[インデックス][トーナメントレポート][ジャパンスーパーバスクラシック2001]

お立ち台インタビュー(プロ部門) インタビュアーは清水國明さん

5位 SHINGO

イ:なんか、ビックリされてましたけど、5位に入るとは思わなかった?

そうですね。昨日は良かったんですけど今日は2匹で780だったんで、多分、揉まれて6番とか7番で、またいつものように中途半端で終わっちゃうと思ったんですよ。

イ:今年は初戦で色んなことがありまして、ハプニングがあって。その悔しさをぶつけて今回の5位ということは値打ちあると思いますが。

ありがとうございます。

イ:釣り方ですけど、みなさんにお教え下さい。

水温がキーになったと思うんですよ。基本的に下流域にメインパターンを持ってまして、水温が上がる10時、11時ぐらいから。朝でも釣れるんですけど、朝はほとんどバクチになっちゃうんで、11時過ぎから下流で拾ってくるパターンと、あとは上流とか中流域でキワにいる魚を拾っていくという。

イ:キワというと?

ボトムに魚がいるんですけど食わないんで、ゆっくりフォールさせていく釣りをメインにやってました。

イ:おめでとうございます。いい一年の〆となりましたね。

 

4位 越智 賢司

イ:JBIIの580番。どこから勝ち抜いてきたんですか?

僕はチャプター広島の方で。

イ:チャプター広島のチャンピオンということで。やりました!

宮本:私は同県人でございます。

宮本さんの高校時代のファンだったんですよ。

イ:じゃあ、宮本さん、色々お聞き下さい。

宮本:やったじゃねーか! どうでした、このバスクラシック?

そうですね、魚がなかなかとれなかったんで、ちょっと厳しかったんですけど、今日も2本しかとれなかったんで、どうかなって思ったんですけどね。まさか、4位に入るとは思っていませんでした。

宮本:これからは、もっと上を目指して。

そうですね。

宮本:これを機に。

わかりました。

宮本:がんばれよ!

イ:同県人の励ましがありました。おめでとうございます。

3位庄司潤

イ:さあ、そして第3位です。庄司プロです。おめでとうございます。

ありがとうございます。

イ:っていうか、納得出来ていない?

やっぱり悔しいですね。

イ:悔しいんー。もうひとつやったってことですか?

そうですね。

イ:それは、やっぱりどのへんが納得できない部分がありますか? もうちよっと上に行きたかったというところで、何が原因ですか?

まあ、今回、自分でも結構見えていたんで。昨日も結構釣ってたんで。今日も実際には魚は掛けているんですよ。ちょっと歯車が合わなかったっていうか、結構バラしてしまって。

イ:バラシが多かったんですか。

そうですね。今日リミットの魚はちゃんと掛けているんですけどね。

イ:数だけは7本。はー。

これが勝負の世界でしょうね。

イ:タイミングとか、リズムとか自分自身へのプレッシャーみたいなのもあったんでしょうね。

そうですね。昨日も本当にひらめきでやったリグが爆発的にハマって。

イ:差し支えなければ、みなさんに発表していただきましょう。

昨日と今日メインで使ったのは、ZOOMのスワンプクローラーのネコリグですね。

イ:はー、山中湖で流行りましたけどね。

ネコリグってのは、やったこと無かったんですよ。なんか、とりあえず船の中入ってたし、やってみようか。元々ね、ラバージグとかハード系だったんで、バスがいるのは分かっていたんですけど食わなかったんで、ライトで攻めてみようかとやったら1投目から釣れたんで。

イ:スワンプクローラー横にフック掛けたんですか? 例のチューブとかは?

いや、僕はしないですね。そのままでネイルシンカーを入れて。

イ:ネイルシンカーはどれぐらいの?

1/16。

イ:軽めで。

はい。

イ:それであまり動かさずにというか?

底ずる引きでした。

イ:大体それが。

そうですね。それがメインで。

イ:色何でした?

色はグリーンパンプキンです。

イ:個人的に聞いてるみたいなもんでね。私、地元なんで。今江さんと並んでるのは、今年結構見させてもらいましたけれども、やっぱり目の上のタンコブというか、感じますか?

いや、こっちもそういう風に思っているみたいで。

イ:うるさいな、みたいな。ずっとそれで今年はこのパターンでしたね。まさか、このツーショットが見れると思いませんでしたね。僕ら先生呼んでますが、その今江さんについてコメントしていただけますか?

