2007年のJBトップ50シリーズ・ファイナルゲームが晩秋の生野銀山湖で開催された。
このレイクでトップカテゴリーのトーナメントが開催されるのは、泉 和摩選手が優勝したJBワールドシリーズ初年度の開幕戦以来、10年ぶり。今なおビッグバスが狙えるフィールドとしてその名が知られるが、TOP50メンバーを待ち受けていたのは木枯らしが吹き荒れるタフコンディションだった。
ほとんどの選手がリミットメイクに苦しむ中で、上位陣に共通していたのはスモラバをメインにパターンを組み立てていたこと。2週前の弥栄ダム戦ではディープレンジでウイナーの神谷勇気選手がラッシュをかけたが、今回はバンクをていねいに探っていくパターンが王道。表彰台に上がったほとんどの選手がショアラインから6mライン前後までのレンジで結果を出した。
今大会で優勝を飾ったのは、昨シーズンもファイナルゲームを制した江口俊介選手。自らが開発したエグジグをメインに会場よりも下流エリアで勝負。グッドサイズはキャッチできなかったが、3日間で14本のバスを持ち込んでトップ50シリーズで3つ目の優勝カップを手中にした。
今大会ではウイニングルアーとなったエグジグが選手間で話題となり、準優勝の川口直人、4位入賞の青木大介、5位入賞の市村直之の3選手も同ルアーを使用。3位入賞の福山哲也選手も自作のスモラバで押し通し、タフに強いスモラバが印象に残る大会となった。
そして、今大会でウイナー以上に存在感をアピールしたのが7位入賞の加藤誠司選手だった。初日はノーフィッシュで出遅れたが、2、3日目にともに2kgフィッシュを仕留めてトータルウエイトはウイナーよりも1,500g以上も上回る6,265g。ウェイイン会場でのインタビューでは多くを語らなかったが、天才ルアービルダーは対ビッグバス用ルアーのヒントをつかんだらしく、今後のリリースが楽しみだ。
**除名**選手が暫定トップでファイナルゲームを迎えたのは今回が2度目。2003年には2以下に大きく差を付けていたが、第5戦の桧原湖で痛恨の5点を食らい、現在アメリカで活躍する深江真一選手に逆転でチャンピオンの座をさらわれた。
今年はその苦い経験を生かし、決して攻める気持ちを失わず、大ハズシをしないように今大会に挑んだという。今回は魚が見えていなかったというが、プレッシャーに打ち勝つ力は4年前より数段上。最終日の朝には緊張から吐き気をもよおしたそうだが、3日連続で手堅くキーパーをキャッチして11年目のワールドチャンピオンに輝いた。
写真・レポート バスマガジンK
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