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JBマスターズ第4戦ダイワCUPストーリー

JBプロトーナメント情報2009

09月26日()~
09月27日()

長野県 野尻湖

JBマスターズ 第4戦 ダイワCUP

トーナメント概要初日結果2日目結果トーナメント結果上位のフィッシングパターン写真写真

ストーリー

"風・タイミング・食わせのリズム"
琵琶湖から参戦の乃村弘栄が優勝

2009年9月26日~27日長野県野尻湖でJBマスターズ最終戦ダイワCUPが開催された。気難しい秋のスモール戦を征したのは、風・タイミング、そして食わせのリズムを見事に掴んで2日間安定したウエイトを持ち込んだ乃村弘栄だった。

一般的にワカサギに着いてディープを回遊し始めると急に難しくなると言われる野尻湖。今大会もプラクティスの段階では、タフコンディションが囁かれていた。しかし、そこは先鋭軍団。ここ数年秋開催のマスターズ戦が続いており、次第に秋の釣り方も解明されつつあるようで、戦前の情報はいつも覆され、終わってみれば「意外に釣れた」となることが殆ど。今大会もそうだった。検量率100%に近いハイシーズンには及ばないものの2日間ともに半数近い選手が検量した。

今大会は風向きがキーになった。初日は北、2日目は南、帰着1時間前に北。この変化に対応できた選手が2日間のサバイバルを生き抜くことができた。

Day1 市村修平が50アップを釣り4655gでスタート

朝のうちは肌寒い曇り。スタート後から晴れ気温も上がった。朝夕と日中の温度差が激しい秋の空。3~4mの北よりの風が吹きづつけた。
湖畔を一周すると、琵琶島西・大崎~砂間・菅川ワンド、そして湖東側バンクにボートが散らばっていた。

この日のトップは5本で4,655gを持ち込んだ市村修平。釣った場所は砂間が崎。バークレーインチホッグや同マイクロクローラーのキャロライナリグで6~7mブレイクをポーズメインで攻めて4本。キッカーとなった50アップのスモールは、同エリアの4mラインにある岩に居ついている個体。プラの段階からビッグベイトにチェイスしてくる姿を確認していたらしい。その個体をゲーリー2インチヤマセンコー(改)のノーシンカーで狙い、大会本番で見事キャッチ。ブッチギリのウエイトで折り返した。(本人ブログ)

2位は昨年秋の大会で4位入賞した鬼形毅。釣った場所は市村と同じ砂間が崎。魚探には映らないような、小さい沈みモノへキャロナイラリグを投入し張らず緩めずのポーズ。使用ワームはバークレーインチホグ、ゲーリーシルクワーム、同3インチグラブのイモなど。10時半にはリミットメイクし、昼前に300台を入れ替え。合計6本キャッチした。

3位は今期2つのAOYを獲得し波に乗っているSHINGO。釣り方は3つ。一つめは朝イチのワカサギを表層で追う魚をラッキークラフトのSHINGOスクリュー55で狙うパターン。2つめは日中、他のボートが居ない50m流せるストレッチをHMKLザッガー・キャロライナリグのドラッギングで狙うパターン。3つめはワームのキャロライナリグで、ザッガーで1匹釣れたスポットにフォローで投入したり、午後に風により魚が溜まったであろう砂間エリアで使用。基本的に一個所で粘ることはせず、タイミングを重視したランガンスタイルで合計8本キャッチ。3258gで3位スタートを切った。同選手は1998年10月のJBワールドシリーズ戦で優勝している。2冠達成なるか?

「秋野尻」のお立ち台常連の金子常俊が4位、北山睦が5位という初日。写真撮影ボーダーを1500gとしたが、6位以降もいつもの「秋野尻」常連さんが多いのが印象的だった。結果的には初日2040gで14位の林、2008g15位の丸山が総合お立ち台に上がったことを思えば、初日2キロがお立ち台ボーダーライン、1500gが賞金圏内だったようだ。

Day1-2 乃村弘栄が2ポイント差で三井潤をかわす

2日目は朝6時の気温が13℃と前日より少し下がったが日中は22℃まであがった。予報が的中し12時過ぎまでは初日と逆の南よりの風になった。北風に変わったのが帰着時刻ギリギリのタイミングで、この時にキャッチした選手も少なくなかったようだ。
ラージマウス戦と異なり、2日目も大きくウエイトが落ちないのがスモールマウス戦の特徴。今大会も全体のウエイトは若干下がったものの、劇的な低下はなく、この日も56%が検量した。