コメントですね。難しいですね。あっははは。僕も元々は今江さんに憧れて、この世界に入ったんで。歳的にもあまり離れていないんですけど、一応、今江さんに憧れて入って、やっぱり追いつきたい、追い越したい。まだね、まだ目標があるんで。

イ:「もう、追いついた。手届くなぁ」とか「掴んで後ろにグーってやられるぞ」みたいなとこまで来てるんちゃいますか?

最終戦の琵琶湖でそうなりかけたんですけど逃げられましたね。ネットに入りかけたんですけど。

イ:あ、バラシですか。あれは。惜しいところでジャンプして。ネット入れるところまでは近づいてるということですか。わかりました。これは、このバス界の面白い、興味深い戦いなので、今後とも来年なんかも初戦から頑張っていただきたいと思います。おめでとうございます。

2位今江克隆

イ:さあ、色々言われていましたけども、それに関して。

むちゃくちゃ言うてますね。

イ:けど、みんな注目してますからね、この対戦は。

いや、でも本当ね、やっぱり僕のほうが老獪かなと。長いことやってますんで。今日も言ってたんですけど、ゴメスはね人間の性能が違うんですよ。

イ:本人目の前にしてゴメスって言えるのも今江さんだけですけども。

まあ、ゴメスやねんな。彼はね、特殊性能というか、天性のスゴイもの持ってる。残念ながら僕はあまり持ってないんですよ。だから、非常にオーソドックスなスタイルなんで。

イ:天才と努力家っていうことですか。

僕は本当に自分は努力だけやと思ってますから。「努力に勝る天才無し」っていうのが座右の銘なんで。

イ:ということは、偉いぞということが言いたいわけですか?

一番いいのは努力する天才やからね。努力する天才にはかなわんのですよ。いつもね。彼の持ってるセンス、才能っていうのはスゴイもんありますからね。吉田秀雄なんかもそうですわ。あれは怠けグセがありますけどね。こいつは努力する天才なんで。確かに僕は網の目をすり抜ける老獪なテクニックがありますから。僕も昔はファイターやったんですよ。最近はボクサースタイルですからね。防御、ディフェンスが上手いですから。攻めるときは攻めるという形で、彼らが攻めてきても寸止めでかわしてカウンター狙いですから。

イ:寸止めって言い方かっこいいですど、ネットに入ったのが逃げたという言い方をされてますけど、その辺については?


まさしくカウンター狙いですね。実際、破壊力は年々やっぱ難しい。毎年新しい若いのが出てくるんですよ。で、相手が毎年変るんですよ。でも、いつも的は自分でありたいと思っているから、そう思って17年間ずっと。また今年も2位ですけどね。僕、クラシック2位、アングラーオブザイヤー1位、ワールド1位、クラシック2位っていう、これ4回か5回ぐらいありますね。ダブルタイトル今回、本当に欲しかったんですけど、それ取っちゃったら「やめますわ」言うて、どっか行っちゃうかも知れんし、「飽きましたわ」いいかねませんから。

イ:あと、ちょっと小耳に挟んだんですけど、優勝の場合はNPOに100万寄付なさるとか。

それはそのつもりだったんですけど。

イ:あれ?2位は無しですか。

2位はなんぼもらってるか分かりませんからね。僕はここに練習に来るために14日間もいるんですよ。練習1週間して、オフリミットの間は中州で遊んでて(笑)。

イ:それ関係無いじゃないですか(笑)。

まだ居るんで、ちょっと散財しちゃったなぁと。ただ、九州好きなんで。メシは美味いし、「一蘭」のラーメン好きですから。もう5回も食いました(笑)。

イ:めっちゃローカルですわ、その話題。

ちょっと試合のことも話させて。

イ:そうだ。釣り方とかリグとか。

ちなみに、僕が釣ったのは下流です。ポツポツと上流でも釣りましたけども、メインはクランクベイト。一生クランクベイト。クランクベイトに乗らないんですよ。プラのときにはカーボンロッド使ってて、柔らかいカーボン使ってたんですけど、コブラ使ってたんですけどね。フックの1本掛かりが多かったんですよ。きわどいきわどい釣りをしてたんで、グラスに変えました。コマンドーというインスパイヤーの。それにして、何とか絡め取るようにしてたんですけど、それでもだんだんタフになってきて、当たるだけで取り込めないんですよ。バラシが凄く多くて。魚の気配のしたところにフォローでファットイカ。ノーシンカーで。風があったりしたら、タングステン入れてたんですけど、それをフォローで使っていくと。いいポイントにいないんですよ。その周りに散ってて、スゴイ散ってるなと思ったんで、ひたすらクランク。いい感触と思ったとこにイカ入れると。

イ:ファットイカのカラーは?

