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JBトップ50第1戦ゲーリーインターナショナルCUPストーリー

JBプロトーナメント情報2009

03月27日(金)~
03月29日()

千葉県 高滝ダム

JBトップ50 第1戦 ゲーリーインターナショナルCUP

トーナメント概要初日結果2日目結果予選結果3日目結果トーナメント結果上位のフィッシングパターン写真写真

ストーリー

ダウンショットのタタキ釣りで連日6キロ!川口直人が初優勝。

2009年3月27日~29日に千葉県高滝湖でJBトップ50シリーズが開幕。今年から再導入された「3日間のトータルウエイトで競う(非ポイント制)」ルール。結果、3日間合計18キロを越えるハイウエイトで川口直人が優勝した。

戦前の話

プリプラクティスの話では、「基本的には厳しいコンディション」「釣れる場所が少ない上にバレバレ」という声を多く聞いた。前者は季節の進行で良い方へ向かう事を期待できるが、後者は地形的にどうにもならない。フライト順が遅ければ入りたい場所で釣りをすることさえ出来ない。更に、2004年にワールド戦が行われた頃に比べ、養老川がかなり浅くなっているという。前回のキーエリアとなった養老川河口付近は大量の砂が堆積しかなり浅くなっている。チャネル部はかなり狭く、他の選手がそこで釣りをしていたら、通過することさえ躊躇するほどらしい。時期的にはワカサギの遡上もあり、川筋に望みをかける選手も少なくなかった。多くのバスはまだシャローには上がってきてない状態。

一週間前にはチャプターが開催された。この頃は最高気温が20度を超える日が続き、良い感じに季節が進んだ。上位は川の上流組が占めた。そして直前プラ。このタイミングでいわゆる「春爆」が起こった。選手のプラクティス時間が過ぎた頃から大爆発が起こったという。数にして20~50本、ウエイトは7~8キロはあたりまえという春の爆釣が起こったらしい。しかし、無情にも大会前日から寒波が日本列島におりてきた。

DAY1

当日の朝、数年ぶり会場へ向かう(※今年はNBCNEWS10周年なので、4年ぶりにNBCNEWSが現場に行っています)。天気は晴れ。クルマの気温計は氷点下2℃を表示。暖かいと思っていた房総だが、マスターズ河口湖開幕戦以来のマイナス表示に驚く。菜の花は満開だったが桜はまだつぼみだった。

6時40分フライトが始まった。スタートが一段落すると、鳥居沖・加茂橋周辺・境橋スロープ下流側・境橋上流のチャネル部にプチ船団が形成。約半数がこれらの船団。残りの選手は川筋もしくは本湖へポツポツという感じ。

スタート直後から会場前に浮いていた小森・阿部の両選手が連続ヒットしていた。しばらく会場前でビデオを回した。8時過ぎから湖畔を一周してみた。行く先々でロッドが曲がっているシーンを見ることが出来た。河口湖の放流戦を除き、ここまで頻繁に釣れているシーンを見れる大会は珍しい。高滝湖のコンディションのすばらしさを実感した。

昼前からは風も弱まり、少なくとも風の当たらない陸上はだいぶ暖かく感じた。

15時にウエイインが始まる。結果、川筋にあがった選手の中では北大祐の5155g(4匹)が最高ウエイトで初日5位、他の選手は苦戦を強いられた。対して本湖の大場所組が好調。境橋組の一人川口直人が5990gでこの日のトップウエイトを記録。2位は5905gの阿部進吾・3位に小森嗣彦・6位大熊一徳と会場前に浮いていた組が続いた。全体的にはウエイイン率78%でリミットメイクが7人の13%。上位5名が5キロ越えという感じ。結果だけ見れば、かなり釣れている感じだが、それでもノーフィッシュが11名。釣れる場所とそうでない場所がはっきりと出た。

後に解ったことだが、川口直人はこの日の9時頃には既に6キロ近いウエイトを持っていたらしい。また、各所のプチ船団も端から見れば、同じような場所で釣りをしているように見えるが、各選手それぞれ狙う地形変化・水深・レンジなどに違いがあり、それがそのまま釣果の違いとなって現れたようで、初日のキーは「5mフラットのボトム付近」だったらしい。

