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JBトップ50 第5戦

がまかつCUP

10月07日(金)~10月09日() 茨城県 北浦

ストーリー

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2011年10月7日~9日に茨城県北浦でJBトップ50第5戦(最終戦)がまかつCUPが開催され下流域の水門+流れにまわってくるバスを3日間確実に仕留めた市村直之が悲願の初優勝をものにした。

今回は通常ルールで開催

今年はオフリミット期間無しの特例ルールが適用されることが多かったトップ50シリーズだが、今大会は通常ルールで開催された。プリプラクティス期間は気温・水温ともにまだ夏のようだった。バスの活性も高く各方面から景気の良い噂話が聞こえてきた。そして期間終盤に関東を通過した台風15号が水温を大きく低下させた。釜谷沖の自動観測機データによれば台風前が27~28度、通過後は22度まで低下。水温のみならず空気も一気に秋のそれに変わった。

大会直前の公式プラクティスでは水曜日から木曜日の朝まで雨が降った。しかも寒い雨で、湖上では防寒着が必要なほどであった。本戦直前の雨が与えた影響は思いのほか大きかった。

Day1

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晩秋のような寒さだった直前プラから一転、本戦3日間は秋らしい快適な晴天に恵まれた。
例年この水系での大会では下流域が一番人気になるが、今年は本湖エリアが人気でフライト直後に上流へ向かうボートが多かった。

結果的に最も厳しかったのが初日だった。プラの時にはなかった西よりの強風そして雨の影響。この2つの要素が選手を困惑させた。

北西の強風によって釣りにならない場所が激増。大型ボートでもバウに浸水するほどの高波になる場所も。辛うじてステイできても釣りの動作がままならぬ状態に。これにより風裏に選手が集中しバッティングに悩まされる選手も多かったようだ。

大雨によりワンド最奥に流入河川をもつエリアは酷い濁りに見舞われた。また、平均水深が浅い水系ゆえに数十センチの増水でも生物に与える影響は大きくバスのポジションも若干変わったかもしれない。更にこの日から最下流の水門も稼働し水位は減水へ向かった。

結果初日に検量できたのは60名40名。5本のリミットを揃えた選手はいなかった。

上位4名が3キロ台、2キロあればシングルという初日。

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今あらためて初日の結果を見ると上位5名の顔ぶれと並びが総合成績とほぼ変わらないことに気付く。これはまぁまぁ珍しいケースといえる。総合2位の今江克隆は初日2本1674gの15位スタートだった。

ノーフィッシュの20名にはワールドチャンピオンレース2位の青木大介も含まれていた。一方で暫定トップの福島健は単日10位。そして暫定3位の馬淵利治は単日2位という展開に。

Day2

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2日目もいわゆる秋の行楽日より的な好天に恵まれた。晴天が現時点の北浦バスに良い影響を与えるのか、それともマイナスなのかはわからない。しかし、風が収まったことによって、選手の行動範囲は大幅に広がった。そして釣りの動作もし易くなった。ようやく「釣りになる」状態になり前日よりも釣果はアップした。

t50tterにもそれは顕著に現れ早い時間から釣果の報告がアップされつづけた。

結果、2日目は49名が検量し9人がリミットメイクを達成した。単日トップは今江克隆で今大会のヘビエスト記録の4360gを叩き出した。本堂靖尚はビッグフィッシュ賞となった1800gフィッシュを頭に3本で3374g、単日4位に。

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そして、初日上位陣。馬淵利治が23位になってしまったが、篠塚亮は2位、山岡計文が3位、市村直之が6位とみな一歩も引かない混戦模様。

年間トップの福島健はこの日も1784gとじゅうぶんな数字を出した。が、さすがの青木大介。初日のノーフィッシュを吹き飛ばす3186gを持ち込み福島に大きなプレッシャーをかけることに成功した。

Day1-2

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2日間安定しまくりの市村直之・山岡計文・篠塚亮が235p、234p、231pとひしめき合う結果。暫定4位の北大祐も228p。今江克隆は223pで初日15位から一気に優勝圏内までジャンプアップした。

Day3

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この日も朝だけ薄曇りで日中は好天。風裏の地上では汗ばむほどの陽気に恵まれた。直前プラで下がった水温も徐々に上昇、そして濁りもおさまり傾向にあり、フィールドコンディションは良い方に向かっているように見えた。とはいえ、やはり最終日はキツイ。競技時間が短いこと、そして広大なトーナメントエリアではあるが実際に魚が居るカバー・スポットは限られていることなどが原因だ。

トーナメント全盛期を思い出させるたくさんのギャラリーが見守る中、最終日のウエイインショーがはじまった。

結果30名28名が検量。うち半数が1本のみ。しかし、この日の1本は果てしなく重い1本になる。

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市村直之は3本で1678gを持ち込み単日5位。

トレーラーウエイインショーのおおとりをつとめた今江克隆は会場を一気にヒートアップさせた。そのウエイトは3755g。2日間連続のトップウエイトに会場は沸いた。

Result

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優勝は市村直之。ちょくちょくお立ち台に立っているが、過去の優勝は2004年のJBエコワールド第3戦高滝湖戦のみ(ちなみにこの時のJBワールド優勝が今江克隆)。史上最年少でトップカテゴリーに上がった市村は7年目で悲願の優勝カップを手中に収めた。
詳細はこちらに譲るが、市村のメインスポットは下流域にある一つの水門沖のブレイク。朝の決まった時間に排水が行われ、そのタイミングで反転流が当たるスポットへゲーリープロセンコーのネコリグやスモラバをキャストし確実にバスをキャッチしていった。過去にも小森嗣彦が同じような「神がいる水門」で優勝をもぎ取ったように、この水系にはそんな水門がいくつか存在してるようだ。

