2010年7月2日~4日福島県桧原湖でJBトップ50シリーズ第3戦東レ・ソラロームCUPが開催され加藤誠司が嬉しいプロ戦初優勝を飾った。
週間予報では3日間ともに雨の予報だったが、結果的に3日間を通して概ね晴れ~薄曇りベースの天気(部分的なにわか雨はあった)。気温も連日19~24℃と安定していた。
プリプラでは産卵期にあたり、何を投げても簡単に釣れる状態だったという。それから2週間が経過。ラージマウスに比べて産卵後の行動は謎の部分が多いスモールマウス。400gを越えるバス達がどこに動いたか、どんな手段で釣れるのかを前プラ2日間で見極める必要があった。
アフターのスモールマウスを追うのが王道ならば、裏技的なのがラージ狙い。200~300g台のスモールマウスがたくさん釣れる桧原湖において、数が少ないながらも大幅なウエイトアップが期待できるのがラージマウス。1キロ前後ならばアベレージのスモールマウス2~3本の価値を持つ。優勝の加藤誠司は2日目に2本のラージマウスをサイトで仕留め、最終日もキッカークラスのスモールマウスをサイトで釣り単日平均2660gを持ち込み優勝した。
湿度が低く爽やかな青空で始まった第3戦。ミーティングを終え7時にフライトが始まる。大会中に湖畔を回ってみたところ、各所に満遍なくボートが散らばっている印象。湖畔からも何度がヒットシーンを見ることができた。ライブ中継を見ていても数はかなり釣れており、リミットメイクは当然、桧原湖では貴重な400gフィッシュをどれだけ混ぜることができるかが勝負の分かれ目となった。
昼に月島エリアで加藤誠司艇を見つけた。ロッドを振らずにパワーポール2本積みでシャローにステイ。ペアリング中のグッドサイズに午後から3時間張りつき、翌日に向けマイウォーターならぬマイフィッシュ宣言をしていた。
14時半の帰着と同時にSHINGOが検量へやってきた。前回の北浦戦と同じ展開。ビッグフィッシュ賞となる1898gのラージマウスを含めトータルウエイトは驚異の3965gをマークし初日トップに。
同じく驚異の3キロ越えの偉業を達成したのは今江克隆・小森嗣彦の2名。単日2位の今江克隆がとった戦略はいわゆる「地形のサイト」。スモールマウスのみで3186gをウエイイン。単日3位は絶好調小森嗣彦。同選手にとって桧原湖は元ホームレイク。たくさんの引き出しを元に数を重ねて最終的にはスモールマウスのみで3022gまでウエイトを上げた。単日4位の小池はラージマウスをいれて2978g。
3日間通してそれができればお立ち台は確実といわれた「2500g越え」が12名にも達した。入れ替えは当たり前の釣れっぷりで、ライブウエルに300g台を残していては予選通過が危うい状況の初日だった。
この日も快適な薄曇りのなかスタート。NBCNEWSは前山艇に同船した。同選手は午前中を早稲沢で、午後は京が森エリアに浮いていた。朝の早稲沢エリアは活性が高くボイルとバイトが連発。遠くに浮く今江・小森らも頻繁にロッドを曲げていた。この日は月島エリアが人気で、一般のボートも入れて30を超すボートがひしめき合った。そして、加藤誠司は月島のシャローで前日から温存しておいたラージマウスを10時半までに2本キャッチすることに成功した。
「グッドサイズが口を使うタイミング」に的確な場所へルアーを入れられるかが勝負の流れを決める事が多い。特にアフタースポーン以降のスモールマウス戦ではそれが顕著に現れる。2日目は午後から天候が不安定になり、各所でその時合が訪れたようだ。顕著に表れたのが月島エリアで、そこに浮いていた選手の多くが2300g前後をウエイインした。
2日目トップは加藤誠司。前出のラージマウス2本とのミックスバッグで3256g。続いてルーキー佐藤大介がスーパーキッカーのスモールマウスを入れて2938gで2位。3位は江口俊介で2768g。
