[インデックス][トーナメントレポート][ジャパンスーパーバスクラシック桂川到プロロングインタビュー]

1999年度ジャパンスーパーバスクラシック優勝者の桂川到プロへのロングインタビューコーナーです。
プリプラクティスから最終日までの感想の他、詳しいポイント図や釣り方の説明まで公開してもらいました。
また、インタビュアーと桂川プロは偶然、数年来の友人であるため、かなりフランクな口調となっています。
可能な限り編集無しの原文のままアップしましたので多少読みにい箇所があるかもしれませんがご了承ください。

本文中赤字及びカッコ内はNBCNEWS編集者の質問・注釈です。

プリプラクティス〜直前プラクティスまで

 

 

 

 

 

 

まずはプリプラですが、何回入りましたか?
マスター戦が終わった後(9月末)に半日だけ入りました。昼からテコギボートで。 ハワイから浅川までのシャローを見てまわりました。ボート屋のおばちゃんに「人がいっぱい浮いているあたりがポイントですから」って言われて「はーーい」って言ってキーコキーコテゴギで出ました。
そしたら、いろんな人(知り合いの)とすれ違って、「桂川さん、ナニやってんですかー、なんでテコギなんですか?」ってみんなに言われました。一応プロだから、自分のライジャケを着たのが失敗でした(笑い)
気が付いたら浅川まできてて、帰りが大変でした。

シャローのチェックをしたってことですよね
そうですね、ウィードの状態と魚の状態を見ていって、どれくらい変化しているか(マスター戦の時と)を見ていったんですが、釣果的にはあまり良くなかったので、このままシャローは沈んでいくんだろうなってのを実感しました。

秋のシャローはダメってことですか
でっかいのは残るんだけど、それは釣れるかどうか解んない。確率が下がっていくと思う。一年を通してデカイのはシャローに居るんだけど、トーナメントで狙っていい魚とは言い難いからね。

で、直前プラですがどんな感じでした
プラクティスで重点をおいてチェックしたのは、まずシャローですわな。シャローのウィート、ミッドレンジのウィード、ベイトの状態、そしてもちろん水の状態。
水に関しては、見た瞬間ひっくり返っている(フォールターンオーバー)のが一目瞭然。粉吹いているし、ところにより泡が消えないような水が表層にデロデロしているような状態。でー水温計を落とすと、上から下まで均等に17度。ごろんっとひっくり返った後。
水の状態がそうなると、手はいくつかあって、一頃良かったのは、良いウィードが残っているシャローに集まるバスをとること。

どの辺のシャローですか
浅川からハワイ、それと奥河口の各ワンドの奥。いわゆる伏流水があるとことのシャロー。ウィードがプールのようになってフォールターンに絡まない水をストック出来る場所があるわけ。浅川なんかにもあって、沖の水がダメでもそこだけOKっていう場所が何カ所かある。そういう状況になると、大量のバスをストックするのね。数年前の秋はそこで、スラッゴーなんかの速引きでデカイバスがボコボコ食ってきたことがあった。で、今回もボコボコ食って来るんだけど、みんなノンキー(笑)がんばれば一日100本釣れるんじゃないかっていうくらい。
そん中からキーパーを選ぶのは無理だった。っていうかキーパーが食ってこなかった。唯一そこはベイトも多いし、水も良いしバスも居るんだけど、ノンキーが全てだった。

そこは水深何メーターくらいですか

それは、波打ち際から水深1〜2mまで。で、(マスター最終戦にくらべて)水が30cmくらい減っていたから、そういう意味でもシャローはダメだったと思う。だから、アシの魚も居なくなってた。
ウィードにはデカイバスが付いているんだけどね、手を出すのをやめた。

その時点でシャローは捨てたんですね?
そう。この魚はヤナギとシュンスケ(シャローに強い柳栄次、野村俊介プロの事)の魚だなと(笑)オレには釣れないぞということを確認して、早い時間に見切りをつけました。

で、ディープに行ったわけですね。ディープといってもいっぱいありますが。
うん、まずは定番の場所なんだけど、ハワイと大石はちょろっと見るだけ。

それは本番での混雑を予想してですか
うーん、っていうかね、広すぎてね、個人的には解んないから。昔からドラッギングスタイルをやっているんだけど、狙っているのは割とピンスポットなのね。だから、そういうピンスポットを見て回って、反応が良かったと。

そのピンスポットはシークレットですか
いや、うーーん、どーってこと無いポイントなんだけど。(後で図で説明しています)

岬周りとか?
うーん、沖の何もないところをダラっと流して釣れるときがあるんだけど、そういう時はハワイとか大石が凄く強いのね。でも、条件があって、フォールターンしている時はディープもミドルレンジも死んでしまうんだけど、その前の段階は水温が下に行けば行くほど冷たくなってて、その途中にサーモクラインができることが多いんだけど、その前後にベイトがまわる層ができることがあるのね。そうなると、湖全体のベイトの玉が散って、バスも散る。そういう時は大石とかハワイのなにもないとこを広く探っていくのは有効な釣りだと思う。
でも、今回は違った。ベイトが固まれる状態じゃなかった。ベイトもどうしたら良いか解んない状態だったと思う。

それで、絞りにくいから、マイポイントをまわったと。
うん。マイポイントの岬周りにクランクを通すと簡単に釣れる。ディープでも、お、これは、簡単に釣れると。で、その後、常(ダウンショット)とかラバジを送り込んでも、全く釣れないと。
ということは、リアクションでしか釣れない水であることを確信。

その釣れた魚は大きかったですか?300gくらいですか
いや、大きくて300g。でも、それで十分だと思った。とりあえずあの状態であれば、シャローはノンキーばっかりだし、ミッドレンジのウィードのアウトサイドエッジにへばりついている良いバスがいるんだろうけど、口を使わないであろうと。(バスが)凄く水に対して嫌な気持ちになっているはずだから、まず釣れないだろうと。

300gだと普段のトーナメント(リミット5本の場合)では1500gくらいですよね。1500gで十分だと思ったのは、他の選手は釣れないだろうと思ったわけですね。
うん、ていうかね、深いところでソフトベイトを送り込んでも釣れなかったから、水も悪いし、他のダウンショット組はほぼ絶滅するであろうと、怖いのはシャロー組だと思いました。
それで気が楽になってビールを飲みに行きました(笑い)
これがプラ。もうやることは決まりました。

3日間クランクを通すと、この時点で決めたわけですか
決めたっていうか、もうこれしか無いんだもん。クランクのリアクションでしか食わない。リアクションの釣りっていうと、ジャークベイトのヘビキャロをジャークさせるって手もあるんだけど、3日間ヘビキャロをジャークするのは凄く体力いるじゃん(笑)
でも、あとで気づいたけど、3日間クランクをドラッギングするのは、凄い精神力が必要だったねー。

プラではどれくらい釣れたんですか
10本くらい釣っちゃった(笑)まだスレていない状態だったから簡単に釣れるんだもん。試合後それを言ったら小山さんに怒られちゃった。「それを釣っちゃーダメなんだって、素人じゃないんだから」って(笑い)
でも確信が欲しかったんだけど「2〜3本釣れば十分だろう」って怒られた。ハイそうですってね。でも楽しかった。

10月22日予選大会



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