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JBトップ50第3戦ベイトブレスCUPストーリー

JBプロトーナメント情報2007

JBトップ50
第3戦
ベイトブレスCUP
ストーリー

長野県 野尻湖

09月07日(金)~
09月09日()

JB2007 INDEX

ストーリー

 

“無敵”**除名**。野尻湖メジャー5連勝!

関東地方に大きな傷跡を残した台風9号は、今大会の初日(7日)未明に神奈川県へ上陸した。前夜のテレビから流れるニュースは台風関係のものばかり。大雨の被害が各地で相次ぎ、都心から長野へ向かう中央道や上信越道が通行止めとなった。
しかし、台風のコースから外れた長野県北部の天候は雨模様ながらほぼ無風状態。大会初日は静かな朝を迎え、予定通りに3Daysの日程で大会がスタートした。

大会初日のミーティング前、“芦ノ湖の住人”山木一人選手に「箱根は大丈夫?」と話しかけると、「800mmぐらい降っているらしいよ。今回は魚も見えていないし、帰った方がいいかも」なんて冗談交じりの返事が返ってきた。
だが、**除名**選手の“野尻湖メジャーV5”が懸かったこの大一番で台風の目になったのはその山木選手だった。

<1日目>**除名** VS 山木一人の水中島の闘い

大会初日は小雨が降る中、52名の選手がスタートした。今回は秋口の開催のため盛夏までのシーズナルパターンである“虫ゲーム”はすでに終幕。バンク絡みでグッドサイズを狙えなくもないが、確率が低く3Daysの長丁場ではあまりにもリスキーな戦略となる。今回は秋に実績が高いディープフラットをメインとする選手が多く、会場前の弁天島から大崎にかけて船団ができ上がった。

大会初日は前夜から降り続く雨がバスの活性を高めたようで、トップ10が3kgの大台をクリア。昨シーズンと比較するとローウエイトだが、タフコンディションが伝えられていただけに地元のトーナメントアングラーの予想を上回るウエイトが持ち込まれた。

会場を沸かしたのは、1,718gのビッグバス(ラージ)と4本のグッドサイズのスモールを持ち込んだ山木一人選手だった(4,780g)。2位以下に1kg以上の差を付け、圧倒的な強さを見せ付けた。

山木選手はまずは島回りの水通しのよいコーナーに入り、開始30分でリミットメイク。その後に入った砂間ヶ崎の水中島でグッドサイズに入れかえ、サイズを伸ばした。
同選手のメインベイトはHMKLのK1とK0ミノー。アクションは「タダ巻き」or「ストップ&ゴー」。レンジはルアーの表示通りにK1で1m、K0で表層を狙ったという。ただし、超遠投しなければバイトを誘えず、PE0.4号+フロロ7~8Lbでラインシステムを組んだタックルを使用。風を利用して60m以上の超遠投を繰り返した。
ちなみに今大会のビッグフィッシュを獲得した前述の特大ラージはミノーではなく、ニードルのダウンショットでキャッチ。ウエイトは1/16oz、リーダーの長さは矢引き(約1m)。場所は砂間ヶ崎の7.5mラインにあるピンスポット(岩)だった。

初日の2位は優勝候補の**除名**選手で、ウエイトは3,645g。この日持ち込んだ2本のグッドサイズのスモールは、実は山木選手が特大ラージをキャッチした砂間の同じ岩だという。同選手はボディウォーターに絡む7mラインの岩などをランガンで回り、ライトキャロ(シルクワーム)とダウンショット(サンドワームとスイミーバレット2.5in)で次々とキーパーをキャッチ。エリアは1ヵ所ではないが、初日の上位2選手は同じピンスポットでキッカーフィッシュをキャッチするというガチンコ勝負となった。

<2日目>水中岬のハードボトムで大熊一徳選手が3,640g!

大会2日目は樅ヶ崎の7~8mラインを攻めた大熊一徳選手がこの日のトップウエイト(3,640g)をマーク。使用したのは5gのキャロライナリグ+スイミーバレット2.5in。初日は動きすぎてバッグリミットが揃わず30位と出遅れたが、この日は“粘る”戦法に変更。水中岬のハードボトムに絞って結果を出した。

気まぐれな野尻湖のスモールマウスは初日の上位陣を苦しめたが、山木一人選手は3,460gでこの日4位、**除名**選手は3,498gでこの日3位の成績でフィニッシュ。“水中島の闘い”第2ラウンドはまったくの互角で勝負は最終日に持ち越された。

<3日目>この日のために残しておいた隠し玉で**除名**選手が完勝!

