遠賀川のデジャブ?
沢村幸弘が15キロに迫るウエイトで圧勝!
2016年10月21日~23日茨城県霞ヶ浦水系でJBトップ50最終戦がまかつCUPが開催された。同水系の大会では毎日3キロ後半を釣って3日間合計12キロほど釣れば優勝ラインと言える。単日で5キロ近くのウエイトを持ち込む選手は少なくないが3日間連続というのは殆ど無い。が、今大会の沢村幸弘は5520g、5205g、4255gというハイスコアを連日持ち込みトータルウエイトを14,980gとして圧勝した。「沢村さんだけが異様に釣る」そう、まるで遠賀川戦を見ているような3日間だった。
Day1 沢村幸弘いきなり5520g!4キロ台も5名
夏日だった前日から一転。寒気が関東地方まで降りてきて平年並みの気候になった。朝の気温は14度。日中も18度までしか上がらなかった。水温は20度。水温より気温が低い季節。いよいよ秋本番。すっきり晴れ上がった青空の下でフライトが始まった。
湖上ツィッターによれば比較的釣れている感じ。
結果、初日の検量率は96%、リミットメイク率は25%と一ヶ月早い開催の2015年最終戦よりは劣るものの、概ねよく釣れている状況。3キロ後半から4キロ台が10名とウエイトも良かった。
初日トップは沢村幸弘の5520g。
※沢村選手は10月29日~30日に同水系で開催されるバサーオールスタークラシックにも参加するため今大会の釣り方などについては現時点(10月25日)では公開されていません。よって、沢村選手については書くことができません。ご了承ください。
2位は横山朋毅。北浦八幡ワンドの奥にある竹杭をライトテキサスリグ(OSPエコドライブシャッド3.5インチ)のタイトフォール~スイミングで攻め4765g。
3位は前週のチャプターブロック大会で優勝した篠塚亮。北浦のハードボトム1mを14gキャロライナリグ(Reinsリトルレインズホッグ)で攻め2本、霞ヶ浦東岸の消波ブロックをダウンショット(Reinsリトルレインズホッグ)で狙い3本をキャッチ。4500gを持ち込んだ。
年間ポイントランキングトップの北大祐は3920gで単日7位。10ポイント差で北を追う五十嵐誠が16位。北がAOYに王手をかけた。
Day2 西川慧が5,770g!小林知寛は5,630g!
2日目は曇天弱風。朝の冷え込みが緩んだうえ、前2日間が晴れだったので、かなり釣れそうに見れる天気だった。
この日のトップは西川慧。北浦全域の2.5~4mにある杭をランガン。7gダウンショット(Jackallウォブリング3インチ)で合計7匹キャッチ。10時前には5700gを超えていたという超ストロングパターンだった。
北浦のやや深めを狙った西川と対照的に2位の小林知寛は霞ヶ浦本湖のドシャローを周った。ラバージグ(Evergreenキャスティングジグ)・リーダーレスダウンショット(Baitbreathポートリー3インチ)・バックスライド系ノーシンカー(エビちゃん:Baitbreathフィッシュテール4インチ改)の3つを感覚で使い分けウッドカバーについてるビッグバスを狙い7本キャッチ。更に東岸の木枠をスピナーベイト(Evergreen Dゾーン3/8oz)で1本追加、最終ウエイトを5630gとした。
そして単日3位は沢村幸弘。詳細は不明ながら初日とは全く違う場所でも釣ったとのこと。この日も5キロを超えた。
予選結果 10キロ超えで沢村幸弘が予選トップ通過
いきなりの10キロ超えで沢村幸弘が予選トップ通過。西川慧が1210g差で2位。1635g差で横山朋毅が沢村を追う展開に。
4位、5位には九州出身の若手 早野剛史・佐々一真が入った。
年間ポイント争いの2名は北大祐が14位、五十嵐誠が17位。戦前のポイント差は縮まったものの、依然として北がリードを保っていた。
決勝 激荒れで北浦西岸が壊滅