ウォーターメロン。日本全国どこでもウォーターメロン。で、フォローを入れると。

イ:クランクの色とかは?

先ほど見せました、ジップベイツということろのBスイッチャー60ってやつですか。実は、この1週間でクランクベイト60種類くらい試したんですよ。もう、ありとあらゆるものを。本当に何がいいかを正確に見極めたかったんで。で、1日使えるのはこれやと。

イ:泳ぎ方とか、引っかかり具合とか。

まず、かわしたらダメですね。かわすのは竿でかわすんですよ。あんまりね、簡単に回避してくれたらリアクションしないんですよ。溜めが効いてブルンとこう(体をくねらせる)。溜めが効かないとダメなんで、ディープダイバー。4mダイバーのやつをを大体、水深0.5から深くても2.5ぐらいで、グラスロッドで使う。もの凄いスローリトリーブですよ。もの凄い。で、掛かったら止めて浮かせてブルっと(体をくねらせる」外すとかね。そういう釣り方ですよ。今回ね、スカパーさんが乗ってたんで。テレビが。鬼のように一生投げてますんで。しんどかったですね。

イ:今江克隆選手をして、自分のリズムがつかめないとか、ネットに引っかけて転びそうになるとか、色々あったと伺いましたけど。

いやー、さっきもゴメスが言ってた通りでね、ミスをしても勝つときは勝つんですよ。100点と思ったら200点取る気が無いとダメなんですよね。100点やと思ったプラは大体60点。80点やと思ったら20点。0点や思ってて100点出るときもあるんですけど。ごくたまに。それは逆にそのほうがいいんですけど。

イ:分かりました。ここでちょっと伺いたいんですけど、釣り歴4ヶ月の勝利者(NBCNEWS注:ショア大会の優勝者はバス歴4ヶ月だった)、これについてどう思われますか?

あー、ゴメスと一緒とちゃいます?オバケ見える人がいれば、僕は全然見えないし、彼に見えるもんが僕には見えないし。やっぱり、オバケ見える人がいるんやから、バス見えるヤツがいてもおかしくないですもんね。僕には見えへんもんね。実際、野尻湖のときなんか、僕より1.5m以上深いところを楽々と見てるわけやから。僕でも大概深いですよ。それの沖、さらに深いところが見えるんやから、それをやっぱり磨いていくと他が付いてくるんですよ。僕はよく柳くんのことを例に出すんやけど、鬼ほどシャローをラバージグでしか撃たへんと。何があってもそれだけと。でも、そこに何かが付いてきたときに、骨に肉が付いて強くなっていくと。彼はこれからどんどん強くなると思うし、努力する天才になれたときは、持って産まれたものはすごく効いてくるでしょう。

イ:誰でも第2の今江克隆になる可能性を秘めているという。

僕はまだサラリーマン、未だにサラリーマンやし、「うそや」言う人がよういるんですけど、サラリーマンでもセンス無くても、人の何倍も努力すれば、ここぐらいまでは来れるかな。でも、上行こうと思ったら天性のものは必要だと思うんですけどね。

イ:キラっと光るものを。


そうですね、キラっと光るものを磨けばいいですね。無理をする必要は全然無いです。後で付いて来ますよ。

イ:はい、参考になりました。第2位、今江克隆選手でした。

優勝 野本淳

宮本:さぁ、どうですか。モチロン初めてで?

はい。胃が痛いです。

宮本:隣に大御所がいますもんね。昨日、今日ですか。どんな釣りをされたか教えて下さい。

九州が初めてで。

宮本:えっ?どこからの勝ち抜きですか。

河口湖です。

宮本:河口湖のチャンピオンということで。

大会も来るかどうか悩んでたところなんです。で、3日前に妻に行ってこいと言われまして。悔いを残さずやってこいということで急遽。

イ:それは、杭があったら撃ってこいということですか?

いえ、そういうことではないです(笑)

イ:オレやったら、そうとりますけどね。すいません。しょうもないこと言いました。

で、来てみて、川を下から上まで全部上がってみて、魚が濃い...濃いというか、1匹釣れたのが中流域だったんですよ。

イ:水道局のあたりですか?高圧線のあたり?

