JBJBトップ50第5戦エバーグリーンCUPストーリー

2023年 10月13日(金)~10月15日() 福岡県 遠賀川

JBJBトップ50第5戦

エバーグリーンCUP

2023年 10月13日(金)~10月15日()

福岡県 遠賀川

ストーリー

今度は山下のほうの兄!
モダン魚探で沈みものを直撃!
山下一也悲願のJB初優勝

JBトップ50第5戦(最終戦)がエバーグリーンCUPとして福岡県遠賀川で開催された。春・夏の開催が多い同会場だが秋開催は15年ぶりとなった。15年前と今回ともに参加した選手はわずか8名。多くの選手にとって初めての秋遠賀となった。2600gモンスターが持ち込まれ盛り上がった一方、全体的には1~2本の検量が過半数をしめる厳しい大会に。劇的に乱高下するスコアのなか沈みものライブシューティングで比較的安定した成績を3日間キープした山下一也がトータルウエイト8,693gで初優勝した。

Day1 福島健 6,710gで猛烈スタートダッシュを決める

川沿いには色とりどりのコスモスが咲き木の梢で百舌鳥が高鳴きする秋ど真ん中。朝は少し肌寒いものの日中は25℃前後ととても過ごしやすい気候。

ミーティング
ミーティング
最上流部
最上流部
中流部橋脚
中流部橋脚
中~下流は垂直護岸
中~下流は垂直護岸

春の遠賀川戦は最上流が大船団になりがちだが秋の大会は適度にボートが散っていた。堰下最上流~スロープ前あたりに1/3。中間大橋~3号線周辺に1/3。残りは下流に転々と散る感じ。カバー撃ち・巻く釣りはごく一部。ほとんどが沈みものをモダン魚探(ライブソナー・360°ソナー)を駆使してピンを狙い撃つ釣りをしているように見えた。

2022年春の大会では藤田京弥だけが一人入れ食いという極めてレアなシーンを見ることができたが、基本的に遠賀川でヒットシーンを見ることはかなり珍しい。今大会も3日間を通して2回のみだった。なのでどれだけ釣れているか外野からはまったくわからない。

15時に検量が始まると意外にも長蛇の列が形成された。ただし多くが1~2本のみ。リミットメイカーはわずか2名だった。そのうちの一人福島健は6710gという驚異的なウエイトを持ち込んで周囲を圧倒した。3キロ釣ればトップ5に入る。その倍のウエイトを一日で稼いだ。

福島健	6,710g	5匹
福島健 6,710g 5匹
原田匠	4,715g	4匹
原田匠 4,715g 4匹
小林知寛	4,480g	3匹
小林知寛 4,480g 3匹
五十嵐誠	3,746g	5匹
五十嵐誠 3,746g 5匹

2位は原田匠4,715g。3位は小林知寛で2600gというスーパーキッカーを釣り3本で4480g。4位はリミットメイクし3746gの五十嵐誠。

原田はルーキーだが、それ以外は15年前の大会にも参加してる8名のうちの3名だった。もっといえば初日トップ10のうち6名が15年前にも参加した選手達だった。BASS3.0な現代のトーナメントシーンにおいて「長年の経験は不要説」もチラホラ聞こえるが、遠賀川においては過去の経験がプラスに働くのかもしれない。が、しかし、翌日その説がひっくり返ることになる。

Day2 初日上位陣総崩れ! 山下一也が4,545gでトップに

2日めは朝の9時頃まで曇天ローライト。その後は青空が覗き適度な風が吹くすがすがしい一日となった。

2日めフライト
2日めフライト
最上流の福島健
最上流の福島健
最上流の山下一也
最上流の山下一也
中間市の花コスモス
中間市の花コスモス

スタート直後会場付近に初日トップの福島と五十嵐が可視範囲に浮いておりしばらくレンズを向けていたが釣れている感じはなかった。

この日も河川敷サイクリングロードを一周してみた。初日と選手の位置は同じような感じ。釣れてなさそうな空気も同じだった。護岸近くにいる選手に釣果を尋ねるも、良い回答は得られずだった。

