JBJBトップ50第4戦SDGマリンCUPストーリー

2022年 09月09日(金)~09月11日() 茨城県 霞ヶ浦

JBJBトップ50第4戦

SDGマリンCUP

2022年 09月09日(金)~09月11日()

茨城県 霞ヶ浦

ストーリー

3日め3投で3キロ釣り3勝目! パワーゲーマー小林知寛 初秋の霞ヶ浦を制す

すっかり秋めいた9月9日~11日に茨城県霞ヶ浦水系でJBトップ50シリーズ第4戦SDGマリンCUPが開催された。上位5名のうち3名が単日ノーフィッシュを食らうという波乱の展開。優勝の小林知寛も2日めゼロ、予選17位からの大逆転優勝を飾った。

Day1 黒田健史4,955gでスタートダッシュ

前回の北浦戦は夏まっさかりだったが、あれから一ヶ月経過した茨城県は秋だった。暑くも寒くもない快適な気温・湿度。曇天の潮来港に49のボートが並んだ。

常陸利根にある潮来港から上流へ向かえば北利根・霞ヶ浦本湖、下流へ向かえば浪逆浦方面。スタートが始まると上流へ向かう選手が6~7割という感じだった。

image予選は潮来港で開催された
image 10時までは曇天・霧雨
image 昼前から青空に

記者は午前中、北利根~妙技~本湖東岸を回ってみたがさすがにこの広さで選手のボートを見つけるのは困難だった。予報どおり北東のやや強い風が吹いていて風下はややザブザブだったが選手の行動に制限を及ぼすほどではなかった。

昼前から青空がのぞきはじめ検量の頃には青空になった。

戦前の予報よりはよく釣れてウエイイン率は77%。リミットメイクは4名にのぼった。

全体的には2~3匹の1キロ前後が多く2キロでシングル。3キロでトップ5という結果。

初日トップは前回も初日2位のロケットダッシュを決めた黒田健史。一人ずば抜けた4955gのハイウエイトを持ち込み会場を沸かせた。

黒田健史 4955g

2位は唯一の小型ボートでの参戦で会場付近で終日粘りきった三谷聡が3548gをウエイイン。

小林知寛 3,492gで3位スタート

3位は小林知寛で3本ながら3,492g、4位の小野俊郎は2本で3,200gと霞ヶ浦のポテンシャルを発揮した結果となった。

Day2 初日ゼロだった小森嗣彦が4,360gで単日トップ

悪天候が続いた関東地方だが、2日めは朝からよく晴れた。この日も記者は本湖東岸を北上してみたが収穫はほぼなかった。

風は初日よりやや強く風裏の東岸は平和だが湖中央部は白波状態。ただ現代のバスボートは性能があがっており、そんな荒波もなんなく交わして平然と走行していた。

image朝から秋晴れ的な
image姿勢変えず平然と走るバスボート
image どシャロー大好き小林知寛

本湖東岸にはリップラップの沖堤防がズラリと並ぶ。その内側は浅場が多く大型バスボートでの侵入はけっこう面倒だ。が、それを臆せずシャローを撃っている選手が居た。優勝の小林知寛だ。同選手は霞ヶ浦のシャロー大好き選手である。

2014年第2戦では霞ヶ浦本湖東岸シャローをワンズバグ・シャワーブローズ・キッカーフロッグのトップ御三家で攻めまくって5930g単日トップで会場を沸かせたことがある。

記者はマスターズ霞ヶ浦の小林知寛の前日プラに同船させてもらったことがあるが、その時も信じられないような激浅シャローに大型ボートでボトムの泥を巻き上げまくって侵入しまくっていた。東岸シャローとトップウォーター攻めの経験値はトップ50選手で随一だ。

が、この日の小林知寛はノーフィッシュだった・・・

小森嗣彦初日ゼロ、2日めトップ4,360g

ノーフィッシュといえば初日まさかのゼロ申告だった小森嗣彦がリミットメイクからの4,360gで単日トップになった。初日ゼロだったことで年間ポイントランキング争いが波乱の展開になるかと思われたがさすがの小森嗣彦は外さない。

全体的にはノーフィッシュが倍増し30名がウエイイン。30名中1匹が21名にものぼった。広大なトーナメントエリアではあるが、既に釣れる魚は枯れ始めているのか晴天・強風がマイナスに働いたのか。

