努力を怠れば本当の意味での新世紀は訪れません。JB・NBCはもう一度底辺層に向けた活動を展開します。
インターネットなんて私の世代には関係ないな、と2?3年前までそう考えていました。しかし、家庭のパソコンの普及率が10%を越し、その利用者は急速に伸びています。年末商戦で顕著に売り上げを伸ばしているのは、インターネット関連商品とおせち料理だそうです。半年ほど前にNBCのホームページを立ち上げたこともあり、私もパソコンに向かう時間が増えました。本当に簡単な操作でインターネットから情報を得ることができ、その使い勝手のよさにただただ感心させられるばかりです。と同時に世の中の動きの早さに驚かされます。
アメリカを好景気に導いた大きな要因に、インターネット関連産業の成長があげられています。話はかなりスケールダウンしますが、日本の釣り業界をここ数年牽引してきたのは、バスを中心としたルアーフィッシングブームです。ただ、マーケットが急成長を遂げている段階では、メーカーも小売業もすべて好景気感がありますが、その成長はいつまでも続きません。バスフィッシングの場合も3?5年前がピークで、この1?2年はやや停滞気味です。ブームに乗って新しく参入してきたルアーメーカーが増加したこともあり、流通ではやや供給過多と聞いています。ピーク時にはほとんどのルアーメーカーや小売店が売り上げを伸ばしていましたが、現在は淘汰の時期に入ったと言えるでしょう。
私は決してバスフィッシング人口が大きく落ち込んだとは感じていません。JB・NBCの会長という役職上、釣り業界に従事するあらゆる企業や小売店の経営者と接する機会が多いのですが、その業績もさまざまです。先日ある会合で2人のプロショップ経営者から話をお聞きしたところ、1店舗は前年対比150%アップ、片やもう1店舗は40%ダウンだということです。ルアーメーカーでも今なお売り上げを伸ばしている会社もあります。その優劣の具体的な理由は私には分かりませんが、顧客の心をつかんでいるメーカーや小売店は業績も好調です。
釣り人の(技術の)レベルは、ピーク時よりも現在の方が遥かに高くなっています。さらに商品供給過多になっていることも手伝い、顧客の目はかなり肥えてきたと言えるでしょう。その結果、クオリティの高い商品以外は動きが鈍くなっています。当然のことながら商品力のあるメーカー、人気商品をたくさん在庫している小売店は売り上げを伸ばす結果となります。
後数年は厳しい淘汰の時代が続くと予想しています。JBプロの中にはタックルやルアーの開発、販売に携わっている方も多数おられますが、釣り人のニーズに応えられなければ時代に取り残される結果となります。
2000年代を迎え、今後は世の中全般にさらに情報化社会が進むでしょう。インターネットをはじめ情報が溢れる時代だからこそ、逆に情報に左右されない“品質本位”の時代が訪れると私は予測しています。会員諸氏には、まずは自分自身をもう一度磨き、すべての面で競争力を付けて今シーズンを迎えていただきたいと思います。
6月にワールドシリーズのアメリカ大会を控えていますが、国内ではもう一度初心にかえり、底辺層に目を向けた活動を展開していく所存です。
2000年1月 前の画面へ戻る