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JBマスターズ 第4戦 ダイワCUP 10月08日()~10月09日() 長野県 野尻湖

ストーリー

最終戦を制したのはマスターズの新鋭・咲花之人選手。
A.O.Yは11年ぶり、2度目の福島 健選手。

JBマスターズの最終戦といえば秋の野尻湖。
キャリアアップを目指してこのシリーズに参戦している選手にとって、気ままなスモールを相手にしなければならない野尻湖戦は最後の鬼門となる。

シリーズ第1~3戦の総合成績トップで今大会を迎えたのは、TOP50の福島 健選手だった。マスターズシリーズ総合優勝者に与えられるタイトル『アングラーオブザイヤー(A.O.Y)』は2005年に獲得している。今回獲得すれば11年ぶり、2度目となる。

TOP50の最前線で活躍する福島選手にとって、このマスターズとはどのような存在なのか。
ストレートにそのことを質問すると、
「う~ん、ハズしても笑っていられるのがマスターズ。TOP50じゃ、そうはいかないですから」と冗談交じりに答えてくれた。
「このシリーズはTOP50とはまた違ったレベルの高さがあるし、ヤル気がある若いメンバーが次々と出てくるので刺激をもらえますしね。だからマスターズがいつもでも熱いシリーズであってほしいという気持ちもあって出続けているんですよ」とこのシリーズへの思いを語ってくれた。
TOP50の上位を争う選手はその最高峰のシリーズだけに集中する選手が大半だが、福島選手にとってTOP50の5戦だけでは勝負勘を維持するのが難しく、このマスターズはいろんな意味でヤリガイのある職場となっている。
マスターズシリーズには活動スケジュール的にプリプラクティスの時間はとれないけれど、もちろん全戦真剣勝負。今シーズンは11年ぶりにタイトル奪還のチャンスが巡ってきた。

最終戦までの総合順位は、
1) 福島 健(319P)
2) 冨沢真樹(296P)
3) 植田 陽(288P)
4) 高山陽太郎(284P)
5) 福山剛史(251P)

福島選手とA.O.Y争いをする一番手、冨沢真樹選手は福島県出身で昨年の春にヒューマン河口湖校を卒業したばかり。マスターズ1年目のルーキーながら、河口湖のホテルに勤務しながら長時間の昼休み(5時間)を活かしてほぼ毎日湖に浮かぶ努力家だ。
ポイント差から上位5位くらいまでに可能性は残され、厳しいと誰もが口にしたコンディション下でA.O.Y争いが繰り広げられた。

DAY 1
フラットを攻略。乃村弘栄選手が
ただ一人リミットメイク

大会初日、低気圧が近づき、昼前後に南の風が強まる(8~9m)予報が出ていた。ミーティング時に役員で協議し、会場が南に面していることから帰着時間が12時に変更された。競技時間が通常より2時間短縮され、選手にとってはさらに厳しいゲームの組み立てを強いられた。

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初日のウェイイン率は55%。参加104名中、バスをキープできたのは58名だった。
4本キープした選手がいない中で、唯一5本のバッグリミットを揃え、トップウエイト(3,342g)を叩き出したのがTOP50の乃村弘栄選手だった。
乃村選手が入ったエリアは会場から見て琵琶島の向こう側にあるフラットエリア(水深は9m前後)。イモ系のキャロで4本、ダウンショットで1本という内容だった。

2位に付けたのは注目の若手、咲花之人選手。水道局に向かって左側にある岬沿いのバンクをイモ風に改良したシェイクシャッドのキャロで攻略。ボトムマテリアルがロック系から砂にかわる8mレンジの沈み岩回りで3本のグッドサイズを絞り出し、3,016gまでウエイトを高めた。

初日に3kgをクリアしたのはこの2選手のみで、昨年度のA.O.Y、郡司 潤選手が2,802gで続いた。

A.O.Y争いはなんと全員が苦戦。福島選手、冨沢選手が1本ずつ。そして、3~5位に付けていた選手がノーフィッシュ。福島・冨沢両選手に今年のA.O.Yは絞られた。

DAY 2
またもシャッドが炸裂。
近藤健広選手が4,065gのビッグウエイト!

