JBJBトップ50第3戦エバーグリーンCUPストーリー

2022年 07月29日(金)〜07月31日() 茨城県 北浦

JBJBトップ50第3戦

エバーグリーンCUP

2022年 07月29日(金)〜07月31日()

茨城県 北浦

ストーリー

激ムズな真夏の北浦戦を制したのは地元ルーキー江尻悠真!

早くに梅雨明けしたもののその後悪天候が続いた2022年夏。大会が開催された3日間は快晴・無〜微風の猛暑日となった。水温も30℃を超え過半数が0〜2匹に散った。そんな過酷なコンディションだったが、北浦をホームレイクとする江尻悠真が2.5キロ、4.3キロ、1.8キロと釣果を重ね参戦初年度で優勝カップを手中に収める快挙を成し遂げた。

Day1 小森嗣彦・黒田健史がスタートダッシュを決める

トップ50初の真夏の北浦戦

便宜上「北浦戦」となっているが北浦本湖とそれに続く鰐・浪逆・常陸利根もトーナメントエリアに含まれる。毎度のことであるが北浦本湖の人気は低く、半数以上は下流方面へ下る。今大会は特にその傾向が強く終日北浦本湖で戦った選手は1割程度だったように見えた(エリアが広大過ぎランガン早すぎで正確には把握できない)。

北浦本湖を南下する今江克隆

夏の大会なので多くの選手はわずかに残るアシや矢板のシェイド、少しでも水が動く水門・小規模流入河川などを狙っていた。

スタート前に去年のウィナー佐々一真は「下手したら普通にノーフィッシュですよ」と言っていた。3割くらいノーフィッシュとか?の問いにも否定はしなかった。

終わってみれば確かにそのとおりの結果。49名中14名がゼロ申告で1匹が17名だった。ただし1匹あたりのウエイトは重くてキロフィッシュがほとんど。「釣れてない」というよりも「キーパーサイズが居ない」という感じ。

初日トップは小森嗣彦

初日トップは小森嗣彦。この日は全部で7本キャッチし最終ウエイトは5,425g。さすがの貫禄を見せつけた。

2位は前大会ウィナーの黒田健史でこちらも4,610gというハイウエイトを持ってきた。

3位の吉川永遠から6位武田栄喜までが3〜4匹で3キロ台。2キロでシングルという感じの初日だった。

Day2 江尻悠真が4キロで予選トップ通過

朝の3時間ほどいい感じのローライト無〜微風に

2日めも朝のフライト時は快晴無風で「今日も暑そう」と思ったが、その後すぐに曇天ローライトになった。3時間ほど続いたこのローライトな時間帯に色々なドラマが起こったようだ。

昼前からは再び青空が広がった。日陰なきこの水系でこの天候はかなり過酷である。水中の生き物も同じく過酷なのか2日めも0〜1匹が過半数を超えた。

2日めトップ江尻悠真4,290g。そして予選トップ通過。

単日トップは江尻悠真、バッグリミットを揃え4290g。2位中田敬太郎 3742g、3位小林明人 3,556g。以降2キロ台が8名。ローライトがチャンスタイムだったのか初日よりやや釣果は良かった。

2日間合計6878gの江尻悠真が予選トップ通過、2日めはややウエイトを落としたが初日の貯金が効いた小森嗣彦、黒田健史が1キロ以内の差で江尻を追う展開。2日間ともに1キロ釣れば予選通過という感じだった。

Day3 今泉拓哉が猛烈に追い上げるも江尻悠真が逃げ切って初優勝!