Day2

曇天から始まった2日目。放射冷却が無く朝の気温は3℃。昨日よりは暖かいが朝イチ選手のボートデッキは真っ白になっていた。この日、選手達の配置に動きがあった。会場前スロープは人が減り、加茂橋下流側へ浮く選手が増えた。また、初日シャローを流していた選手や川筋に行った選手も船団に入るようになった。境橋スロープは、顔ぶれもボートの並び順も初日と似た感じ。初日に比べヒットシーンを見る機会が少なかった。

10時過ぎに会場前スロープへ初日2位の阿部進吾が来た。まだノーフィッシュとのことで今日のウエイトはかなり落ちるものとこの時点では思った。

しかし、この日は晴れ間が覗いた午後から魚が一気に動いたようだ。初日に好調だった5mラインにいた魚が一気に浅い方へ動いたらしい。その動きにアジャスト出来た選手にはプチ爆発が起こり、そのタイミングで2日目のウエイトは大きくジャンプアップした。

15時にウエイイン開始。検量率は変わらないものの、リミットメイク率は38%まで上昇。トータルウエイトも小森嗣彦の6780gを筆頭に8名が6キロ越え。5キロ釣っても14位という驚異のハイウエイトな争い。

前出の通り今年からは単純に「3日間の総重量」で競う方式になった。予選終了時点で川口直人、小森嗣彦、北大祐、川又圭史が10キロ越えでデッドヒート。予選通過ボーダーラインは3624gであった。

Day3

晴れの無風で迎えた最終日。気温は朝6時で0℃。たくさんのギャラリーが見守るなかフライトが始まる。それと同時に記者はクルマを境橋へ走らせた。沖から山村・川口・関和・江口・野村・市村の6艇が一列に並ぶ。やや沖に河辺も浮いていた。ここに浮いているのは前日ハイウエイトを出した選手が多い。果たして今日も釣れるのか?張り詰めた空気。静かな湖面をカメラ越しに覗いていると川口のロッドが曲がった。慎重なやり取りでネットに収まる。そして怒濤の3連発。周囲の選手もほぼ同じスポットに投げているように見えるが・・・。8時迄で川口が3匹、江口。山村がそれぞれ1匹をキャッチしていた。後に聞いたところ、帰着間際までノーフィッシュだった野村・市村もこ最後の最後にプチラッシュに遭遇しなんとか踏みとどまったらしい。

10時頃会場に戻ると、小森の姿が見える。マンメイドの縦ストを狙っているが表情は重い。その後、鳥居スロープ沖へボートを移動。昼近くになってからは何度かロッドを曲げるシーンを見ることができたが、キープする魚が小さく見えた。今日も「昼近く」がキーだったのか、前出の野村・市村のラッシュと同じ頃に会場前で一人イレグイショーを演じていたのが下野正希。見る度にロッドが曲がっている。後に「何本釣ったか覚えていない」と語った程の連発だった。

13時帰着・検量開始。真っ先にボートを係留したのが川口直人。朝の状況からして「自信の早上がり」か。

最終日も短時間の割にはよく釣れた。川口直人はこの日も6キロを越える。イレグイショーの下野正希は5655gで単日2位。船団組が上位を占める中、小野俊郎は古敷谷川で5235gを釣り単日3位。単日4位の山村以降は境橋組と加茂橋組が目立った。

Result

「初日の朝の時点で勝てると思った」。オタチ台インタビューで川口は言った。いつも、あと一歩でチャンスを逃すことが多かった選手だが、今回は違った。プチ船団の中で一人だけ釣れていたのは、ダウンショットでボトムを強めに叩くアクションが効果的だったと語った。記者も3日目朝に釣りを見ていたが、最初はミノーのトゥィッチ?と勘違いするようなアクションだった。あれだけの密集度では、投げる場所もルアーも周囲のライバルに丸わかり。そんな状況でもずば抜けた釣果を叩き出しのはアクションの違い。ルアー釣りの奥深さを垣間見た気がした。

写真・報告:NBCNEWS

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