ルーキー青木唯
遂に?早くも?トップ50お立ち台の頂点に立つ
2021年トップ50シリーズ最後の戦い第2戦東レソラロームCUPが開催されルーキー青木唯がついに優勝した。年間ランキングは1ポイント差で藤田京弥が逆転勝ち。2人の規格外な若手が暴れまくった今シーズンだったが、最後の最後までこの2人が魅せてくれた。
弥栄ダムについて
広島県と山口県の県境を流れる小瀬川をせき止めた弥栄ダム。ぱっと見普通の山間リザーバーだが標高はわずか100m。
トーナメントサイトがある「弥栄湖レンタルボート」から見て地図の左が「美和筋」、上が「上流」、右下が「下流」と呼ばれている(通称)。トーナメントサイトから小瀬川上流域まで3キロ台と決して広い湖ではないが動力船禁止であるために体感的にはけっこう広い。エレキボートの時速が5km/hだとすると各エリアの端までは数十分を要する。バッティングも考慮するとランガンで攻めるのは非効率。ひとつのエリアで腰を据えて戦う選手が多かった。
過去JBワールド~トップ50シリーズが開催されたのは2003年5月・
2007年11月・
2017年6月の3回。4回目の2021年は当初6月開催予定だったが、コロナの影響で11月に延期されての開催となった。
ハイシーズンはとてもよく釣れる弥栄ダムだが、さすがに晩秋11月は簡単ではない、とプラで感じた選手が多かったようだ。
Day1 藤田"兄"夏輝が4295gでトップ
濃霧の中、58のエレキボートが静かにスタート。3つの筋に均等に別れた感じだったが、若干美和筋に向かったボートが多かった。
8時を過ぎると霧が晴れて青空に。朝こそ防寒ウエアを着ていたが9時には脱げるほどの暖かさだった(陸上では)。
初日は47名が検量し24%がリミットメイクした。数字上1匹の平均重量は514gだが、実際には500~700gクラスは少なく200~300gと1キロ~2キロが多い印象だった。長さで言うと25cmか40クラス、稀に50アップみたいな感じ。
初日トップは藤田夏輝で4295g。本流中流域の岬状+立木のポイントに回遊してくるキッカーバスをライブスコープを使ったサイトでキャッチ。使ったルアーはスリークマイキー90(スリークオイカワ)のブレードアラバマ。以下動画がキッカーキャッチの一部始終。
本人のSNSより引用
立木から泳ぎ出したバスを確認してから、泳いでいる進行方向と水深に合わせてキャスト。
↓
フォールでバスの位置に持っていき、そのままフォールで追わせていく。
↓
バスとルアーの距離を詰めたタイミングでジャーク&ポーズでリアクションを掛ける。
↓
段々と距離を縮めていき、最後のワンアクションの後の"ふわっ"となった時にバイト
終了30分前の痺れるイッパツでした
2位本堂靖尚4,220g、3位今江克隆3,456g。2500gでシングル、1200gで30位という感じだった。
Day2 今度は藤田"弟"京弥が4,270gでトップ
2日めも朝8時頃まで濃霧。その後は青空という天候。この日は取材艇を出してみた。美和筋の奥にある通称「トナカイワンド」に船団ができていた。冬の定番スポットなのだろうか、みなライブスコープを覗き込みライトリグを操作していた。
本流を上流方面へ向かうと、岬状のスポットに4艇浮いており初日トップの藤田夏輝のボートも。他は地形変化や立木スポットにポツポツ浮いていた。
下流方向はボートが少なかった。
どの場所でも選手達はライブスコープをひたすら覗いていた。GPS自動エレキのためペダルを踏むこともなくひたすら画面を注視する。ここ3年で選手の釣りをしてる佇まいはすっかり変わった。
2日めトップは藤田京弥で4270g。
以下本人SNSより引用
弥栄ダム戦で一番感動した魚水中に木の幹が100本ほど入っている中に潜られ正直終わったかと思いましたが、クイックドラグを瞬時に操作しキャッチ
この魚が獲れていなかったら年間優勝はできなかった。
僕が監修させていただいたクイックドラグが、僕をワールドチャンピオンにさせてくれました。
以下本人SNSより引用
エレキスピードMAXで探し続け、帰着1時間前にようやく出逢ったキッカーフィッシュ!
