JBJBトップ50第1戦ゲーリーインターナショナルCUPストーリー

2024年 03月27日(水)~03月29日(金) 奈良県 七色ダム

JBJBトップ50第1戦

ゲーリーインターナショナルCUP

2024年 03月27日(水)~03月29日(金)

奈良県 七色ダム

ストーリー

2024年3月27日にJBトップ50プロシリーズが奈良県七色ダムで開幕した。今年は2月が暖かかったものの3月は寒い日が続いた。三寒四温ならぬ二温三寒。七色ダムの水温も一桁台をキープ。水中は春の一歩手前という状況。大会中は天候・水位もころころ変わり、ただでさえ難しい早春の釣りを更に困難なものにした。そんな状況にもかかわらず連日4~5キロペースで釣り続けた地元奈良県のリザーバー育ちの吉川永遠が初優勝を飾った。

2つの新しい試み

2024年のトップ50シリーズには2つの新しい試みが導入された。1つ目はバッグリミットを3本に減らしたこと。今までNBCチャプター・ローカルJBシリーズは3本リミット、トップ50・マスターズは5本リミットだったが2024年からはすべてのJB/NBCトーナメントが3本のバッグリミット制に変更された。もう一つは”平日開催”のテスト的導入。今回の七色ダムのようにギャラリー用駐車場を設定できない会場・一般の釣り客が多い釣り場でバッティングによる一般のかたへの迷惑を減らす等の目的での平日開催だ。2024年は今戦だけが平日開催となっている。

予選初日 晴れ。井上泰徳・望月輝がスーパーキッカーをキャッチし4キロ後半でスタート

3月下旬の七色ダム地方はずっと雨・曇だったそう。初日は久々の晴れ。肌寒さを感じるなか取材艇で全域をまわってみた。会場前エリアは終日ボートが多め。去年優勝者を輩出した北山川最上流は人気薄。西の川との合流地点~西の川が一番人気。Sカーブから下流はポツポツという感じ。川の最上流が不人気な以外はいつもとそれほど変わらないボート分布という印象。

晴れの初日
晴れの初日
西の川 FFS
西の川 FFS
 西の川 初日トップ 井上泰徳
西の川 初日トップ 井上泰徳
ハイペースランガン 吉川永遠
ハイペースランガン 吉川永遠

カバー撃ち2割、岸を流しながらの巻物1割、残りはFFS(=フォワード・フェイシング・ソナー)を見ながらの釣り。例年の春に多い中~下流部のFFS立木狙いの選手がほぼ居ないのが印象に残った。

優勝の吉川永遠は初日から速いテンポで要所要所をランガンしてる姿を見ることができた。その”要”が何だったのかこの時点ではわからなかったが後のお立ちインタビューで”垂直岩盤”のストレッチだったことを知った。

51名参加で41名が検量。リミットメイクは24人、47%と戦前の予想よりはよく釣れた初日だった。2~3キロが団子状態。3500を釣ってくればシングル、という感じ。

井上泰徳	4,805g	3匹
井上泰徳 4,805g 3匹
ルーキー望月輝	4,785g	2匹
ルーキー望月輝 4,785g 2匹

初日は井上泰徳・望月輝がそれぞれスーパーキッカーを持ち込みトータル5キロ弱で初日のリーダーに。吉川永遠は4455gで初日3位。

予選2日目 曇のち雨。全体的にウエイトUPする中、藤田夏輝がナナマル5キロフィッシュを持ち込む!

予選2日目はいい感じのローライトな曇天、昼前から小雨というコンディションで開催された。2日めも午前中に取材艇でまわってみた。ボート分布は初日と変わらず。岸に目をやるとかなり減水傾向であることが水の跡でわかった。

