JBJBトップ50第2戦東レ・ソラロームCUPストーリー

2024年 06月07日(金)~06月09日() 山口県 弥栄湖

JBJBトップ50第2戦

東レ・ソラロームCUP

2024年 06月07日(金)~06月09日()

山口県 弥栄湖

ストーリー

リビングレジェンド山岡計文
西のリザーバーで3勝目

トップ50シリーズ第2戦東レ・ソラロームCUPが山口県弥栄湖で開催された。リミットメイクは当たり前のよく釣れる大会だったが、小型が多く3本揃えて1キロちょっとがほとんど。1500~2キロクラスのキッカーを混ぜないと勝ちには絡めない展開。3キロ釣れば文句なしの上位。そんな中、西のリザーバーにめっぽう強いリビングレジェンド山岡計文は連日4キロ前後を持ち込み3日間合計12,547gで優勝。早明浦・七色に続き弥栄湖で3勝目をあげリザーバーマスターの面目躍如を果たした。

Day1 志達海輝が5735gでトップ

過去6月頭の弥栄湖戦は2017年、2022年に開催され今回で3回目。いずれもスポーニング終盤期で、サイトフィッシングや回復したバスをトップウォーターやムシ系で釣るパターンが多かった。今年もまだスポーニング絡みのバスが残る状態での開催となった。水位は高めで、本流筋に赤潮が出ている状況だった。

弥栄湖の全体図
弥栄湖の全体図
美和エリア
美和エリア
小瀬川(本流)
小瀬川(本流)
本湖(下流エリア)
本湖(下流エリア)

初日は朝から青空が広がり、フライトが始まると過半数が小瀬川上流へ向かい、残りは美和エリアへ。下流側は相変わらず人気がない、という分布だった。

取材艇で美和~小瀬川~下流部をまわってみた。美和エリアでは小型のヒットシーンに何度か遭遇し、よく釣れる湖・時期であることが分かった。

野池チックな美和エリア
野池チックな美和エリア
岩肌目立つリザーバーっぽい本流域
岩肌目立つリザーバーっぽい本流域
本流最上流
本流最上流
だだっ広く魚も人も少ない下流域
だだっ広く魚も人も少ない下流域

小瀬川上流部は今大会の一番人気エリアで、ボートが密集していた。良いサイズの見えバスが多く、良いスポットは入れ代わり立ち代わり状態だった。ギルネストパターンもあったらしい。

取材艇を下流部へ進める。2年前に黒田健史が優勝したエリアだが今回もガラ空き。同選手のブログによると、人も少ないけど魚も極めて少ないらしい。そして2年まえと同じく黒田と同じくポツリと下流部に浮くのは山岡計文だった。

15時に帰着締め切りを迎える。選手は最後の数分まで粘るため、記者は14時54分くらいに帰着シーンの撮影を行っていた。しかし、その30分前、14時30分の帰着開始とともに検量していた選手がいた。初日2位の山岡計文だ。3匹 4,890gで初日2位の成績。大きい魚が弱っていたので早く検量したという。

1位 志逹海輝	5,735g
1位 志逹海輝 5,735g
2位 山岡計文 4,890g
2位 山岡計文 4,890g
Photo by Kishi Kamome

初日トップは吉川永遠と並ぶリザーバーを得意とする若手の志達海輝で、3匹ながら5735gというスーパースコアをマークした。2.5キロ級のスーパーキッカーが入ったようだ。5本リミット時代でも5735gはトップウエイト級である。

ノーフィッシュ無し、リミットメイク81%ととてもよく釣れた初日だった。ただし3本リミットで1キロちょっとが半数を占めた。2キロ中盤でシングルという状況。キーパーサイズとキッカーサイズが釣れるが、その間の700~800クラスの絶対数が少ない感じだった。

