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JBトップ50 第3戦

東レ・ソラロームCUP

07月22日(金)~07月24日() 徳島県 旧吉野川

ストーリー

台風直撃で激変した旧吉野川。
ワンストレッチひと流しのランガンで苦手意識を克服。チャター歴4日目の福島健が優勝

2011年7月22日~24日徳島県旧吉野川・今切川を舞台にJBトップ50シリーズ第3戦東レ・ソラロームCUPが開催され、チャターベイトを初投入した福島健が優勝した。

台風直撃の公式プラ

大会一週間前に桧原湖で会った小森嗣彦は「プリプラは少し濁っていて苦戦した。あの時以上に濁ったら本戦はかなり厳しくなる」と言っていた。それがまるで予言だったかのように、大会直前「非常に大型」の台風6号が徳島県を直撃。水曜日は警報発令によりプラクティス禁止の緊急メールが送信された。

天候が落ち着いた木曜日にようやくプラクティスができる状態になった。風は落ち着いたもの、濁りは酷い。更に驚いたのは水温の低下。本流上流や支流では18~19度、下流域でも21度ほど。台風前は28度前後あったそう。濁り+水温低下のダブルパンチを食らった今大会、第2戦に続き厳しい大会になりそうだった。

とはいえ、どんなタフな状況でも釣ってくる選手が必ず居るのがトーナメントの面白さ。プリプラの状況は文字通り「水に流して」白紙状態からフィールドのコンディションを見極める能力を試される大会になった。

Day1

台風通過でまるで秋になったような空気の今切川スロープ。薄曇りで気温は23度。懸念されていた熱中症の危機からは開放された。

そんな涼しい天候のもと、60名の選手がスタート。この日NBCNEWSは前日プラで20本近く釣ったという山木一人に同船。同選手のメインエリアは人気が薄い本流下流域。そのため、他の選手の動向は詳しく解らないが、一番人気は本流中流域だったもよう。

終日薄曇りでにわか雨もあった初日。暑いどころか、Tシャツ一枚では肌寒さを感じる場面も。気温・水温ともに30度だった去年の第4戦と同じ夏開催とは思えないコンディションだった。

結果、ウエイイン率こそ90%だったが、5本釣ってきてのはわずか10名。去年は半数以上がリミットメイクした事を考えると、やはり今年は厳しいようだ。

初日トップは有里拓で5275g/5本。藍住大橋上流の島周りをクランクベイト・スモラバで一日粘っての結果。

単日2位の5000gを持ち込んだのは福島健。下流域のウィードフラットをチャターベイト(モグラチャター)で攻めての結果。

3位は川又圭史。板東谷川のショボイブッシュ・カバーをテナガホッグのテキサスリグで攻め9時までに4本キャッチ。その後、三連橋や合流地点で2本追加&入れ替え。最終ウエイトを4925gとした。

3位の川又から8位の今江までが4キロ台。賞金圏内は2日連続3キロ台。予選通過ボーダーは2日連続2キロ弱というセンが見えてきた。

Day2

この日も朝は湿度が低く秋のような天気。昼頃から陽射しが照りつけ夏らしい感じに。シェイドパターンが効きやすい感じではあるが、止水日というマイナス要因も。

この日は遊覧船にて会場前から本流最上流までを往復した。合流地点・三連橋・藍住大橋上流にボートが多く浮いていた。釣り方は、橋脚狙い・カバー撃ち・少し沖のマキモノが多かった。水色は前日と少し変わっていた。

どの選手も表情は硬い。ヒットシーンを見られたのは大熊一徳の1回のみ。今大会は「タイミング」という言葉を何度も耳にした。釣れるときとそうでないときの差がかなりあるようだ。

15時検量開始。そんなタフコンディションだが、旧吉野川のポテンシャルは高い。ウエイイン率は98%だった。しかし、初日どうよう、一人あたりのキープ数は少なく1-2本が半数を超えた。

2日目トップは横山修史。ビッグフィッシュ賞となる2090gを混ぜ5565gを記録。2位は小林知寛。下流域のアシ前をフロッグとノーシンカーで6本キャッチし4260g。3位はクランクベイトをメインパターンとした加藤誠司の4145g。

予選結果

初日4位、2日目1位、重量ポイントトップの横山修史が237ポイントで予選をトップ通過。芦ノ湖の山木一人並みに自宅とフィールドが近いという超地元。「地元は勝てない」のジンクスを覆すことができるか。

横山を4ポイント差で追うのが福島健。意外なことに旧吉野川戦は全て予選落ちしてるという福島だが、今年は何かを掴んだ模様。

藍住大橋の島で2日間やり通した有里拓が227ポイントで暫定3位。場所は一級なだけに3日目の釣果にも期待が持てる。

4位は今江克隆、5位に馬淵利治と続いた。

Day3

そしていよいよ決勝日。この日も天気は良好。30度近い気温と弱い風、流れもほぼ無しという厳しいコンディションでの開催となった。

最終日は暫定5位の馬淵利治に同船した。メインエリアは上流部。暫定3位の有里拓とは釣り方・スポットこそ違うがエリアをシェアすることも多く熱いバトルが繰り広げられた。

単日トップは篠塚亮。JR鉄橋~藍住大橋・今切川中~下流域のシャローカバーをリトルレインズホッグのテキサスリグ5~10gで攻め合計6本キャッチ。最終日唯一の4キロ越えを果たした。

単日2位は田渕秀明。川崎橋周辺をメインとし、ダイナゴン3.5インチのテキサスリグによるカバー撃ち。

3位は岩堀航。今切川下流のシャローカバーをゲーリーインターナショナルのモコリークロー(プロト)テキサスリグで9本のバスをキャッチ。最終ウエイトを3830gまで高めた。

