秋の野尻湖ディープ戦を制した落合勲

2005年9月3日～4日に長野県野尻湖でJBマスターズ第5戦マーキュリーマリンCUPが開催された。今年のJBマスターズシリーズは変則スケジュールで、第4戦までが通常の試合形式で行われ、年間ポイントランキングも確定。今回の第5戦は、4戦までの各大会上位20%だけに出場権が与えられ131名が参加した。元々釣りづらい季節だが、更にキーパーサイズが30cmに引き上げられ、多くの選手が苦戦。リミットメイカーは2日間でのべ9名という状況だった。そんな中、ディープの船団で異次元の釣りを展開した落合勲が初日2位、2日目トップというブッチギリの成績で優勝した。

DAY1

天候は概ね晴れ。高原のすがすがしい秋を期待したが、気温・湿度ともに高く夏を思わせる一日。セミも鳴いているが、TOP50の頃のセミ・虫パターンは効かないらしい。多くの選手は菅川沖と琵琶島～大崎沖のディープフラットに集まった。朝のうちは南、昼過ぎから北の風が吹いた。この風に助けられた選手も多いようだった。

14時検量開始。思ったよりは釣れている。約半数が検量。2キロを超えればお立ち台が見える展開。

この日のトップは、ローカルアングラー三井忠。水道局ワンド8～10mのピンスポットに居着くスモールをキャロライナリグで狙い5匹で3146g。2位は大崎エリアのディープをアライブシャッドのジグヘッドで攻めた落合勲が5本で3084g。砂間が崎沖のピンスポット（ブレイクのトップ＋障害物）をキャッツキルワームのキャロライナリグで攻めた有里拓が3位。4位には第4戦2位の落合潤が入り、JB史上初の双子兄弟ワンツーフィニッシュもあり得る状況となった。

DAY2

初日夕方から天候が崩れた。雷とともに雨が降った。明けた日曜日も朝から濃霧に包まれる。受付・ミーティングは完了したものの、更に霧が濃くなり1時間のディレイスタートとなった。もともと競技時間が少ない2日目だが、これにより正味5時間程度の競技時間となった。

この日NBCNEWSは初日2位の落合勲に同船（1位の三井忠にはバスマガジンが同船した）。詳細は別ページに譲るが、この日の落合は2投目からキーパーをキャッチするなど、パーフェクトな試合運びだった。4匹目をネットイン寸前にバラすミスがあったものの、その直後に1匹キャッチ。昼前に視界数メートルという濃霧に再び包まれたが、その直前にリミットメイクし、大事を取って早めに帰着した。船団でポツポツとは釣れていたが、リミットメイクしたのはただ一人。異次元のディープの釣りを目の当たりにした。周りの選手も感嘆の眼差しだった。

濃霧により、帰着遅れ続出か？と危ぶまれたが、ギリギリになって霧が晴れた。13時検量開始。

この日のトップは落合勲の3290g。終日琵琶島東のロックハンプをマイクロクローラー3インチのダウンショットで攻めた半田光宏が2960gで2位（前日も全く同じ釣りだったそうだが・・）。濃霧で遭難しかけたウィンドサーファーを救助したという豊田久が3位。

総合成績

2日目朝、エントリーカード記入ミスで200gのペナルティーを食らったのが響いたのか、初日トップの三井忠が無念のノーフィッシュ。対する落合勲とは明暗を分けた。初日4位の有里拓は4本持ち込み総合2位。総合3位は菅川の6m～9mをライトラバージグで攻め5位・14位の高橋大。総合4位はディープフラットと岬絡みのディープをタイミングを計って釣りをした笠健太郎。5位には桟橋ラージで初日にウエイトを稼いだ市村直之が入賞した。

シークレット公開「落合兄弟のアゲインスト釣法」

兄弟でディープをやらせたら（2人で協力すれば）日本一と言う落合兄弟。以前から山中湖での強さは有名だったが、放流無き今年の河口湖でもめっぽう強い。そして、その強さの秘密が今回お立ち台で明かされた。それは「アゲインスト釣法」と兄弟が呼んでいる釣り方である。簡単に言えば、風上にワームを投げボートを横にして流され気味で釣る方法。周りのボートが風上に船首を向け、ステイしながら、ルアーを後方にキャストするのとは正反対の釣り。バスが風上（湖流の上流）を向いていると仮定して、バスに対して正面からルアーを通す。これにより、ワンキャストでバスの固まりを複数回通せるほか、正面からバイトさせるため、ショートバイト・バラシがほとんど無くなるという。これが、今回に限らず、前回の信号下沖船団での2位（弟さんのほう）や過去の山中湖での試合でのシークレット釣法だったという。（この説明では不足？後日、機会があれば詳細なレポートをしたいと思います）

報告：NBCNEWS H_togashi