総合2位は今江克隆。初日は増水に対応しきれず2本15位だったが、後の2日間は他を圧倒するハイスコアを叩き出した。メインパターンは鹿行大橋より上流のワンド部1.5mのスピナーベイト。浮き上がりにくいという特徴を持つImakatsu社のジンクススーパーブレード3/8ozで1.5mのボトム付近を長くトレースするパターンがハマったそうだ。3日間の総重量は9,789gで優勝の市村より1キロ以上重い。総合ポイントも4点差まで追い詰めての準優勝。体の調子が良くなったそうで、来年は更なる好成績が期待される。
なお、今回も賞金は復興に使って貰うため全額チャプター北浦に寄付した。

総合3位は山岡計文。マウンテンリザーバー育ちゆえにマディーシャローに苦手意識を持っていたようだが、今年はそれを打破。本湖西岸のワンドに生えるアシ、そしてリップラップをメインエリアとして、水位に合わせてネコリグとスピナーベイトを使い分け。他の選手がテキサスリグで流したあとでもネコリグにはバイトがあったそう。水位の増減に柔軟に対応できるのはリザーバー育ちならではか。

4位は北大祐。山岡どうよう本湖西岸および神宮橋付近のテキサスリグによるショアカバー撃ちがメインパターン。杭へのスピナーベイトやリップラップでのクランクベイトなども織り交ぜ最終日の1本が効いて4位入賞。

5位は篠塚亮。北どうよう最終日は1本のみの検量だったが、周りも釣れていないために貯金が効いて5位に踏みとどまった。エリアは北浦全域。狙い所はしゅんせつ・アシ・ドックなど、目につくところ・思いついたところを全て色々なリグで攻めまくり。地元勢で唯一のお立ち台となった。

ワールドチャンピオンは福島健

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初日の朝、青木大介はいつもと雰囲気が違っていた。普段、大会会場、特に朝のミーティング時はクールだが、今回はよく笑い明るく振る舞っていた。記者にはそれが不自然に見えた。極度の緊張を紛らわそうとしているように見えた。
隣にいた福島健はいつもとなんら変わらないように見えた。が、実際はかなりのプレッシャーを感じていたに違いない。

3日目の朝、準備中の福島に声を掛けた。表情はいつもと変わらずだった。青木が初日ゼロだったが、計算上はまだまだ逆転の可能性がゼロではないという。ともかく最終日に「25cmギリギリを1本」だけでワールドチャンピオンは確定する。

結果的に1044g1本をキャッチしてワールドチャンピオンを獲得した。この日はロッド&リール誌が同船したので当日の詳細そちらで。

それにしても今年の福島健は強かった。JBマスターズは第2戦準優勝で年間ランキングは2位。トップ50第1戦早明浦4位、第2戦旭川ダム3位、第3戦旧吉野川優勝、第4戦桧原湖4位。そして最終戦は9位。全戦お立ち台は達成できなかったが全戦シングル。平均4.2位という偉業を成し遂げた。

2003年ジャパンスーパークラシック優勝・2005年バスオブザイヤー獲得・2008年全日本バスプロ選手権優勝そして、2011年ワールドチャンピオンと4つめのビッグタイトルを獲得した。

「みんな釣りの技術は同じくらいなんです、あとはいかに本番で普段の力を発揮できるかどうか。そのチャンスをものにできるかどうか」という旨のコメントをインタビューで語っていた。全編はこちら

初日にまさかのゼロ申告。しかし2日目は3キロオーバーで単日5位。予選も見事に通過して決勝日も単日3位の2624gを持ち込んだ青木大介。転んでもただでは起きないとはまさにこれ。福島にじゅうぶん過ぎるプレッシャーを与えたし、最後の最後まで見ている我々を興奮させてくれた。記者は青木や市村などが10代の頃から顔は見ている。少年だった彼らが今や立派なJBの顔にまで成長している姿を見ると感慨深い(要は自分がおっさんになった・・)。

3位は馬淵利治でここまでは第4戦終了時と変わらず。そして4位に北大祐。5位は第2戦を5点で終えながらも怒濤の追い上げを見せた今江克隆。今年のエリート5はこの5人が出場する。

After words

桧原湖に続き最終戦でも本部の集計ミスが発生。それにつられてNBCNEWSの発表もミス。更にサーバーが半ダウンしミスの修正すらできないという大失態を最後におかしてしまいました。申し訳ありませんでした。

今年は実験的にUstreamによる生中継を行いました。北浦では思いのほか回線状態が悪く殆ど見られなかったようでこれもまたご迷惑おかけしました。来年はポケットルーターもしくは無線LAN機器を貸してくださるスポンサー様募集です!また、お手伝いさんも絶賛募集中です。はやり私一人でカメラ4台は無理です・・・・。

今年もたくさんのオブザーバーさんにt50tterやデジカメ撮影にご協力いただきました。現場ではバタバタしておりまともにお礼も言えません。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

写真・レポート:NBCNEWS H.Togashi
一部写真:オブザーバー

JBトップ50シリーズ2011

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