最終日も快晴無風の猛暑になった。トップ50大会時、公式プラを入れトータル5日間叩かれまくる。これだけのフィッシングプレッシャーを吸収できるフィールドは日本には存在しない。最終日は競技時間が短いのもあって更に釣れない。せっかくギャラリーのみなさんが集まってくれても、それに応えられる釣果を出せないのが現実。

が、今泉拓哉がそれを覆してくれた。

19人抜きの逆転優勝か!?と思わせた今泉の5キロオーバー

最終日にして5625gという今大会の最高ウエイトを叩き出したのだ。こんな厳しい状況でも5キロ釣ってくる選手がいることを知れるのがトーナメントだ。

検量を待つ江尻悠真。この時点で小森・吉川らの釣果は耳にしていたはず。でも、今泉の5キロは寝耳に水だった。

そんな今泉拓哉の猛攻を受けながら最終日に2本1872gを持ち込んだ暫定トップ江尻悠真がトータルウエイト503g差で逃げ切って優勝した。

参戦1年目で優勝の快挙! 江尻悠真25歳

冒頭で「地元ルーキー江尻悠真」と書いたが正確ではない。江尻悠真は東京都出身・在住でホームレイクが北浦の25歳。そして大会会場となった潮来マリーナを拠点としている。ホーム中のホームでの嬉しい優勝だった。しかもトップ50参戦一年目での優勝という快挙を成し遂げた。多くの選手が下流へ下る中、ホームレイクの意地とプライドで北浦本湖をランガンし優勝カップを手にした。

総合2位の今泉拓哉も東京在住で霞ヶ浦水系をホームレイクにしている選手の一人。

今泉拓哉 25歳

大学生の頃からトップ50参戦し今年で5年目。5年目だけどまだ25歳の若さ。霞ヶ浦水系への熱い想いは江尻と同じくらいある。次戦にも期待したい。

トップ50前身のJBワールドシリーズが発足したときからフル参戦してる泉和摩・今江克隆・大塚茂・SHINGOが参戦26年目。藤田京弥が26歳、今大会の上位2名が25歳。JBに歴史あり。

吉川永遠 23歳

総合3位は吉川永遠。奈良県のリザーバーを得意とする若手でこちらは更に若い23歳。3日間チャターベイト1本勝負で中層に浮くバスを捕獲しまくった。

初日ダッシュの黒田健史、小森嗣彦という中堅・ベテランが4位、5位で幕を閉じた。

年間ポイントランキングは藤田京弥がトップだが・・

年間ポイントランキングトップは藤田京弥が暫定トップだが第4戦は欠場する。残り2戦が霞ヶ浦・桧原湖なので暫定3位の小森嗣彦がかなり有利な展開だ。しかし、トーナメントはなにが起こるかわからない。残り2戦の戦いが楽しみだ。次戦第4戦は9月9日〜11日にSDGマリンCUPとして霞ヶ浦で開催される。


ウィナー江尻悠真インタビュー

東京の江尻少年がバスプロになるまで

ーーまずは大会のことの前に江尻さんの生い立ちというかプロになった経緯を聞かせてください。どんな感じで釣りを始めたのでしょうか?

釣りを始めたのは親父の影響で2歳か3歳くらいにバスを釣ったのが最初です。

ーーお父さんがバス釣りをやられてるんですね。って2〜3歳って早いですね。

そうなんです。バス歴でいうと長いんです。

ーー東京生まれということは釣り場は霞ヶ浦とかですか?

霞ヶ浦でやってて、あとは近くにオカッパリできる川があって小学校とか高校生のことはそこでやってました。

ーーえっと、具体名は書かないけど東京ってことは●●●とか?

そうです。徒歩圏内なんです。ただ小学校から高校まで野球をやっていたので、その間は実はあんまりやっていないんです。週に一回とか。

ーートーナメントに出るようになったのは。2016年からチャプター北浦に参戦してますね。

大学入ってからです。2015年にWBSのノンボーターからはじめて翌年にチャプター北浦へ。

ーー最初から北浦が本拠地だったんですか?

大学2年のときに中古の安いボートと出会って、それを北浦に置いて、そこからずっと北浦ですね。

周りのひとに恵まれてトーナメント参戦環境をつくりあげる

ーー2017、2018年にJB霞ヶ浦・チャプター北浦に出場し2019年からJBマスターズ参戦ですね。この頃から既にたくさんのスポンサーついてましたよね?