予選上位陣も大きくスコアを落とすことはなかった。横山修史・有里拓・馬淵利治の3名は奇しくも単日9位から11位まで名を連ねた。そんな中、頭一つ抜き出たのが福島健。単日4位の3815gをウエイインした。

通常、表彰式の前に関係者には成績表が配布される。が、今回はそれが無かった。横山修史と福島健の一騎打ちな感じはあったものの、2人の間に何名が割り込んだか、誰も正確に把握していない。
お立ち台コールがあるまで、優勝は誰か解らなかった。

Result

結果、僅か1ポイント差で福島健がお立ち台の頂点に。3日間の総重量も福島が12,237g、横山が12,776と僅差。重量ポイントは横山が1つ上回ったが、総合計ポイントで福島の逆転勝利となった。

詳細はお立ち台インタビュームービーに譲るが、旧吉野川を苦手としていた福島は、前日プラの日に盟友小林知寛から2つのモグラチャターを譲って貰った。チャターベイト類を投げたのはその時が人生初だったそうだが、一投目で「釣れるルアー」と直感し、引き応えをチューニング。その個体がアタリチャターとなって、最終日に橋脚にぶつけて破損するまでのメインルアーとなったそう。

これまでもこのフィールドではたびたびチャターベイトが話題になったが、今回もお立ち台2名がこのルアーによるものだった。もちろん他にもチャターメインの選手は存在したが、全員に釣れるわけではないのが興味深い。

福島健は多くを語らない職人気質の選手だ。ルアーも自分向けに自作したりしているが、それは公表しない。トップ50でも珍しい賞金で生活しているプロゆえに、アタリルアー=マイ漁具といった位置づけなんだろう。そんな福島がチャターの威力を知ってしまった事に今江克隆選手は「最も知られたく選手に知られた。恐ろしい事だ」とお立ち台で苦笑していた。

ルアー以外でも、今大会では旧吉野川バスのクセを掴むことができ苦手意識が無くなった。居て喰わないのか・居ないのか、人為的なカレントの有無・強弱が激しい故に連発・沈黙の差が激しい旧吉野川。釣れない訳ではないが、自信を持ってパターンフィッシングを行うことが難しい、と、多くの選手が似たようなことを言う。福島の場合は、朝イチは今切川下流のリップラップを攻め、その後は他の選手の動向を見ながら、ワンストレッチひと流しのランガン作戦が的中した。

3戦連続お立ち台で年間ランキングもトップに立った。勢い付いた職人福島を止める選手は誰だろうか。

総合2位は横山修史。2090gでビッグフィッシュ賞も獲得。ローカルJB戦では数々の優勝CUPを手にしているが、トップ50シリーズでは苦戦を強いられてきた。超地元(家からキャスト出来るほどの近さらしい)開催の今大会では予選トップ通過を果たしたが、あと一歩及ばす。第2戦も超地元の小林が最終日に失速。地元は勝てないのジンクスはなかなか破れないようだ。
横山の戦略は水門のランガン。旧吉野川・今切川下流域の水門と周りカバーをダイナゴンのテキサスリグ、IKジンクス1/2ozで攻めるというもの。激変したフィールドにアジャストできたのは地元ならではか。

総合3位は有里拓。藍住大橋上流にある島で3日間やり抜いた。その潔さに感服した選手も多い。メガバスZクランクXを広範囲にキャストしつつも、タイミングを見計らってスモラバ(OSP 04JIGシンクロECO2.7g+ボトルシュリンプ3インチ)をドリフトさせて釣った。端から見るとひたすらクランクを巻いているように見えたが、キモはスモラバのドリフトで食うスポットも同じだったらしい。

総合4位は馬淵利治。上流域の水があたるカバーや橋脚周辺をイマカツダイナゴンの14gテキサスリグ、セクシーアンクルのネコリグで攻めた。トップ50戦を給料日だと思っているそうだが、それを証明するように3戦連続賞金を獲得。ローカルJB戦・チャプター戦でもお立ちの常連と化している。ワールドチャンピオン獲得も公言しており、最も勢いを感じる若手選手になった。

総合5位は下流域のウィードフラットをモグラチャターで攻めた今江克隆。決勝日に2本18位と苦しんだがそれまでの貯金が効いて5位に。クランクベイトどうよう、チャターベイトには季節・バスの状態にマッチした複数の動き・特徴があるらしい。今回は「ウルトラ3D激千鳥?」バージョンと5.3:1のローギアリールがキモだったそう。今回も獲得賞金は地元自治体を通して東日本大震災の義援金として全額寄付された。

ポイントランキング

現在のポイントランキングは以下の通り。

1位 福島健 175p
2位 青木大介 166p
3位 馬淵利治 163p
4位 加藤誠司 146p
5位 五十嵐誠 142p

ワールドチャンピオン獲得を公言した青木大介。そして今回のお立ち台で「青木さんを倒す」と言った馬淵利治。「年間は気にしていない」と言った福島健がトップ3にならびかなり面白い展開となってきた。

次戦は9月の桧原湖。桧原湖といえば、福島健・加藤誠司が優勝経験者。青木大介は野尻湖での優勝経験者。五十嵐誠は野尻湖でガイドを行うスモール通。地理的にも経験値的にも馬淵利治がやや不利と思えるが「限界を超える男」の生き様を見届けたい。

レポート:NBCNEWS H_Togashi
写真:NBCNEWS・Bassmagazine・オブザーバー

JBトップ50シリーズ2011

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