早春の霞ヶ浦戦を制したのはドシャローのカバー撃ち
2020年3月14日~15日JBマスターズ第1戦イズムCUPが開催され室町雄一郎がマスターズ2勝目をあげた。
真冬に逆戻りのDay1
JBマスターズシリーズの第1戦は直近6年間は河口湖で開催されていた。3月の河口湖はとても寒く雪が降ることも多々あった。ウエイイン率もかなり低く過酷なシリーズ開幕戦だったが今年の第1戦は霞ヶ浦に変更されたのが大きなトピックとなった。
早春の大会結果は気象に左右されることが多いが、今年は異様な暖冬だった。大会初日の14日は平年より12日も早く東京でサクラの開花が報じられた。が、しかし・・・
大会初日は気温は4℃で雨・風ともに強まり河口湖と同じ、もしくはそれ以上の過酷な寒さでの戦いを強いられた。
帰着後、多くの選手が「手の感覚がなくなった」「こんな寒い中での釣りは過去に記憶がない」「下着までびしょ濡れ」と嘆いていた。
そんな過酷な条件下でも釣ってくる人がいるのがトーナメント。
初日は98名中25名が検量した。バッグリミットの5本揃えた選手は皆無で多くが値千金の1本を持ち込んだ。
初日トップは掛水崚で3本4,098g。
小高干拓~天王崎エリアにある石積の両サイドの角をシャッド(エバーグリーン グランサーチャー55・ジャクソン フローシャッドI )で攻めた。雨風の強まりが変化する時合をとらえ3本キャッチ。
キモはシラウオがいる所。ショートピッチ後、ハンドル2回転くらいの浅いレンジで食ってきたという。
2位は椋木俊博。
釣ったエリアは北利根エリアのアシ。3.5gモコリークローのテキサスリグを丁寧にピッチングし、雨が振り始めたタイミングで3連続キャッチ。ウエイトを2390gとした。
3位は川又圭史。
北利根エリアの護岸・1m以浅のゴロタ岩をジャークベイトで狙った。他の選手と同じく、水門開閉や風などによる状況変化のタイミングでフィーディングを捉えグッドサイズを2本キャッチ。2,904gをマークした。
霞ヶ浦水系で一般のアングラーにもイージーに釣れるようになるのはGW前後。3月といえばまだまだ冬に近いイメージだ。あげく強風・極寒・濁り・強いカレントと過酷な条件だったが、初日は98名中25名が釣ってきた。河口湖の初戦のウエイイン率が概ね10%強なので、河口湖よりは釣れた初日だった。
穏やかな2日め
2日めは一転し青空に。
風も弱め。朝そこ放射冷却で冷え込んだものの、気温も予報より高く推移し16度まで上昇した。ただし前日の冷たい雨の影響で朝の水温は3度も低下していたらしい・・・
180度変わった天候の影響か初日の上位3名はノーフィッシュだった。2日めの検量は初日とほぼ同じ24名。そのうち11名が2日間連続でウエイインし、2日め単日の上位がそのままトータルでの上位に。
Result
優勝 室町雄一郎
初日 2本 2,102g 5位
2日め3本 3,044g 1位。
メインエリアは北利根。初日は流れが強かったため、アウトサイドベンドの流れが反転する場所を狙った。巻物やライトリグを試すも帰着直前の14時までノーバイト。最後の最後に今までと正反対のことをやろうと思い、水深30~50cmのアシ前シャローに5gテキサスリグ(OSPドライブビーバー3.5インチ)を投入。
するとものの5分で2連発!。そのまま検量に向かい初日5位となる2,102gを検量。
2日めも狙いは同じ。水温が下がってしまったが、一度シャローに上がってきた魚は深場に戻らないだろうという気持ちで激シャローへ。少し流れがあったので凸部周辺のカレントが弱まるスポットを撃ちまくり朝の1時間で4バイト3フィッシュの快挙。3,044gは2日めトップのウエイト。初日と合わせるとおおよそ1時間で優勝を決めたことになる。
印旛沼でのカバー撃ち経験&テクニックが大いに役立った。同選手は2015年野尻湖でも優勝しており今回でマスターズ2勝目をあげた。
2位 小林翼
初日 1本 1,502g 9位
2日め 2本 2,766g 3位
エリアは天王崎から麻生の石積み。初日は寒かったので石積みの岸側を選択。シャッド(がまかつスパット)をボトムの沈み木などに当てては止めるのパターン。
バイトはポーズ中に訪れ、次の巻きでグーっと重くなるという低水温時のゴールデンパターンで値千金の1本をキャッチ。
2日めは石積み両端外側の角だけを重点的に狙った。無風時はノーバイトだったが、朝と13時頃の風が吹いたタイミングでそれぞれ1本ずつキャッチ。2本2766gを持ち込み単日3位、総合2位でフィニッシュした。
3位 藤田夏輝
初日 1本1,192g 16位
2日め 2本 2,792g 2位
藤田もメインは麻生の石積みシャッドパータンだった。初日はシラウオがいるところをジャッカルDビルシャッドMRをかなりゆっくり巻いて1本キャッチ。
2日めは晴れ上がったので石が終わる深めをゆっくり巻いて12時の風の吹き始めで1本。北利根の斜め護岸の深めをジャッカルソウルシャッドDDRでせめて1本追加した。プル プル プルとかなりゆっくり巻くのが良かったという。
4位 山下尚輝
初日 1本 1,048g 17位
2日め 2本 2,332g 4位
プリプラで見つけていた本湖にあるドッグのピンスポットで2日連続でキャッチ。東岸の石積みでも1本追加した。
使用ルアーは3.5gジグヘッドと5gダウンショットにクロー系ワームをセットしたもの。魚が浮いている感じがしたので、フォール中のバイトを狙うアプローチをした。
5位 天野雄太
初日 1本 1,322g 12位
2日め 1本 1,440g 14位
麻生の石積みでのスピナーベイトパターンをプリプラで見つけていたが本番では機能せず。初日はそのパターンを諦め牛堀エリアのシャローカバーで1本キャッチ。
2日めは麻生の石積みでシャッドをゆっくり巻いてキャットフィッシュ4本、コイ4本釣りつつも本命ブラックバスも1本釣った。
上位のパターンをまとめると「ドシャローのカバー撃ち」と「麻生の石積みでシャッドをゆっくり巻く」「気象変化のタイミングを捉える」が今大会の釣れるパターンだった。
次回第2戦は4月18~19日に三重県三瀬谷ダムでサンラインCUPとして開催される。
写真・報告:NBCNEWS