いや、よくわからないです。体育館前ですか?そこで終わって、1匹しか釣れないなと。ライトリグで釣ったんですけど、それでライトリグで押し切ろうと。それで終わってから車で川沿いをずっと走って、もう一度確認しまして、なんか大きな木が2本見えたんですよ。東側ですかね。

イ:木?


木ですね。で、なんか、ここだなって。

イ:何で?

なんとなく。ピンときたんですね。

イ:いや、鳥撃つわけやないんですから。木見て魚探しますか。

いや、目印になったんです。まあ、このエリアだなってことで。あとは、今まで養った勘ですね。霞ヶ浦とか、琵琶湖、河口湖の。

イ:それを総動員して。

自分でミックスして、結局は魚探の反射ですとか、あとはベイトがまわってくるところ。絶対ここには魚が止まるなって場所で。ピンにはトッププロの方が入れ替わり立代わり入ってたんで、ピンのまわりを回遊している魚。それを拾っていっただけです。

イ:ライトリグとおっしゃいましたが。

全部ダウンショットです。ワームはロボリーチ。

イ:色は?

色はホワイトサンダー。これは濁りに凄い強い。青と白とスモークのカラーなんですよ。霞ヶ浦でタフったときに、それだけは食ってくるんですよ。

イ:シンカーは?

3.3gのMZ-19。

イ:ラインは?

4ポンドです。

イ:竿は?

テクナの59SDLという柔らかめの竿で。凄い根がかりするんで。引っかかっても反対側にピって引っ張ると、すぐ取れちゃうんで。

イ:あまり動かさない?

いや、バンバン動かします。引っかかったら、魚か岩かわかんないんですね。勝手に食うんで。シェイクしているうちに持って行かれるんですよ。

イ:結局、昨日と今日で何本?

昨日が6本で今日が3つ。でも、大きいのが入ったんで。

イ:今日のポイントは2本の木のところですか?

丁度2本の木の正面ですね。昔の川の後だと思うんですけど。

イ:どなたか、お分かりになる方は?

真ん中ですね。木は右側にあるんですけど、こっちから見て。

今江:体育館と赤い屋根の間くらい。

イ:あそこに水門ありますよね?

水門の周りですね。

今江:朝一、ランディングネット出してるやつおるな。嫌なの見てもうたなぁと思ってね。

イ:今江さん、その沖ですか?

今江:いきなり釣ってるな、嫌やな思ってたら彼だったんですね。

イ:その同じ想いを私この春あなたにしました(笑)。見るところ全部に今江さんの釣るシーンがあったんですけども、その逆があったんですね。それで・・・。

今日は朝1投目ですね。昨日は2投目。今日はたまたま、入りたいなって思った場所に下野さんがいたんですよ。「うわぁ、下野プロだ」って思って入らせていただいて、ピュっと投げたら釣れたと。

イ:人に幸せを与える人なんですよ。オレも山中湖で釣りましたから。下野さんが寄ってきたら、みんな喜んだほうがいいですよ。

僕もやっぱり庄司プロと一緒で、下野プロや今江プロに憧れて、ビデオいっぱい買って、一緒にそのうち出来たらいいなって思って憧れてたんで。

イ:その人たちを従えて、このカップを持って一番高いところに立っているという気持ちはどうですか?もう超えたとか。

まだ実感がわかないですね。ちょっと勢いが自分でもあったのかなと。

イ:この勢いで来年もバリっとやってください。ここで勝者の権利、好きなことをどうぞ。みなさんへの感謝もこめて。

そうですね、何年か前に清水盛三プロが言ったんですけど、僕もやってて良かったなと。本当は今年で引退しようかと…。生活の面ですとか、ガイドの面ですとか、地元のトラブルですとか、色んな部分がありまして本当に引退しようかと思っていたんです。でも、まだ止められないです。みんなのお陰ですね。今回も、妻と仲間と、あとはガイドのお客様が本当に応援してくれて。凄いガイドがいっぱい入って、そして行って来いと。

イ:帰ったら、みんな喜びますね。

はい。

イ:ちょっと長くなって、今江選手が賞金額を確認し始めましたんで、それくらいでいいですか?また実感がジワジワとこっからね。夢やったって分かるかと思いますけど。本当ですよ。良かったですね。奥さんも大喜びでしょう。野本選手でした。

 

 



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