ジャパンスーパーバスクラシック 10月31日()~11月01日() 奈良県 池原ダム

ストーリー

池原のポテンシャルを発揮しまくり
三原直之がビッグ5本で劇的逆転勝利!

2015年JBトーナメント最後の戦いジャパンスーパーバスクラシックが奈良県池原ダムで10月31日~11月1日に開催された。今年のクラシックは20名の少数精鋭大会。出場権利獲得者はトップ50年間上位7名、マスターズ4名、そして各ローカルシリーズの年間チャンピオン9名という狭き門。秋深まる聖地池原に16名が集結し激戦が繰り広げられた。

前日プラクティス

この時期では珍しい10m近くの減水。秋にこの水位になったのは3年ぶりらしい。水温は18度前後。記者は前日プラクティスを行う篠塚選手のボートに乗せてもった。プリプラクティスの時にはビッグワームのキャロライナリグで2キロフィッシュの手応えを感じていたそうだが、当時より更に2mほど減水しており、状況は変わっているとのこと。池原ダムは前鬼筋・白川筋・本湖・坂本筋・備後筋と大きく分けることができるが、殆どの選手を前鬼・白川筋で見ることが出来た。特に白川筋の屋敷跡と呼ばれるスポットが人気だった。それより上流は低水位と白濁で生命感が乏しい感じだった。逆にいうと、濁りが薄れる+S字カーブ+上流から見た最初のディープという屋敷跡に多くの魚(ヘラとゴリは無数に目視できた)を集めている印象だった。

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もう一つの人気エリアだった前鬼筋はバックウォーターからキレイな水が流れこんでおり、上流側はサイトフィッシングが可能が状況。ただし、浅いレンジで簡単に魚を見つけられる感じでないうえに、見えた魚もかなり天才化してるという話だった。

本湖は魚が薄いのか、選手・一般の方を含め殆ど見かけなかった。坂本・備後筋はボートでもクルマでも会場から離れているため、今回はノーチェック。結果的に備後筋上流がウイニングエリアになってしまったのが悔やまれる・・・

なお、地元の山岡計文選手に尋ねたところ予想優勝ウエイトは「単日3800くらいを2日間、合計7600で優勝」ということだった。

Day1

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例年晩秋に開催されるクラシックの朝は「霜・極寒」のイメージがあるが、今回は朝から13度もあり日中は20度近くまで上がった。ただし、深いV字の湖面は陽が当たりにくく体感気温は寒い。会場である白川筋のY企画さんスロープでフライトがはじまると上流組と下流組が半々という感じ。

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山岡計文選手のナビを受け白川と前鬼筋をクルマでまわってみる。前日プラクティスと同じく、この2つの筋で殆どの選手を見ることができた。サイズは不明ながら、比較的数は釣れている感じだった。

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結果、初日は15名が検量し7名がリミットメイクした。ただし池原らしいビッグバスは少なく、初日トップの福島健は粒ぞろいの5本で3608g。300g台のキーパーギリギリも多く持ち込まれた。ビッグバスを狙うことよりも、600g台でまとめつつのキロフィッシュ混ぜという感じが今大会の勝負どころだ、、、と、この時点では誰もが思っていた・・・気がした・・

Day2

この日はやや冷え込み朝の気温は7度だった。日中は20度近くまで上がったが、やはり湖上は寒かった。この日はボートで上位3名を追ってみた。

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まずは白川を遡る。最初の大きいベンド部に武田栄喜が浮いていた。深いインレット部には初日3位の郡司潤が岸沿いを流しながらビッグベイトをキャストしていた。初日は朝の早い段階でリミットメイクしたらしいが、今日はそんな空気ではなかった。少し上流で小森嗣彦のヒットシーンに遭遇。細川修平の姿も見えた。

Uターンし下流へ向かう。途中のインレットで初日6位の篠塚亮を発見。既に3本釣っているらしい。

前鬼筋を遡る。川幅が狭まり水もクリアになる上流域で、川又圭史・榎本淳市・青木大介を見かける。川又はディープをじっくり、榎本はビッグベイトを遠投、青木は半サイトの岸沿い狙いと、三者三様の釣りを展開していた。最上流には野村俊介が浮いていた。この4名は初日と同じポジショニングだった。暫定2位の野村俊介だが、8時半の時点で1本のキープだった。

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再び白川筋へ戻り屋敷跡で行ってみる。初日と同じポジジョンに浮く暫定トップの福島健をしばらく見てみた。ダウンショットを深い側にキャストし細かいシェイクを続けている。時おり鋭いフッキングをしていた。ノンキーはポロポロ釣っていた。
同じポイントのシャローには鈴木隆之。小さいながらも何匹かヒットさせていた。このポイントは人気スポットで小森嗣彦もあとからやってきた。小森は福島になにやら話しかけていた。軽くうけ流す感じの福島・・・

しばらくすると下流から青木大介艇もやってきた。福島vs青木の一騎打ち!と思われたが、青木は上流側のシャローを流し始めた。お互い会釈も会話も無いが、福島は上流側を振り返り青木の動向を気にしている感じが印象的だった。