予選トップは黒田健史

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初日の貯金が効きまくって黒田健史が予選トップ通過。第2戦優勝以降3戦連続優勝争いに加わった。
2位は武田栄喜。予選の2日間ともに特に目立たなかったが両日2キロ中盤を釣ってきて暫定2位。トップとの差は1427g。
3位は福島健、4位に小野俊郎でトップとの差が2キロチョイ。
重量順の成績では初日ノーフィッシュだった小森嗣彦が暫定5位まで急上昇している。そして総合優勝の小林知寛は9位だった。2日間のうちどちらかがゼロでも優勝・お立ち台のチャンスがあった大会だった。

小林知寛3キロ差をひっくり返して大逆転

最終日はトーナメントサイトをSDGマリンさんの横利根ベースに移しての開催になった。とても広くきれいな施設、そしてたくさんのスタッフさんに協力を頂いての最高の舞台となった。

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舞台環境は最高だったが風は最悪だった。三日三晩ずっと北東の風が吹き続けたがこの日は輪をかけて強かった。体感で7~10mくらいの風だった。

トーナメント会場では色々なイベントが行われ盛り上がっていたが、その頃東岸シャローで本日最大のドラマが起こっていた。

帰着が迫る12時頃、東岸シャローをバックスライドワームで攻めていた小林知寛が2連発。そのうち1匹が2キロオーバー!9人抜きの大逆転で第4戦の幕が降りた。

上位5名

総合2位は武田栄喜。小林と同じく本湖東岸のシェードを狙い3日間安定した釣果で準優勝。

3位は黒田健史。SDGマリンの完璧なバックアップのもと荒れる本湖を縦断し魚影の濃い西浦へ連日走った。最終日はゼロだったが初日の貯金が効いて3位に踏みとどまった。

4位は福島健。同選手もチャージャー198エリートの走破性を後ろ盾に西浦と境島という霞ヶ浦本湖の北端・南端をメインエリアに据えて戦った。3日連続で魚を持ち込み4位入賞。

5位は小森嗣彦。最終日もさすがの底力を発揮し1本キープしお立ち台へ。

年間暫定ランキングは小森嗣彦がトップ、20代が後に続く

5戦中4戦を終えた年間ランキングトップは小森嗣彦。
12点差で江尻悠真(25歳)が2位。その後に今泉拓哉(25歳)・黒田健史・吉川永遠(23歳)・青木唯(22歳)と20代が続く。
最終戦は小森嗣彦の準ホームレイクな桧原湖。12点差は小さくないが果たして・・・

前回までポイントランキング暫定トップだった藤田京弥はアメリカの大会とスケージュールが被ったため欠場し10位まで後退するも、アメリカでエリート昇格を決めた。

小林知寛インタビュー

About 小林知寛

ーー中堅のプロではありますが小林知寛プロのことを知らない人も居ると思うのでざっくり自己紹介お願いします。

自己紹介?え、岡山出身でこの前42歳になったコバヤシトモヒロです(注:大会2日目が誕生日だった)。

ーートーナメンター歴は何年目でしょうか?

チャプターも入れたら25年目です。

ーートップ50は

21年目です。

ーー中堅というかもうベテランですね。

そうですね。長いことやってますね。

ーー得意なフィッシングスタイルは?

パワーゲームです。

ーー旭川ダムの近くなんですよね家が。

スロープまで7分のホームレイクです。

ーーパワーゲームは旭川ダムで覚えた感じですか?

そうですね。基本はそうです。

霞ヶ浦は楽しみ

ーー今年のトップ50の北浦・霞の2連戦は去年の年末頃に知ったと思うんですが、その時はどう思いましたか?

パワーゲームができる時期なので楽しみは楽しみでしたね。

ーーえっと私から補足すると、小林選手は長いことJBマスターズにもダブルエントリーしててマスターズは霞ヶ浦会場が多いので、他のトップ50の選手よりは、圧倒的に霞ヶ浦本湖の経験が多いと思うんです。

そうですね。昔からABCがあったおかげで(編注:ABCはアズマボートクラブ。小林選手らが長い間お世話になっているマリーナ)住み着いて練習できていたので。そうですね、浮いた日数は多いほうだと思います。

ーー西日本の選手としては圧倒的ですね。

そうですね。

プリプラクティス

ーーでは大会前からけっこう楽しみだったのですね。で、プリプラの感じはどうだったのでしょうか。

プリプラは4日半。

ーーちなみに4日半という期間は他の選手に比べ長いのでしょうか?

