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ジャパンスーパーバスクラシック

11月24日()~11月25日() 徳島県 旧吉野川

ストーリー

晩秋・初冬のバスを釣り分けて青木大介が2度めのクラシックウィナーに!

11月24~25にちに2012年度のJBトーナメントの総決算となるジャパンスーパークラシックが徳島県旧吉野川で開催され、各大会の年間上位ランカー40名+会長推薦3名が全国から集結。JBマスターズ方式の2日間のポイント合計で競う形式が採用され青木大介が初日トップ、2日め5位の合計76ポイントで優勝した。今シーズンは不調だった同選手だが、最後の大舞台で復活の狼煙を上げた。

プラクティスデイ

マスターズ方式採用のため、プリプラは前週まで行われた。その頃はまだ秋の気配が濃厚でシャローのサイトやビッグベイト系、そしてミノー・シャッド系でグッドコンディションの魚が比較的イージーに釣れていたという声が多かった。そして迎えた23日の公式プラクティス日。記者も川に出てみた。トップ50の頃に比べ水質はかなり良くなっていたが、そんな景気のいい話はどこへやら?という印象。水温は12~13度あり水中は冬というよりは晩秋ではあるが、バスはおろかベイトフィッシュの気配もかなり薄かった。いっぽう、水面にはたくさんのカモが浮いており、枯れた植物の景色と相まって水上の景色は冬に近かった。
普通に釣りをしていては当然のようにバイトが無い状態。秋というより冬に近い印象。後にプリプラ時よりも5度程度水温が急低下したと知った。プリプラ時に好感触を得ていた選手もその変わり様に焦りの色を隠せなかったようだ。

Day1

曇で迎えた初日の朝7時。気温は10度でそれほどの冷え込みは無い。この日は7時に20cmで9時に0cm。帰着の15時までは40cmまで上がる水位だった。

9時頃、クルマで本流中~下流をまわってみたが本流中~下流が人気だった。トップ50戦で人気となるJR鉄橋~最上流はガラガラ。クルマからの撮影では収穫に乏しいため地元チャプタースタッフの協力を得て取材艇で回ってみた。何名かの選手に状況を尋ねたが、釣れていても1本のみという選手が殆どだった。釣り方はテトラ関係のライトリグとミノー・シャッドの釣りが多いように見えた。

そんな厳しい状況だったが、一人だけずば抜けて釣ってる選手が居た。青木大介である。11時に記者をすれ違った際、手の指を全て広げて合図をくれた。つまり5本釣っているという事。サイズまではわからないが、この時点で5本釣ってるのは凄いという言葉以外見つからない。場所も釣り方も他の選手とそれほど変わらないように見えるが・・・

終日曇天で気温もさほど上がらないまま15時の帰着を迎えた。

結果43名中ウエイインできたのは62%の27名。11月末の大会で過半数が魚を持ってきたといえば聞こえがいいが、殆どが1匹か2匹だった。ウエイトで言えば2キロ弱でシングル、2キロを超えれば優勝圏内という厳しい初日だった。

そんな中、唯一リミットメイクを果たしたのが青木大介。この状況で5本4140gを持ち込んでスタートダッシュを決めた。狙いどころは中下流域に残るウィード。そこに乗ってフィーディングしている魚をジグヘッドリグのミドスト(バークレイホローベリー+3/64ozジグヘッド)で攻め5連発を含む6本キャッチという快挙を成し遂げた。しかしながら、早い時間にリミットメイクしたものの、その後は何も起こらなかったという。

初日2位は3つ目のビッグタイトルを狙う小森嗣彦。朝の8時に会場前3mの沈船をダウンショット(ゲーリー・レッグワーム+2.7g)で1本、下流域のテトラ帯では「水深が1m以上ある岸に近い穴」というキーワードを7gテキサスリグ(ゲーリー・モコリークロー)で攻め3本。10時過ぎに記者の目の前で2本目をキャッチしていたが、その前にビッグサイズをバラしたとも言っていた。合計4本持ち込み3612gとした。

1位~12位までトップ50勢が並ぶ中、3位に割り込んだのはチャプター近畿ブロックから上がってきた北風暁人。共栄橋のブレイクに絡む橋脚をネコリグで攻め4本キャッチ、ウエイトを2530gとした。

Day2

快晴で迎えた2日め朝は放射冷却で前日より5度低い気温で始まった。金曜~土曜日は同じような曇天だったが、この日は終日晴れで日中は15度まで気温が上がった。タイドは前日とあまり変わらず、1時間後ろにずれて10時干潮。天気も180度違ったが、選手たちにとっての最大の違いは競技時間が短いこと。初日は15時だった帰着が2日めは12時。3時間も短いのである。この厳しい状況での時間短縮はかなりの痛手となった。