最初にismさんにサポートしていただいて、マスターズ始めた年にゲーリーインターナショナルさんに契約していただいて、っていう感じで。

ーーなんとうかすごいエリートというか、なんというか

とても人に恵まれてて釣りに関しては本当に不自由なくやらせていただいています。

ーー確かマスターズデビューのころにはランクル200と大きいバスボートに乗ってた記憶があります。

最初WBSのボーターやってまして、そのときにボートを牽くためにランクル欲しいな、ってなって知り合いの車屋さんが、すごいあり得ない価格でランクルを探してくれて。探していたのは100だったんですが、100の予算で200を。その時買ったのが今乗ってるやつです。

ーーボートも大きくていいやつですよね

マスターの年に買ったんですが、それも人の縁で良い条件で買えたので、本当に人に恵まれているんですよ。

ーーいきなり200と良いボート、トップ50の中堅選手クラスの装備だったので大富豪の御子息さんと思ってました。

そんなことないです。普通の一般家庭です。本当に周りの人に恵まれているんです。

ーーその収入源というかお仕事は?

普通に製造業で働いています。

ーーそうなんですね。トップ50とマスターズ参戦だと休みとるのも大変だと思いますが。

すごい理解してもらってて

ーーそこも人に恵まれているところですね

そうですね。めちゃくちゃ恵まれていると思います。

ーー分かりました。そのような感じで2021年にマスターズ年間で10位になって今年トップ50デビューですね。
で、いろんな人が「江尻くんはいつも北浦に浮いてる」って言ってましたが、どれくらいのペースで北浦で釣りしてるんですか?

毎週末土日両方ともですね。完全ホームレイクです。

ーーえ?でもマスターズ、トップ50参戦となると他の湖でも練習しないとですよね?

今年に限って言えば、実は北浦に浮くのはプリプラ以外では3回しか釣りしてないんです。マスターズに出始めた去年からは北浦以外の亀山とか高滝とかでも毎週釣りをするようにはしてます。

真夏の北浦戦についてシーズン前に思ったこと

ーー去年の年末くらいに、今回の大会のスケジュール、7月末の3日間北浦で開催される、っていうのを見てどう思いましたか?

「うわっマジか」って思いました。時期的にちょっと中途半端過ぎるなと思いまして。どっちつかずな展開になるなと。まだシャローに残っているかもしれないし夏っぽくなって沖に行っちゃうか。固め釣りがしにくいだろうな、って思いました。

ーーえ、この時代でも真夏の北浦って沖で釣れるんですか? 八幡のサンドバーとか?

あ、いや、八幡のサンドバーにもいるとは思うんですが、そこまでの沖でなく2mくらいの岸から離れたところです。

ーーあ、岸ベタではなくちょっと沖合の、って意味ですね。

そうです。岸から離れたところの杭にバスが浮くとか、そういうイメージです。

ーーそれが北浦の真夏の釣りで、スケジュールを見たときは、まだそこまで行かずに中途半端だな、と。で、大会2週間前にプリプラ期間がありました。7月の第2週目くらいまで釣りをしたと思いますが、感触はどうでした?

プリプラクティスの感触

案の定まだシャローにまだまだ魚が残っていて(真夏の前段階の魚)、で、エリアによって全然季節感が違ってたんですね。結果的に大会では下流域で釣った選手が多かったと思うんですが、やっぱり下流域の魚がめっちゃめっちゃ多くて、でも、まだアフターを引きずってる感じで、1ヶ月くらい遅れてるんじゃないかな?みたいな印象でした。

※注:北浦神宮橋より下流の鰐〜浪逆〜常陸利根エリアのことを「下流」と呼ぶのが通例になっています。諸事情により「川」という字は使用しません。

ーーえー1ヶ月も。

はい。魚がまだボロボロだったんです。釣りをすれば普通に5キロ、6キロは釣れる感触でした。でも下流は人が多いし、誰でも釣れるような魚が多かったので上位は難しいだろうな、っていう印象でした。