まー平均ですね。だいたいみんな4日か5日入るんで。

ーープリプラでチェックした内訳は

風に応じてエレキで流せるエリアを選んで西浦、東浦を含めシャローを全部エレキで回りました。

ーー常陸利根やナサカはは見ずに?

本湖だけです。

ーー4日で回れるもんですか?

4日半かかりました。普段やってるエリアは飛ばしてですけど。

ーーその時に確認するのは水色とか?そうそう簡単に釣れるわけではないよね?

いえ普通に釣れました。普通にトップウォーター投げながらまわります。ワームとかだったら食って走るだけですが、トップウォーターって出方でテンションが分かるじゃないですか。なので、そのエリアの魚がやる気あるのかとか、復数のバイトがあるのかを見ながらまわった感じですね。

ーーで、たどり着いたのは

たどり着いたのは10ヶ所くらいあったんですが、今回一番魚が濃かったのは和田。今回は風で使えなかったですけど(注:和田は本湖西岸)。
和田まわったときは12本釣れましたね。

ーーええーーー(絶句)。そ、そんな釣れるんですか

少ない日でも5~6くらい出たので、だいたい数が多いエリアは絞れていた感じですね。

ーーそれは東岸も西岸も

東岸も西岸も。でも東浦だけはアタリがなくて今回の試合では飛ばしたって感じですね。

直前プラクティス

ーーそんな感じでプリプラを終え、本番前の直前プラクティスはどんな感じでした?

ざっくり見て、和田に行ったら和田も相変わらずおって。これは使えるな、と。でも、それは条件が無風か微風でシェードが無いと釣れんかったんですよ。で、さすがに試合のときはウネリが入りすぎててダメでしたね。ざっくり10ヶ所くらい前日プラの2日間で見て、数が出そうな場所とサイズが良さそうな場所を最終的に4ヶ所、5ヶ所あったかな?くらいですね。

ーーざっくり地名でいうと

東岸の玉造、西浦の・・・どこだったかな?真ん中くらいの北面?

ーー(Googleマップみながら)崎浜とか?

あ、そう崎浜のちょっと上くらいです。そこにサイズ良いのとれるところが3ヶ所くらいあったんですよ。
あと花室はみんなやるんで、花室の周りですね。中に入らずその周りですね。そこはある程度、釣れるかなって感じでした。

ーー私、大会中西浦には全く行ってないんで状況しらないけど結果的に西浦は人気エリアだったんですか?

そうですね。でも僕は一回もバッティングすることなく回れました。

ーー大会中3日間北東の強い風が吹く予報が前日プラの時点でみんな知ってましたね

なので全体的に左側(地図の左、霞ヶ浦の西側)はちょっとしんどいなって思いましたね。今回は数釣りはできないな、って思いました。数釣れるのはあっち面(西側)が多かったので。

ーー2日間の前日プラを終えた感想は

とりあえず5匹、5匹、5匹は釣りたいな、と。でも、(数が釣れる西岸はできないので)大きいサイズが多いエリアを釣ることになったので、数釣りはできずに、釣れたとしても5匹かつかつやろな、と。来たらだいたいキロくらい、でかいので1500くらいだったので。

ーー予定通り釣れたらすごいハイウエイトですね。他にもそれくらい狙ってる選手いたんですかね?

(他の選手とそういう話をしないので)わからないですね。

ーーいや、純粋に「そんな釣れるんだ」と驚いています。

けっこう釣れましたね練習から。

大会1日目 3本3492g

ーー初日を迎えました。で、天気予報どおり北東のやや強い風が朝から吹いてました。

初日朝ミーティング

予報どおりだったので朝イチから東岸(風裏)の朝イチ、風がなくてシェードになるところ、アシの前とかオーバーハングとかの水深30cmまでのところを撃っていって、釣っていった感じですね。朝イチ5投目くらいでキロくらいのが釣れて。もう一発来たけど外れて、それはワンズバグだったんですけど。
で、3日あるし、居るところは次の日も居る感じで。そのエリアはプリプラからずーっとおったんですよ。あとは供給があるかないかだったので、その場所は明日のためにスルーして。で、あとは見つけていた東岸のスポットを転々と北上しながらやっていきました。

で、もう1匹来たけどバレたっすね。それはもうだいぶ北上して玉造あたりですね。

ーーそれもワンズバグ?

