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参加者数 | 88人 |
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検量/率 | 54人/61% |
LM人数/率 | 21人/23.9% |
バス総数 | 110匹 |
バス総重量 | 57,004g |
1匹平均重量 | 518g |
3匹 | ![]() |
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2匹 | ![]() |
1匹 | ![]() |
0匹 | ![]() |
3000g~ |
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2000g~ |
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厳しい残暑の中でTOP50シリーズ第4戦が四国・旧吉野川で開催された。このフィールドは河川の最下流に位置し、河口堰ゲートの開閉と潮位差によって目まぐるしく水位が変動する。ゲートを閉じれば水位は短時間で上昇、ゲートを開ければ全域で急流が発生して水位が下がる。また、水位を安定させる定水位の時間帯も設定されている。
この水位と流れは大きくバスの行動に影響を与えることは言うまでもない。ゲートの操作は旧吉野川河口堰管理事務所のホームページで予め確認することができ、水位と潮位が示されたグラフをもとに選手たちはゲームを組み立てる。
大会初日と2日目の水位は、スタート後に少し水位が上昇し、初日は8時、2日目は9時ごろから正午過ぎまで一気に水位が低下するようにゲートの開閉が調節され、その水位差は80~90cmにも及んだ。そして決勝の3日目は「定水位日」で、高水位のまま流れが緩い状態が続いた。
「春のようには釣れない」と言われていた旧吉野川だが、大会初日はビッグウエイトが続出。参加51名中44名がバッグリミットを揃え、5kg UPは11名を数えた。
この日、ただ一人6kgをクリアした北 大祐選手は、水位が高い早朝に三ツ合の橋脚周りをネコリグとテキサスリグで攻めてキロクラスを2本キャッチ。流れが強くなり始めた8時45分に「流れれば、巻きモノ」と決めていた通りに戦略変更。スコーンジグをチャターベイト風に改良した自作ルアーに切り替え、同エリアのリーズ際を狙ったその1投目にキロアップを仕留めることに成功。その後は本流を釣りながら遡る。
主に攻めたのは流れが当たるウイードのアウトサイドエッジで、基本は下流側から上流へ向けてのキャスト。同ルアーで9時40分に4本目(市場橋上流)、10時過ぎに川崎橋下流でバッグリミットを達成した。“スコーンチャター"にバイトするのはすべてキロUPで、5kgをクリアした時点でこのルアーを封印。その後は残り2日間のフォローパターンを探すべく、広範囲をさまざまなリグでチェックした。カバーのジグ打ちにきた1,500gクラスと朝イチの900gと入れかえ、すべてキロUPで10時40分に6,400gをマークした。
大会2日目も水況はほぼ同じパターン。天候も大きく変わらず、この日も期待通りにハイウエイトが続出した。
2日目のトップウエイト(6,115g)を叩き出したのは、昨年春の旧吉野川戦を制した江口俊介選手だった。この日の江口選手は朝イチに三ツ合の橋脚で好スタートをきり、共栄橋~藍住橋間にある橋をメインにゲームを組み立て、橋脚の流れが当たるスポットをていねいに攻めてウエイトアップに成功した。
使用したリグは、流れが緩いときは5inスリムヤマセンコーの1/32ozジグヘッドワッキー、流れがキツい時間帯はバイズクロー3inのヘビーダウンショット(リーダー15cm、シンカーは5・7・9gを流れの強弱で使い分ける)。そして早朝のローライト時にスピナーベイトをキャストした。ヘビーダウンショットは通したいスポットよりも上流にキャストし、流れを利用して転がしながらスポットへ入れるのがキーだったと試合後のインタビューで語ってくれた。