虫のチョウチンアプローチで一撃でした
2位に河野正彦3992g、3位福島健3,858g、4位青木唯3,594g。5位以降は2キロ台。リミットメイク9名、10名がノーフィッシュだった。
予選結果 上位3名がU25
2日間の予選を終えトップ通過したのは藤田京弥。初日4位、2日め1位と安定した釣果。まさに令和のモンスター。2位は河野正彦、3位に青木唯。西の河野・東の青木という感じで在学中から頭一つ抜けた存在だったこの二人はヒューマンフィッシングカレッジの同期で22歳。
藤田京弥は今年25歳、そう予選トップ3がアンダー25というのが令和時代のトップ50なのだ。エレクトロニクスの進化で確実に時代が変わった。
立木の青木が逆転優勝
11月開催とあって水温が上がる「午後の時合」を狙っていた選手も少なくなかったが、最終日は競技時間が短い。その影響をもろに食らって予選トップ通過の藤田京弥はキーパー2本544gで最終日を終えた。
一方、もう1人の令和の怪物青木唯は得意の立木の釣りで4800gをライブウエルに収めていた。
トップ50参戦1年目ながら9月の桧原湖で4位、10月の七色で5位、そして11月の弥栄湖で遂にお立ち台の頂点に立った。全てライブスコープを使って立木を狙った釣りがメインパターンだ。「タチキのアオキ」の誕生である。マスターズ河口湖・野尻湖優勝、JBII河口湖3戦全勝などもちろん立木がなくても強い。初日25、2日め35、3日め48、尻上がりに釣果を上げてくるのも青木の特徴だ。
年間ランキングは2年連続で藤田京弥がトップに
暫定1位小森嗣彦とのポイント差16点を逆転して藤田京弥が2021年のJBワールドチャンピオンを獲得(2年連続)。同選手はマスターズAOYも獲得済みなのでJB3大タイトルのうちの2つを獲得。もう一つのクラシックは来年春に開催される。
なお、3冠中2冠同時獲得は2018年に同じく藤田京弥がクラシック・マスターズAOYを獲得したのがJB史上初めて。
クラシックは河口湖開催なので史上初の3冠総取りも藤田京弥ならやれそうな気がする。が、青木唯もまた河口湖はホームレイクである。
本題から少し逸れるがこの規格外の2人の2021年の主な戦歴は以下の通り
藤田京弥 2021年JB戦プロ戦 10勝
- JBトップ50第1戦 遠賀川 2位
- JBトップ50第2戦 弥栄ダム 2位
- JBトップ50第4戦 桧原湖 優勝
- JBトップ50年間チャンピオン
- JBマスターズ第1戦 津風呂 優勝
- JBマスターズ第2戦 霞ヶ浦 2位
- JBマスターズ第3戦 河口湖 2位
- JBマスターズ第4戦 野尻湖 3位
- JBマスターズ年間チャンピオン
- JB河口湖A第1戦 優勝
- JB河口湖A第2戦 優勝
- JB入鹿池 第2戦 優勝
- JB入鹿池 第3戦 優勝
- JB入鹿池 第4戦 優勝
- JB入鹿池年間チャンピオン
- JB河口湖B 第1戦 優勝
- JB河口湖B 第3戦 優勝
- JB河口湖B 第4戦 優勝
青木唯 2021年JB戦プロ戦 6勝
- JBトップ50第2戦 弥栄湖 優勝
- JBトップ50第4戦 桧原湖 4位
- JBトップ50第5戦 七色ダム 5位
- JBマスターズ第3戦 河口湖 優勝
- JBマスターズ第4戦 野尻湖 優勝
- JBII河口湖 第2戦 優勝
- JBII河口湖 第3戦 優勝
- JB河口湖A 第4戦 優勝
ここまで圧倒的に強いのはJBの歴史30数年で初である。
青木唯インタビュー
ーープラクティスは何日間行いましたか?
