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JBトップ50第1戦ゲーリーインターナショナルCUPストーリー

第1戦
JBプロトーナメント情報2010

03月26日(金)~
03月28日()

愛媛県 野村ダム

JBトップ50 第1戦 ゲーリーインターナショナルCUP


ストーリー

シャローカバーに潜む桜色した春バスを「ストレートワーム+テキサスリグのリアクション」で攻略。馬淵利治24歳でトップ50ウィナーに。

2010年3月26日~28日に愛媛県野村ダムで2010年のJBトップ50シリーズが開幕した。湖畔の桜は満開ではあるが、冬を思わせる低気温での戦いとなった。それでも野村ダムの魚影は濃く、サイズはまちまちながらも、連日高ウエイイン率をキープした。そんな中、3日間、900g平均の桜色したお腹をもつ春のバスでリミットメイクした馬淵利治が若干24歳にしてトップ50ウィナーに輝いた。

大会前日

NBCNEWSは25日の昼前に会場に到着。今年初めて見る満開の桜。それに似合わない気温と冷たい雨。普段の水色を知らないが、上流部は濁っていた。正午になっても気温は7度程度。プラクティス終了時刻には雨は上がり、夕方には青空も。それでも、強めの風も手伝い、寒いことには変わりない。プラを終えた数名の選手にようすを尋ねるも、多くの選手は良い手応えを得られていないようだ(戦前は嘘つく選手が多いが・・)。

Day1

薄曇りの下60艇のボートが会場に集合。ミーティングでは細かいルール説明があり、7時20分にフライトが始まる。なお、今年から60名となり下位10名はBクラスとして1時間遅れのフライトとなる。スタート地点は上流域にあり、多くのボートは下流側へバウを向けた。

8時過ぎに湖畔を回ってみる。ビューポイントが少ないため、大雑把にしか解らないが、最下流部に数艇、稲生川は殆ど浮いておらず、宇和川との合流点付近に10艇ほど浮いていた。宇和川を遡ると、中流域の両岸に等間隔でボートが並んでいた。多くの選手は、ボートポジションをやや沖側にとり、岸に対して垂直気味にライトリグを投入し、シャロー~ミドルレンジのボトム付近を丁寧に探っているように見えた。

両岸が護岸化されている会場前はシャッドや巻物で、少し沖のブレイクや冠水植物を広く探る選手、護岸の変化部をピンで狙う選手が目立った。

最上流部では、阿部進吾・本堂靖尚・茂手木祥吾らが狭いエリアでしのぎを削っていた。初日の朝から浮いていたこれらの選手が3日間を通して「最上流における暗黙のマイウォーター化」に成功しているように見えた。上流側に他のボートが浮いていれば進入をためらう程の狭さだ。そして、2日目後半から、このエリア一つのがキースポットになった。

お昼前からきれいな青空となり気温もようやく10度近くまであがった。しかし、湖面には冷たい風が吹き抜け体感温度は寒いままだった。

15時検量が始まる。過去に行われた3月の開幕戦では低いウエイイン率だったことが少なくないが、さすがは魚影の濃い野村ダム。戦前予測を覆す釣れっぷり。ノーフィッシュは僅か3名で、行列の出来る検量所となった。

地元筋の話ではトップは5~6キロ行くという話だったが、結果はその通りで星野和正が6395gを持ち込んだ。同選手は本流中流域と稲生川筋にある大小のワンドマウス部、ロードベッド周辺で、春バスが通る・コンタクトしそうなスポットをランガン。水深のある岩盤および石垣跡3~4mでキッカーを3本キャッチ。使用ルアーはゲーリーヤマモト3.5インチカットテールの1/32ozネコリグとゲーリーヤマモトベビークローの4gテキサスリグ。フリーフォールで着底後、数秒間放置するパターンを繰り返した。

続く2位は4805gの江口俊介で抜群の安定度を見せつけた。4400gで3位は篠塚亮。去年最終戦優勝で何かが変わったのか、2連勝を狙える好スタートを切った(両名のパターンは別項で)。

