JBマスターズ 第1戦 シマノCUP 03月14日()~03月15日() 千葉県 亀山ダム

ストーリー

2015年3月14日~15日に千葉県の亀山ダムでJBマスターズ第1戦シマノCUPが開催された。冬でも春でもないビミョウな季節のリザーバー戦に111名の選手が苦しんだ。シャローカバーでのキッカー1発狙い、ディープ~ミドルのライトリグでキーパーサイズを集めるか。どちらをとってもバイトは果てしなく遠く初日18%、2日め27%の低ウエイイン率だった。そんな中、初日3本1014g、2日め4本1650gを持ちこんだ榎本淳市がマスターズ5年目にして優勝カップを手中に収めた。

プリプラクティス~前日プラクティス

プリプラクティス期間は水温が8~10度で春になりきっていなかった。オフリミット期間に気温・水温の上昇を願うものは多かったはずだが、寒波と雨・強風の日が続いた。結果、前日プラクティスの金曜日も水温は変わらずだった。ただし、この日は快晴・微風でエリアによっては表水温が10度を超えるところもあった。なお、バックウォーターは水温が6度ほどしかない。春に向かうであろうシャローの個体を狙う選手は季節の足止めにガッカリ。その一方で冬に近い深めの魚を狙う選手にはシテやったりの状況だったのかもしれない。

初日 釣ってきたのは僅か21名。小池貴幸が2500フィッシュで暫定トップに。

7時過ぎに111のボートが湖上へ静かに散っていった。エレキのみの大会なので、大会中の大移動は難しい。朝イチにどちらへ向かうかが、勝敗を分けることになる。会場の月毛公園からみて、ダムサイト側へ向かうボートが7~8割を占めた。

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初日は前半薄曇り、後半曇天~小雨というコンディション。気温はなかなか上がらず水温上昇もそれほど望めそうにない。道路からいくつかの場所を見てまわったが、ライブウエルが稼働しているボートは僅か3艇しか見ることができなかった。その内の2艇は会場すぐ横のクリーク部に浮いていた。

はたから見ると(1)亀山名物のショアラインに倒れる竹カバーを撃つ (2)川筋の少し沖の地形変化をライトリグで狙う (3)数少ないシャローフラット~ミドルで横の釣り (4)ディープフラットで冬の魚を狙う
という感じで初日は(1)と(2)が多かった。

強風になればシャローフラットのワカサギパターン(ミドストやジャークベイト)も通用するらしいが、今大会は2日間とも微風だった。

14時に検量がはじまる。リミットメイクは誰もおらず、最高が榎本淳市の3本。ほとんどが1本のみの検量で、貴重なワンバイトをいかにものにするかという神経が磨り減りそうな釣りを強いられる初日だった。

そんな中、トップウエイトを叩きだしたのは小池貴幸。前日プラで色々試した結果、唯一バイトっぽい感触があったのがシャローカバー撃ちで大会当日はそれに賭けた。4gシンカー(ゲーリーSUGOIシンカー)にボリュームのある4インチクローワームをセットしたテキサスリグで、カバーの一番岸側へ静かに丁寧にアプローチ。一発のバイトが50UPの2514gというキッカーフィッシュだった。

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2位は早野剛史。押切沢最上流のサイトフィッシングで1本。中流域の立木根本へ重めのネコリグを投入し1本キャッチ。2匹ともサイズがよく1416gを記録。

3位は須藤雅弘。前出の会場横クリークに浮いていたのは須藤だった。

優勝の榎本淳市は3本1014gで初日4位。唯一3本釣ってきた選手で、優勝のポテンシャルをもつ戦略だったことが初日から垣間見ることができる。

全体的には111名中釣ってきたのは21名。釣れたバスは29匹という厳しさだった。

検量率上昇の2日め

2日めも初日と同じような天気で水温上昇や強風は望めない感じだった。大きく変わったのは選手の位置。初日はそれほど多くなかった会場前~ダムサイトのエリアに船団ができていた。会場前は亀山ダムでは珍しいなだらかな地形。初日に釣れた情報が出回ったのか? そのシャローからディープまでたくさんのボートが浮いていた。

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初日3位の須藤が浮いている会場横クリークに目をやると早くもライブウエルが稼働していた。また、その奥側の選手も釣っているようだ。望遠レンズ越しにみてみると、奥側の選手は********だった。この両名は初日~2日めとも同じ場所をキープしていた。更にその奥に浮いている鬼形毅のボートからもホースが垂れていた。今大会もっともホットなスポットはここだったようだ。

お昼に小雨が降ってきた。検量まであと1時間。トップ50昇格を狙う選手にとってこの第1戦はなにがなんでも1本はウエイインしたい大会だ。人によってはその後の人生を左右しかねない最後の1時間。緊迫した空気が湖上を包んでいた。