曇天の2日め
曇天の2日め
HIDEUP COIKE17mmをひたすらキャスト
HIDEUP COIKE17mmをひたすらキャスト

15時の検量時は雨が止んでくれた。検量ショーを盛り上げたのは藤田夏輝。記者はこの仕事を始めて25年になる。以前はトップ50・マスターズをはじめ東日本の全ローカルJB戦も写真撮りしてた関係で「ブラックバスを見た回数」はかなり多いと自負している。ちなみにNBCNEWSの写真は40万点近く所有している。そんな記者も琵琶湖・池原で65クラスは何度か見たことがあるが、ナナマルは人生初。公式ウエイインバックからはみ出す下半身と尾びれの異次元さに驚愕した。「1匹の重さ」というJB/NBC公式記録はそもそも存在しないが、JBワールド・トップ50シリーズに設けられている「ビッグフィッシュ賞」で5キロは聞いたことがない。5445gを大会で釣り上げた藤田夏輝の腕と七色ダムのポテンシャルに感動を覚えた。

そんな5キロフィッシュを含め3本7,560gを持ち込んだ藤田夏輝が2日めトップ。初日ノーフィッシュで終えた梶原智寛は2日めに5,915gを計量しゼッケンNo1の意地を見せた。この日はローライトが効いたのか初日は居なかった5キロオーバーが6名にのぼった。一方でリミットメイクは37%にダウンした。

藤田夏輝	7,560g	3匹
藤田夏輝 7,560g 3匹
梶原智寛	5,915g	3匹
梶原智寛 5,915g 3匹

予選2日目も吉川永遠は5,450gで単日4位と抜群の安定を見せ合計9905gで予選トップ通過。2日めの5キロフィッシュが効いた藤田夏輝が171g差で2位。3位が1441g差で野村俊介と続く。
なお予選通過最下位の天野雄太と吉川永遠の差は6,601g。桧原湖なら無理でも、5キロフィッシュが釣れる七色ダムなので6キロ差は逆転の可能性がゼロではない。つまり予選通過者全員に大逆転優勝の可能性がある。

決勝日 雨のち晴れ。吉川永遠ロクマルキッカーを含む5295gを持ち込み完勝!

決勝最終日は温かい雨の中でスタート。前夜からかなりの降雨量があり七色ダム戦で頻繁にキーエリアになる超クリアな西の川に濁りが入っていた。西の川の朝イチ最上流では青木大介・早野剛史・宇佐見素明らによる巻物合戦が繰り広げられたそう。早野剛史はそのチャンスをものにし4,725gをキープ。初日39位スタートで最終順位は3位。3本リミット・七色ダムならではのジャンプアップだ。

前夜からの雨が続く
前夜からの雨が続く
10時過ぎには青空。桜の開花も進んだ
10時過ぎには青空。桜の開花も進んだ
決勝はビデオクルーが同船した吉川永遠
決勝はビデオクルーが同船した吉川永遠
最終日も5キロを超え吉川永遠が完全勝利!
最終日も5キロを超え吉川永遠が完全勝利!

温かい雨・濁りが効いたのか最終日もよく釣れて4キロ台が数名。そして決勝日に唯一5キロ超えたのが吉川永遠だった。ロクマルキッカーを含め3本5,295g。予選トップ通過で最終日もトップウエイトという完全勝利。釣ったバスはすべてハイドアップのコイケ17mm。先日のマスターズ戦につづきコイケ17mmがV2を達成した。

同選手は参戦2年目の2022年に弥栄湖・北浦・桧原湖という全く異なるタイプのフィールドでお立ち台に上がり、年間ランキングも2位でフィニッシュしそのポテンシャルを見せつけたものの、2023シーズンはやや低調に終わってしまった。周りの同年代が次々と優勝し悩んだ時期もあったという。しかし、2024年緒戦地元奈良県のリザーバーで完璧な展開での嬉しい初優勝を獲得した。直近の七色ダム戦では5本リミットで3日間合計16~17キロが優勝ウエイト(2019・2022・2023年)。今回は3本リミットにもかかわらず15キロという素晴らしい結果で幕を閉じた。

*吉川永遠選手の最終日はSDGタイムズの動画カメラマンが同船。詳しい釣り方等はそちらを御覧ください。

次回第2戦は6月7日(金)~9日(日)に広島・山口県の弥栄湖で東レソラロームCUPとして開催される。

写真・レポート:NBCNEWS H.Togashi

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