 

2日目を終えた時点での獲得得点は、トップ山木選手が197P、相羽選手が196P。山木選手が重量ポイントで1P上回り、相羽選手と暫定3位の神谷勇紀選手との差は17P。最終日に上位2人が大ハズシをしない限り波乱は考えられず、初日から引き続いて『相羽 vs 山木』に注目が集まった。

相羽選手は2日目のウェイインが終了した後、「明日は作戦をかえて挑みますよ」と数名のプレスを前にして語ってくれた。同じ魚を狙っている山木選手と真っ向から勝負しても、結果は五分五分。そうなれば初日に特大ラージをキャッチしてビッグウエイトを持ち込んだ山木選手にアドバンテージがある、というのがその真意だ。準優勝という素晴らしい成績は、”V5”を目指す相羽選手には敗北を意味することなのだろう。

一方、山木選手は2日目まで結果を出していたミノーのストロングパターンで押し通す戦略にかわりはなかった。次第にコンディションは厳しくなることは十分に予想できたが、砂間ヶ崎は他のエリアよりもサイズが上回るため、「3本のグッドサイズを獲れば相羽選手を倒せるかもしれない」と、最終日もミノーの大遠投を試みた。

その2人の結果は、明暗がハッキリと分かれた。山木選手は強気の攻めが裏目に出て、1本410gでフィニッシュ。そして、8月に20日間のプリプラクティスを敢行し、野尻湖メジャー5連勝を賭けて今大会に挑んだ相羽選手は、手持ちのデータ量で山木選手を圧倒した。

相羽選手は最終日、確実に3kgは計算して取れるエリアを温存していた。その“隠し玉”針の木ワンドを中心にゲームを組み立て、見ごと最終日も3kgをクリア。トータルウエイトを10kg台にのせて"V5"を達成した。「今年はさほどプレッシャーを感じない」と大会前に語っていた相羽選手だが、誰よりも勝つためのプラクティスをこなして今年もまた野尻湖で頂点に立った。

■ディープフラットを制したのは竹内三城選手!

決勝となる3日目は、ルアマガ取材班が上位2選手(山木・相羽)に密着取材。バスマガは暫定3位の神谷勇紀選手のボートに同船した。

神谷選手がメインにしたのは弁天島から大崎にかけてのディープフラットで、今大会で最も選手が集中したエリアだ。同選手は初日に2,930g、2日目に2,938gと安定した成績を残し、最終日もそれまで好調だったキャロライナリグ+ジャークベイトで6~7mラインを中心に攻めたが、この日はリミットメイクできずに順位を下げた。

神谷選手は前日と同じようなペースだったというが、同じエリアに入った他の選手たちは食わせるヒントをつかみ、このエリアでもう1つの上位争いが繰り広げられた。
最終日のディープフラットエリア(ちょうど一番館の沖あたり)では、スタートフィッシング直後からコンスタントに各選手のロッドが曲がった。前日の終盤に「釣り方が分かった」という藤木 惇選手があっさりリミットメイク、庄司 潤選手もこれに続いた。

しかし、この好調な2人以上にサイズUPに成功したのが竹内三城選手だった。今回はハードベイトをキャロライナリグで使用する選手が目立ち、ディープエリアの各選手を見渡すとキャロが7割、ダウンショットが3割という使用頻度の中で、竹内選手は1/16ozのスモールラバージグ(kem kem)をキャストし続け、この日3位となる3,356gをマークした。

この日の1・2位も同じディープフラット組だが、タフった時間帯にさらにディープを攻めた小林智寛、江口俊介梁両選手だった。小林選手はハードボトムの9mラインまで視野に入れ、スーパースレッジのキャロ、ニードルのキャロ&ダウンショットの3つのリグをローテーションさせて最終日トップの3,456gをマーク。江口選手は7~10mラインをすべて2inヤマセンコーで攻めてこの日2位の3,384gを持ち込んだ。全体に6~7mラインを攻める選手が多かった中で、最終日の上位2選手はレンジを落として結果を出した。

 

トータル成績では、**除名**選手がダントツのスコアでトップ。準優勝はスモラバでディープに挑んだ竹内三城選手、3位には風の当たっているブレイクを意識してディープを攻略した江口俊介選手、4位には今大会を最高に盛り上げてくれた山木一人選手、5位には最終日を制した小林智寛選手が入賞した。

レポート・写真 バスマガ編集部K

 

 

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