デカ放流に目もくれずネイティブ狙いに徹して8本14キロ
2022年クラシックウィナーは青木唯
11月5日~6日に2022年JBトーナメントの総決算「ジャパンスーパーバスクラシック」が河口湖で開催された。JBトーナメントの年間成績上位者だけが参加できる特別な戦い。これに勝つとJB三大タイトルのうちのひとつ「クラシックウィナー」の称号を得られる。錚々たるメンツが放流場所に密集する戦いだったが、それには目もくれず自分の釣りを貫き通した青木唯が初日5本で8780g、2日め3本6020g、合計14,800gで優勝した。
Day1 7キロオーバーが3名の激戦な初日
今大会のキーとなったのは小海エリアに放たれた放流フィッシュ。300gクラスと1500gクラスの2種類が混じったようだ。1500クラスで揃えれば夢の7キロコース。
それ以外のエリアではそう簡単に釣れる感じではなく錚々たるメンバーが小海エリアに集結していた。しかし放流とはいえイージーに釣れる状況ではなく、記者は9時から12時まで見ていたがヒットシーンは数回しか見れなった。
そんな船団の背後を何度もプレーン走行で往復してたのが青木唯の青いバスキャットだった。移動のテンポが早すぎて追えなかったが、青木唯は湖各所をハイペースでランガンしていた。その姿に往年の青木大介が重なった。
14時に検量が始まる。2~3キロの検量が続く中、青木唯の記録は8780g。クラシックは2日間の総重量で競われるため「ゆいP明日休みでも優勝じゃね?」と囁かれた。が、その後、地元人気ガイド冨沢真樹が7,480g、マスターズ最終戦でも青木唯と1位2位を争った小林翼が7,925g、藤田京弥も6,530gというビッグスコアが連続して持ち込まれ会場が湧いた。
魚体を見ればネイティブ(便宜上そう言われる)と放流(養殖魚)を見分けることができる。青木唯の魚は5本ともネイティブ。2~4位はデカ放流ベース+2キロ級ネイティブの組み合わせ。放流だけでのマックスウエイトは6位粕谷邦夫の4,186gだった。
今年の河口湖でのJB戦に9回参戦し8回優勝した青木唯。このクラシックが参戦10回目。今年は全国各地のフィールドで釣りをしてるため河口湖でのローカルJB戦ではプラクティスができないらしい。ほぼぶっつけ本番。それでも7戦全勝。そんな青木唯だがクラシックはやはり特別で一週間のプリプラクティスを行ったそう。
ここ一週間は、来週開催される2022年ラストゲームのジャパンスーパーバスクラシックに向けて河口湖をみっちりやり込んでました🗻
— 青木 唯 (@AokiYui2) October 30, 2022
ホームレイクだとしても改めて練習し直すと知らなかった沈みものや新しい釣り方が発見できたりと楽しい1週間でした😊
やれるだけやったので自信を持って試合に臨めます pic.twitter.com/fGftk5nDlA
藤田京弥らのライバルたちがオールスタークラシックに行ってるときもみっちり練習をした。そして湖全域で8ヶ所の沈みもの+キッカーサイズのバスをチェックしていた。沈みものとは具体的にはブラインドアンカーや岩など。目視はできないところにあるらしい。
初日はその8ヶ所を回ってマジックキューブを使ったライブサイトできっかり5本キャッチ。そのうち4本は朝の2時間で仕留めたという。
Day2 水温上昇のタイミングを捉えラスト9分で2500フィッシュ!青木唯圧勝!
2日めは見事な秋晴れでの開催となった。小海の魚はだいぶ抜けたようで船団はなくポツポツ程度。全員が湖各所にバラけていた。記者は帰着時刻20分前からロイヤルワンドで選手が帰ってくるシーンを撮影していたが、望遠レンズ越しに畳岩沖にずっと浮いている青木唯艇も気になっていた。他の選手が戻ってくる中、ずっと粘っている、そして時よりしゃがんでいる。遠すぎてよくわからないが釣れているのか?
結果、2日めの青木唯は苦戦していた。初日に釣った居つきの魚はもう枯れており、沖のサスペンドバスに狙いをシフトするも10時くらいまでに1本のみ。
お昼を過ぎたタイミングで畳岩の溶岩帯エリアへ移動。黒い溶岩帯は水温上昇が早いと言われる。今まで河口湖で釣りをしてきた経験を信じ最後まで諦めずに狙い続けた結果ラスト1時間で2連発。最後の1本は帰着締め切り9分前に来た2500のスーパーキッカーだった。3本トータル6020g。2日めもトップウエイト、2日間の合計14,800gの完全勝利。同選手はこれにてJB戦20勝目。参戦たったの3年で20勝の快挙。来年はどんな驚きと感動を我々に与えてくれるのだろうか。
写真・報告 NBCNEWS H.Togashi