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JBトップ50 第2戦

エースメーカーCUP

06月08日(金)~06月10日() 茨城県 北浦

ストーリー

天候激変の3日間を直感で戦い抜いた岩堀航

2012年6月8日~10日に茨城県北浦でJBトップ50シリーズ第2戦エースメーカーCUPが開催された。3日間変わった不安定な天候の中、魚影の濃い下流域をスピナーベイトで攻めた岩堀航が初優勝をもぎ取った。

直前プラ

水温22度前後。本湖はポストスポーン~アーリーサマー、下流域はそれより少し遅くまだミッドスポーンもあり、等々諸説飛び交う今回の北浦水系。広大なエリアゆえに季節進行に多少のズレがあるようだが、概ねスポーニング最終期~回復期という感じだろうか。公式プラクティス初日の水曜日は台風の影響で激荒れ。本湖はまともに釣りが出来る状況ではなかった。翌木曜日は穏やかな天候になりエリア全域をチェックできる状況に。そのせいか北浦本湖でたくさんのボートを確認することができた。去年の秋よりは釣れるような感じもあるが果たして。

Day1

青空のもと7時半にフライトが始まった。上流側と下流側へ向かったボートの数は概ね半々。北浦本湖で勝負するボートが思いのほか多かった。この日は最下流域から北浦大橋までクルマでまわってみた。去年よりも工事箇所が多く湖岸に出ることが困難だったが、下流域では選手のボートをチラホラみることができた。

鹿島の煙突から立ちのぼる煙は真上に向かっていた。珍しいくらいの無風状態で地上に居る限りはかなり暑い一日だった。この日の晩のニュースで関東で今年初の真夏日を記録したことを知った。

天気良すぎ&風がなさすぎで釣果が心配されたが、蓋を開ければ4キロ超え続出の初日だった。

初日トップは小森嗣彦。後のお立ち台インタビューで「初日は何をやっても釣れた」と言っていた。途中でセーブし、去年の不調を吹き飛ばす4645gをウエイイン。

2位は沢村幸弘。本湖の2mまでにあるマンメイドをネコリグ(サワムラ・スイミーバレット4.8インチ+1/42oz)のボトム放置で4475g。

3位は小林知寛。下流域・ナサカの沈み物・北浦本湖の杭をヘビーダウンショット(エバーグリーン・ビビットテールとベイトブレス・パワーストレート)で4455gを持ち込んだ。

以降、小池貴幸 4,390g、青木大介 4,300g 市村直之 4,225 福島健 4,015gと800gチョイ平均でのハイウエイトが並んだ。全体でもウエイイン率は93%、リミットメイク率25%とよく釣れた初日だった。今思えば微風によりエリア全域でストレスなく釣りをすることができたことが大きかったものかもしれない。

Day2

予報がピタリとあたって2日目は終日小雨。気温は17~18度と昨日とは打って変わって肌寒い一日だった。後のニュースでこの日関東地方で梅雨入りしたことを知った。

朝はいかにも釣れそうな感じの曇天だったが、10時頃から南東の強い風が吹き始めた。南北に長いこの水系でこの風が吹くとエリアに大きな制限ができる。波は避けても4~5mの風に晒されながらの釣りはストレスがつきまとう。

今大会はスピナーベイト・クランクベイトをメインにしてる選手が多いもよう。この天気がそれらの釣りに有利に働くかと期待しながら検量を待った。

全体的な数字は前日とほぼ変わらなかった。しかし、上位の顔ぶれは激変した。

14時30分。真っ先に帰着・検量を行ったのは小野俊郎。「ただの5本」と謙遜しつつも自信アリげで検量台へ。結果、この日のトップエイトとなる4485gをマークした。本湖の水深40cm+ハードボトムでベイトを追う個体をノーシンカーリグ(ジャッカル・ヤミー)で狙った。

2位は野村俊介。本湖居合エリアの杭+オダをヘビーダウンショット(ベイトブレス・パワーストレート4.3インチ+5gシンカー)で狙いワンエリアで4本キャッチ。リミットメイクはできなかったが4465gをマーク。初日も同エリアで1672gを釣りビッグフィッシュ賞を獲得した。

3位は今江克隆。矢幡のサンドバーでヘビキャロ(イマカツ・3.5インチエリートクロー)とスピナーベイト(イマカツ・ジンクス スーパーブレード1/2oz)でリミットメイク。その後鹿行大橋上流側の杭をスモラバ(イマカツ・アベラバ3.5g)とネコリグ(イマカツ・セクシーアンクル)で狙い2本入れ替え。トータル4330gを持ち込んだ。

予選結果

天候が180度変わったことで初日と上位の顔ぶれが大きく変わった。予選2日間にわたって3キロ釣った選手が優勝争いに残った感じとなった。

暫定トップは初日13位・2日目5位の岩堀航。2位は5位・16位の青木大介。3位は9位・14位の川口直人。4位は22位・3位の今江克隆。5位は11位・15位の江口俊介、と、暫定トップ5の順位見てもいかに予選2日間安定したウエイトを出すのが難しいかがよく分かる。初日ノーフィッシュだった小野俊郎が2日目トップでぎりぎり30位だったのもトピックだった。

2日目の午後から強まった風は夜になっても衰えなかった。記者が泊まっていた潮来の宿では、夜半まで嵐のようだった。

Day3

薄曇りの中フライトが始まった決勝日。8時過ぎには真っ青な空に。はじめのうちは北西だった風が昼前から強めの北東に変わった。風下になる潮来スロープには大きめの波が打ち寄せていた。晴れ具合は初日と一緒だが、この日は風に泣かされる感じだった。