七色戦が終わって3日後くらいから合計12日間入りました。
ーーもちろん弥栄ダムは初めてですよね?
そうです。あ、でも最初6月の予定だったので、そのときちょっとだけ。
ーー弥栄ダム自体そんな広くないけどエレキのみなので体感は広いと思います。全域チェックするのに何日くらいかかりますか?
ざっと見なら3日くらいです。一日、一日、一日で。(注:3つの大きなエリアを一日1エリアという意味)
ーー弥栄ダムは美和筋以外はドン深なんですよね?ということは両岸だけ見ていく感じですか?
だいたい岸を流していく感じですね
ーー岸の景色みて、立木をチェックしたり?
そうですね。あと僕は沖も見てました。沖はなんにも無いけど、たまにでっかいやつがボイルしてるので。ただ数は少なくて狙って釣れる感じではなかったです。
プラクティスの間に河A(河口湖のローカルJB戦)とかもあったんですが、京弥さんと話をして河口湖には戻らず弥栄湖でプラクティスしてました。
ーー今年は何にでてんですか?
河口湖AとJBII河口湖です。
ーー何回勝ったの?
Aは1勝してIIは全勝してたんですけど(笑)
ーーえええーーすっご、全勝!(凄すぎて自然と笑ってしまう)
しかたないです(笑)
ーープラクティスを終えた感想はどうだったんでしょう?
正直、行けそうだなと思いました。
ーープラ中、実際に魚は釣り上げますか?
最初の頃にもう釣れるのが解っていたんで、もうそっからは釣ってなかったです。
ーー釣れるのが解ってたというのは、最初ちょと釣りをしてみて、あー簡単に食うわ、みたいな感じ?
そうです。
ーーそれはライブスコープの釣り?
サイトもライブスコープもどっちも簡単に食ってきました。
ーーサイトというのは普通に岸近くを泳いでるのを虫とかで狙うサイト?
そうです。僕もチョウチンで釣れるのは解っていました。でも、勝負できるほどの数が居ないってわかってたので、僕は(本番では)やらかなったですね。
ーーえっとゆいPもサイトはするんですか? あんまりサイトのイメージがなくて
サイトが本業でした。
ーーそれは河口湖で鍛えて?
そうです。
ーーあ、本当のサイトが出来なかったら、ライブスコープサイトもできないですからね。
そうです。たぶん出来ないです。
ーー2週間くらいプラしてると、この時期は季節が進んだりすると思うんですが、変化ありました?
今回はそんな無くて。ただプレッシャーは感じました。
ーー12日前ってどれくらいの選手がプラに来てました?
小森さんとあと一人くらいでした。
ーーではだいぶ早い段階から入ってたんですね。ちなみに車中泊?
いえ今回は宿に泊まっています。トーナメントで勝ったぶんは自分に使う感じで。
ーーあ、スポンサーからでなく自腹で?
もちろん自腹です。
ーーマスターズも2勝してますからね。
はい。
ーープラが終わって、ちょっとプレッシャーが気になるけど、まーまー行けそうだな、という感じだったと。で、初日始まりました。初日は3本2574g9位。どんな展開だったのでしょう?
3日間小瀬川やってたんですが、上流のほうがデカイのがいる感じで。2キロクラスが出てたんで、そっちに狙いに行ったんですけど、思ったより人が多かったです。みんなもっとキーパー狙いをしてこっちには来ないと思ってたんですが、想像以上に勝負に来てる人が多かった。それが予想外でした。フレッシュな状態がどんどん減ってた中でそれだったので、狙える魚が少なかったです。
ーーそれはサイトの魚?
ライブスコープの魚です。
ーー立木にいるやつ?
立木のとあと岩盤を回遊してるやつです
ーーあ、回遊のもライブスコープで見えるんですね。すげぇ。どれくらい上流ですか?藤田兄が浮いてた出っ張りより上流?