15時に検量が始まる。初日に入れ替えまで行った福島健と五十嵐誠、そして初日2位の原田匠がまさかのノーフィッシュ申告という大波乱の展開に。そして単日トップは山下一也で4,545g 4匹。

2位の小林明人を筆頭に4位井上泰徳、5位今江克隆、6位鈴木隆之、7位SHINGOなど3キロ台でシングルにはいった選手の多くは最上流~上流域で見かけた選手たちだった。

山下一也	4,545g	4匹
山下一也 4,545g 4匹
小林明人	4,395g	4匹
小林明人 4,395g 4匹
佐々一真のキッカー
佐々一真のキッカー2キロ弱
早野剛史の2300フィッシュ
早野剛史の2300フィッシュ

予選2日間を終えてわかったことは「キッカー」の存在。初日の小林知寛がもちこんだ特大2.6キロをはじめ、2キロクラスが複数持ち込まれた。1.5キロクラスも少なくない。600~700gがボリュームゾーンのようだが、これらキッカーの存在が選手の戦略に大きな影響を与えた。リミットメイクは考えず1500~2キロを一日2本釣れば優勝が見える。現実優勝ウエイトは8693gだったので一日3キロ釣れば優勝だった。

Day3 山下一也が1784gを追加し逃げ切り初優勝

小雨混じり最終日朝
小雨混じり最終日朝
会場前の山下一也
会場前の山下一也
航空ショー観客と青木唯
航空ショー観客と青木唯
Red JackallとBlue Impulse
Red JackallとBlue Impulse

最終日の朝は小雨がぱらつくローライト。9時には晴れ上がった。最下流部近くにある航空自衛隊で航空ショーが行われ10時頃にはブルーインパルスが最終戦を盛り上げてくれた。暫定2位の福島は最終日もノーフィッシュ、3位の小林知寛が1,008gを持ち込んだが山下一也は2本1,784gを積み重ねトータルウエイト8,693gで逃げ切った。

山下一也のエリアは最上流と最下流。岩やオダなどの沈みものをライブスコープで直撃する釣り。水温上昇や日差しの向きなどの”タイミング”を常に意識しながらランガン。リグはボトムから少しだけワーム(OSPドライブビーバー)ふわっと浮かせるようビフテキリグを使用した。3日間大外しすることなく釣果を積み上げJB戦初優勝をトップ50の舞台で獲得した。ちなみに2戦連続で兄弟参戦プロの兄の優勝である。

2位は小林明人。ドライブビーバーテキサスリグのカバー撃ち、カバーネコのロングシェイク、シャローの流木周りをビッグベイト(OSPカレン)のカバー撃ちというマイゲームを貫き通しトータルウエイト7,839g。

3位は鈴木隆之。ドライブビーバーテキサスリグやバックスライド系でカバーや護岸壁を狙った。上位3名全員がOSPドライブビーバーを使用。

4位は小林知寛。初日にサイコロラバーのダウンショットで釣った2600フィッシュが効いて4位。

5位は福島健。初日の6710gだけで5位入賞。総重量戦ならでは。

AOYは梶原智寛が獲得

暫定トップを走っていた佐々一真は最終日にノーフィッシュ。最終日トップウエイトを持ち込んだ梶原智寛が2点差で逆転。参戦2年目、弱冠23歳でのトップ50 A.O.Y.で故郷に錦を飾った。

🏆優勝者インタビュー

淡路島の野池でバスと出会った少年時代

--よろしくお願いします。まずはプロフィール的なのをお聞かせ下さい。JBホームページのWHOIS画面によると2011年にチャプターヒューマン河口湖でトーナメントデビューしています。これはヒューマン河口湖校に入学したということですか?

そうです。富士河口湖校に2年間。

--ご出身は淡路島なんですよね。けっこう珍しいと思うんですが釣りを始めたキッカケは?

幼いころから父に海釣りに連れられ物心がついた時には釣りが好きになっていた感じですね。

--バス釣りを始めたのは?

