環境への高い意識をもって釣りを楽しみましょう。
JB・NBCの活動は地域振興に結び付くことで高い評価が得られていると考えています。私自身とバスフィッシングの最初の接点もそこにありました。私は河口湖の湖畔で観光業を営み、「バスフィッシングが地元の観光に役立てられれば・・・」との思いからこの組織の運営を引き受けました。富士五湖周辺地域からすれば、バスフィッシングファンの増加が地域振興につながりました。
しかし、釣り人が来ればその地域は潤いますが、ゴミの放置や騒音などの環境破壊が広がれば観光地にとってマイナス効果になりかねません。観光に力を入れていない釣り場や、遊漁料収入が得られない場所では当然ながら釣り人を締め出そうという動きになります。釣り人にも楽しむ権利はありますが、釣り禁止の原因を作っているのもまた釣り人です。
今月号はエコタックルの普及活動がスタートして10年が経過し、エコタックルに関する私の考えも紹介させていただきました。釣り人も釣り具メーカーも環境保全活動への反対はありませんが、この活動がスタートした当初は使用タックルを規制することに賛否が分かれました。
これは原子力発電の問題と根本は同じだと思います。経済へ影響を及ぼしても安全な暮らしを取るか、十分な電力供給を取るか。また代替エネルギーについても議論されています。
今のエコタックルは自然エネルギーと同じでまだ完成されてはいませんが、釣り人が放置したルアーやライン、フックなどが大きな問題となってからでは手遅れになります。今はエコタックルへ切り替えていくための準備期間といえるでしょう。
私はエコタックル普及活動が地域振興に大きく結びついていると考えています。観光地の湖は例外なく環境保全に取り組んでいるし、バスフィッシングに限らず公共の場所で遊ぶ以上は「汚さない」「迷惑をかけない」ことを心がけるのは最低限のマナーだと思います。
バスフィッシングやバストーナメントをこれからも長く楽しんでいくには、地元に受け入れられる遊びであることが重要です。そのためにはこの釣りやブラックバスのことを地元の方に理解してもらう努力が必要です。その第一歩が釣り人のモラルやマナーの向上、環境保全活動への取り組みです。地元と一緒になって長年活動してきたチャプター運営スタッフにはご理解いただけると思います。
全国には釣り人に来てもらいたい、トーナメントを開催してほしいという地域は少なくはありません。釣り人のマナーやモラルが向上すれば、さらに釣り人を誘致する地域が増えるでしょう。今回の大震災以降は東日本全体に観光業の落ち込みが激しかったことから、なおさら釣り人への期待が高まっています。その期待に応えられるように、環境への意識を高め、地域振興に取り組んでいただければ幸いです。
今秋のクラシックは信州・野尻湖で開催致します。開催地の信濃町をはじめ地元の関係団体から歓迎を受けておりますので、このイベントを盛り上げるべくご協力をお願い致します。
2011年8月 前の画面へ戻る