で、北浦に来てみると確かに釣れないんですけど兆しがあったんですよ。なんというかバイトは少ないけど釣れれば動いてる魚が釣れる印象、2週間後には夏っぽくなりそうだと。

ーー「動いてる」っていうのは、産卵・子育てから開放されて沖回遊してエサ食べまくってる健康的なバスってことですよね。

そうです。ピカピカの健康な個体。数少ないけど動いてるのが釣れるんで2週間後の北浦はもっと季節が進んでイケそうだ、って思ったのがプリプラでした。

ーー北浦がホームだからって、俺は絶対本湖で釣る!下流は行かない!っていう訳ではなかったんですね

プリプラ終わった時点では北浦があまりにもバイトが少なすぎて下流をメインにしないとしんどいな、って思ってたんです。

ーーでも勝つためには北浦をやらないと駄目だと?

北浦・下流、両方やったら優勝に絡めるんじゃないかなと。

直前プラクティスの感触

ーーそれから2週間経過し、大会直前の2日間の直前プラはどんな感じでした?

初日は北浦をやったんですが2本くらいしか釣れなかったんです。でも沖の杭で2つ釣れて。自分が思っているとおりに北浦は夏っぽく季節が進行してると感じました。プラの2日めは下流へ。魚と人の多さをチェックしました。下流では釣れなかったし人も多いので、フライトが良かったら下流から始めようくらいに思ってプラを終えました。

ーーそのプラの時点で北浦本湖はひとがすごい少ないですよね?

そうですね下流に比べたら全然少ないです。

ーーもし北浦本湖で釣れるのならバッティングの心配も無いし、のびのび釣りができるとう感じですね。直前プラ終わった段階で、順位はどれくらいを予想しましたか?

そんなに釣りこんではいなかったけど、デコは無いだろうな、と。北浦って1匹釣れると次の展開が結びつけやすいんで。デコらなければ、その日の魚を見つけられれば上位に絡めるだろうけど、そこまでの自信は全然なくて。

ーー次の展開が結びつけやすい、というのは1匹釣ったら、それを釣った条件と同じような場所へ移動して釣る、そして北浦はエリアが広大だから、同じような条件のポイントがたくさんある、っていう意味ですよね?

そうです。そうです。こんな魚が釣れたのなら、たぶんこっちにも居るだろう、と。

ーーその選択肢(場所)がいっぱいあるってことですね。バッティングリスクも低いし。

そうです。

大会初日 2,588g 3匹 9位

予選初日の朝
北浦上流方向へスタート

ーー初日始まりました。どんな展開でしたか

フライトが28番で、その時点で下流は諦めて。北浦から始めようと。そしたらいがいに選手が多くて、10人くらい居たと思います。でも、みんなワンドの奥へ入ってきました。八幡ワンドとかは3艇4艇が奥に入っていって。その瞬間、気づかれてないと。

ーー自分は夏の沖の魚を狙っているけど、他の選手はワンド奥のアフター系の魚を狙っているってことですね。

朝イチにワンド入口付近のシャロー、アシに行ったんですけど、そこで2本釣れて。やっぱり自分の読みが合ってると。で、魚が良かったんですよ2本とも。キロキロで。
でも、その後が戦略ミスで。それを掘り下げちゃったんです。その後、気になってる場所に行って2時間くらいロスしちゃったんです。ノーバイトで。
その後、釣った魚をヒントにして移動した先でキーパーを1本釣りました。

ーーその、掘り下げて失敗した2時間というのは具体的に何を?

沖に行って思いっきりサマーパターンを。あんな天気(晴れの真夏日)だったので。

ーーもう一歩先の季節の魚を探しに行ったってことですね。真夏の魚を狙いに。

そうです。杭と浚渫とブレイクと。ぜも全然居なくて。

ーーそれを諦めて、最初の2本と同じ感じの釣りをして1本追加。それは時間は?

