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ホーム > JBトーナメント情報2011 > JBトップ50第1戦ゲーリーインターナショナルCUP上位のフィッシングパターン

JBトップ50 第1戦

ゲーリーインターナショナルCUP

04月22日(金)~04月24日() 高知県 早明浦ダム

上位のフィッシングパターン

1位 5 今江克隆

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2011年TOP50開幕戦は、予想しえなかった非常事態の中、開催すら危ぶまれる事態となっていた。この非常時に例えそれが仕事とはいえ、「釣り」と言う「娯楽」を呑気にやっている場合なのか。バスプロ(プロ釣り師)は釣りをする事が仕事であり、その釣法を広く伝え一般アングラーの娯楽の一助になる事で収入を得る仕事だ。ただ、それは業界内では支援のための経済活動と言う意味で強引に理解されても、被災者側の釣りをしない人達の側に立てば体の良い言い訳、自己正当化に見えても仕方がないだろう。

バスプロなのだから「釣りを通じて社会に貢献する」とは言えど、バスを釣って満面の笑顔でのガッツポーズは、「死」と直面した被災者にどう映るのか、自ら死を身近に感じる機会があった事もあり、暫く釣りをする気にはなれなかった。安易な自粛とは意味が違う。

そして、悩んだ末、自分が出した結論は、TOP50トーナメントで勝ち得た賞金の全てを義援金として寄付する事だった。トーナメントには楽しさ以上の様々な感情がそこにある。爆発的な喜びあると同時に、報われない努力、傷つくプライド、悔しさ、そして自分の力のなさを痛感させられる惨めさ、本気で自分の存在とプライドを掛けて釣りをするからこそ、楽しさ以上の感情がそこにあり、酷く傷つく感情も存在する。だからこそ、そこで勝ち得た賞金には自分の全てを掛けた釣りの魂と努力と情熱の証が詰まっている。自分が釣りを通じて社会貢献できるのは紛れもなく、努力の結晶である獲得賞金全額を義援金とする事だと迷いなく心が決まった。必死になって手にしたバス1尾1尾が全て被災者復興の一助になると思えた時、「何のためにトーナメントを戦うのか」、その明確なモチベーションを持つ事が出来た。同時にプロとして恥ずかしくない額の義援金を送るためにも、今年は絶対に優勝する必要があった。そして、その決意に対して「バスフィッシングの神様」、そして早明浦のバス達が、今回は私に味方してくれた事が最大の勝因かもしれない。

プラクティス

今回の早明浦はまだまったくネストはない状態のプリスポーン初期状態で水温は上流10~下流13度、しかし、最大の鍵は天候次第で上流は一気に14度になる日もあれば、9度に下降する日もある事。一方で安定した下流は13度を維持しており、13度がプリのメスがシャローへ差し始めるキー水温だった。

プラクティスでは13度エリアを絞り込み、プリのメスがコンタクトしてくるコンタクトスポットと、その先にあるベッド候補地に先乗りしているオスと2尾を連発で釣る事が鍵になった。比較的簡単に見つけられるオスの近くには必ずメスがいて、オスが良いオスである程、近くには複数のメスが待機している事が解った。

このオスの大型バスが今回非常によく反応してくれたのが、プリのバスが最も嫌うジャバロン140、ジャバロン150リアル(プロト)の通称ジャバテキで、12gテキサスにしたジャバロンを2~2.5mラインのスポーンベッドを作りそうなガレ場をボトムに軽く当てながら巻きまくると、練習時は非常に果敢にアタックしてくる事が解った。

当初はアンドロイドでバスを浮かせて確認してきたのだが、時間がかかる事とプレッシャーが増すと浮いてまでは見に来ないため、スポーンのバスが何故か強烈に嫌うジャバテキを巻きまくる事で広範囲からバスの居場所を絞り込む事が出来た。ジャバテキは一発で乗る事も練習では多かったが、この時期のバスは基本的に食い気よりも、最適なベッドをペアで探しているために侵入者を排斥するために口を余り開かず体当たり的にバイトしてくるケースが多い。そのためスピナーベイトよりもフックの多いクランクがエリアを絞った後のスローな展開では2番手候補になるのだが、ナーバスなメスはファットなクランクよりも細身のミノー型クランクの方が遥かに反応が良く、何より細身なだけにフックに「掛かる率」が高くなる。