あれよりももっと上にもポイントはありました。
ーーオカッパリの人がいる橋みたいなところくらいまで?
あそこより100mくらい下流までがエリアです。
ーー本命エリアは意外にバッティングが多くて苦労したと
そして釣れてくる魚も想定外に小さかったです。でも2日め、3日めで挽回すればいいかなと思ってて特に焦りは無かったです。
ーー2500の内訳は
1本がキロちょっとであとは800くらいで。
ーー2500で9位、上位が3キロ、4キロだったけど、そこに焦りはなかったと
そうですね。1本でぜんぜん挽回できるので、焦りはなかったです。
ーーゆいPは後半盛り上がるタイプよね? マスターズもそうだけど一日目にドーンと行くタイプではない
そうですね。
ーー焦りは無い
そうですね。自分の魚は絶対にいるので。
ーー凄いですね。割と鋼の心臓タイプよね?
笑。
ーー京弥くんもそうだけど、凄い気持ちが強い、って自分では思わない?
そうですかね?笑 わからないです。気にしてないだけかもしんないです。
ーーいや、二人は本当にメンタル強いと思う。そうじゃなきゃあのメンバーの中でやっていけない。
そうですね
ーーわかりました。初日2500で9位だったけど、自分の魚は確実に居るので焦りは無かった初日だったと。では2日めです。3匹3500g 4位。どういう流れだったんでしょう
前日、ナツキさん(藤田夏輝)が上流で結構釣ったじゃないですか。そうするとみんな上流に行くことを見越して自分は下流のビッグフィッシュポイントに向かいました。
ーーそれは何箇所くらいあるんですか?
ダムサイトの方に4箇所
ーーそれは立木とか地形変化とか?
なんか、同じ立木・岩盤でもデッカイのがいるのはいつも決まってて、それが下流に4箇所ありました。
朝イチに3日間で一番デカイのが釣れました。
ーーそれが2キロくらい?
そうです。
ーー3500中の2キロなので、あとは2匹で1500と。初日のトップはもっと釣ってるんで、もっと釣りたいですよね?
釣りたいんですけど、もうプレッシャーがすごくて。正直プラの段階だったら5キロ、5キロ、5キロは行けると思ってたんですけど。そううまく行かなかったです。
ーープレッシャーで魚が居なくなる?もしくは食わなくなる?
居なくなるし、食わなくなりますね。でかいやつの割合は多いんですが、個体数が多い感じは無くて、常に他の人にアプローチされた後の魚を狙う感じでした。
ーー予選結果は3位でした。これは想定内?
こんなウエイトが低くなるとは思ってなかったので不満でした。
ーー1位の京弥くんとの差が1300。1300はあの湖ではぜんぜん逆転できる数字だけど、相手が相手で
逆に燃えました。相手が京弥さんだったから。
ーーやっぱり気持ち強いね。で3日めを迎えます。終わってみれば3日めがキーでした。
3日めは僕はチャンスだと思ってました。人数が30人に減ってアプローチされる魚がすくなるなるから。その日に、自分のルアーを初めて見る魚が多くなるから、たぶんイケると思って。
ーーはぁあなるほど。下流は特に人が少なかったですしね
でも、下流も上流もどっちでも釣りました。
ーー4本4800、最終日は思い通りの展開になったと
そうですね。そういうルアーを見てないバスが多かったので、この日はラストエースを多めに投げました。その日に一回でもルアーみたやつは絶対に食わないので。そういう大きいルアーは。
でも、一度もルアーを見てないやつだと、ルアーが大きくてもスーッと寄ってってパクっと。
ーー4本釣ったのは何時くらいです?
4本めは11時半くらいですね・
ーー4本目釣って勝ったと思った?
