JBJBマスターズ第1戦イズムCUPストーリー

2023年 03月25日()~03月26日() 奈良県 津風呂湖

JBJBマスターズ第1戦

イズムCUP

2023年 03月25日()~03月26日()

奈良県 津風呂湖

ストーリー

青木 唯がまたやった!
JBマスターズ怒涛の3連勝。誰も彼を止められない!?

JBマスターズプロシリーズ2023は奈良県・津風呂湖で開幕した。この会場では2年ぶり2度目の開催となる。同県の池原・七色ダムと比べるとそのスケールは劣るが、関西圏のリザーバーではビッグバス&ビッグウエイトが期待できるフィールドだ。

前回のマスターズ津風呂湖戦でのウイニングウエイトは10,619g。藤田京弥選手が2位に3kg以上の差を付けての圧勝劇はまだ記憶に新しい。前回の開催日は3月13~14日、そして今大会は同25~26日に組まれた。開催時期でいえば今大会の方が2週間遅い開催となるのだが、3月に入って暖かい日が続いたことで3~4週間の違いが感じられた。

水温自体は前回が11~12℃、今大会前には14℃まで上昇していた。ただ、大会2日間の天候は冷たい雨模様。日照時間も短く、大会初日はスタート地点の表層水温は前日から0.4℃低下。2日目はさらに雨脚が強まり、季節の逆戻りで不安定要素が高まった。

前回のマスターズ津風呂湖戦で3位入賞を果たし、今回は運営スタッフとして今大会をサポートしてくれたTOP50の藤原啓司さんに状況を解説してもらうと、水温が高めですでにかなりのバスがシャローへ差してきているという。2年前はミドストによる沖中層の釣りが注目されたが、今回はバンクに目を向ける選手の方が多くなるだろうとのことだった。

産卵後の弱ったワカサギをピクピクで演出!

全国から97名が参加
レンタルボート+エレキ戦
津風呂湖全体図
青木唯

今大会の参加者は97名で、初日に魚を持ち込んだのは3分の1の32名。リミットメイク(5本)はゼロで、トップウエイト(4,382g)をマークした西川 慧選手が唯一キーパー3本をキャッチ。2本が7名、1本が24名。アベレージが1,306gなので、1バイトをモノにできるかどうかが順位を大きく左右した。
西川選手は香束筋にエリアを絞り込み、みかえり橋周辺のバンクを流した。フィッシュローラーマイクロで2本、ビローラ5inのジグヘッドリグ1本でキャッチ。ヘラ玉(ヘラブナの群れ)とバスが一緒に遊泳していたと表彰台で語っていたが、ヘラ玉がバスを探すシグナルだと考えていた選手は他にもいた。

西川慧
青木唯
出村政孝
佐々一真

初日2番手に付けたのは、JB年間最多勝のレコードを昨シーズンに塗り替えた青木 唯選手だった。ウエイトは2本で3,450g。同選手がメインに絞り込んだのは香束筋以外のインターセクション付近だった。取材艇で回っているとき(昼前後)には、鬼輪筋と本流筋のインターセクション付近の沖目に浮かび、遠目からでも大きなルアーをキャストしていることが確認できた。
青木選手は前プラから3mより上にバスが浮いていることを確認し、1本は自らデザインした水面系ルアー「イチリン」でキャッチ。もう1本は3mのレンジにいるバスが7mラインのベイトフィッシュを追っているシーンを魚探のモニター越しに確認し、マグナムスプーンのダイラッカを7mまで沈めてバスに気付かぜるというアプローチで貴重な2本目をキャッチした。

初日3位は出村政孝選手で、同選手もトップの西川選手と同じくメインエリアは香束筋。みかえり橋を過ぎて左側の岬周辺をライブスコープ&水面系ルアー(トラファルガー5)で攻略。フックと同じアイにスナップでラインを接続するピクピク用のセッティングで、5バイト2フィッシュ(3,290g)。バイトはすべて丸見えのエキサイティングなアプローチだった。

初日は4位の佐々一真選手までが3kgをクリア。野村俊介選手が前日に見つけていたビッグバスを朝イチにサイトで仕留め、今大会の最大魚(2,808g)1本で6位に付けた。

5本で7kg UP。恐るべし、ゆいぴーのアジャスト能力!

