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JBトップ50第3戦ベイトブレスCUPストーリー

JBプロトーナメント情報2008

08月22日(金)~
08月24日()

長野県 野尻湖

JBトップ50 第3戦 ベイトブレスCUP

トーナメント概要初日結果2日目結果予選結果3日目結果トーナメント結果上位のフィッシングパターン写真

ストーリー

“バンク前”シューティングでビッグウエイト。青木大介選手がついにTOP50優勝カップを手中に!

ひと足早く秋がきた。目まぐるしく変わる天候で野尻湖の水温は急降下。26℃前後で安定していた水温は大会の直前に1.5度ほど低下し、その後も下がり続けた。
今回は『**除名**選手の野尻湖メジャー6連勝』が懸かった大一番。ライバルの選手たち、プレス、**除名**ファン、ギャラリー、そのすべての視線が記録へ挑戦する1人の選手に注がれていた。
しかし、今回の早すぎた秋の訪れは“練習のムシ”**除名**選手をも惑わせた。「北風が吹いてほしい」という同選手の願いも通じず、風向は初日から南寄り。2日目も南からの強風となり、3日目は前夜から強い雨が降り続いた。ただでさえ変化に対応するのが難しいスモール戦だが、今回は正にそのアジャスト能力が試される大会となった。

では、日がわりヒーローたちの戦略を通して、ゲーム展開をレポートしよう。

注目の**除名**選手の“V6”ならず…。

**除名**選手は初日のスタート前、「今回は走り回っては勝てない」とポロリと語ってくれた。これまではムシやエビを捕食するバスをランガンで狙い撃つケースが多かったが、今回は、ムシパターンはピークを過ぎ、エビパターンは水温低下で極端に反応がわるくなっていた。
だが、勝機が消えたわけではない。昨年のV5では「エビ」で1・2日目に猛チャージ。3日目にプレッシャーが低いエリアのワカサギパターンでスコアをまとめることに成功した。その見ごとな戦略はまだ記憶に新しい。今年は前年度3日目の「ロープレッシャーのワカサギパターン」を軸にゲームを組み立てようと大会初日を迎えた。
プラクティスで好感触を得ていたのは超ロングリーダー(2m)のライトキャロ。他の選手が手を出しづらいやや浮き気味のバスを食わせることがアドバンテージになると考えた。
**除名**選手がこの日粘ったエリアは、不調が伝えられていた弁天島の内側(会場前)とラフィーネ前の2ヵ所。しかし、どちらも魚探のモニターにはスモールらしきカゲが映るも、期待していたロングリーダーはまったく威力を発揮しない。フック折れやフックアップしてからのバラシが続き、午後1時30分まで1フィッシュとリズムに乗り切れない時間が続いた。
ただ、さすがは野尻の帝王。「ショートリーダー(キャロ)でルアーの動きに変化を付けた方がいい」という1つの答えを導き出してからは怒涛のラッシュ。ラフィーネ前であっさりリミットを揃え、会場前でキロフィッシュを獲って3,102g、初日9位スタート。

2日目はラフィーネ前でショートリーダーから入るも、皮肉なことにこの日は群の外側をロングリーダーのステイで攻めるパターンに好反応。前日に続いてリミットメイクに時間がかかったが、食わせるパターンをつかんでからはまたも速攻リミットメイク。2日目は2,788gで単日15位、2日間トータルで7位と好位置につけるも、優勝を狙えるキッカーパターンは見出せず。3日目も5本は揃えたがウエイトが伸びず、総合11位で連勝記録は途絶えてしまった。
ただ、読みがことごとく裏目に出た悲運のゲーム展開ながら、きっちり食わせるパターンを見つけて3日連続のリミットメイク。11位という(彼にとって)平凡な順位の中にも、アジャストしていくスキルの高さを垣間見ることができた。

“隊長”池田和仁選手がノーマークエリアで初日トップ!

大会初日は弁天島~大崎にかけてのディープフラットに朝イチから半数以上のボートが浮かんだ。決してイージーにキーパーが揃うエリアではなく、それ以上に他のディープエリアやバンク周りの小場所が沈黙していたといえるだろう。
だが、多くの選手の予想に反して、フィッシングプレッシャーから開放されたバンクはそのポテンシャルを上げていた。
初日のトップウエイト3,825gを持ち込んだのは、竜宮崎と寺ヶ崎の2つの岬が絡むバンク前をシューティングで攻めた池田和仁選手。同選手は今年からTOP50に上がり、野尻湖はたったの4回目。プリプラなしで挑みながら、誰もいないエリアで黄金パターンをつかんでしまった。

池田選手が攻めたレンジは、7~8m、8~9m、9~10m、そして最深部で13mライン。そのすべてのレンジでキーパーをキャッチしたという。前述の通り釣り方はシューティングなのだが、浮いているバスは一切相手にせずに“底ベタ”を常に意識。リグは1/8~1/4ozのダウンショットで、初日のリーダーは70~80cm。ベイトはレインズ2.5in Gテールサタンと、2inタイニーレインズホッグでともにカラーはグリパン。そしてロッドは野尻の巨匠が作り上げた『V5リミテッド』だった。

青木大介選手が初日・2日目とも3.5kgをクリア!