はい。しかも、その4本目は京弥さんの前で釣ったんですよ(嬉)
そして釣ったあと京弥さんに釣ったぞアピールしました。その時の京弥さんの反応で「あ、これは勝ったな」って思いました。
で、作戦で、、あ、これは良くないことかもしれませんが・・・
京弥さんが対岸にいたので、同じスピードで対岸を流してました。絶対、僕を意識するんですよ。だから、敢えて視線に入るようにして。それだけで京弥さんの集中力はだいぶ落ちたと思います。
ーー笑。すっごいね!
もう僕は十分釣ったので、もうあとはあっちを崩すしかないと。
ーー凄い~これ書いて良い?
良いことなのかわからないです(笑)
ーーいやこれはボツにするのは勿体ないんで書きます。場所はどのあたり?
ナツキさんが釣ってたところのちょっと下流ですね。4本め釣ったあとはずっと対岸をついていって、最後は横に並んで釣ってました(笑)
ーー最後は並んで会話したの?
いや敢えてしてないです。
※文末に後日談あり
ーー優勝はどの時点で確信しました?帰着したころ? (藤田京弥と青木唯は仲が良いのでボートは割と近いところに停めがち)
もう帰着した瞬間わかりました。
ーーそれは京弥くんの空気で?
もう駄目だみたいな。ちょっとコウノ(暫定2位の河野正彦)を警戒してて。あいつこういうの得意だったんで、変なの釣ってくるんじゃないかな?って思ってました。
ーー河野くん、帰着のときゆいPのボートのとこにいましたね。
河野から「駄目だったわ」って言ってきました。
ーー昔からの知り合い?
ヒューマンの同期なんで。
ーーでも学校違うよね?
大阪校では彼が一番上手いので。
ーーなるほど。優秀なもの同士、知ってるってことか。河野くんは最終日ブルフラットのでっかいのをパッちゃ~ん投げてズル引きしてた。なかなか凄い釣り。
関西のひとの独特の釣りですね。
ーー帰着したくらいで優勝は解ってしまったのですね。感想は?ってそれは嬉しいと思うんですが、マスターズとは違いますか?
はい。でもマスターズは最初の優勝は凄い嬉しかったです。もう生活が本当にキツかったので。
ーー今回の大会について、最後になにかあります?
確かに勝ったのですが、ウエイトの読みが甘かった、プレッシャーを舐めてましたね。
ーー勝ったけど手放しでは喜べない、と
最初にそれを知っていたら、もっと必死にプラの段階で釣れる場所を探してたと思います。まだ、甘いな、と思いました。
ーー今大会のことはここまで。では、次にゆいPの事を知らない人もまだ多いと思うので。まだ22歳。バス歴もまだそんなに長くないんですよね?
バスをしっかりやりだしたのは高3から。
ーーあの辺はあんまりバス釣りやることろがないのでは?(記者と同郷の山形県出身)
前川ダムに自転車で2時間半かけて行ってました。
ーーあのダム、記者も一回いったけど、なかなか難しいしデカイのもあんまり居ないイメージ
デカイのもいるんですが餌がなくて具合悪い感じですね。
ーーそもそもバス釣りを始めたきっかけは?
高2のときに進路に悩んでいて。うち裕福ではないので凄い勉強して、お金たくさんもらえる仕事に就こうと思って頑張ってたんです。でも、ふと「そんなお金って大事かな?ってふと思って。自分の好きな事を振り返ったら、あ、釣り好きだな、って。
ーーあ、バス釣りはしてなかったけど他の釣りはやってたんですね
父がアウトドア好きで、その一環で釣りも色々やってたんですよ。自分、何が好きかな?って振り返ったらバス釣りがあったんです。で、ちょっと色々調べてみたら、青木さんがオールスターで優勝してるのを見て、こんな痺れることあるんだな、って。
ーーそれはYouTubeかなんかで?
YouTubeで優勝した記念動画みたいのがあって。それみて、これは凄いな、って。
ーー凄いのはオールスターの観客の数とか?