初めてバスを釣ったのは小学3~4年生くらいだったと思います。

--それはいわゆる淡路野池的なところで

そうですね。父親がよく釣ってて、こんなかっこいい魚が釣れるんだ、って感じでどんどんハマっていった感じですね。

--周りが海に囲まれた淡路島なのに海釣りでなくバスにハマったというのが素敵ですね

ぜんぜんバスが釣れなくて。けっこう苦労してなんとか30cmくらのバスを自力で釣れるようになって。

--関東民からすると”淡路野池”ってパラダイスの勝手なイメージあるけど現実はそんな甘くないんですね

僕にはまったく釣れなかったですね。

今江克隆選手に憧れトーナメンターを目指す

--そのような小学生時代を過ごしたのはわかりました。でもそっからヒューマンに入学しトーナメントプロを目指すようになったのは?

雑誌とかでトーナメントを見てすごくカッコいいな、って思って。小学6年生の卒業寄せ書きに「バスプロになる」って書いてました。

--山下くん世代だと憧れのプロは誰になるんだろ?

関西なので今江さん。今江さんに憧れて。父親も凄い今江さん好きで。今江さんのDVDとかよく見てました。

--青木大介選手よりはちょっと前の世代なんですね

青木さんよりちょっと前ですね。中学とか高校になって、旧吉野川は車で40分くらいで行けるので父親に連れて行ってもらいトップ50の会場に行ってました。旧吉野川でチャターベイトが、流行っていた頃ですね。

--ちなみにその時は弟さんも一緒で?

そうですね。弟も一緒に。

--JBトーナメントシーンでの今江さんに憧れてヒューマンに入学したと。ちなみに大阪校でなく遠い河口湖校を選んだ理由は?

淡路島って野池とかリザーバーはあるんですが天然湖って無いんですよ。そして関東に身を置くことで自分を更に追い込んでいくみたいな気持ちで河口湖校にしました。実際、トーナメントも河口湖ではたくさん開催されてるのでやっぱり河口湖に行かないと強くなれないな、って。

--お父さんもバス釣りをされてるとのことなので、その進路には特に反対もなくスムーズに応援してくれた感じ?

そうですね。そんだけ好きなんであれば行ってこいよって。

--それは良かったですね。というわけで2012年に河口湖に来て翌2013年にはローカルJB戦に参戦し、3年目にマスターズに昇進。マスターズを4年やって4年目で年間13位になってトップ50昇格の権利を獲得しました。
最近あっという間にトップ50昇格する若者がすくなくないので、4年というのは結構長かったですかね?

そうですね。野池の経験しかなかったので全国の釣り場の釣り方が全然わからなくて。最初はすごく悔しい思いもしましたが、何年か出ているうちに、こういう釣り方があるんだな、とか色々考えも変わってきて、色々と勉強してなんとか昇格できました。

--2018年に昇格し現在6年目。6年も続けられる環境を整えることができたのですね。

そうですね。周りの方に助けられてなんとかやってこれた感じですね。

--素晴らしいです。しかもマスターズシリーズとのダブルエントリー。時間もお金もだいぶかかるし。それをちゃんとこなしてて凄いです。

初体験の秋遠賀。5日間のプラクティスの感触

--では今大会の話ですが、春の遠賀川は2回経験あって、秋の遠賀川は初めてですよね。だいたいの川の感じはわかっているけど季節がぜんぜん違うという状態で5日間プラクティスに入ってどんな感触でしたか?

初日は岸近く、護岸とかカバーとか、沖のミドルディーブをメインに回ってみてちょっと釣りこんでみたら、バンクでも釣れるしカバーでも釣れるし。その中でも沖のシューティング、岩とか沈みものを狙うとバイトが多く得られました。なのでこれで行こうということで。その後は同じような条件にある沈みものや新しく流れ着いた沈みものや流木などを探す魚探がけに時間をさきました。

--前々から等深線マップみたいなベースとなる水中地形図は持ってて、改めて新しいものを上書きするみたいな

そうですね、地形が変わっていたりもするので改めて魚探がけとかしていきました。

--何名か他の選手に訪ねたら、プレッシャーがかかってないプラの初期段階は割りと簡単に釣れて、日数経過とともにすごく釣れなくなったと

でも僕はすごく難しくて一日に1~2バイトあるかな、って感じで、あんまりやっても自分の魚が減るので程々に。でも岩のシューティングをやると多くて7バイトくらいあったので、これだ!ってことで、その条件が良いところを探していきました。

--岩のシューティングというのは魚自体は画面に映ってる?

