めそうだ。

2日目終了時点で田渕秀明選手がトップをキープ

初日の上位陣がスコアを崩す中で、総合1・2位の順位は変わらなかった。田渕選手は2日目も上流エリアを果敢に攻め、2本ながら3,116g(2日目5位)。秦選手も2本で2,362gをキャッチした。

上位2選手はともに2日目のキープ数が2本と苦しいゲーム展開だったが、長瀬選手を含め上流組は迷うことなく決勝の3日目も上流を目指した。2本取れば上位に食い込め、3本取ればブッチギリのウエイトも期待できる上流の魚に賭けたといえるだろう。

Day3

田渕秀明選手が上流組を制し、四国に初のTOP50優勝カップ!

3日目は水況がやや落ち着き、3日間で最もスローなコンディションに陥った。この日は小森ワンド入口付近を朝から狙ってコンスタントにキーパーをキャッチした川口選手がただ1人3kgをクリアしたが、2日目のロースコアが響いて上位には食い込めずに11位でフィニッシュ。ほとんどの選手がリミットメイクに苦しむ中で、最後まで上流を攻めきった田渕、秦両選手は決勝当日も踏ん張った。

田渕選手は最終日3本で2,298g。この日もさまざまなリグでバイトに持ち込んだが、結局この日キープした魚を取ったのはコイケのダウンショット。秦選手はスモラバで押し通して2本1,956gでフィニッシュした。
結果から見ると、3日間手堅くスコアをまとめることは中~下流エリアでも難しく、プレッシャーを克服してスローな上流のグッドサイズをライトリグで攻め抜いた田渕、秦両選手が初日の順位のまま1・2フィニッシュ。四国に初のTOP50優勝カップをもたらした。
総合3位に入賞したのは最終日に2本のキロフィッシュをキャッチした茂手木選手で、今回がこのシリーズ初のお立ち台。今シーズンは好調を持続し、シリーズ総合成績でも2位までジャンプアップした。
総合4位は2日目にビッグウエイトを持ち込んだ阿部選手、5位には中流の岩盤エリアをライトリグで攻略した木村浩規選手が入賞を果たした。

ビッグフィッシュ賞

グッドサイズ1,500~1,600gのグッドサイズが多数キャッチされる中で、1,700g UPのビッグバスを初日に持ち込んだのは吉田秀雄選手だった。
西川のインターセクションから少し下流にあるベンドの浅瀬にあるブレイクをスピナーベイトで攻め、そのフォローでキャストしたスタッガーピンテールのダウンショット3.5inにこのビッグバスはバイトしてきた。


シリーズチャンプ争い

開幕戦からの「連続お立ち台」を目指した小森嗣彦選手だったが、惜しくも今大会6位でフィニッシュ。しかし、開幕戦・準優勝、第2戦・優勝とかつてないハイスコアでシリーズチャンプ争いをリードしている。
しかし、小森選手の独走に「待った」をかけたのが茂手木祥吾選手。初戦から9位、6位、3位とすべてシングル入賞を果たし、両選手の差は9P。まだ旧吉野川戦と桧原湖戦が残っているので、勝負の行方はまだまだ分からない。

写真・報告:BASS MAGAZINE K

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