観客の数もそうだし、青木さんのパフォーマンスとか。あと泣くんだな、って思って。魚釣って泣くことあるんだな、って。で、とにかく青木さんってカッコいいじゃないですか。
なのでそのとき、これになりたい、って思ったんです。一番可能性の低い夢ではあったんですが、もう誰に何を言われてもなんとも思わなかったです。不思議と。
ーーこの世界に進もうと思ってご両親に相談しました
もう喧嘩ですよ。やると決めたら絶対にやるんで。高2まで結構良い高校通っていたんですが、バスプロになるならもう勉強する必要ないと思って、通信校通ってバイトしてお金貯めて、バイト終わったら釣りに行く、みたいな。そして毎日毎日親と口論が耐えなかったです。
ーー凄い。その後ヒューマン河口湖校へ。その時点でご両親は?
母はやりたいことやりなさい派だったんですが、父はまだ納得いってなかったです。
ーーえ?それは今でも?
いや、今は喜んでいます(笑)
注:桧原湖戦のときご両親が会場近くまで応援にいらしてました。
ーーヒューマンは2年間ですよね。その間、河口湖で毎日釣りをしたと。ヒューマン時代に青木大介さんと会ったことは?
一回あって「あー本物だー」と感動しました。まさかその人にスポンサーされるとは思ってなかったです。
ーーヒューマンの2年生、2019年にJB河口湖AとJBII河口湖でプロ戦デビュー。いきなりお立ち台上がりまくり。これはまだライブスコープ前ですよね。サイトとか?
サイトですね。
ーーっても凄いわ。2020年は卒業してJBマスターズに参戦しました。全国区デビュー。マスターズの河口湖で総合2位になりました。そして河口湖のJBローカル戦でも優勝しまくり。このとき、ディスタイル社のSさんに「うちの青木が凄い!青木の後継者は青木だ」って船津のガストで聞きました。とはいえ、まだ河口湖しかしらないのでトップ50で通用するのは2~3年かかると思ってたけどまかさの翌年に優勝・・・言葉がでません。
ライブスコープ買ったのは2020年?
2019年に河口湖で京弥さんがそれで釣りまくってて、もうこれがないと無理だと。
ーーまーまー高いですよね
まーまーどころじゃないですね(苦笑)本当に。あの後に勝てなかったら終わってましたね。
ーーそこで買ったのは凄い決断ですね
一か八かでしたけど。
ーーでも、そういうのって人生に何回かはあるよね。オレも
ーーーおっさんの自分語り(省略)ーーー
ーーで、その後は皆さん知っての通りの破竹の勢いで凄い成績を連発するわけですが、なんというか、ゆいPの下の世代で猛烈にライブスコープを練習してて、ゆいPや京弥くん並みに使いこなしてるヒューマン生は居ない?
みんな練習はしてるようですが、まだ成績に結びついてないですね。よくわからないですけどね。
ーーライブスコープの使いこなしについて、TVゲームが云々という話もあったけど、それは違うと思うんですが。
TVゲームは関係ないですね。
ーーなぜそこまで飛び抜けて釣れるんでしょう?天才なの?(笑)
うーん。でも、どんな釣りに行っても、渓流とかでも他よりよく釣ってましたね。
ーー伊藤巧さんと一緒に釣りしたようですがどうでした?
アメリカに行きたくなりました。
ーー日米ライブスコープ対決やってほしいね
京弥さんも混ぜましょうよ
ーー最後に来年の展望というか意気込みを
今年よりは参戦の環境がよくなるのと、マッディウォーターがまだまだだとか改善すべきところが見えたので、それが改善できれば日本一が取れるな、と見えました。
ーーということは狙うはトップ50年間チャンピオンですね。カスミ水系はやっぱりまだ経験が少ないですよね
不得意というか経験値が浅くて、好きなんですけどね、やってて楽しいです。
ーー長々とありがとうございました。
-------
PS:最終日、藤田京弥の視界に敢えて割り込んで集中力を落とす作戦のことを藤田本人に伝えたところ・・・・
「あーそれ、ゆいP完全に作戦ミスですね。僕全く気にしてなかったです(笑)」
とのこと。上には上が居た・・・
写真・レポート:NBCNEWS H.Togashi
動画提供:選手の皆様