Day2 山岡計文が予選トップ通過、僅差で志逹海輝が追う展開

少し雲が多めの2日め。初日と同じコースを取材艇で辿る。選手の分布は初日と大差ない感じ。数回ヒットシーンに遭遇し、よく釣れる湖は健在だった。

薄曇りの2日め朝
薄曇りの2日め朝
キャストシーン撮り放題
キャストシーン撮り放題
野村俊介のキッカー。この魚が効いて予選2位通過
野村俊介のキッカー。この魚が効いて予選2位通過
下流域の山岡計文
下流域の山岡計文

今大会はFFSを主軸にしている選手は少ない印象だった。FFSと従来の釣りのハイブリッド型が多かったように見える。首筋故障を心配してしまうほど画面だけを終始凝視している選手はほぼ居なかった。ライブ魚探も確認はするが、鼻先に落とすような釣りはしていなかった。ここ数年絶滅危惧された「ロッドを曲げてのフルキャスト」シーンを多数見ることができたのが強く印象に残った。たまたま今回の湖のコンディションがそうだったのか、それともFFSの釣りにも次第に変化が起きているか。

午後からは霧雨のようなローライトになった予選2日目。この日も帰着5分前に帰着シーンを撮影していたが、14時30分に既に検量を終えていた選手がいた。そう、山岡計文だ。予選の2日間、他の選手より30分早く帰着。合計1時間も釣りしている時間が短いのに、初日2位、2日目1位の成績で予選をトップで通過した。

単日1位 山岡計文 3,452g	予選トップ通過
単日1位 山岡計文 3,452g 予選トップ通過
Photo by Michi Oba
単日 13位 志逹海輝	2,288g 予選(重量順) 2位通過
単日 13位 志逹海輝 2,288g 予選(重量順) 2位通過

全体ではこの日もよく釣れ、リミットメイク率85%。ただし僅差の団子状態で2キロを超えて上位15、3キロでトップ3という感じだった。

予選2位は志達海輝、3位に吉川永遠と西日本リザーバー育ちの若手が並び、4位野村俊介、5位藪田和幸、6位五十嵐誠と中堅が続いた。

Day3 3日連続早上がり!山岡計文がスーパーリビングフィッシュ4インチの瀕死リグで快勝!

決勝日は朝から本降りの天気となったが、徐々に回復に向かった。雨がやんだ11時頃、本流上流域の唯一の観戦スポットである白滝広場に行ってみた。相変わらずの人気エリアでボートの往来が多かった。対岸で梶原智寛がビッグフィッシュを釣るシーンを目撃できた。

下流へ向かう山岡計文
下流へ向かう山岡計文
志逹海輝の背後でキッカーを釣る梶原智寛。この魚で3日めトップウエイト。
志逹海輝の背後でキッカーを釣る梶原智寛。この魚で3日めトップウエイト。

検量の結果、その梶原智寛が単日トップの4645gをマーク。そして、この日も誰よりも早く帰着した山岡計文が単日2位の4,205gを持ち込んだ。 3日間のトータルウエイト12,547gで優勝。なお、リミット5匹だった2022年が12,662g、2017年が13,953gなので、3本リミットで12,547gはかなりのハイスコアだ。

最終日も一番早く帰着した山岡計文
最終日も一番早く帰着した山岡計文
スーパーリビングフィッシュ4インチ・レイジー9
スーパーリビングフィッシュ4インチ・レイジー9

優勝の山岡計文は、自身がプロデュースしたティムコのスーパーリビングフィッシュ4インチを使った”瀕死リグ”でアユボールに着くビッグフィッシュを狙った。初日のキッカーはイマカツのレイジー9(サイドフック仕様)でキャッチ。いずれも動かさずに放置する使い方で口を使わせた。リザーバーの畔に住むのは伊達じゃない。長年のクリアリザーバー経験が導き出した勝利だ。2012年早明浦・2021年七色・2024年弥栄湖と、トップ50が開催される西日本のクリアなリザーバー全てで優勝を果たした。まさにリビングレジェンド!

次回第3戦はSDGマリンCUPとして霞ヶ浦で7月5日~7日に開催される。

写真・レポート:NBCNEWS H.Togashi
地図・航空写真出典:国土交通省 国土地理院

TOP