そうですワンズバグ。で、タイミング合ってれば入ってすぐ釣れるんですが、そういう感じでなく、タイミングが違うなってことで西浦に移動しました。

で、崎浜のさっき言った石積みとオーバーハングのブッシュを打ちに行ったら石積みで1匹、オーバーハングで1匹キローオーバーが釣れて。

ーー初日3匹なのでそれで終了ですね。打ったというのはバックスライドのワーム?

いやワンズバグとスクラッチです。

ーーワンズバグの使い方は?エビ的な?

エビチックですね。基本はアシと魚の間に入れないと絶対にでてこないので、なるべくアシ側にキャストして5回くらいチャチャチャチャっとちょっと水しぶき上げて、ちょっとステイ。近くにバスが居たらばーっと浮いてきてパコって食います。

ーーその近くのバスっていうのはどのくらいの距離?1mなのか3mなのか、どんくらい離れたバスまでアピールしてるんでしょう

1m近いんじゃないですかね。やってるところが浅いので、よってきたバスは魚影が目で見えます。そこで寄ってきてそのままパクっと食うのもいれば、ボーっと見てるだけのがいて、それにはチョンとワンアクション加えてバゴっと食うやつもいたし。

ーー魚影が見えるんですね。

シェードにルアー入れてるんで最初は魚影は見えないけど浮いてきたら見える感じです。

ーー何年前だっけ?その釣りでけっこういい線行ったの。もっと南の牛堀のドシャローでトップウォーターで6キロくらい釣ったの。もうこの釣りに関しては大ベテランですね。霞のドシャローのトップウォーターに関しては誰にも負けないですね

あの釣りに関しては。

ーー超ベテラン。完全に自分のものにしてますね。もう1個のルアーはなんというやつですか?

スクラッチですね

ーーバジンクランク的なルアーです?

それより全然アピールが強い激しい系ですね。ジャバッジャバッってテーブルターンさせる使い方です。バズベイトの代わりで使ってたんですよ。バズベイトに追いきれないとき。

ーー少ない移動距離で

そうです移動距離を抑えてハイアピール

ーー3匹め釣ったのは

12時くらいですね。その後はあたらなかったですね。様子見に行ったらエビボイルとかも遭遇したんですがなかなか釣れなかったので、それは明日に残そうみたいな感じでした。

ーー東岸の沖堤防が続くエリア、あのインサイドって丘から見ると、なんというか夏に向いてない的な?ドヨーン感を感じるんですが小林選手的には年中というか夏でもアリなんですね

入り口はこれから水温が下がってからなんですけど、僕はハイシーズンはインサイド、一番アシ側ですね。誰もやらないし。
エビよりの魚はインサイドに多いんですよ、水温下がってエビが居なくなったら、沖堤防の表側に魚が着きだす感じですね。

ーー陸から見るとインサイドは水が死んでる感を感じるんですが

それは良いところ悪いところあるんで

ーー初日って朝は曇りがちで11時くらいから晴れました

あの曇っている間に釣って、晴れたらだめだった感じですね初日は。

ーープリプラの話だと晴れててシェイドあったほうが良いという話でしたが

それは和田とかあっち側の話でした。

ーーエビ食ってるやつはシェイドは関係ない?

シェイドはあったほうがいいですが

ーー曇で単純に活性が高かった?

そうですね。曇りのほうが絞りづらいは絞りづらいんですが全体的にシェイドみたいになって。でも魚が動きまくるので釣りやすいですね。

ーー初日は3400で3位でした。5匹釣れる勢いだったので自分的に3匹は少ないと?

少ないとは思ったんですが、それで3位ってことで、全然イケるなって感じでした。

ーー他の上位陣を見てどんな感じでした?

上位陣は気にせず、自分の釣りがハマれば絶対にイケるなと。初日は黒田がトップウエイトでぶっちぎっとったけど2位以降はそんなに行ってないので。

帰着直前会場近くをスピナーベイトで
初日の検量

予選2日目 ノーフィッシュ

2日め受付
2日め霞ヶ浦本湖へ向けてスタート

ーー2日目。ゼロでした。朝から久々の快晴で。関東地方こんないい天気何週間ぶり?くらいのいい快晴でした。そして風も初日より強め

強かったですね。

ーー東岸しかみてないけど西岸はザブザブで釣りにならないだろうと

そうですね。キツくなるだろうとは思ってて。でも(プラで)魚が入っていたスポットは(本番でも)朝イチは入っていたので、バラそうが何しようがシェイドがあるうちはテンポよく回ろうと思って。

朝イチは初日に残していたところに行ったら、ワンズバグのぜんぜん後ろでモワンって出て。フォローでTTシャッド2.8をやったらすぐに釣れたんですけどスッポ抜けて。5回くらいキャストしたけど反応ないんで次に行って。

で、次も入ってすぐにワンズバグに1500くらいの出て。反転してあわせたけどスッポ抜けて。針がかりした感じがなかったので、ちょっと粘ったけど駄目で。

そっからどんどんシェイドが少なくなって

ーーえっとシェイドが少なくなってというのは太陽の角度の関係?