大会初日の2位は、今年は間違いなくチャンプ争いに加わってくるだろう青木大介選手だった。2inヤマセンコーを軸としたダウンショットで、すべての魚を魚探に映った魚をシューティングで獲ったという。
メインのラフィーネ横のバンク前はそれほどマークのきついエリアではなかったが、連勝記録を狙う**除名**選手、2日目のトップウエイト(3,606g)を叩き出した山木一人選手ともカブる熱いエリアとなった。

ボトムをジグヘッドリグで攻めた小森嗣彦選手

大会2日目を終えた時点で、2日連続2位の青木選手がトップ、そして2日連続3位の小森嗣彦選手が2位に付け、この両選手が3位以下を引き離して最終日を迎えた。
小森選手は本命のディープフラットから入るも、実は不調が伝えられていた本部前(弁天島内側)をメインにしていた(これは**除名**選手と同じ)。
「スモールマウスは上(水面)か下(底)」と言い切る小森選手は、ディープを攻める多くの選手がキャロやダウンショットを多用する中で、ジグヘッドリグでサイズアップに成功。数よりも型が狙えるリグを選んで優勝を狙える位置で最終日を迎えた。
最終日はバイトが遠のき、リミットメイク優先でダウンショットに頼らざる状況に陥ったためウエイトが伸び悩んだが、見ごと総合4位でフィニッシュした。

ケムケム&竹内三城選手が2年連続の準優勝!

今大会で唯一3日間連続で3kgをクリアしたのがスモールラバージグ「ケムケム」で押し通した竹内三城選手だった。ウエイトだけを見るとバツグンの安定感だが、キャッチしたキーパー数は初日5本、2日目7本、3日目6本と決して楽なゲーム展開ではない。
狙った場所は大崎の船団から少しハズれた弁天島寄りのハードボトム(水深6m)。ワカサギに付くバスよりもサイズがデカいエビを捕食しているバスを「ラインを張らず緩めずのドラッギング」で攻めきり2年連続の準優勝を果たした。
小森選手のジグヘッドリグと、竹内選手のスモラバ。キャロとダウンショットが主流のディープエリアおいて、2人の上位入賞選手がジグヘッド系リグでボトムをしっかり攻めて結果を出した。

“最終日の男”小林知寛選手が4,460g!

最終日に会場を沸かせたのは、前回の七色ダム(最終日にロクマル捕獲)に引き続いて小林知寛選手だった。最終日は湖全体のバンクを回り、スーパースレッジのキャロで10本、ハンマーヘッドジグと呼ばれる地元ショップオリジナルのフットボールヘッドにバイズクローをセットしたリグでピンを攻めて2本のグッドサイズをキャッチ。4,460gのビッグウエイトを叩き出した。

そして、初日トップの池田和仁選手がこの日2位の3,670gをキープ。池田選手は2日目も3,500g以上をキープしながら2デッドというアクシデントに見舞われ優勝争いに絡めなかったが、小林・池田両選手が見せたバンク前シューティングはかなりの破壊力を秘めていた。
小林選手は3日間で10,210gを持ち込み、トータルウエイトでトップに立って総合3位入賞。池田選手は2日目34位とデッドで大きく順位を下げたが、総合8位で今大会を終えた。
フィッシングプレッシャーを回避することで、2人の選手がバンク前シューティングで素晴らしい結果を出した。

苦しみながらも青木大介選手がTOP50初優勝!

初日、2日目と安定していたラフィーネ横のバンク前。一番でスタートを切れる青木大介選手はかなり有利と思われたが、最終日になってベイトもスモールも姿を消していた。
最終日のスタートから少し時間が経った時点で、青木、小森、山木、**除名**という上位を争う選手がなんと島内(会場前)に集結。明らかに魚を見失っていそうな雰囲気が漂い、荒れる予感がした。
だが、この4選手の中で3日目に最もいいスコアを残したのは青木選手だった。最終的には菅川の8mラインいるベイトの外側を1/64ozダウンショットで攻めて2,920gをキープ。2日目までの大きな“貯金”は他の追随を許さず、TOP50シリーズで初優勝を飾った。

最終順位は、優勝:青木大介、2位:竹内三城、3位:小林知寛、4位:小森嗣彦、5位:野村俊介。刻一刻と変化するパターンに、スモール戦の難しさとおもしろさを再認識させられる一戦となった。

報告・写真 バスマガジンK

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