2日目を終えた時点で、2日間の順位得点では初日5位(5,420g)、2日目トップの江口選手が暫定1位。しかし、総重量得点では初日に5,925g(3位)、2日目に5,880g(4位)を持ち込んだ青木大介選手がトップ。順位得点と総重量得点の合計得点では、江口・青木両選手が195Pで並ぶ展開となった。
大会3日目の見どころは多かった。最大の注目は『江口 vs 青木』のライバル対決。前回の旧吉野川戦はビッグウエイトでまくった青木選手が準優勝で、江口選手が逃げ切るカタチで優勝カップを手中にした。
そして、2日目を終了した時点で今江克隆選手が4位、加藤誠司選手が5位とベテラン勢も健闘し、今江選手の復帰後初の“お立ち台"に期待がかかる。
ワールドチャンピオン争いでは小森嗣彦選手の圧倒的な強さが光り、2日目まで上流エリアのフローティングカバーを打ち続けて暫定3位に付けていた横山朋毅選手も不気味な存在だった。
大会3日目は定水位日。水位を安定させるためにゲートは完全に閉じていないが、1・2日目と比べれば明らかに流れが緩くなる。水位は高いままなのでカバー打ちが有利と目されていた。
フォローのパターンを組んでいなかった横山選手は迷うことなく3日目も最上流のカバーをパンチングで攻め続けた。だが、この日は新しい魚が差してくる気配が感じられず、3本のキーパーをキャッチするも大きくサイズを落とした。1~2日目に上流のカバーでバイトが集中したのは流れがキツくなり、まだ水位が高い状態のとき(約1時間30分)で、この日はバイトのタイミングを捉えきれなかった。
3日目は全体にサイズダウンする中で、上位陣でこの日もしっかりとグッドサイズを揃えてきたのが青木・江口両選手だった。
今大会の青木選手は、5inスリムヤマセンコーのジグヘッドワッキーを軸に、1ozのパンチングによるカバー打ち(ファットベビークローorドライブクロー3in)とのコンビネーションで3日間攻め続けた。減水時はカバーからバスが出てきて魚影が濃くなり、ボトムを転がすように流れに乗せるジグヘッドワッキーで多くのバスをキャッチ。2日目はパンチングキッカーを取り、3日目には流れが残る上流エリアに重点をおいた戦略でウエイトを伸ばした。
ウェイインショーでは青木・江口両選手の優勝争いに注目が集まり、青木選手がまずウェイインを済ませてこの日2位の4,600gでフィニッシュ。そして最終でウェイインステージに現れた江口選手がこの日3位の4,570gを持ち込んだが、4,600gに30g及ばず、この時点で青木選手の優勝が決定した。
3日間の順位得点はともに144Pで同点、総重量得点は青木選手が満点の150P(1位)、江口選手が149P(2位)の僅か1P差。もし最終日に江口選手が1gでも青木選手のウエイトを上回れば立場が逆転していただけに、ほぼ互角の大接戦だったといえるだろう。
今大会総合3位には、“モグラチャター"で今回持ち込んだほとんどの魚をキャッチした今江選手が入賞。4位には今シーズンのTOP50で3度目のお立ち台となる小森嗣彦選手、5位には初日にビッグウエイトを叩き出した北 大祐選手が続いた。
シリーズ総合成績ではトップを独走する小森選手が今回も素晴らしいゲームを見せてくれた。今大会では比較的ノーマークだった今切川をキーパー場とし、他の選手よりも深いレンジの魚も射程に入れていた。
水深3~6mラインの主力はレッグワームのダウンショットで、シンカーは2.7~5gを流れによって使い分けた。その他にもカットテールのジグヘッドワッキーや、ボイル用のバスアサシンのノーシンカー、パンチングのカバー打ちなどの幅広い戦略で初日に35本、2日目に14本、3日目に45本のキーパーをキャッチした。ディープの魚は痩せていたのでウエイトを伸ばせなかったが、今大会も安定感バツグンの横綱相撲。今大会まで小森選手を追いかけていた茂手木祥吾、川口直人選手が順位を大きく落とし、2位に浮上してきた北、川又両選手に40Pという大差を付けて桧原湖のファイナルゲームに挑む。
青木・江口両選手は本当に強いが、今年の小森選手はゲームの組み立てが冴え渡っている。今シーズンの平均順位は3位で、ホームレイクの桧原湖戦で11位(40P)以上の成績を残せば、過去最高獲得得点のワールドチャンピオンが誕生する。
写真・レポート:バスマガジン