11時くらいですかね。

ーー後半は?

後半はノーバイトでした。なので、朝の2時間ノーバイトだったのが戦略ミスでした。もっと速いテンポで見切るべきでした。

ーー帰着したら2500で9位でした。全然悪くはないけどトップの小森選手や2位の黒田選手は5キロ、4キロでした。どう思いましたか?

二人とも北浦で見かけた選手だったんですよ。試合中に。だから、やばいな、と完全に出遅れたな、と。その時点で魚の供給がなくなったのか、他の選手の後に入ってるのか分からなかったんですよ。あのウエイトを見て。あーやべーなーって思いました。けっこう、自己嫌悪してました。

ーーあの水系は広すぎるから他の選手の後に入っても全然わからないんですよね。他の会場に比べて誰がどこに浮いてるとかも分かりづらい。

初日の帰着間際に黒田さんが杭やってるのをみちゃったんですよ。だから、あー俺やっちゃったなーって。

ーー自分と同じ釣りをしてる黒田選手を見ちゃった、つまり黒田選手も自分と同じ魚を狙っててウエイトで大きく負けちゃった、と。

そうです。完全に狙ってる魚が黒田さんと被ってるかもしれない、って思ったのが初日でした。

予選初日は9位 2,588g 3匹

2日めトップウエイト! 4,290g 5匹

ーー2日目です。この日はトップウエイトでした。どんな展開だったのでしょうか

前日釣った2本はけっこういい魚だったんですが、自分的にはもっといい魚が居るはずだと思ってて、もっとボディーウォーターに絡むようなシャローから入ったんですが・・・釣れなくて。
で、もう一箇所、ちょっとインサイドにあるシャローを見に行って・・駄目で。
あれ〜?シャローじゃないのかな、って思いつつ。でも昨日釣れた魚はいたんだから、ってもう一箇所行ってみようって。今度は岬は絡んでないんですが、単に湖流が当たるリーズに行って。そしてそこで3連発しまして。やってることは間違ってないと。そこからはもうバスの反応がすべてイメージ通りで。

ーーえーーそれはもう気持ち良いね!バス釣り冥利に尽きるやつ

すごい気持ちよかったです!

ーー会心の釣りってやつですね。

そこからは、行く先々でポンポン食ってきて。3発釣った後に下って。下ってっても北浦本湖の話です。そこで1匹キロくらいの釣れて、あーやっぱ間違ってない、と。今日は絶対にリミット揃えようって思って、ここで釣れるのなら、次はあそこだな、って思って寄り道せずワンドの入り口にあるシャローに行ってそこで5本めを釣りました。2日めは10時くらいに5本揃いました。

ーー10時!完全にハマってますね。

完全にハマっちゃって。で、次の日のことも考えないと。北浦で3日間はしんどいな、って。初日は2500だったし。それもあって下流も見に行ったんです。明日のプラをしに。人の動きも見るために。でも、やっぱり行く先々にひとが居るんです。

ーー良さげなところは必ず先行者が浮いてる

そうです。僕が考えてる展開はスパスパと動くことなんです。1匹釣れたら、次はこっち、みたいな。

ーー下流は人が多すぎて、その早い展開ができそうにないと。

ランガンできないし自分のペースを崩しちゃうって思って12時くらいに下流は完全に捨てました。
で、北浦に戻ってきて。5本揃っているので、次の展開をってことで、カレントがあたっているけどちょっとインサイドにある杭、っていうのを回って1本入れ替えて。2日めはあのウエイトです。

ーーすごいですね。現代の北浦でそんな会心の釣りができるなんて。

いえ、むしろ北浦らしい釣り方ができて良かったです。

予選2日めは4,290g 5匹 単日トップ。予選もトップ通過。

ーー予選はトップ通過でした。小森・黒田両選手は2日めちょっと外しました。でも初日の貯金が効いて2位3位。1キロ以内に3人が並ぶ展開でした。どう思いましたか?