そうです。

ーー東岸の岸沿いの葉っぱのシェイドを狙っているから、陽が高くなってくるとそのシェイドが無くなると

そうです。どんどんシェイドがなくなって。バラしたエリアは、そのバレた魚は居ても他の魚の供給がなくなって、その後は全然アタリすらなかったです。2日めは。

ーー記者は小林選手を見てます。東岸で。その時はPEスピニングやってました。

その時はフォローのときです。干拓の上流側。

PEスピニングでフォローの釣り

ーーあ、そうです。そこらへん。

小さいけど魚を触れたエリアとかも回ったんですがノーバイトで。ガソリンだけは炊いたけどアタリはなかったです。

ーー無念のゼロでした。ポイント順だと予選は17位でした。でも重量で9位。その結果を受けてどんな気持ちでした?

トップと3200くらいの差だったので、まー黒田が2キロ釣ってきても自分がマックス6500釣ってくればいい勝負になるかな、と。

ーー6500は夢でなくありえる数字ですもんね

ありえますね。

ーー希望は全く捨ててなかったと

はい

最終日 4匹 4,295g

最終日9番フライト

ーーで、最終日。朝からいい感じのローライトだったけど朝から爆風でした。

そうですね。でも東岸なので。朝イチは予選2日間朝イチ行ってた場所へ直行して。で、またワンズバグ食いミスして。フォロー入れたら今回は釣れた感じですね。この日は朝イチ4投目で釣れた感じですね。

ーーそれはバックスライドの?

いやTTシャッド2.8です

ーーTTシャッドってシャッドテールワームですよね。あれをノーシンカーの表層引きで使う感じですか?

ちょっとちょんちょんしながら巻く感じです

ーーその1匹目のサイズは?

500くらいだったと思います

ーー最終日の朝イチ、幸先の良いスタートでした

幸先いいけどちょっとサイズが下がって。更に表層系の出方もちょっと悪くなってるな、って感じはしました。
で、そこから転々と北上してって、玉造行って、で、誰も入れないすっごい浅いところにあるブッシュがあるんですけど、プラのときに僕の船でも座礁した凄い浅いところ。船1艇ぶんくらいの航路しかないんですよ。

で、そこに入って行ってブッシュ手前でワンズバグ投げたら1匹600くらいのが釣れて。

で、まだおるかな?って思ったけど駄目で。

で、西浦に走ってキロオーバー1匹、2匹釣れないかな?って思って走って駄目で。

それから・・・・ワンズバグで釣れた場所に魚が残ってるのであれば、まだ新しく入ってくるのもいるかも?な、ってことで玉造に戻ったんですよ。

ーーそれは何時くらい?

それは12時くらいかな?

ーーえーーだいぶギリギリで(帰着は13時)

で、玉造のスポットに入ったけどワンズバグには出ずに。そんでブッシュの最奥の木の根っこくらいにバックスライドを投げたら「コン」って来て

ーーコン!って来た!

糸がプン!って弾いて、ほんで糸がピューンと走らずにジワーて持っていくから、これデカイわーって思って合わせたら・・2300。

ーーラインは?

16ポンド。

ーーあ、だったら、まー、まーていうか

余裕です。

ーーいや余裕ってもなかなか霞水系であのサイズ釣れないよね

まーそうですね。

ーー過去にあのクラスを釣ったことは?

2キロオーバーは何本か

ーーさすがです。でもきれいで良い魚でしたね。大会史上かなりレアないい魚。でもあのサイズでもコバにしたら余裕?秒殺レベル?

秒殺ですね。水深が30cm無いんで下に行くこともないんで、一回横に走ったのでビュッとこっち向かせてそのままネットインです。

ーーさすがです!