プラの前半はルアーが落ちていくときにストラクチャーから魚が上がっていくのが映ってました。でも、水温が後半に1.5℃とか下がってくるとストラクチャーからでてくる絵が映らなくなって。なので、最初のころはフリーリグを試したんですが、浮遊感がありすぎるとか、ストラクチャーから離れすぎてバイトが遠のいてきました。
なのでバレットシンカーのテキサスリグに変えたらよりバイトはでるようになったんですが、もうちょっとナチュラル感というか浮遊感が欲しかったのと姿勢の安定が欲しかったのでビフテキリグにたどり着きました。

OSPドライブビーバーのビフテキリグ
OSPドライブビーバーのビフテキリグ

--なるほど~。お立ち台で「ビフテキリグがキモだった」と言ってたけど、プラの段階でそれに気づいていたんですね。

そうですね。プラクティス後半はほんとにストラクチャーから出てくる魚が減ったので、出来るだけタイトにトレースするとバイトが出たので、そういう釣りをプラでは追求していきました。

--その時点で釣れてくるサイズは解っていたんですか?

サイズはプラの初日に釣って、ざっくりなんですが最下流の3~4mは釣れる魚が大きいというイメージで。で、最上流とか中~下流はサイズは600~800くらい。サイズは正直選べない。

--最下流で釣れると1500とか釣れる感じ?

何回も魚探がけしないと映らないような小さいオダとかのピンとかでくればデカいんですがタイミングが重要だな、って。

--プラクティスの期間と本番3日間で天候が大きく変わったりはしたんですか?

ずっと同じような感じでしたが、プラの後半で雨が降った時があってそれで水温が下がってよりストラクチャーにタイトになった印象でした。

初日は13位スタート

初日8時上流部にて
初日8時上流部にて

--初日は2,364g 3匹で13位でした。結果優勝だったけど、この時点でトップの福島くんが6700、2位が4700とけっこうなハイウエイトで。どんな印象でしたか?

3日間トータル10キロで優勝って読んでいたんです。初日は当てくる選手はいるんだろうなって思って、自分もなんとしても初日に当てたい(ハイウエイトを持ち込む)なって思ってタイミングみてランガンしたんですが、僕には当てれなかったです。

--3匹の内訳はどんなでしたっけ?

下流で1400、600、300とかだっと思います。

1400フィッシュ
1400フィッシュ

--1匹は当てられたわけですね。

そうですね。でも、プラでバイトがあった場所をまわってたんですがことごとくバイトがなくて、やっぱり遠賀川って回遊性が強いんだな、って痛感する試合でした。なので、とにかくタイミングを意識してまわるようにしました。

Day2はトップウエイトで予選トップ通過

2日め朝
2日め朝

--2日めは4,545g 4匹でトップウエイトでした。朝イチは最上流をやってたけど、どんな展開でした

結果的には上流3匹、下流1匹。朝イチに上流で500くらいのが来て、やっぱりこの釣りは合ってるなって思って同じような場所をまわっていく感じで。

--会場前の橋の周辺ですね

そうです。で11時くらいのタイミングで大きいのが2本入って。1300とか1500くらいのがバタバタって釣れまして。ちょうど水温が上がりだしたタイミングで。朝イチは僕は岩の上流側(流れが当たる側)を狙ってったんですが、11時くらいから岩のシェイド側を狙うようにしたら2発来ました。

会場前の橋
会場前の橋

--2日めは朝のうちローライトで10時くらいから明るくなりましたね。

そうですね。10時半とかから水温も上がりだして、日差しも強くなって。それでシェイド面だと思って、さっきまでやってたのと同じ岩なんですが、アプローチの角度を変えたら2本釣れてくれて。

--それでもう3キロを超えてたんですね。

その後、最下流のベイト食べまくってる魚を釣りたいな、ってことで初日釣ったオダみたいな沈みもの、初日と全く同じピンで大きのが食べてくれました。

--はーー、凄い。

時間的にも同じ13時ごろに初日も二日目も。

--検量したら2日めのトップウエイトでした。そして予選結果もトップ通過でした。トップ通過は初めて?