2人とも絶対に2日めも釣ってくるだろうと思ってたのでぶっちゃけ意外でした。びっくりでした。逆に初日駄目だった俺が2日め良かったから、まだチャンスはあるな、て。試合中の展開を踏まえると、明日の3日めもまだまだ魚は入ってくるなと。

ーー自分は動き回る魚を狙っているから供給はあると。

そうです。これは勝負できるなって思いました。3日めは変なことをしなければ残れるなと思いました。ポジティブな感じでした。

運命の決勝日。人生でNo1の釣りが出来た

「予選トップ通過し緊張しまくるルーキー江尻」というタイトルを妄想しながらシャターを切った・・が・・・
「緊張してる?」と聞いたら「いえ、全然してません」とピースサイン。メン強い。

ーー3日め。朝俺が話しかけたら「全然緊張してない」って言ってました。メンタルすごいなって思いました。

本当に緊張しなかったんですよ。もちろん不安はあったんですよ。動いてる魚(居付きの魚の対義語)を釣ってたんでタイミングがあえばパパっと釣れるんですけど、1匹目に時間がかかるとけっこうしんどいな、って。

ーーでも朝はわりと自信はあったってことですね。3日めは選手が30人に減るしそもそも北浦本湖やっているひとはすくないし、バッティングの心配はほぼなしでもうノビノビ釣りができますね。あとは魚とのタイミング次第。さすがに広い水系だとそのあたりは面白そうですね。

めちゃくちゃ面白かったです。たぶん人生で1番おもしろかったですね。

ーーおおおお、それはそうよね。トップ50大会中だもん

こんなはめ方できるんだ、って。最近北浦・霞水系釣れない釣れない言われるじゃないですか。

ーーそんなことないぞ、と。ちゃんとやれば釣れると。

これぞバスフィッシングだと。地図さえみれれば釣れるぞ、と。

ーーめちゃカッコいいですよ。オールドスクールだけどザ・バスフィッシング。話戻して3日め最初に向かったのは?

北浦の上流です。前日3本釣ったボディーウォーターが当たるシャローです。で、向かう途中で小森さんに抜かれたんですよ小森さんのほうが船速くて。そしたら小森さんがワンドの奥に入っていたんですよ。それを見て、狙っている魚が全然違うことがわかって。魚はまだ釣ってないけど、それからは超ノリノリで。

ーー他の選手とのバッティングも無いし小森さんと狙いの魚が被ることも無いし。

2日めの朝2時間くらいローライトだったじゃないですか。で、あのタイミングでけっこう釣った人が多いと思うんですよ。でも、爆発的に釣った人は居ないはずです。だから、その時、下流が噴くことは絶対に無いと思ってて、

ーーあ、ちょっと待って。えー、2日めに全体的に初日より釣れていたのはあのローライトの時間帯で釣れていたってこと?

そうだと思うんですよね。あれの影響で5キロとか釣られたらビビるんですが、そうでは無い。

ーー3日めはド快晴だったから、そんな心配も皆無ってことですね。

そうです。なので今回、人としての敵、ライバルは居なくて魚と自分だけの戦いだと。昨日までの魚をどう捕らえるかしかないかな、と。これはもうやったるしかない。
で、最初の場所に着いて、朝3投めか4投めで1本食ったのかな。でもちょっとあり得ないバラしをしていまいまして。あれ?俺、モッテない人になっちゃったのかな?って思ったんですよ。でも、思った場所に魚は居たんで、大丈夫大丈夫って言い聞かせながら釣りをしてって、展開的には前日までと一緒で「ここで釣れたなら次はここだろう」ってカレントの当たるシャローに入って、そこで1本釣ったんです。1200くらいの。そんときはもうイケるってなって、そこで釣れるなら、次はこっちだ、っていう先で2連発したんです。狙い通りだ。

で、3本目釣ってライブウエルに入れたら2本目が弱ってて死にそうになってて、また2本に逆戻りって自分の中でテンパっちゃて、この1本でもしかして負けるのかなって。

でももう一回ゲームを作ろうと思って、気を取り直してあちこちランガンしたんですけど、3日目ってめっちゃくちゃ暑かったじゃないですか?