2日目は早朝に寒冷前線が通過する気圧配置となり、深夜から夜明けごろまで雨足が強まった。天候は回復傾向だが、一時的に冬型の気圧配置となり、北風が強まった。
スッキリしない天候だったが、2日目の競技時間は通常通り。ただ、時短となった初日よりもこの日の方が湖面は荒れていた。
風向きが前日とは逆となり、夜中にまとまった雨。この気象変化でスモールの活性がどう変わるのかが注目される2日目となった。

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2日目の上位陣はがらりと顔ぶれが入れかわり、野尻の常勝メンバーがグッドサイズを持ち込んできた。北風の方がスモールの動きを追いやすいのか、それとも競技時間が1時間長くなったことが影響しているのか、2日目の方がリミットメイク率もバスのキープ数も大きく前日を上回った。

2日目のトップウエイト(4,065g)をマークしたのは、2年前の野尻湖戦ウイナーの近藤健広選手だった。アプローチは前回のウイニングパターンと同じく、強気のシャッド使いである。
キャッチしたキーパーは、キャロシャッドで2本、シャッドのドラッギングで2本の計4本。エリアは砂間ヶ崎、琵琶ヶ崎、国際村などが中心で、岬回りなどバンクに近いブレイク沿い(水深4~8m)にシャッドを通して結果を出した。4本それぞれ違ったスポットでバイトしてきたそうだが、今年も野尻湖戦でビッグフィッシュキラーぶりを発揮した。

この日2位に付けたのは野尻湖ガイドとして実力を付けてきた林 晃大選手で、寺ケ崎や水道局右側などの張り出したエリア(水深10mライン)をOSPハイカットのキャロシャッド(7g)で攻略。初日は5本掛けるも2本しか取れなかったが、2日目は7本掛けてリミットメイク。1本入れかえて3,574gとした。

3位は三井 潤選手(3,148g)、4位は瀧本英樹選手(3,008g)、5位には礒野恒二郎選手(3,000g)と野尻湖に強い選手が続き、5位までが3kgをクリアした。

第4戦 TOTAL
マスターズ2年目の咲花之人選手が逆転勝利!

目まぐるしく状況が変化する中でゲームが進行した今大会。2日間連続でウエイトをまとめるのが難しいコンディションだった。
しかし、初日上位2選手は2日目も踏ん張り、優勝は乃村、咲花両選手のどちらかに絞られた。

暫定首位で2日目を迎えた乃村選手は、琵琶島のフラットから入るも、前日と逆風で反応がわるく、1時間で見切りを付けて移動。カトリックエリアでシャッドとキャロを使い、3本・2,482gでフィニッシュした。
そして、咲花選手は2日目も前日と同じ水道局ワンドで4本を絞り出し、2日目・6位となる2,936gまでウエイトを高めた。
マスターズは2日間のトータル得点で順位が決定し、咲花選手は214Pとし、乃村選手(210P)を4P上回ってマスターズシリーズ2年目で頂点に立った。

前回の霞ヶ浦戦に続いて乃村選手は連続の準優勝となった。

今大会3位には、水道局ワンドをキャロを中心にスピンテールなどで攻めた黒田健史選手が入賞。

4位は2日目にキャロシャッドで追い上げた林 晃大選手、5位には琵琶島のフラットをキャロで攻めた織田伸彦選手が続いた。

シリーズ TOTAL
A.O.Y争いのベテラン・福島 健選手、ルーキー・冨沢真樹選手ともに2日目も苦しんだ。

福島選手は初日にシャロー勝負に出て、フォローのディープで1本。2日目はディープメインのパターンを組み立てるも、風が出たタイミングで移動したシャローで1本仕留めただけで帰着時間を迎えた。

一方の冨沢選手も樅ヶ崎と琵琶ヶ崎で2日間を通して1本ずつという結果。ウエイトでは2日間ともに福島選手を上回って追い上げを見せたものの、逆転には至らなかった。

11年ぶりに福島 健選手がA.O.Yのトロフィーを手中にした2016年のJBマスターズ。
今年も実力のある若手選手が次々と誕生し、これからも新旧の対決が楽しめそうだ。

写真・レポート:バスマガ編集部 K

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