単日トップは去年秋に優勝し秋野尻最強の一人である林直樹。大崎エリアの風が当たる6~7mラインでジャッカル・インチクロスのキャロライナリグを「止めずに巻いて」怒濤のラッシュに突入。8時半にリミットメイクし、その後も入れ替えを行い3625g。初日の14位から一気に総合3位へ。

単日2位は野尻湖チャプタースタッフをつとめるローカルの丸山知幸。水道局・国際村沖の7m以深でエバーグリーン・スレッジのキャロライナリグで攻め5本3550gを持ち込んだ。林同様初日の15位から大きくジャンプアップしてマスターズ初参戦で総合5位に。来年から台風の目となるか?

単日3位、総合優勝は乃村弘栄。いくつかの場所・水深を時間帯・風向きで使い分け、エコギア・バグアンツのキャロライナリグをメインとしながら、キーパー取りにガルプサンドワームのダウンショットを織り交ぜ、2日目は4匹ながらも2964gを持ち込んだ。同選手は去年の秋野尻では2日目トップウエイトを持ち込んでいたが初日のミスがきいて総合9位。今年は雪辱を果たし優勝。

2日目単日トップ3がお立ち台に立ったため、話が前後するが、総合2位は一昨年2位、去年5位の秋野尻に強い三井潤。初日は朝イチにOSPベントミノーで1匹キャッチ。その後各地を周り、菅川・金山・小舟ワンドでそれぞれ1本づつ、合計4本キャッチ。使用リグはレインズ・スワンプマイクロのダウンショットとゲーリー2インチグラブのキャロライナリグ。
初日の感触と風向き変化により、2日目は小舟ワンドをメインエリアとして、ゲーリー2インチグラブ(イモ仕様)のキャロライナリグで4匹2690gを持ち込んだ。優勝こそ逃したものの秋野尻3回連続お立ち台の快挙を成し遂げた。

総合4位は織田伸彦。菅川・松ヶ崎の5m~8m。ゲーリー2インチグラブ(イモ仕様)のキャロライナリグ。初日10位で折り返し、2日目もリミットメイクし単日5位。獲得ポイントは3位と同じ(重量負け)。今大会は優勝から5位までが5ポイント差という大接戦だった。

チーム優勝は斉藤修一・加藤俊介・奥泉悠介からなるチーム「やっちゃんチルドレン」が獲得し、年間優勝も同チームが獲得した。

バスアングラーオブザイヤーは野村俊介が獲得

マスターズ年間総合No1のバスアングラーオブザイヤーは野村俊介が獲得した。初戦の河口湖で優勝しロケットスタート。2戦目河口湖9位、3戦目三瀬谷16位。この時点で暫定2位の柴田真吾とはポイント差が開いていた。しかしながら、ノーフィッシュも普通に起こりうる秋の野尻湖では何が起こるか解らない。結果的に今大会の最終成績で柴田が野村を2つ上回ったものの、3戦前の貯金が効いて野村が逃げ切り8年ぶり2度目のバスアングラーオブザイヤーを獲得した。壇上で野村は「2日目の終了時刻近くに1匹目を釣ったとき手が震えて泣きそうになった」と言った。手が震えている状態で連発して2匹目が来たらしい。25cmのバス1匹で感動し手が震えて涙が出るトーナメントの深いイイ話。きいてるこちらも目頭が熱くなった。続けて野村は「まだまだ若い者には負けない」と2位以下の選手に言った。記者を含めたオヤジ世代からすると、とっても若いと思っている野村俊介からでたこの言葉に驚いた。

そんな2位以下の選手の顔ぶれは本当に若い。殆どがヒューマンOB。数年前まで河口湖在住だった記者からすると、ついこの前まで学生だった選手が殆ど。若くて元気がある。毎日釣り出来る環境にあり、もちろん釣りが上手い。そんな第4世代が来年はトップ50の舞台へ向かうのだ。既に大活躍中の青木大介・江口俊介らとともに、ヤングパワー炸裂となるか今から楽しみだ。

写真・レポート NBCNEWS Togashi

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