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JBトップ50 第2戦 ベイトブレスCUP 06月03日(金)~06月05日() 愛媛県 野村ダム

ストーリー

地道な魚探掛けが功を奏し北大祐がV4!

2016年JBトップ50第2戦ベイトブレスCUPは6年ぶり2回めの愛媛県野村ダムでの開催となった。トーナメントレイク固定化に伴い各会場の「釣れる場所」の解明が進んだ近年において今大会は選手間の場所に対する経験値の差が少ない珍しい大会だ。季節はスポーニング終盤期で上流域の回復したビッグバス狙いに人気が集中。しかしプレッシャーや天候変化で上流パターンは2日間しか保たなかった。そんな中、2日目終盤にミドルレンジで釣った1本からヒントを得て最終日に3キロを超えた北大祐が唯一のトータル10キロ超えで逆転優勝。プラクティス中殆ど釣りをせずひたすら魚探掛けをし地形データ収集に励む北大祐の地道な努力が実を結んだ結果となった。

野村ダムについて

記者は野村ダムに浮いたことが一度もないため、道路から見える範囲で野村ダムの説明を行いたい。下図にあるように肱川という本流をメインとする比較的小規模なリザーバーである。現時点でボートが行ける最上流からダムサイト手前のトーナメントエリア最下流までの距離がおおよそ5km。参考までに遠賀川の大会エリアが約9km、河口湖の東西が約6km。早明浦ダムと旧吉野川が12kmである。

image NBCチャプター愛媛資料より
image 肱川上流
image 稲生川上流

下流域で稲生川が交わる。更に下流のダムサイト方面は道路から殆ど見えないため不明。今回は田植えの影響で本流が白濁していた。特に雨の影響で2日目以降は濁りが顕著になった。稲生川はクリアな水が流れ込みサイトフィッシングも可能な状況。他にも小さいインレットは各所にあり、本流が濁っているだけにフレッシュな水が入るそれらは有望なスポットとされた。水位は満水にちかく中~下流域はオーバーハング地獄となっていた。

水がよいエリアの浅場にはオイカワやアユがたくさん群れていた。ボトムにはハゼ系の魚もちらほらみることができた。季節はスポーニング終盤。いわゆるポスト~アフターのバスが多くを占めていたようだ。

今回のホットスポットは2本の川の最上流。そこの魚は他に比べて明らかにサイズ・コンディションが良かった。結果、久々にみる船団戦だった。最上流を陣取るにはフライト順が重要になる。トップ50のフライト順は初日の朝にクジ引きをする方式。このクジに書かれた番号が初日のフライト順、2日目は逆からのフライトになる。つまり1番クジを引くと2日目は最終フライトになる。3日目決勝は予選順位順になる。故に初日朝のクジ運が結果に大きな影響を及ぼすのだ。

Day1 本流上流組が爆発。吉田秀雄が5695gでトップに

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天気は晴れ。朝は少し肌寒かったが日中は暑いくらいの天気になった。肱川と稲生川の上流部は船団が形成された。特に本流上流は魚影が濃いようで、開始直後からヒットシーンを何度か見ることができた。後日談では、この好天で魚が浮いてオーバーハングや縦ストの釣りが良い結果をもたらしたとの声が多かった。また数少ないプリの魚もこの気温上昇で動き出したという声も聞かれた。

結果、初日はよく釣れてウエイイン率96%。うち半数近くがリミットメイクを果たした。数的には桧原湖並によく釣れる大会となった。ただキーパーギリギリの300g前後の魚も多く、5本揃えても1500gという選手もいた。その一方で本流上流の魚は別格でキロアップが多く釣れ5キロ超えが2名出た。

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初日トップは吉田秀雄。好フライト順を活かし肱川最上流部でグッドサイズを連発。その少し下流に浮いた茂手木祥吾も5キロを超えた。以降3キロ台を持ち込んだ選手の殆どは肱川上流組だった。

Day2 降雨前に本流上流が再爆発。今江克隆が5390gを持ち込む

天気は曇り。気温は朝から20度。9時から終日雨の予報。

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フライト直後から肱川最上流へ行ってみる。堰堤下に浮いていた今江克隆がスイムベイトでグッドサイズを連発。多くのギャラリーの目の前であっと言う前に推定4キロ近くをライブウエルに収めた。
初日トップの吉田秀雄は上流から3番手に浮いていた。時々ヒットさせるもののサイズには恵まれず。

ボートの数は初日を上回り、狭いエリアに10艇以上ひしめく異常事態。それでも、ポツポツとグッドサイズが釣れており、このエリアのポテンシャルに驚いた。

8時過ぎに予報通り小雨が降り出し昼前に本降りになった。この雨で魚の活性が上がるかと思われたが、実際は逆だったようで、岸沿いや表層近くの魚を狙っていた選手の多くが魚を見失うことになった。

