2年連続となった真夏の三瀬谷ダム戦。昨シーズンは酷暑との戦いとなったが、今シーズンは集中豪雨や濁りを心配しながらのゲームとなった。
三瀬谷ダムは宮川を堰き止めて造られた川状のリザーバー。その水源は屋久島と並ぶ日本一の降水量を誇る大台ケ原で、夏から秋にかけてのダムへの流入量は半端ではない。今年に入ってからの水位は安定していたが、大会直前に豪雨を警戒して水位調節が行われ、3日で約1.6mも水位が低下。このダムでは大減水レベルだが、この放水と適度な濁りがバスの活性を押し上げた。
大会初日は参加131人中96人(73%)がバッグリミットの5本を揃え、128人がキーパーを持ち込んだ。バスのサイズはノンキー&キーパーギリギリが主体ながらも、着実にシーズン毎にグッドサイズが増加している。いかにキーパーをキャッチするかが上位に食い込むKEYとなり、初日は上位8選手が2kgをクリア。白く濁った上流エリアを敬遠する選手もいたが、下流~上流まで広範囲に選手が散らばった。
大会初日のトップウエイトは四国から参戦する石川晴彦選手がマークした2,636g。決め手となった2本のグッドサイズをキャッチしたのは州山橋と荻原橋の間に位置する通称「工事現場」と呼ばれる付近だった。帰着時間が近づいて選手が減り始めた1時前、水深1~1.5mほどの岩のスキ間やエグレを3/8ozフットボールジグ+アクアバグアンツ3in(グリーンパンプキン)で攻めていたときに連発したという。
大会2日目は前夜からスタート直後までまとまった雨が降り続き、上流部を中心に濁りと流れがきつくなった。ただ1人2kg UPを持ち込んだ渡辺新吾選手は、自ら開発したスローシンキングプラグの「Wスクリュー」で水面を意識させ、見ごとなキッカーフィッシュをキャッチ。初日39位から総合5位までジャンプアップした。
そして総崩れと思われていた上流組の中で、高出力のエレキで最上流まで遡った濱田禎二選手が岩裏にできた反転流をライトリグのナチュラルドリフトで攻めてリミットメイク。2日目1,880gで2位、総合成績も2位まで順位を上げて復帰後初の上位入賞を果たした。
初日の上位陣の中で2日目もスコアをまとめたのは大場所「本田小屋」のクリークを2日間通して攻め抜いたTOP50の福島 健選手だった。今回は全域で釣れるコンディションだったが、それだけに「動くほどロスが多くなる」と考え、自信のあるエリア内で絞り込んだ岸際のスポットをローテーションしてアプローチ。上がってくる魚を10cmショートリーダーのダウンショットで狙い打った。
2,294gで3位につけた初日はキーパーを約15本(ノンキーはそれ以上)キャッチ。2日目はキッカーが入らず1,448gとウエイトが伸び悩むも10位でフィニッシュ。エリアだけでなく使用したタックルも1セット(リグは前述のDS、ワームは2種類)とすべてを絞り込んだ戦略で大人数のエレキ戦を制覇した。
今大会総合3位は赤のカットテール(DS)を信じて下流から順に遡っていった長谷川竜司選手、総合4位には本田小屋沖のサンドバー状のシャローをノーシンカーやネコリグで攻めた柴田真吾選手が入賞を果たした。
今シーズンのJBマスターズシリーズは全4戦のため、残すはファイナルゲームの野尻湖戦(9月26~27日)のみとなった。
写真・報告:バスマガジンK