予選の2日間は平穏だったが3日めについにその日が来た。終日4~5mの東寄りの風が吹き荒れた。この影響を受けたのが北浦西岸に場所を持っていた選手。山田ワンド・八幡ワンドなど有名大場所は西岸にあり、この風で場所を失った選手は少なくない。また最終日は競技時間が短いこともありウエイイン率は6割まで落ちた。
風にもっともヤラれたのが暫定2位の西川慧でノーフィッシュとなってしまった。圧巻は暫定トップの沢村幸弘でこの日もトップウエイトを持ち込み誰もが遠賀川のデジャブ?と思った。
1位、3位、1位、トータル14,980gの圧勝劇
前出の通り沢村幸弘の釣り詳細を書くことが出来ない。今回の「Story」は遠賀川戦のときのように沢村幸弘の釣りをフィーチャーして書くつもりだったが、まさかの事態に・・・。
使ったルアーは公開されている。その中で目を引くのがフットボールジグとシャッドテールのトレーラー、そしてそのバランス。キャリラバ1/2ozにワンナップシャッド3インチをセットしている。この組み合わせは「スピード」を意識しているのではないだろうか。お立ち台では「速いか・遅いか」と言っていたので、恐らく「速い=フットボール」、遅い「ネコリグ」を使い分け、遠賀川戦のように「場所は案外知られているけど、ルアーの動かし方で他の人には釣れない魚を釣っている」と想像。答えはブログ「サワムラ式」でオールスター後に公表されるらしいので要チェック。
総合2位はトップ50参戦10年目で初お立ち台の横山朋毅。矢幡ワンド奥の竹杭群で3日間過ごした。気象変化やベイトフィッシュの動きにより、そのポイントへ新しい魚が入っているようで、100mのストレッチを何度も往復してウエイトを伸ばしていった。初日~2日目は昼頃に4キロを超えた。2日目はスピナーベイトでキッカーをキャッチした。お昼前の水温が20度を超える時がプライムタイムだったらしい。トータル11,748gで準優勝。
総合3位はルーキー佐々一真。北浦最上流部の流入河川河口部にあるカバーをリーダーレスダウンショット(Reinsリトルレインズホッグ)で攻めた。2位の横山と同じく水温が上がる午後にラッシュが掛るタイミングであり3日連続リミットメイク。トータルウエイト11,439gでルーキーイヤーでお立ち台へ。
総合4位は江口俊介。霞ヶ浦小高干拓エリアの石積みインサイトのピンスポットで3日間過ごした。使用ルアーは2.7gテキサスリグ(Sawamuraエコバレット)。ブロック際へのフォール~ボトムチョンちょん~手前の杭・カバー横スイミングなどワンキャストでいろいろなアクションを加る方法。朝と昼前にラッシュがあったそう。予選6位から2つ順位を上げ久々のお立ち台へ。
総合5位は川口直人。北浦をメインとして、2~4mにある杭・オダ・沈船・石などをひたすらランガン。4~5箇所回って1匹ポロ、という甘くない状況だったが3日間ハズすことなく3キロ台を持ち込みトータル10,783gでお立ち台へ滑り込んだ。使ったルアーはネコリグ(Daiwaネコストレート6.5インチ)とリーダーレスダウンショット(Jackalチャンクロー)。
年間チャンピオンは北大祐が獲得
2016年の北大祐は第1戦から4位・優勝・5位・6位と圧倒的な強さで最終戦を迎えた。第4戦終了時のポイントは240満点中228点。
暫定2位の五十嵐誠は11位・11位・3位・優勝と徐々に北との差を埋めてきたが218点と10点差を追う展開。
結果、五十嵐誠は総合9位と健闘したが、北大祐が大きく外すこと無く14位でフィニッシュ、5点差で逃げ切った。
2013年以来2度めのトップ50年間チャンピオンに輝いた。
2位は五十嵐誠・3位小森嗣彦・4位青木大介。そして去年の骨折休場から見事復帰した関和学が年間5位にランクイン。この5名が2016年JBエリート5に出場。6位の沢村幸弘・7位の小林知寛までがクラシックの出場権利を獲得した。
写真:NBCNEWS・Observer
報告:NBCNEWS H.Togashi