魚が沈んだことにいち早く気づき、最下流部にあるやや深めの地形変化でキーパーを連発させていたのが北大祐だ。最後に稲生川へ入り5mラインへ送り込んだキャロライナリグにヒットしたのがその日最大の700g。その1匹が今大会のキーとなった。

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2日目トップは今江克隆。最上流部で3本キャッチし最後に会場近くのインレットでもグッドサイズを釣り4本ながら5390gをマーク。2位は横山朋毅。最下流オイルフェンスに付くグッドサイズを狙い4325g。3位はルーキー郡司潤。上流の護岸にクランクベイトをキャストしラスト1時間30分で怒涛の連発。3370gを持ち込んだ。

全体的にウエイイン率は98%とこの日もよく釣れた感じだが、リミットメイク出来ない選手も多く、上位のウエイトも徐々に落ちてきた。

予選結果 今江克隆が8362gでトーナメントリーダーに

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予選トップは今江克隆。2位は吉田秀雄。その差は僅か693g。この2名は明日も本流最上流でのつばぜり合いになるだろう。3位北大祐・4位市村修平は雨の影響を受けるであろう最上流組ではない。どこで釣っているかわからないだけに、逆転優勝の可能性は高い。

予選通過にはおおよそ3500gが必要。キーパーカツカツ5本では予選通過が厳しく1本でも700g超えが必要な感じだった。

Day3 最上流組が撃沈・・・

前日に梅雨入りしたらしく最終日も曇りベースの天気になった。

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フライト直後から肱川最上流の激戦を見に行った。ツィッターにも書いたように、雨の影響で濁りが更に悪化。流入量も増え今江克隆・吉田秀雄のロッドはなかなか曲がらなかった。少し下流の小林知寛・茂手木祥吾も沈黙が続く。濁りの影響は想像を超えるものだった。

その頃、公式ツィッターのタイムラインには北大祐・市村修平の好調ぶりが流れた。

結果、暫定トップの今江克隆はノーフィッシュとなってしまう。吉田秀雄も4本1526gを釣るのが精一杯。最上流は3日間もたなかった。

Result 魚探がけの鬼、北大祐がノーマークに近いミドルレンジをキャロライナで攻略

北大祐は2日目の終盤に稲生川の4~5mラインで3回のバイトを得て、2回ミスしたものの、その日最大の700gフィッシュを釣り上げた。それまではキーパーカツカツしか釣れかなったのが、いきなりのグッドサイズのラッシュに遭遇した。決勝日もそのスポットに何度か入り直し、1300gを筆頭にグッドサイズを複数キャッチした。結果、最終日は3386gまでウエイトを上げ唯一の総重量10キロ超えで優勝した。

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北大祐は「魚探掛けの鬼」と呼ばれる。プリプラクティスは8日間入って7日間ひたすら魚探掛けをしたらしい。基本的にどんな会場でも釣りをせず魚探掛けしている印象だが、野村ダムは経験・データが少ないため、特に念入りにデータを集めたそうだ。もちろんそのデータで等深線入りマップの生成を行っている。今大会は約半数の選手が上流部を狙っていた。それ以外の選手も殆どはシャローカバーやオーバーハング、オイルフェンスなどの目に見えるものを狙っていた。もしくは表層に浮いてくる魚を狙っていた。そんな中、目に見えない5mレンジの地形変化を狙った選手は皆無に等しかったが、それをしていたのが北大祐だ。

「雨とプレッシャーで魚が浮いていないからレンジを下げる」と言葉で書くのは簡単だが、実際にそれを実行するのは勇気がいる。何らかの場所に対する「自信・裏付け・根拠」がなければ出来ない。特にトーナメント中であればなおさらである。が、大会中でもそれができるのが北大祐だ。今大会は2つの場所でそれを行った。一つはオイルフェンス近くの水中岬+ガレ場、もう一つは、稲生川スロープ切れ目。いずれの場所も近くにはグッドサイズがたくさん居る場所であるのは間違いない。ただし2日目以降は目視できるところから姿を消した。そこで北大祐はそれらのバスがどこに動くかを推測した。

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稲生川でいえば、バックウォーターにいた大量のグッドサイズがボートのプレッシャーや天候悪化から逃げてきて最初に留まるスポットはどこか?と考える。結果、恐らく上流から見て最初のブレイクとスロープの切れ目が交わる部分だろうと推測した。それが見事に的中して優勝フィッシュを次々とキャッチできたのだ。このように文章に書くと簡単に思えるが、今回のキーは5mライン、つまり目で確認できる地形変化ではないこと。それはつまり、プリプラクティスでの鬼のような魚探がけ&データ録りから得た彼なりの根拠・自信があってこその場所選択だった。

