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JBマスターズ 第4戦 ダイワCUP 09月26日()〜09月27日() 長野県 野尻湖

ストーリー

規格外ルーキー、郡司 潤選手のA.O.Y獲り

JBマスターズに今シーズンからエントリーした郡司 潤選手がJBバスアングラーオブザイヤー(JBマスターズ総合優勝)に輝いた。
ルーキーイヤーにこの快挙を成し遂げた彼は、今年の春にヒューマン富士河口湖校を卒業したばかり。1995年生まれの二十歳である。
経験値がモノをいうバストーナメントの世界。マスターズという尋常ではないハイプレッシャー下で堂々と先輩たちと渡り合ったその度胸に誰もが驚いた。

郡司選手はヒューマン卒業後に地元の水戸へ戻り、釣り具量販店でバイトをしながらトーナメントトレイルを継続。今シーズンはJB霞ヶ浦とマスターズシリーズにエントリーしている。
マスターズ最終戦の舞台となった野尻湖はこれまでヒューマンの合宿で訪れたのみ。トーナメントは今回が初めてだった。しかし、「(首位から)8P差ならイケる!」とプリプラに通い込み、バンクとフラットのシチュエーションが異なる2つのエリアを絞り込み、初日は只一人リミットメイクを達成して2,624g・3位。
2日目は苦しみながらも2本(1,040g)を絞り出してフィニッシュ。ライバルたちが失速する中でA.O.Yのトロフィーを手中にした。

今シーズンのマスターズシリーズは大きな改革が行われ、これまでメイン会場だった河口湖が会場から外れ、亀山湖、三瀬谷ダム、霞ヶ浦、野尻湖の異なる4会場でシリーズ戦が組まれた。
これまで以上にフィールドやバスへのアジャスト力が試されるシーズンとなっただけに、今年のA.O.Y争いを制した郡司 潤選手はこれまでに類を見ない規格外のルーキーだといえるだろう。
過去にいなかったタイプ。強いてあげるならば、同じくマスターズに昇格してすぐにA.O.Yを獲得したTOP50の馬淵利治選手に近いのではないだろうか。
類まれなるメンタル面の強さ、ピュア過ぎるほどのバスフィッシングフリーク。年齢では判断できない経験値の高さなどが共通点だ。
2人の過去の戦歴を調べてみると、1986年2月生まれの馬淵選手がA.O.Yを獲得したのは2007年。1995年3月生まれの郡司選手は2015年に同タイトルを獲得し、最年少A.O.Y記録を郡司選手が1年更新したことになる。
まだ正式には決定していないが、郡司選手はTOP50への昇格を志願。その無限の可能性をどこまで開花させることができるのか、ぜひトップカテゴリーで見てみたい。

あまりにも郡司選手の活躍が衝撃的だったのでA.O.Y争いからのリポートとなったが、数々のドラマがあったJBマスターズ第4戦(最終戦)を振り返ってみよう。

 

JBプロ11年目、室町雄一郎選手の初勝利!

恒例となった秋の野尻湖戦。夏以降は水害に見舞われた地域も多かったが、信州は少雨続きで珍しく野尻湖は減水していた。
ただ、サマーシーズンは定番のトップの釣りが好調を持続し、秋口に入ってフラットの釣りがハマり始め、まずまずのコンディションで最終戦を迎えられると思っていた。
だが、大会直前になってフラットパターンがもろくも崩れ、バンクのベイト(エビ等)が例年より少ないことから確実性の高いパターンを見失う選手が続出した。
選手からは「釣れても再現性が乏しい」「この秋はラッシュがかからない」といった言葉が多く聞かれた。
そのタフコンディションは成績に表れ、初日は参加者112名中、50名がゼロ申告。バッグリミットの5本を揃えたのは1名だけだった。

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そんな厳しい状況下で初日のトップウエイト(2,994g)をマークしたのは、野尻湖常勝組の一人、鬼形 毅選手。初日から砂間エリアに張り付き、5gシンカーのキャロで6バイト4フィッシュ。
ルアーはイモグラブ風のシルエットであれば特にこだわりはないとのことだったが、4inグラブではボリュームが出過ぎるとのことからエコカットテールのハチマキより先の部分をオフセットフックで使用した。

初日2位は野尻湖のビッグフィッシュキラー、近藤健広選手。前年の野尻湖戦を制した同選手は、前年と同様に今回もハードルアー(アイスクリームシャッド)で押し通した。ほとんどの選手が小指の先ほどにカットしたワームやツマヨウジのようなソフトルアーを使用する中、潜るシャッドで結果を出した。
スコアは2本で2,890g。シャッドで釣れると信じているからこそ、やり切ることができるアプローチ。外見も内面も超やさしい男だけど、野尻湖に浮かべば男らしさが際立つ選手である。

初日3位はリミットメイクを達成した前述の郡司 潤選手。今回は竜宮崎(バンク・水深7〜8m)と、大崎〜シースピリット沖(フラット・水深9〜10m)にエリアを絞り込み、朝イチにバンクで3本、その後にフラットでキーパーを追加した。
リグはバンク、フラットともに同じ1.8gシンカーのキャロ。ルアーはアンクルゴビー。このルアーをカットして使用する選手が多かったが、同選手は1匹丸ままでフックにセットした。

郡司選手は第3戦を終了した時点でA.O.Y争い4位(353P)。暫定トップの鈴木隆之選手(361P)との差は8P。暫定トップ10ぐらいまで誰が頂点に立つか分からない混沌としたA.O.Y争いだったが、上位陣のほとんどが初日にロースコアで沈む。
鈴木選手が菅川で4本1,984g(9位)で踏ん張り、ほぼ互角の条件で鈴木、郡司の2選手がA.O.Yの座を懸けて最終日に挑んだ。

 

ディープを捨てた男のビッグゲイン!