加藤誠司が227ポイントで予選トップ通過。初優勝に王手をかけた。北浦戦のリベンジを狙うSHINGOが1ポイント差で加藤を追う。10ポイント離れて小森嗣彦が3位。
3日目決勝は参加選手が30名だが、トップが60ポイント獲得できるルールになっている。キーパー1本でも釣れば最低でも31ポイント獲得だがノーフィッシュの場合は5点のみ。今回の桧原湖戦において、ノーフィッシュはまずありえない。となると逆転優勝の可能性があるのは暫定トップ10人くらいに絞られる。
加藤は言う「最終日の朝、見に行って居なかったらオレの試合は終了」。どうやらもう1本サイトで狙えるグッドサイズが居るらしい。
天候・気温・水温は3日間ほぼ一緒だったが、風向きは3日目だけが違った。南よりだった予選から一転し北寄りの風になった決勝3日目。この影響を受けたのが2日目午後に好調だった月島エリア。風が当たらなくなりバイトが遠のいた。代わりに好調だったのが孤鷹森・馬の首エリア。
この日記者は大熊艇に同船。同選手は孤鷹森と月島エリアがメイン。月島側は不発で、孤鷹森でキーパーを次々とキャッチした。朝の早い段階から加藤誠司のトライトンが右往左往しているのが遠目に見えた。例のバスは居なくなったのか、早々に釣り上げたのか・・
帰着時刻が迫る頃、最北部で加藤艇を見かける。白い2本のパワーポールは数百メートル先からもはっきり見える。かなり早い速度でシャローをエレキで流していた。すれ違いざまカメラを向けると首をかしげながらの笑顔。果たしてその意味は?(加藤の3日目には釣りビジョンカメラが同船、詳細はそちらで)
結果、加藤誠司のウエイトは2166gで単日8位の成績。SHINGOは3本で失速、小森も1840gとウエイトを落とした。暫定2位のルーキー佐藤大が単日2位で猛チャージするも、ポイント差を縮めることができず、加藤誠司が逃げ切りで優勝した。同選手は現在のJBメンバーでは最古参組のひとり。近年では得意のサイトフィッシングが効く大会が多くお立ち台に上がる機会が増えたものの、一番高いところは初めて。若手の台頭がめざましい近年だが、前戦準優勝の泉、そして今戦優勝の加藤とベテラン勢もまだまだ健在だ。
総合2位はルーキー佐藤大介。多くのルーキーが苦戦する中、堂々の準優勝。年間ランキングも7位まで上げた。3位は過去の桧原湖戦で優勝経験もある福島健。年間ランキングはトップタイ。4位はこちらもお立ち台常連の江口俊介。初日25位スタートから猛チャージし総合4位。5位は北大介。今年は不調だったが、折り返しの第3戦で嬉しいお立ち台。
折り返しの第3戦を終え年間ポイントランキングトップ50は以下の通り
1位 | 小森嗣彦 | 170p | 24,866g |
2位 | 福島健 | 170p | 23,300g |
3位 | 江口俊介 | 168p | 25,201g |
4位 | 青木大介 | 159p | 23,427g |
5位 | 市村直之 | 150p | 21,730g |
6位 | 今江克隆 | 133p | 21,002g |
7位 | 佐藤大介 | 132p | 18,562g |
8位 | 本堂靖尚 | 131p | 20,089g |
9位 | 馬淵利治 | 127p | 24,002g |
10位 | 篠塚亮 | 127p | 19,163g |
残すは四国2連戦。小森の連続ワールドチャンプとなるのか、2位~5位に並ぶヒューマンOB若手組が阻止するのか?今江克隆が大逆転を果たすのか?8~9位の四国チームも気になる存在。下位選手の残留を掛けた戦いにも注目。第4戦は9月3日~5日に旧吉野川で開催される。