キモはジャバテキで反応が合ったスポットには何度もイーターを丁寧にゆっくり何度も通してやる事で、同じスポットに角度を変えて3~4投目で喰ってくる事がしばしばある。いると解ったら、バス達はこの時期ならではの習性で、ベッド候補地に強い執着があるため余りその場を大きく離れない事が多い。釣り方をさらにライトリグに変える事で、反応のあったスポットから確実にバスを手にする事が出来ていた。

ただ、ジャバテキやイーターに強く反応するのは、天候が強風で大荒れになった時程良く、一番の問題は晴天無風や曇天無風では、透明度5mもある早明浦湖では全くノーバイトになってしまう。しかも早明浦湖の水位は1日で1~2m増減水する事は当たり前で、タイダルリバーに匹敵する程、場所にバスが定着しない湖なのである。

したがって早明浦では魚探掛けやシークレットポイント探しは全く意味がなく、その場その場でリアルタイムにバスを探す技術が必要で、日本最大級のリザーバーで素早くバスを見つける能力が一番要求される難易度の高いレイクである。故に風が吹くと流れや濁りが生じ、バスの警戒心が薄らぐとともにバスの居場所が特定しやすくなる。今回の試合で一番神様に願った事、それは「爆風激荒れ」のめまぐるしい天候変化になる事だった。逆に一番避けたかったのは晴天無風、もしくは曇天無風、その理由は巻き物系が通用しなくなると共に、水温が高くリリースフィッシュの多い最下流域でのライトリグ船団戦に軍配が上がる可能性が高いからである。

予選初日

試合本番は残念なことに初日は最も避けたかった曇天無風、案の定、ライトリグが有効打になり自分的には最も苦しい展開となった。しかし、カレイドデジーノの完成と共にこの難局を乗り切れる粘りが戻り、下流域で3匹ながら全てビッグフィッシュでまとめ3400gをマーク、11位につけこの日を凌いだ。

今回の試合で実はこの日に使ったデジーノM-1とハドルフライ3.5、アンクルミノー3の1.8gダウンショットが全てのベースとなり翌日からのストロングパターンへの布石となった。

予選2日目

2日目は朝から1分間の流入量が100トンを超す大雨。風はなかったが豪雨の下流域でアンクルミノー3インチとアベラバ1.8g&アンゴビを使い10時までにリミットメイク、3800gを確保した時点でジャバテキで上流へ向けて濁りの境になる各ワンド出口を中心にランガン開始、爆風こそなかったが雨の濁りがそれをカバーしてくれた。

そして入れ替えを繰り返し中流域の緩やかなワンドのバンクでこの日1番のビッグフィッシュを仕留め、更に上流白滝ワンドでイーターにシフト。狙い通りに同クラスのキッカーとなるメスを仕留め、12時には5キロを超えた事を確信した。

そして残り時間2時間半は釣りをほとんどせず、豪雨によって発生したレイク全域の流れ込みの濁り状況をみるためにガソリンが無くなる寸前まで豪雨の早明浦を走った。そして、決勝を白滝の最奥部に賭ける事に決めた。

決勝日

予選2位で迎えた決勝。朝は気温6度と冷え込み、急な気圧上昇に伴う爆風により下流域ですら12度台に低下、水位は一気に2m近く増え全く湖は別の表情を見せていた。

しかし、この日の予報は午前中は快晴爆風。最上流に当たる白滝は、水温低下が予想されたが逆に水温上昇も早い。勝負は10時からと心に決め、朝一番から第2フライトを利して白滝最奥に陣取り、じっと水温上昇を待つ戦略をとった。

狙いは濁流が運んだ流れのヨレに出来る浮きゴミ、その中でも真っ先に朝陽が当たる浮きゴミを最終兵器アベラバ1.8~2.7g&スティングレー66プロのベイトフィネスで撃つ作戦である。

そして朝一に到着した最上流手前白滝のバックウォターの水温は9度。この水温が11度に達するか、それとも更に下がるのか、12時には帰着に向かわねばならない決勝は、まさに神のみぞ知る勝負を掛けた賭けだった。そして10時までの完全ノーバイトを耐えた我に天は味方した。

最終日4700g4位、総合成績1位。最高カテゴリー20勝目、TOP50(旧称ワールドシリーズ)最多8勝目となった今回の試合は、私の過去の試合の中でも3本の指に入る完璧に近い、意義あるベストバウトとなった。