初めてと思います。

4,545g	4匹
4,545g 4匹

--緊張というか精神的には?

かなり追い込みました。追い込んで追い込んで。もう絶対に勝つ!って自分を追い込みました。なので、ほとんど寝れなかったです(笑)もう胃が痛くなるくらい絶対に優勝するぞ、って追い込んで。

--なんかバスケットかなんかスポーツをやっているとか?

バスケットしてました。

--メンタル的にスポーツやっていたというのは良い影響あるんですかね?

やっぱり追い込めば追い込むほど僕は成績でるほうで。逆にどうなるか解らないとかネガティブなほうに行くと成績に現れないんです。なので限界までギリギリまで持っていきました。

--結果、寝れなくなるんですね(笑)

ずっと頭の中で釣りしてるシーンを描いて、こうやって誘ってこうやって釣ってってのをずーっと脳内で再生してるんで寝れないです(笑)

--暫定順位のひとつ下が福島選手で199g差、だけど2日めゼロ。2つ下の鈴木選手は比較的安定、その下の小林選手は2600gフィッシュ含む。という感じで鈴木さん以外はけっこう乱高下な状態。気になった選手は?

隆之さん(鈴木隆之選手)が一番怖かったです。ずっとコンスタントに釣ってて、2日め3匹だけど3キロ釣ってて。3日目も最低3キロは釣ってくるだろうな、って、当ててきたら3500とか釣ってきそうなので、自分は最低でも3キロ釣らないと勝てないな、って思いました。

運命の決勝日。狙い通りのタイミングで2本キャッチ

朝7時 会場前
朝7時 会場前

--3日めスタートです。3日めも朝イチは会場前の橋脚周りにういてましたね。

2日めに3本釣ったあたりから始めたんですが、やっぱり決勝のプレッシャーで食わなくて。ま、同じ場所狙ってるんで自分が掛けたプレッシャーが一番なんですが。でも、朝イチに上流で釣れるのはキーパーないやつとかギリギリとか釣れてたんです。やっぱり時合いが10時とか11時くらい。水温が上がった後だったので。僕の釣り方では。
でもシャローで釣ってる選手は朝の早い段階で釣ってたんですけど、僕にはやってこなかった釣りなので、自分の釣りではないので、シャローの釣りは気にせず、10時とか11時に自分の魚が回ってくる、っていうのを信じて頑張ってやってました。

--ルアーマガジンKさんが同船取材しててXにポストしてくれました。2本釣ったと。1100くらいと600くらい。それは狙い通りの昼前くらい。

そうですね。狙い通り。1匹釣れてそうこうしてたらもう1匹釣れて。

--読みどおりの完璧な展開!

そうですね。このタイミングで来ないとやばいな、っていうタイミングで来てくれたので。やっぱり戦略は合っているなと。

--私11時くらいに最下流にいたら山下艇が下ってきて、すぐに上流に戻っていきました。戻るのが早いな、って思って。だいたいあんなペースでランガンしてるんですか?

11時最下流

そうですね。で、初日と2日めの13時に釣ったスポットに最終日は11時くらいに行ってみたんです。

--最終日は13時帰着だから前倒しして最下流をランガンした感じですね。でも、追加はならず。

タイミングが合わなかったですね。

--ちなみに航空ショーやってて河川敷に数千台のクルマとまってて観客も1万人くらいいた感じでしたが、それに全く気づいていなかった?