2日目も曇天で北寄りの風。気象条件は2日間とも大きな変化はなし。
2日目は初日に大ハズシした2選手が見ごとな切り返しでビッグフィッシュをゲットした。
1匹の魚にたっぷりと時間を費やすそのストロングパターンは、A.O.Y争いとは関係なく、最終戦の上位争いからも脱落したことで可能になった離れ業といえるかもしれない。

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2日目のトップウエイト(2,984g)をたった2本で叩き出した阿部進吾選手が狙った個体は、ボートに着くビッグスモール。野尻湖で沖に浮かんで釣りをしていると、ボートに3〜4本のスモールが着くことは珍しくない。肉眼でも確認できるし、魚探にも映る。だが、喰わせることはウルトラ級の難易度となる天才たちを相手にしなければならない。

阿部選手は初日ノーフィッシュ。今回のディープは自分の手にはおえないと判断し、迷いもなく表層のビッグスモールと対峙することを決めたという。
エリアは水道局ワンドの入り口。水深は約15mだけれど、アトラクティブゾーンは水面下2mまで。リグはノーシンカー。ルアーは2本のうち1本はレーシングワカサギで獲り、もう1本はヒミツにしたいとのこと。
「次回に同じことをしても喰わせる自信はない」という玉砕覚悟のアプローチで最終日を制することに成功した。

そしてもう一人、瀧本英樹選手も2日目のリベンジに成功した。初日、420g1本で52位。かろうじてノーフィッシュを免れ、2日目の朝イチに閃いたというそのパターンは、沖を回遊するワカサギに着くグッドサイズのスモール狙い。
偶然にも朝イチにワカサギの群れが接岸したときにヒットさせたスモールが大量のワカサギを吐き出したことでその後もワカサギの群れの動きに注目。明らかにワカサギを追いかけている個体だと断定し、ワカサギが接岸するタイミングで狙い撃ちにした。
エリアは樅ヶ崎から金山にかけてのバンク沿い。バイトに持ち込んだのは水深10m前後のボトム付近だったことから、リグはショートリーダー(7〜8cm)のダウンショット、ルアーは2inロイヤルシャッド。
頻繁にワカサギが接岸することはなく、計3本仕留めて2,968gというハイスコアをマークした。

数少ないチャンスをモノにした阿部、瀧本両選手のストロングパターン。2日目だけを見ればウイニングパターンといっても過言ではなく、もう1日だけ試合で結果を見てみたいアプローチだった。

2日間の試合を通しての順位は、やはり連日で上位に付けた選手が優勝争いへ名乗りをあげた。特にマスターズ戦は完全ポイント制のため、1日のハイウエイトだけでは絶対的なアドバンテージは得られない。

今大会で最も安定してハイスコアを残したのは、初日6位(2,266g)、2日目4位(2,490g)、トータル4,756gを持ち込んだ室町雄一郎選手だった。
竜宮崎、琵琶ヶ崎、砂間ヶ崎、カトリックなど、岬回りの水深4〜12mをすべて1.8gシンカーのキャロライナリグで攻略。ルアーはスモールワーム系だが、状況により小さなパーツが付いたタイニーレインズホッグと、シンプルなシルエットのカットしたアンクルゴビーを使い分けたという。初日4本、2日目5本、計9本のキープ数は今大会最高だった。
室町選手は2005年にJB登録し、今回がプロ戦初勝利。リーマンプロとしての苦労話を表彰台で吐露して笑いを誘ったが、仲間から祝福されての11年目の価値ある勝利となった。

準優勝はメキメキと実力を付けてきたTOP50の織田伸彦選手。「どんぐり」と自らネーミングした玉っぽいプロトタイプの1inワームを渓流バリにセットし、キャロライナリグで初日2本(1,940g)、2日目4本(2,844g)、今大会のトップウエイトとなる4,784gを持ち込んでジャンプアップした。

第3位は初日トップの鬼形 毅選手が続く。優勝の大本命だったが、2日目も砂間エリアを攻めるも、3バイト2フィッシュ(1,474g・12位)というスコアで順位を2つ落としてしまった。

織田選手は「いいスポットで止める」、鬼形選手は「1キャストに5分ぐらい時間をかけるときもあった」とスローなアプローチを表彰台で語ってくれた。

第4位はバンクを走り回って初日3本(2,044g)、2日目3本(1,708g)、計3,752gを持ち込んだ野尻湖に強い松村真樹選手。

第5位は2日目1本ながらまたもシャッドでキロフィッシュを仕留めた近藤健広選手が続いた。

注目のA.O.Y争いは、鈴木隆之選手が痛恨のラインブレイクで2日目1フィッシュ326g。最終戦を25位でフィニッシュ。
一方の郡司 潤選手は2本1,040g、2日間で3,664gをキープし、6位入賞でA.O.Yに輝いた。
A.O.Y争い2位、3位は同ポイント(467P)でTOP50の武田栄喜選手がトータルウエイト勝負で2位、鈴木隆之選手は3位まで順位を落としてしまった。

これで2015年のJBマスターズシリーズは予定通りに全日程を消化。全戦異なる会場をトレイルする初の試みとなった今シーズンのトレイルはやはり熱く、スーパールーキーの誕生で幕を閉じた。

写真・レポート:バスマガジンK

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