初日4位の和田優樹を除き暫定1位から7位までの選手はカメラに収めることが出来た。ヒットシーンこそ撮れなかったが、なんとか写真ネタは集めたかに思っていたのだが・・・・

Result

14時に帰着が終わる。桟橋付近ではドヨメキが起こっていた。なにやら三原直之が5キロ以上釣っているとの噂が・・・

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検量の列に並ぶ三原直之。そのウエイインバッグは真っ黒でギューギューパンパン。2日間の総重量戦であるため、ホットシート方式で検量ショーが運営されたが、それが茶番に思ってしまうほど、三原直之の5本は強烈過ぎた。

優勝は初日3本730gで14位、2日目5本6905g、トータル7635gの三原直之。

池原ダム未経験だった三原は飛び飛びながら7日間のプリプラクティスを行った。結果、白川上流の濁り+シャローの巻き物で3~4キロの感触を得ていた。前日プラでは備後筋上流部にグッドサイズが居ることを確認。プリプラクティスで好調だった、白川の巻き物パターンでも1500フィッシュをとることができた。

そして迎えた大会初日。朝イチは白川上流へ向かうも40cmの減水と水温低下という現実を知ることになった。好感触を得ていたパターンをバッサリ切り捨て、すぐに備後筋上流へ向かう。最上流部のアウトサイドベンドに絡む岩盤+立木に、回遊するバスが立ち止まることは知っていた。その立木の真上を羽根物ビッグベイト(イマカツ アベンタクローラーのシェルラミネート)やワーム(イマカツ レインボーシャッド)のピクピクで狙った。結果、1500~2000フィッシュを4本バイトさせるも全部ミス・・・
ノーフィッシュを避けるために最後に坂本筋の最上流部へ。ブレイクに浮くたくさんのバスを魚探映像で確認できるキーパー場だ。残り45分という短い間にシャッド(イマカツ ジレンマスーパー)のドラッギングで小バスを10本ほどヒット。うち3本がキーパーで730g。16名中14位で初日を終えた。

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2日目は白川は捨て備後上流へ。目標を7キロに設定し、初日と同じ感じで立木を狙う。朝イチにアベンタクローラーで1本キャッチしスタートダッシュに成功。なお、この日からフックのスプリットリングを2個にしてフッキング率を高めた。イモラバ(イマカツアンクルゴビーの毛挿しチューン)のサイトでも1本追加。と、ここまでは良かったがその後は11時までその2本のみ。
途中からイモラバでの口の使わせ方を発見し、アベンタクローラーと合わせて合計7本キャッチ。入れ替えも行い最終ウエイトは6905gまでアップした。2日間のトータルは7635g。2位の野村俊介に1キロ差をつけての大逆転勝利を飾った。
5本リミット6905gは2015年JBトーナメントでの2位の記録である。また、戦前に山岡計文が予想したウイニングウエイトがピタリと当っていた事に驚いた(内訳は異なりますが)。

2位は野村俊介。エリアは前鬼のバックウォーター。朝イチ~10時くらいまでの無風時にハッチする虫→それにベイトが集まる→それにバスの群れが狙う、という食物連鎖パターンを発見。3ヶ所そのようなスポットがあり、それらをローテーションしつつ、ノーシンカー(ベイトブレス フィッシュテールリンガー)で食わせた。10時以降風が吹くと、それらのバスが一段下に落ちゴリ系のエサを食べている感じだったので、ダウンショット(ベイトブレス ベイン3.8インチ)のズル引きで狙った。初日3356g、2日目は3236g、トータル6592gで準優勝。

3位は福島健。2日間白川筋の屋敷跡ブレイクをショートリーダーのダウンショット(エバーグリーン 4.2インチボウワーム)で攻めた。ゴリ食いバスを狙っているため、ボトムを切らないようにダウンショットをズル引き。何かに軽くスタックしたあとのハズし動作で瞬間的なバイト~吐き出しがあるらしい。その一瞬のバイトを逃さぬよう鋭いフッキングをしていた。2日間ともにキーパーを10数本キャッチ。フィッシングサイボーグ恐るべし。

4位はマスターズ年間1位の郡司潤。初日は白川にあるクリークでビッグベイト(ガンクラフト ジョインテッドクロー)とライトキャロライナリグで早々とリミットメイク。その後前鬼筋に移動し、ライトキャロライナリグで入れ替え。600g台で揃えた。2日目は朝イチにジョイクロでキロフィッシュをキャッチ。その後は、白川本流の岬周り5~8mをライトキャロで狙いリミットメイク。トータル5768gを持ち込みお立ち台へ。弱冠ハタチながら、初の大舞台でその存在をアピールした。

5位はクラシックに強い篠塚亮。プラクティスでは岬絡みの10mフラットで好感触を得ていたが本番では不発。白川・前鬼のワンド系フラット8~10mを1/2ozキャロライナリグ(レインズ エコスワンプ)とダウンショット(レインズ エコスワンプミス)で初日4本で1874g。2日目はダンショットでリミットメイクに成功し3570g。トータル5444gで総合5位に入賞した。

※12月28日に釣りビジョンの特別番組として放映されます。詳細はそちらでお楽しみください。

報告:NBCNEWS H.Togashi
写真:NBCNEWS
タックル写真Yagu-an

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