2009年10月9日~11日に福島県桧原湖でJBトップ50最終戦がまかつCUPが開催され、満点に近い299点で篠塚亮が優勝した。昨年の秋にも桧原湖で開催され、同選手は予選2位で通過。3日目にスコアを落とし総合4位となった。しかし、今年は3日間3キロ越えという桧原湖では驚異的なウエイトを出して、嬉しい初優勝となった。準優勝は秋のラージパターンを掴み、篠塚どうよう去年の大会を大いに盛り上げた沢村幸弘。スモール戦に強い大塚茂がラージのキッカーを混ぜ総合3位という結果。
大会前日木曜日に台風18号が通過。水温が低下し濁りも広範囲に広がった。前プラは水曜日のみという選手が殆どで、台風通過で変わったであろうレイクコンディションに不安を抱えながらのスタートとなった。
台風一過の晴天・・・にはならず、終日急変した天気。基本的には曇り、場所により雨・晴れ。風は終日強めに吹き荒れた。午前中はコタカモリ・月島南・糠塚島裏エリアにボートが集中していた。冷たい空気・空の色・選手の服装からして風景は冬。ロッドが曲がるシーンは見ることができなかった。
そんな厳しい状況で14時半に帰着・検量が始まる。と、同時に検量にきたのは沢村幸弘。他の選手はまだ帰着も行っていない早い時間。そんな時はブッチギリのハイウエイトだったりするが、今回もそれに該当。ラージマウス2本を含め3314gというスーパーウエイトがいきなり出た。その後、篠塚亮が10g差の3304gを持ち込んだが、沢村のウエイトを上回る選手は現れなかった。
単日3位は河辺裕和で2328g。アベレージサイズが300g前後の桧原湖では5本で2キロを越えるのが一つの目標で、この日2キロ越えは9名だった。
全体的には8名のノーフィッシュもおり、リミットメイクは19名37%。終わってみれば今大会で一番釣れなかったのが初日だった。台風で魚の状況・付き場が大きく変わってしまったというのが大方の予想。
吹き返しの風がおさまり、きれいな青空となった2日目。冬型の気圧配置プラス放射冷却により、朝6時の気温は1.7℃(気象庁データより)という寒さで迎えた2日目。日中も最高気温は12℃までしか上がらなかったうえに、午後からは天気が急変し曇り~雨。しかし、風が弱めだったため、体感気温は初日の方が寒かった。
湖畔道路を回ってみると、コタカモリエリアのボートが減った以外はおおかた初日と同じ傾向。風裏となる地形では、強い陽射しにより暖かさも感じる天気。しかし山の天気は変わりやすく、一転して寒い風雨に襲われる事も。糠塚島裏には今日も篠塚艇が浮いており、頻繁にしゃがみこむ姿が見える。同エリアのシャローには沢村艇も。スタンプエリアでワンナップバイブレードを巻いていた。
朝の青空が嘘のように午後からは雲が広がり、雨に打たれながらの検量が始まった。台風後の混乱に落ち着きがでてきたのか、全体的には初日を上回る釣果。検量率は100%、リミットメイカーは62%まで急上昇。300×5では30位台、2キロ越えで15位という好釣果。
そして驚異の3キロ越えが2名。ビッグフィッシュ賞となった1400のラージを含め3138gの大塚茂が単日2位。予選も2位通過。そして圧巻は篠塚亮。500gでもキッカーフィッシュといえる桧原湖で700gを5本。スモールのみで3506gというスーパービッグウエイトを叩き出し単日・予選ともにトップで予選を通過した。
暫定3位は単日10位の沢村。トップとの差は9ポイント。まだまだ優勝の狙える好位置で予選通過。
小森嗣彦は予選を10位通過し、この時点で2009年度のワールドチャンピオンが確定した。
前日ほどの冷え込みはなく、6時の時点で6℃。日中は13℃まであがり、風も弱く3日間のうちでは一番暖かく感じられた。沢村のキーパー場は会場の目の前。フライト中の選手の横で既にロッドを曲げている。この日も30分ほどでリミットメイクしたという噂。
スタート後は篠塚が浮く糠塚島へ行ってみた。岸からかなり遠いのだが、今日も頻繁にしゃがみこむ姿が確認できた。デジカメのズームで確認するとネットを入れている。7時台で既に3本キャッチしたらしい。10時過ぎにもう一度来てみた。既に入れ替えを行い、3キロは越えているとの情報。
この日も同エリアのシャローにはラージマウスを狙う沢村の姿があった。暫定2位の大塚茂も、スモールでリミットを揃えてからこのエリアのシャローでラージを狙っていたが、今日はその姿が見えない。競技時間が短いため、まだ揃っていないのだろうか。
たくさんのギャラリーが見守る中、昼過ぎから検量が始まる。全体的には3日目も検量率96%、リミットメイク率50%と、短い競技時間を考えれば悪くはない数字。上位陣のトレーラーウエイインが始まる。大塚茂はスモール4本で1702g。沢村は2522gを持ち込んだ。そして検量ラストは篠塚亮。ライブウエルから、最初の2本を取り出した。その2本からして明らかなグッドサイズ。集計を待つことなく篠塚の優勝は明らかとなった。
一般的には『サイズの野尻・数の桧原』と言われ、桧原湖のスモールは全体的に小さい。JB桧原湖シリーズやチャプターの成績を見ても、3匹で1800gが優勝ライン。900g台でお立ち台はよくあること。イメージ的には他のフィールドの1キロフィッシュが桧原湖の600gという印象。優勝の篠塚亮は毎日3キロ越え。これは他のフィールドで毎日5キロをこえたような感じだと思われる。
去年は3日目に失速してしまったが、今年は最終日にもトップウエイトを叩き出した。初日に10g差で2位となったが、それ以外はパーフェクトの299ポイントでの優勝となった。今年は第1戦の川口、第2戦の小森が圧勝したが、今回はそれをも上回り現行ルール下ではトップ50史上最高ポイントでの優勝だった。
2位は去年9月末の桧原湖戦でも2位だった沢村幸弘。同選手には釣りビジョンカメラマンが3日間同船した。スタート直後のリミットメイク~ラージのキッカーパターン、全てがが明らかに!?
総合3位は大塚茂。同選手もスモールでキーパーを揃えてから、クランクベイトでラージマウスを狙うパターン。初日・2日目は狙い通りの展開だったが、3日目は時間の短さに焦りを覚え、スモールのキーパーが揃う前にタイムアップ。それでも予選の貯金が効いて3位に踏みとどまった。
4位は荒牧芳崇。北関東在住だけに、スモールマウスは得意なほうと思われ、マスターズの野尻湖ではお立ち台に上がっている。京が森をメインエリアとし、3日間2キロ平均持ち込み2年めで嬉しい初のお立ち台へ。
5位はスモール界隈?では知らない人が居ない木村浩規。2007年桧原湖戦で4位、今年は旭川ダムでも5位、そして今回の5位と良い成績を残しているが、4位の荒牧どうよう今期限りで引退を表明。両選手とも最後に最高の舞台に立つことが出来た。
篠塚亮が史上最高ポイントで優勝した一方で、小森嗣彦は史上最高ポイントでJBワールドチャンピオンになった。今回総合10位で『全戦シングル』の夢は叶わなかったが、それでも2位・優勝・6位・4位・10位と今後そうそう破られそうにない偉業を達成した。お立ち台インタビューでの男泣きはみるもの全てを感動させた。かなり点差がついたものの、2位は北大祐・3位川又圭史・4位青木大介・5位江口俊介と若手・ヒューマンOBが大活躍の一年だった。