2日目はスタート前から終了までずっと雨が降り続いた。水温上昇は期待できず、フィッシングプレッシャーからさらに厳しいゲーム展開となった。2日目は車で湖を一周。明らかに初日よりも香束筋に入る選手が増えた。

青木唯
望月輝

沈黙するかと思われた2日目、見ごとアジャストしてきたのが初日2位の青木 唯選手だった。この日は2mまで浮いたバスをイチリンのピクピクアクションで狙うパターンがハマってリミットメイク達成。7,125gのビッグウエイトは誰も追随できない領域だった。そのアプローチからランディングまでをGoProで撮影し、大会翌日にその映像をSNSで公開している。ぜひ「ゆいびーワールド」を逃さず視聴してほしい。

2日目2位は望月 輝選手で、初日10位(1,838g)から大きくウエイトを伸ばして2本で3,354g。エリアは本流のインターセクション(鬼輪筋の対岸)で、アラバマリグ(ステルス7 + ヴィローラ)とライク3inのミドストでグッドサイズをキャッチした。

3番手は初日トップの西川 慧選手で、2日目は2本2,432g。ロクマルクラスを含む2本のバラシが悔やまれるが、フィッシュローラーマイクロをメインに連日のハイスコアで上位入賞を確実にした。

異なる3レイクでJBマスターズ3連勝!

青木唯とDSTYLEイチリン70F

初日2位、2日目トップ、トータルウエイト10,575g。マスターズシリーズは獲得ポイントで順位が決定するが、2日目のウェイインが終了した時点で青木 唯選手の優勝は決定していた。前年度の同シリーズ第3戦(河口湖)、第4戦(野尻湖)に続き、最も勝つことが難しいといわれるJBマスターズ3連勝(昨年の第3戦~)は前人未踏の大記録。2021年の同シリーズ第3戦から数えると、実に7大会で5勝。創立40周年を迎えるJB史上においても、かつてこれほどの圧倒的なパフォーマンスを見せつけた選手はいなかった。

準優勝は連日ハイスコアを叩き出しながらもウイナーに1Pおよばなかった西川 慧選手。

西川慧
西川慧
出村政孝
出村政孝
望月輝
望月輝
白鳥稔一
白鳥稔一

第3位は初日3位、2日目5位(2,148g)の出村政孝選手で、2日目も香束筋をピクピクで攻めて結果を出した。

第4位は2日目に追い上げた望月 輝選手。同選手もSNSで当日の戦略を詳しく解説している。

第5位は香束筋のワンド入口や赤土バンクなどのミドルレンジをネコリグで攻めきった白鳥稔一選手。初日5位(2,886g)、2日目8位(1,900g)と安定したスコアで上位入賞を果たした。

エリア的には1位・青木 唯と4位・望月 輝の2選手がインターセクション絡みの本流筋、2位・西川 慧、3位・出村政孝、5位・白鳥稔一の3選手が香束筋を攻略した。

JBマスターズシリーズ開幕戦は今シーズンもウェイイン率が低いゲーム展開となった。「タフ=釣れない」を否定し続ける青木 唯選手。その快進撃がどこまで続くのか、今シーズンもゆいぴーから目が離せない。


Special Column

レジェンドたちのJBマスターズ2023

今年はJB・NBC創立40周年の記念イヤー。その黎明期から最前線で活躍してきた2人のレレジェンド、河辺裕和選手、沢村幸弘選手がJBマスターズプロシリーズに参戦。
そして、アメリカのメジャートーナメント参戦にひと区切りを付けた青木大介選手が今シーズンからJBへ復帰した。

河辺裕和
河辺裕和

河辺裕和選手は「開幕戦の目標は1日に1本、シリーズ戦の目標はTOP50昇格!」と熱く語ってくれた。。開幕戦は初日にグッドサイズ2本をキャッチして16位と好発進。地元ながら鬼門の河口湖2大会どう乗り越えるか。昨シーズンは体調不良で欠場を余儀なくされたが、今シーズンは体調も万全で期待十分だ!

沢村幸弘
沢村幸弘

沢村幸弘選手は「まだTOP50復帰は考えていない」とのこと。「マスターズは参戦していてTOP50とはまた違った難しさや楽しさがあるよ。出場するからには本気! 今回の津風呂湖戦も9日間プラに入ったからね。家族からも(トーナメントを)やめるなと言われているしね」と、まだまだ現役宣言。JBきってのアスリート魂の持ち主だから、たぶん、おそらく・・・、来シーズンはTOP50に参戦していそうな気概が感じられた。(笑)

青木大介
青木大介

青木大介選手は今シーズン、マスターズ、河口湖-A、河口湖-BのJB3シリーズにエントリー。3月23日に開催された河口湖-B開幕戦でいきなり表彰台のテッペンに立った。津風呂湖戦では前日に見つけていたシャローのバスを見失ってしまったが、今シーズンの活躍に注目が集まりそうだ。

今回の青木大介艇には前に1台、後ろに3台のGoProを設置し、ドローンや陸からの撮影隊も含め6台のカメラが彼を追いかけた。スポンサーのグローブライド社によるリアル動画企画はYouTubeで発信されるので楽しみだ。やっぱり『唯 vs 大介』のガチの青木対決を見てみたい。

写真・レポート:Bassmagazine K.

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