そうですね(笑)ブルーインパルスは知っててTVとかで見てカッコいいな、いつか見てみたいなって思ってたんですけどね。もうそれどころじゃなくて。

--すごい集中力ですね!

表彰式

--優勝を自覚したのはどのタイミングで?

帰着したあと他の上位選手のバッグの中をみてないので小林明人さんのウエイトがコールされるまではわからなかったです。

--優勝コールされたときは雄叫びを上げるほどの喜びでした

後で映像見返したら思ったより声出てましたね。ここまで声出るんだっていうのが正直なところで。本当に嬉しい時って自然にあんな声が出るんだなって、身体で表現するんだなって自分でもびっくりです。

全身で喜びを表現
全身で喜びを表現

--チャプターでも優勝は無かったって言ってた、でもチャプターは1年しか参戦してないです。JB戦10年で初優勝。マスターズのAOYはとってるけど優勝は初めて。それは嬉しいですね。

そうですね。ほんとに嬉しかったですね。なんとも言えなかったです。

勝利の要因

--まとめに入ります。沖の沈みものをライブスコープで狙う釣りは他にもやってた選手が多かったと思いますが、山下さんが釣り勝った要因はなんでしょうか? 最終日に同船したルアマガ記者さんは「釣りがすごく丁寧だ」と言ってました

それは光栄ですね。皆さん広範囲に流してる人が多かった印象です。大規模なストラクチャーをスピーディーに 攻めている。僕はこぼれてる岩を一個一個打っていくっていう釣りが良かったのかな?って。

--最下流でも何回も魚探掛けしないと見つけれられないような小さい沈みものを狙ったり。

そういったピンを見つけられたから釣れたのかな?ってのはあります。

--今思うと沢村さんは従来の2D魚探しか無い時代にそれに近いことをやっていたってことですよねきっと

そうですね。恐ろしいです。

--ライブスコープとか無い時代に、今と同じような精度でピンを狙っていたってことですよね

考えられないです。本当に凄いです。

--今回も岩についてる魚を誰よりも丁寧に釣っていった結果、ということですかねまとめると。

あとは、あんまり粘りすぎても釣れなかったので。岩を狙うにしても上流側・下流側・左右ってプラクティスでやってみて、どこまで粘るべきなのか、どこで見切ればいいのかを意識してました。

--ちなみにその狙っている岩ってどんくらいの大きさですか?

エリアによってまちまちで小さいのは40cmくらいでも釣れましたし、2mくらいの岩でも釣れましたし。エリアによって色々でした。でも決勝とかプレッシャーがかかってくると、あんまり他のひとがやらなそうな、見逃しそうな小規模なのを意識して狙いました。初日とかはみなさんが知ってる大場所とかやってて、プレッシャーに応じて小さい規模を狙っていった感じですね。イメージでは。

--3日間のプレッシャーを最初から意識しての戦略ってことですね。最後にみなさんに

これも日頃からサポートをしていただいてる、ダイワ様、SDGマリン様、パルス様をはじめ家族、会社、そしていついかなる時も応援し支えてくださる皆様のお陰で優勝する事が出来ました。ほんとに幸せ者だなって実感できました。 この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

ライバル&仲間たちと一緒に (天野雄太さん提供写真)
ライバル&仲間たちと一緒に (天野雄太さん提供写真)

--偶然というか2戦連続で兄弟プロの兄が優勝でした

夏輝さんの優勝は自分のように嬉しかったですね。その反面すごく悔しくもありましたね。

--でも次の大会で自分が優勝という

そうですね。自分を追い詰めてなんとか、今回はいい方向になってくれましたね。

--2018年トップ50デビューというと京弥君と同期ですね

そうですね。周りのみなさんがどんどん強くなって自分だけが駄目で

--いや駄目ってことないけど異次元に強すぎた

いろいろ悩んだりとかネガティブになるときもあったんですけど、がむしゃらに、絶対に負けないぞと、いろんなひとに応援して頂いてるので必死に頑張ってきて今回実って本当に良かったです。

--長い時間ありがとうございました。

写真・レポート:NBCNEWS H.Togashi

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