結果、2日めは111名中30名がウエイイン。検量率は少し上向いた。

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会場横クリークで粘りきった********が3本キャッチし2034gで2日めのトップウエイト。同選手は初日11位だが、暫定1位・2位がノーフィッシュであること、2日連続で釣った選手が少ないことから、お立ち台は確実となった。

検量終盤にやってきたのが榎本淳市。4本で1650gを持ち込み単日2位。釣った数を競う大会ではないが、ここまで厳しい状況で2日間合計7本釣ってきた榎本淳市の狙いはパーフェクトだった。

良い魚で会場を沸かせてくれたのが阿部進吾。2日間カバー撃ちをやりきった。初日は1本掛けたものの宙ぶらりんでミス。2日めも集中して撃ちまくり11時過ぎに「ばあさんワンド」でチャンスが来た。5gテキサスリグ(イマカツダッドカット4インチ)を襲ったのは1502gのグッドサイズだった。この1本で単日3位に。

なお、2日間連続して釣った選手は僅か11名だった。

やや深めの魚をライトリグで狙うのが正解だった

というわけで、気難しい3月のリザーバー戦を制したのは榎本淳市。サッサ下と呼ばれるエリア~笹川エリアのディープに沈むオダや岩盤を狙い初日は3本キャッチ。2日めも同エリアの岩盤部でオダを魚探で見つけバーチカルに釣る方法で早い時間に3本キャッチした。使ったのは2.2gダウンショットリグ(OSP HPシャッドテール)その後粘ったがバイトがないため、笹川方面へ移動。途中、ボイルに出くわし、ミドルの早巻き用で用意していたシャッド(ジャッカル・ソウルシャッド)をキャストし4本目をキャッチ。この状況下で初日3本、2日め4本という脅威の数を叩き出し初優勝となった。

2位は********。プラクティスでカバーを撃ったものの反応が無いことから、季節を一段階戻して深めの魚を狙った。2日間会場横クリーク入り口で粘り倒し、2.7gダウンショット(OSP HPシャッドテール・ガルプ!マイクロクローラー)をゆっくり丁寧にズル引きし、引っ掛かりのあるところでバイトの間を与えた。初日は小型ながらも朝イチに2本。2日めは朝400、500と釣り、お昼前にキロフィッシュを追加。それが効いて合計2034gで2日めトップ。初日11位ながら総合2位までまくった。

総合3位は鈴木隆之、4位は武田栄喜。両名の狙い方は似ていた。3位の鈴木は柳島周りの2~3.5mブレイクで2日間粘った。必ず春の魚が差してくると信じ、ネコリグ(OSPドライブクローラー4.5インチ)やキャロライナリグ(OSPドライブクロー3インチ)を投げ続けた。結果2日間で3回のバイトが訪れ、すべてミス無く取り込んだ。初日2本902g、2日目1本726gでお立ち台へ。4位の武田も同じエリアだった。3~4mのブレイクを1/16ozジグヘッドリグ(クオン エグジグトレーラー)で「浮かせないようボトムをきっちり」とって両日1本ずつキャッチ。2日目の1本が1128gだったことから単日6位、総合4位となった。

5位は郡司潤。白鳥島対岸の馬の背・トキタボート近くの岬、いずれも7mあたりを2.7gダウンショットのズル引きで狙い2日間合計3本キャッチ。500gアベレージが功を奏し5位入賞。

一年で最も気象の影響をうけるのがこの時期である。この原稿を書いてる月曜日は温かい。明日は更に暖かくなる予報だ。もし開催が一週間後だったらなら、鈴木・武田の釣りが炸裂したかもしれないし、カバー撃ち組みがスーパーウエイトを叩き出したかもしれない。でも、それはあくまでも机上の妄想。結果的に今回は冬寄りの釣りが正解だった。

この大会結果をみて「カメヤマ、まだ釣れなさそう」と思われるかもしれないが、春はもう目の前。レンタルボートの充実度・魚影の濃さ・ビッグフィッシュ率・カバー密度は日本有数の亀山ダム。特に今時期はロクマルの可能性も大。これをご覧の皆様、釣れなかった選手達のリベンジをぜひ!


なお、今大会魚を釣ってきたのは41名。AOY獲得とトップ50昇格のチャンスは事実上この41名に絞られた。トップ50昇格に目を向けると、41名から現トップ50メンバーを除いた29名が候補選手となる。次回第2戦は4月11日~12日にサンラインCUPとして三重県の三瀬谷ダムで開催される。

写真・報告 NBCNEWS H.Togashi

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