10時過ぎにクルマで一回りしてみたが快晴無風のタフな一日に見えた。ただし水温上昇に誘われたのか、流れが淀むシャローにはたくさんの小魚を見ることができた。

2012年JBトーナメント最後の検量が12時に始まった。大勢のギャラリーに来ていただいているが、結果は予想を超える低釣果だった。初日2位の小森、3位の北風がともにノーフィッシュの苦汁をなめることに。あの福島健までもがゼロ申告を行うほどであった。

半分がノーフィッシュで22名がウエイイン。うち13名が1本のみという結果。

単日トップはチャプター中国四国ブロックから参戦の守屋明斉。馬詰エリアのテトラ1.5~3mにジグヘッドワッキー(ゲーリー・スリムヤマセンコー5インチ+1/16oz)をキャストしシェイクしながら落としていく方法をもちいた。居れば簡単に食う感じだったそうで4本キャッチ。2268gをマークした。

2位は馬淵利治。上流エリアに沈むブッシュにバスが頻繁に出入りするのを発見。ワームではなかなか口を使わなかったが、シャッド(イマカツ・ワスプ55アワビ系カラー)に反応することを見つけた。半サイトのような釣り方で、そのスポットで4本キャッチしウエイトを2240gとした。

単日3位は1918gを持ち込んだJB九州AOYの杉山敏教。同選手は初日に三ツ合堰跡でダウンショットの(ゲーリーレッグワーム+2.7g)スイミングで1本キャッチしていた。2日めも同じ場所で同じ釣りを試すも不発。代わりにこの時期地元遠賀川で効果的な匂いつきワームのジグヘッドワッキーを岩の上を舐めるように落としていく方法を用いて4バイトとり2本キャッチした。

初日のトップ5中3名がノーフィッシュということで優勝争いは暫定1位の青木大介・5位の今江克隆・6位の山岡計文の3名に絞られた。全員の検量が終わった時点で、今江・山岡のウエイトを青木が上回っており、公式発表をまたずに青木の優勝を知ることになった。

Result

前出のとおり初日の早い時間に秋バスを狙いリミットメイクしながらも後が続かなかった青木は2日めは冬よりの釣りにシフトした。本流下流域のやや深めのピンスポットでスモラバ(クオン・エグジグ3/64oz+ゲーリー・ディトレーター)でスローな釣りを展開。必ず居ると信じているピンスポットにジグを落とし「シェイクで近寄ってきたバスがジグを見てる・・・絶対に見てる・・ここで一発ピュっと動かして、、、ほら食った!」というような妄想で釣りをしたらしい。

この手法はサイトマンが得意とする。シャローの見えバスを相手に場数を踏んでいる選手がよく使う手だ。バスがイライラするアクションや口を使うタイミング・アクションを体験・熟知しているからできる技である。青木の他に、マスターズ最終戦ウィナーの五十嵐も同じ方法で優勝している。口には出さないが福島健も同じ感じで釣りをしているはず。

そんなサイトをベースとした妄想フィッシングで2本1676gを持ち込んだ青木は単日5位の成績で合計76ポイントで優勝した。今シーズンは不調に喘いでいたが、去年のエリート5と同じ旧吉野川で有終の美を飾った。

総合2位はミスターディープウォーター山岡計文。狙った水深はなんと9m。地元アングラーもノーマークなそのディープを初日はメタルバイブ、2日めはジグヘッドワッキーで狙った。2日間とも6位と安定した成績で準優勝。

3位は今江克隆。初日はウィード絡みの橋脚をライトリグで3本2204gで5位、2日めはプリプラで好調だったというビッグベイト(イマカツ・アンドロイド)で1174gを仕留めた。

4位は神谷勇紀。かなり見えていたらしく戦前から一人ニヤけていた。プリプラほどの威力はなかったもののジャークベイトの釣りが効き4位入賞

5位は江口俊介。流れの巻くスポットをランガンし1.8gダウンショット(クオン・デリシャスシャイナー)とスモラバ(クオン。エグジグ1.8g+ゲーリー3inシュリンプ)のロングシェイクでタフな個体に口を使わせた。

これにて2012年の全JB戦が終了。最後にトップ50シリーズ年間上位5名と3大タイトル獲得選手の表彰が行われた。終わってみれば今年もいつもの顔ぶれが並ぶ表彰だった。その顔ぶれには30代の選手が多く世代交代が確実に進んでいることを実感する中年の記者であった。

写真・報告:NBCNEWS H.Togashi

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