ほんで、おったなーってなって、でもまだおりそうやなってなって、ライブウエルに入れてすぐに次のブッシュを撃ったんですよ。でもそこはおらんくて、岸際をパッとみたら「あれバスじゃね?」ってのが泳いでて、進行方向にピュっと投げたらラインが走って。それがキロくらいでしたね。

ーー凄いです。奇跡の2連発

そうです3投で3キロ。

ーー笑。3投で3キロは良い!見出しに使える。

はい?

ーーあ、いや。さすがにあの2300は手が震えたでしょう?

いや、そこまで震えんかったですね。次の魚!って思ってたんで。でもたぶん、そこで2300で震えてポケっとしてたら、次の1キロが無かったのでね。

ーーなるほど~。素晴らしいですね。普通大会最終日であれを釣ったら震えて放心状態になると思うけど

だから全然諦めてなかったんですね。

ーーそれが12時くらい

その場所を12時15分くらいに出て、帰りまーまー荒れとって、ちょっと早めに出てきて良かったです。で、牛堀の石積みなんかを最後にやったけど釣れなくて帰着って感じです。

まーまードキドキのウエイインショー

ーー帰着すると上位陣のボートが並んでますが、あの時点で周りの結果は耳にしましたか?

ぜんぜん聞いてないです。

スーパーキッカーフィッシュ!

ーートレーラーウエイインが6人で、最初に小林選手が検量して4295g。あの時点でトップ更新し、残り5人の検量を待っている間、優勝だとはわかってなかったんですね。

わかってなかったですね。

ーーけっこうドキドキだったわけですね

ドキドキの検量

まーまー。さすがにステージの上ではずっとドキドキしてましたね。

ーー結果優勝でした。3回目。3回目ともなるとそんな嬉しくはない?嬉しい?

いやいや嬉しいですよ。霞で勝てたし、自分のスタイルで勝てたし。

ーーパワーゲーマーと言いつつ最初の優勝は野尻の虫パターン

でも、虫もプラスチックですからね(笑)

ーーそっか!納得!もういっこは

七色です

ーーあ、ロングワームのパワーゲーム。さすがです。でもやっぱり霞は別格で?

そうですね。長年勝ちたかった湖のひとつなんで。

ヒットルアーについて

使い込み過ぎて元の色がなくなってるワンズバグのモリゾーピンク。左下が本来の色。
上が2300フィッシュを秒殺した16lbsタックル。オライオン69Hスターゲイザー+バスザイルR16ポンド

ーーこのロングインタビュー何回かやっててみんなが一番知りたいであろうルアーのことをほとんど聞いてないことに反省したのでルアーについて聞きます。
ワンズバグにでるのって静かにでるんですか?

いやそれは入って来てるバスの(浅場に差して来たバス)やる気にもよるんですけど、アクションと

ーーバーンって出るの?

激しいやつはバーンで出ます。

ーーバーンって出たりチョボっと出たり。

あと、ちょっと(ルアーとの)距離があって食う気あるやつは、そのままの勢いでバーンって食います。逆に近くにおって、お?エサ来たなーーってこいつ食えそうやわ、ってずっと観察しながら寄ってくるやつはだいたいチュポってでます。

ーーその釣りはポッパー、ワンズバグ以外で釣る方法は?

フロッグです。ほんとにバスがキワキワしか見てないときはフロッグですね。

ーートレブルフックものを入れられないときはフロッグと。

その2つです。

ーーそこでノーシンカーワームとか投げないのが小林選手ですね。

時間かかりますからね。素直に釣れるやつだけを釣りたいので。

ーーけっこうバラしたっていうのは、トレブルフックものだから掛かりどころによる運?

そうですね。

ーーそこはしょうがないですね。トップだし。

そうですね。だから一日に10バイトは欲しいと思ってたんですけどね。

ーーちなみに10発でたら何匹ランディングできるくらいの確率ですか

半分くらいはフッキングできるんじゃないかな、っていう。だいたいアクションとか間合いとかも合っていたので。

ーー半分フッキングしてその半分は全部ランディングできる?

できると思います。

ーー針に掛かればランディングできると

できると思います。やりとりのことも考えてのボートポジションを取ってるので

ーー素晴らしいです。あの30cmの浅場はけっこう面倒くさくてみなさん避けがちだと思いますが

僕は喜んで入っていきますけどね。

ーー最後になにか

ほんとに嬉しいです

ーーありがとうございました。

写真・報告:NBCNEWS H.Togashi

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