ーーヤバい暑さでした。

で、あれでちょっとさすがにバスの回遊も止まっちゃった感があって。結局2本で帰着だったんです。正直、ぎりぎりで負けちゃったな、って思いました。

最終日はルアマガ記者が同船。

暫定上位5名はトレーラーウエイインのためにボートを並べて待機する

暫定上位5名はボートを並べてトレーラーウエインを待機する

ーーウエイインを待ってるときの心境は?

ウエイイン待ってるとき、隣の小森さんは表情からあんまり釣ってる感じじゃなかったです。あれ?これはもしかしたらもしかしちゃうんでない?って思って。

検量を待つ小森。

で、黒田さんも釣ってそうだけどめちゃくちゃ釣ってそうでもないし。これはもしかして勝てるかな?って思ったら、Wさん(本部スタッフ)がめっちゃ話かけてくるんで、あれ?これ勝ったのかな?

ーーあ、あのとき、記者もあの場にいたけど、他の選手にウエイトは聞いてなかったんだ。かなり嬉しそうにみえたので聞いてたのかと。

聞いてないです。ギャラリーのひとが「小森さん釣れなかったんだ」とかいう声はちらほら聞こえてはきましたが。あれ?俺?行けちゃう?って。でも魚見ると「800と500」って思ってたんですよ。目測で。1300じゃキツイだろうなっても思いました。そしたらまたWさんが来て「今日5キロ釣ってるのが居る」って耳打ちされて。な、やっぱりな、だろ?って思って。

にこやかに検量を待つ江尻

ーーえーWさんあの場でそんなこというんだね

そうなんです。で、まさかのまさかでその5キロが今泉(暫定19位なので寝耳に水状態)で。今泉との差が4200でしょ? えー、でもそのとき計算が全然できなくて。捲られたのか、そうでないのか全然分からなくて。

ーーということは自分の検量をするまで順位はわからなかったんですね。

そうです。

ーーで、トレーラーウエインしてステージ上で今泉選手との差が1300gって言われたんですよね。自分の目測が800と500で丁度1300g。

参戦一年目にしてマイマリーナでトレーラーウエイン

そうです。でも、検量する直前にバッグの魚をガン見したら、800だと思ってた魚がそんなことはないと、もっと重いはずだと。キロは絶対にあると。

ーー優勝の瞬間はほんとに嬉しそうでした。久々にあんなに喜ぶ選手見れた感じです。

優勝決まった瞬間

まじで勝てるとは思ってなかったんで。ただゲームの内容的には100点だったので。これで3日目に6キロとか釣ってこられて逆転されても、それは釣ってきた人が偉い、俺には無理、って。これで負けたらしょうがない、って思ってたんで、ギリギリだけど勝てて本当に良かったです。

ーー一年めだもんね。なんかベテラン感すごいけど一年目。

いやいやまだヒヨっこなんです。

ーーなんだろ?貫禄があるのかな?

いや、老けてるんじゃないですかね?

ーーいやいやそんなことないよ。

なんだろ?京弥とか若いじゃないですか、ゆいPも。なんか初々しさがある。

ーー確かに(笑)

俺、無いもん。

ーーいや、なんだろ?たぶん来てるウエアのスポンサーとか立派なボート、車からして、記者の中では最初からすごかったからそういうイメージがあるんだと思う。けど、実はルーキーだった。という余談はさておき、長々とありがとうございました。次戦も頑張ってください。


ルーキー江尻悠真選手は年間ランキングも6位まで浮上。「北浦と霞ヶ浦は全然違うんですよ」と言ってたが次戦の成績次第では年間チャンピオンも射程圏内。更にJBマスターズでも暫定年間ランキングは2位。今年は江尻選手に注目!

写真・報告:NBCNEWS H.Togashi

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