上流組の茂手木が4155gで4位、そして総合優勝した馬淵は500gのペナルティー(追い越し違反)をものともせず4155gで5位スタートした。

Day2

快晴で迎えた2日目。朝5時半に宇和島市内のホテルを出るとクルマの窓が真っ白に。気温は氷点下2度。大会会場は少し標高が高いため、更に下がって氷点下4度。選手のボートデッキも真っ白になっていた。

朝こそ寒かったものの、風も前日よりは弱く、お昼頃には水温が上昇。これにあわせて動いた春バスが多くいた模様。それが顕著だったのが、最上流部。朝イチは前日に比べ3度も水温が下がったが、午後になってから多くの春バスが遡上・高活性化したらしい。恐らく同じタイミングで同じような事が湖の各地で起こっていたと思われる。選手の動きは大きく変わらないが、初日よりは上~中流域にボートが増えたように見えた。

単日トップは馬淵利治で初日の星野に続き6キロを越えた。馬淵は型揃いのキロフィッシュを5本釣ってきており「見えている感」を感じた。ウエイトに差がついてしまったが、3645gで単日2位は篠塚亮で好調をキープ。

3位に青木大介。同選手は稲生川中流域、水深2mまでのフラットに絡むカバーでキーパーをとり、垂直岩盤ではキッカーフィッシュ(プリメス)を狙った。使用ルアーは十八番の5インチスリムヤマセンコーのジグヘッドワッキーリグ。

4位に掛水、5位に小森嗣彦と続く。6位の伊藤までが3キロ台。初日よりは若干検量された魚が減ったものの、この寒さ・狭さを考慮すれば、やはり野村ダムのポテンシャルは計り知れない。

この日加藤誠司が釣ったバスが今大会のビッグフィッシュ賞を獲得。上流からみて最初のワンドの岬先端で魚探に映るバスを直撃、いわゆるシューティングで2340gフィッシュをキャッチ。クロステールシャッド3インチ(スモーク)のダウンショットリグで仕留めた。

予選トップ通過は馬淵利治。初日5位、2日目1位、重量ポイント満点で236ポイント。1ポイント差で篠塚亮。3位に青木大介、4位福島健、5位小森嗣彦と続く。6位の星野まではポイント差が小さく、まだまだ優勝圏内だ。

今年から60名に増えたが、予選通過人数は変わらず。つまり1/2が予選落ちとなる今シーズン。予選通過ボーダーは157ポイント、ウエイトにして2日間合計約3キロだった。

Day3

薄曇りで迎えた最終日の朝。前日のような放射冷却はなく、気温は辛うじてプラス。日中も12度まであがり、風が弱いこともあって最終日にしてようやく桜の似合う天候になった。

この陽気に釣られて爆発したのが最上流部。その恩恵を受けたのが、本堂靖尚と茂手木祥吾。2人とも5キロを越えて単日のワンツーフィニッシュした(本堂の釣り方は別項で)。

茂手木祥吾は4本で5025gを持ち込んだ。同選手の釣り方は最上流部の半サイト。水深60cm~1mにうっすら見える岩や冠水植物につくバスを見つけ、逃げる方向・位置を確認しながらワームをキャストした。更に、流心にからむ岩のシェードにドリフトさせるパターンも。冠水植物周りにはオイカワがたくさん居たそうで、やる気のあるビッグバスが最上流部に差していた。スワンプクローラーのノーシンカーワッキーリグとクレイジービー・クロステールシャッドのダウンショットリグを狙い所によって使い分けた。3日間ともに朝は最上流部に浮いていた茂手木。2日目午後からのチャンスをものに出来ていれば、馬淵と良い勝負が出来たはず。