公式プラから数えて通算5日目のプレッシャー、そして競技時間の短さから最終日はロースコアになりがちだが、今大会はそれが顕著に現れる結果となった。いつもならば10名ほどトレーラーウエイインを行うが、今回は僅か4名。リミットメイクした選手は3名のみだった。

単日のトップは岩崎広。最下流域のテトラをネコリグ(OSPドライブクローラー4.5インチ#GP+1/32oz)で、取水塔をノーシンカーリグ(ゲーリー5インチカットテール)で攻め4本ながら4110g。2位は準優勝の篠塚亮で3920g。3位は小池貴幸。本湖のリーズ+リップラップをテキサスリグ(ゲーリークリーチャー)で、上流域の水門をダウンショット(ゲーリーカットテールワーム4インチ)で狙い3本で3700gをマークした。同選手は初日も4位であり、2日目の46位が悔やまれる。

暫定トップ5の殆どがトレーラーウエイインではない通常検量という波乱の最終日だった。

最終結果

優勝は岩堀航。予選をトップで通過、最終日2本1524gで2位。他の上位陣が総崩れだったこともあり、そのまま逃げ切った。

同選手は2009年にマスターズ年間4位で翌年からトップ50入り。単日シングルは何度かあったが、お立ち台は遠かった。しかし、3年目でいきなり初優勝の快挙を成し遂げた。ヒューマンフィッシングカレッジや河口湖のレンタルボート屋でのキャリアは青木大介の後輩にあたり河口湖のイメージが強い。しかし、以前は霞ヶ浦に毎日のように浮いていたらしい。今大会もプラクティスではまったく釣れなかったらしいが、以前の経験をもとにその時その時のフィーリングでスピナーベイトメインの釣りをしたという。いつでも確実に釣れるスポットは無いに等しいこの水系で、その類いの直感・センスは大事なのかもしれない。

暫定14位から一気に2位まで上り詰めたのは篠塚亮。T50tterによれば、最終日にして朝の早い段階でリミットメイクをしていたことに驚いた。この水系をホームとするだけあり、そのポテンシャルは凄いようだ。去年のクラシックと同じくあと一歩及ばなかったが、2年連続のお立ち台!

総合3位は馬淵利治。たまたま記者は木曜日の夕方に話をする機会があったが、いつもは自信満々な彼も今回は初めて「ダメっす」と弱音を吐いていた。事実公式プラ2日間で1本しか釣れなかったらしい。しかし初日21位、2日目10位、3日目5位と倍々ゲームで順位を上げ終わってみれば総合3位である。「その時その時の直感に基づき、行きたいところに行ってやりたい釣りをした」とお立ち台インタビューで語っていた。3日間バスワールド誌TSR記者が同船していたので、詳しくはそちらで。

総合4位は小森嗣彦。2日目にややスコアを落としたものの、最終日は会場前でリミットメイクの釣りに徹した。サイズは問わず5本揃える釣りがいかに難しいかはこの水系経験者ならだれでも理解できるだろう。そんな釣りをさらっとこなしてしまうあたりがこの選手の凄い所だ。3回目の同水系優勝はできなかったが、3度目のワールドチャンピオンに向けて第2コーナーを首位で抜けた。

総合5位は川口直人。けっして長ければ良いというわけではないが、プリプラは3週間やっという。自身が開発に関わったロッド(ダイワ・スティーズ ハーミット)と最先端のベイトフィネスリール(ダイワ・T-3エア)のワンセットのみで3日間戦った。長期プラによる場所・タックルに対する自信・実績をもとに迷うことなく護岸にネコリグを投げ5位に入賞した。

AOYレース

2戦を終えての年間暫定順位TOP10は以下のとおり

1位 小森嗣彦 111p
2位 岩堀航 107p
3位 加藤誠司 105p
4位 市村修平 105p
5位 野村俊介 101p
6位 川口直人 99p
7位 馬淵利治 98p
8位 山岡計文 95p
9位 沢村幸弘 92p
10位 小野俊郎 88p

次回第3戦は7月半ばの桧原湖で開催される。同湖を得意としてる小森がさらなるリードを広げるのか?暫定3位の加藤誠司は2年前の7月の桧原湖戦優勝者。ランキング上位常連の青木・江口・福島・今江らもジリジリとランクを上げてきた。ワールドチャンプ、そしてエリート5出場に向けた戦いは今年も熱い!

Editor's note

今大よく会耳にしたキーワードは3つ。一つ目はスピナーベイト。優勝の岩堀を筆頭にスピナーベイトを軸に戦った選手が多かった。単日上位選手でもその使用率は高かった。二つ目は「ブルーラメ」。お立ち台の3名が「ブルーラメ」が異様に釣れると語った。グリパン+ブルーラメやシナモン・ブルーラメのカラーがよく釣れるらしい。オブザーバーの写真を見ても、多くの選手が青ラメカラーのワームを使用していた。新たなブームが来るか? 三つ目は「バラし」。巻物・ワーム問わず、バラシに悩まされた選手が想像以上に多かった。プラグの場合はリアフック1本掛かりが多かったり、カバー撃ちではラインが手前に走るバイトが多いなど、理由はいろいろだが、兎に角バラしに泣いた選手はかなりいたようだった。

最後に。今回も多大な協力を頂いたオブザーバーの皆様へ感謝いたします。また機会があればよろしくお願い致します。

写真 NBCNEWS・オブザーバー
レポート NBCNEWS H.togashi

JBトップ50シリーズ2012

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