同選手のもう一つの強みは釣りのひきだしが多いオールラウンダーであることだ。普段は琵琶湖でガイド業を営んでおり、パワーフィッシング・巻き物などはお手の物。一方で野尻湖・桧原湖の繊細な釣りも得意だ。霞水系での上位入賞も多く水の色も問わない。彼が入賞したときにタックルの写真を撮りに行くと、他の選手よりも使ったタックルが多いケースが殆どだ。「このルアー」「この場所」と決め打ちせず、その場その場の雰囲気で何でも器用にこなしていくタイプ。本人いわく「常に首の皮一枚の綱渡り状態」だが、調子がいい時は上位入賞(前回の早明浦戦がそれ)。綱渡りの途中で何らかのキーを見つけられた時は綱の上を走ってゴールイン。それが優勝というイメージだ。

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キーを見つけて追い込んで優勝というのは福島健に近い。ただ、福島の場合は、直前プラもしくは大会の早い段階にそれを見つけるのが上手い。そしてリグまで決める。よって、ロッドを1本しか積まなかったりする。今回の北大祐は大会2日目前半までは、オールラウンドな釣りで数を重ね、終盤からキャロライナリグで追い込んでの優勝だった。

更に付け加えるなら、北大祐はタックルオタクな面もある。大会後、入賞した選手にタックルの写真を撮りに行くのが恒例になっているが、タックル・小物の名前をうろ覚えだったりする選手が少なくない。しかし、北大祐はロッド・リール・ライン・シンカー・ワーム・フック全ての名称・品番までスラスラ言える稀有な存在。ワームは今年からのエコタックルルール採用で商品名がうろ覚えだったりしたが、フックの名称・番手など完璧に覚えている。それは、普段から釣りをしまくり魚を釣りまくり、自分なりの完璧なタックルバランスを確立しているからに違いない(もしくは天才的に記憶力が良いのかも)。

4年連続で優勝。なかなかできるものではない。ゆえに、なぜこんなに強いのだろうか?とついつい長文になってしまったし、本質から逸れているかもしれない。しかし、誰よりも魚探掛けデータの収集に時間を掛けているというのは間違いない。

総合2位は市村修平。2011年にトップ50昇格。去年第2戦で初オタチ。それで一皮むけた感がある。

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初日はフライト順が良かったので狙い通りの場所に入れ、自身が開発した小魚イミテートのワームを使い、表層をメインに釣っていき3980g。2日目はフライト順が悪いため全域をライトリグで周ったもののキーパー3本が限界。閃きで投げたフロッグに一投目からバイトがあったため、そこからはひたすらフロッグをキャスト。最後に会場付近の流れ込みでキッカーをキャッチし3150g。予選4位通過となった。
最終日はフロッグに出るものの甘噛に悩まされ、ライトリグの釣りにシフト。なんとかキーパーサイズを掻き集め2460g。同郷の北大祐には1032g及ばず準優勝。

3位は吉田秀雄。3日間通して肱川最上流勝負。

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前日プラですぐに50アップが釣れたこと、フライトが良かったこともあり、同じ場所で心中。2日目1974g、3日目1526gと低調だったが初日の5695gが効いてトータルウエイト9195gで3位に踏みとどまった。

4位は鈴木隆之。

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予選は2キロ×2日間で21位通過。そして最終日に1900フィッシュ×2という奇跡を起こし単日トップウエイト。トータル8829gで嬉しいトップ50初オタチ。

5位は今江克隆。

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2日目の堰堤下連発劇は見ているものを興奮させた。激流の中スイムベイトをダウンストリームで泳がせたうえに、太いシングルフックを遠くで貫通させミス無くランディングする姿には感動すら覚えた。3日目は濁流&水量UPでその釣りが沈黙してしまったが、それまでの貯金が効いて5位をキープした。

AOYレース

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第2戦終了時点でのポイントランキングこちら。前回の上位陣が軒並みスコアを落とす中、北大祐が連続お立ち台でポイントリーダーに。
前回2位の市村直之は予選30位通過だったが「まくりの市村」発揮で総合14位までジャンプアップ。トップとの差は11ポイントまで縮めた。
3位には鈴木隆之が入った。桧原湖出身だけに第3戦・4戦にも期待がもてる。
4位に五十嵐誠・5位に福島健といつもの顔ぶれが並び、6位に大塚、8位今江、9位関和とベテラン組も健闘している。
小森嗣彦は10位、青木大介が13位。まだまだチャンピオンの可能性は十分に残っている。
終わってみればいつもの5名となるのか、新たなスターが生まれるのか!今後も目が離せない。

第3戦東レソラロームCUPは7月8月~10日に奈良県七色ダムで開催される。

写真 NBCNEWS/BASSMAGAZINE
レポート NBCNEWS H.Togashi

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