大会会場少し下流にあるベンド+護岸の変化+岩が沈むストレッチ。ここには朝イチから江口俊介、青木大介が入った。江口は開始早々3本キャッチ、青木も1本キャッチ。しばらくして阿部進吾が中央部分へ入り、連発しているのが遠目で見えた。更にその後に入ったのが加藤誠司。先行者より一段深い3m付近にある大岩の下側を通過するバスをクロステールシャッドのダウンショットで狙い4本キャッチ。その前に前日のビッグフィッシュ場で1本キャッチしており、合計4740gで単日3位のウエイトを持ち込んだ。

総合成績へ目を向けると、1位通過の馬淵は最終日もリミットメイクを果たしたのに対し、1ポイント差で追っていた篠塚は3匹。青木・福島らも2キロに届かなかった。本堂が最終日トップで猛烈に追い上げたが、ポイント差があるため、馬淵が8ポイント差で逃げ切り、若干24歳にして優勝の快挙を成し遂げた。

馬淵選手は湖全域のシャローカバーを6lbsラインを使ったいわゆる「ベイトフィネス」タックルでランガン。ウィニングルアーはイマカツ・ジャバシャッドの3.5gテキサスリグ。ストレートワーム+テキサスリグ特有のクイックな動きでカバーに潜むキッカーフィッシュに口を使わせた。多くの選手が同じシチュエーションをスローに狙う中、裏をかいてのリアクション釣法が優勝に結びついた。

2位は本堂靖尚。主に上流勝負だった同選手、前出の茂手木どうよう2日目は水温低下でウエイトを落としたが、3日目の猛チャージが効いてトップ50復帰初戦を準優勝というかたちで終えた。なかなか地元有利にはならないトップ50シリーズだが、四国在住のイマカツチームメンバーがワンツーフィニッシュした。

3位は乗りに乗っている篠塚亮。同選手は中流域の風と流れが当たらないスポットの岸ギリギリをレインズ・キックリンガーのダウンショット、レンズ・スワンプジュニアのネコリグで狙った。オーバーハングやブッシュの中に入れていく感じで初日に4400g。2日目は釣り方は一緒で場所を変えて4本、終了間際にカバーへテキサスリグを入れて1600gのキッカーをキャッチした。3日目は、それまでの釣りが効かなくなり、なんとか小型を2本キャッチ。予選の貯金が効いて3位に踏みとどまった。

4位はお立ち台常連化しつつある江口俊介。同選手も今回は「ベイトフィネス」が主戦力。自ら開発中のオールソリッドロッド+K.T.F.チューンド・レボ+7lbsライン+4gテキサスシンカー+ゲーリー3インチシュリンプを使い、初日、2日目は湖各所のブレイクをダウンヒルで狙った。初日の12時まで釣れなかったが、その釣りに変えてからグッドサイズが連発。2日目は低調だったが、3日目は同リグのリアクション釣法に変えて朝から連発。見事に湖の状況変化に釣り方をアジャストさせ4位入賞。

5位は小森嗣彦。前日プラ時は「全然ダメ」と言っていたが、さすがはワールドチャンピオン。本流の「水温の変わり目」エリアにあるシャローカバー・オーバーハング周りで、ゲーリーカットテールワームのネコリグを使い、ボトムを這わせるようなドリフト釣法で釣った。キモは水温の変わ目と「ボトム」。3日間安定したウエイトで5位入賞、ゼッケン1の貫禄を見せつけた。

「ベイトフィネス元年」と囁かれる2010年、2人の選手がそれを使ってお立ち台。次戦はベイトフィネスのメッカ、霞ヶ浦水系での開催。さらに進歩したベイトフィネスタックルに期待したい。

第1戦のプレス同船情報 

  • 今江選手 3日間バスワールドさん(ビデオ)
  • 市村選手 1日目・2日目ロッド&リールさん
  • 篠塚選手 3日間釣りビジョンさん
  • 星野選手 2日目バスマガジンさん
  • 馬淵選手 3日目バサーさん
  • 青木選手 3日目ロッド&リールさん
  • 茂手木選手 3日目ルアーマガジンさん

 

写真・レポート: NBCNEWS H.Togashi

一部写真:バスマガジン

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