2位 40 片岡壮士

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エリア

エリアは下流がメインで3ヶ所。中流域に1ヶ所。そして下流の上流側にキーパー場になりそうな場所を1ヶ所持っていた。 スポット的には本流に面した岬回りがメインで水中までのびる岩盤もしくはガレ系岬の3~5メートルを丁寧に狙った。

釣り方

スクールでさしてくるプリメスを狙いプラで連発したスポットをローテーション。 リグは0.9gのジグヘッドを使ったミドスト。強風でレンジコントロールができなくなった場合は1.3gにするかワームのウエイトをあげて対応。 ボートポジションを岸ベタに着け、岸と平行にトレース。今回は狙うレンジがはっきりしていたため平行トレースを選択した。

タックルSet1

  • 0.9gジグヘッド
  • ジャッカルポイズンヘリテージ スーパープライマルスピン
  • イグジスト2004
  • fcスナイパー3lb

タックルSet2

  • ジャッカル ワッキージグ1.3g
  • ジャッカルポイズンヘリテージ コンペティストXF
  • イグジスト2004
  • fcスナイパー3lb

メッセージ

ど~も!今年から参戦のそ~しです。地元高知の早明浦ダムで開幕戦ということで燃えていました。全5戦中土地勘があるのは早明浦のみだったので「目立つならココだ!!」と腹をくくってました。 でも、最終日まで・・・しかも優勝争いができるとは思ってもいませんでした。 初日の朝早くからプレッシャーメール(笑)や応援メールをくれたり、1日1日自分の事のように喜んでくれたりとたくさんのメッセージをいただきました。 その1つ1つが本当に嬉しくいい刺激になりました。これからも全力でチャレンジしていくので応援よろしくお願いします。

3位 2 青木大介

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エリア

下流域 3mまでの平らなバンクに絡むビックロックや岩盤

釣り方

初日は全くパターンが見えず模索しながら釣れた3本のみ。 2日目11時からパターン発見。 スポーニング直前の差してきたテリトリー意識の強い魚を食わせていき、最終日後半は小規模インレットに差し戻したビックフィッシュで入れ替え。

タックルSet1

  • エグジグヘッドにD-Jigラバー装着のエグD-Jig1/16oz+3インチシュリンプ
  • ファンタジスタDeez61L フィネス2
  • ステラ2500s
  • バニッシュウルトラ3.5ポンド

タックルSet2

  • エグD-Jig3/32oz+3インチシュリンプ
  • ファンタジスタDeez69 ベイトフィネス3
  • レボLTX (プロト)
  • バニッシュウルトラ12ポンド

その他

偏光:サイトマスター

メッセージ

今回は全くパターンが見えない状況からのスタートだったので上出来といえるけっかですが、目標はあくまでワールドチャンピオン!! 1戦1戦に全力を注いでいきますので応援よろしくお願いいたします

4位 top50 6 福島 健

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エリア

下流オイルフェンス

釣り方

ノーシンカー ジャーキング + サイト

タックルSet1

  • 3.5ストレート ノーシンカー
  • ソリッドセンサー61
  • 2000番
  • バスザイルR3lb

5位 3 江口俊介

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エリア

エリア中~下流域をメインにプリスポーンの差し口となる張りだしを重点的に狙った。

釣り方

雨天だった初日・2日目はクランクベイトをメインに張りだしをかすめる様にトレース。 最終日は同様のスポットをジグヘッドワッキー&スモラバをローテーションし中層を狙う。

タックルSet1

  • 5inスリムヤマセンコー1/32ozジグヘッドワッキー
  • デュナミススーパーコンペティション 「ソリッドウェポンスーパーフィネス」
  • イグジスト2506
  • スーパーフィネス4ポンド

タックルSet2

  • エグジグ1/16oz+シュリンプ3in
  • デュナミススーパーコンペティション 「ソリッドウェポンスーパーフィネス」
  • イグジスト2506
  • スーパーフィネス4ポンド

メッセージ

パターンの変動が激しい、プリスポーン&早明浦ダム。 今試合は苦し紛れで拾った魚をウェイインしたのみで結局最後まで核心をついたパターンは見付からないまま試合を終えてしまった事が非常に悔しかった。 試合内容としては最悪だったが、それでも5位入賞出来て、結果は上出来と言える。 これを機にAOY狙いに本腰を入れていきたい。

JBトップ50シリーズ2011

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