回復系バスをサカマタ速巻きで!
阿部貴樹マスターズ2勝目
6月22日~23日兵庫県生野銀山湖でJBマスターズ第3戦サンライン&アフコCUPが開催された。12年ぶりの生野銀山湖戦で参加者の7割近くは初生野。久々の新鮮な会場でのマスターズ戦となった。優勝は阿部貴樹。メインの戦略はサカマタシャッドノーシンカーの高速巻き。産卵から回復し小魚を追う状態の個体を狙った。ハイシーズンなこともあってか連日ウエイイン率は3割を超え今年のマスターズでは一番釣れた大会となった。
Day1 中田敬太郎3,370g2匹で初日トップ
前回マスターズ戦が開催された2012年のデータとマッチングさせた結果、前回・今回ともに参加した選手は84名中24名だった。28%が2回目の参加。生野銀山湖はバスプロ選手権西日本の会場でもあるため、西日本の選手には馴染み深い会場かもしれないが、それ以外の選手にとっては新鮮な初場所だったと思われる。余談だが記者はこの仕事を25年やっておりJB会場はほぼカンストしているが生野銀山湖だけは縁がなく今回が初取材だった。
初場所ゆえに事前にGoogleマップで念入りに下調べ。湖岸道路一周だいたい10キロ弱。河口湖の半分、西湖と同じくらいの規模感だった。天気の良かった初日は自転車で湖畔をまわってみた。下流~中流域はポツポツ点在する程度で、上流域はボートが集中していた。リザーバーにしては湖岸道路からの撮影場所がとても多く助かった。本流最上流は急峻な地形で陸からの撮影は無理だったが、多くのボートが林の隙間から垣間見えた。
ノンキーパーはたくさん生息しているようで、ヒットシーンをなんどか見ることができた。沖のライブサイトをやっている選手は少なく、ほとんどは岸沿いをベースにした釣りを行っていた。初日はフライガードの個体がまだ残っており、プラで目星をつけていたそれらをFFSで狙う手法が効果的で初日の高ウエイイン率に繋がったようだ。
結果86名中26名がウエイイン。初日トップは中田敬太郎。3,370g 2匹。2位 加木屋守 2,606g 2匹、3位阿部貴樹、4位野村俊介と続く。釣ってきた選手の半数が現役もしくは元トップ50メンバー。レアな会場故に経験値の違いが結果に現れた。
Day2 阿部貴樹2勝目をあげる
2日めは曇り空スタートで昼前から強烈な風が吹き荒れ雨も降ってきた。撮影するにはなかなかのタフコンディション。時には突風となる場面もあり小型ボートの選手も辛そうだった。
そんな荒天の2日め。検量が始まると初日と同じくらいの列が形成された。終わってみればこの日も23名がウエイインし戦前の想像よりも遥かによく釣れた1日だった。ちなみに12年前のマスターズ戦では104名×2日間で持ち込まれたバスはわずか2匹だった。それに比べたら86名×2日間で60匹釣れた今回はかなりの好釣果といえる。
他の初日上位陣がスコアを落とす中、初日3位スタートの阿部貴樹が2日めにトップの成績をあげ優勝した。阿部貴樹は2019年秋の野尻湖で初優勝を飾っているが、その大会はライブスコープが活用され優勝争いを行ったバストーナメント史の分水嶺にあたった大会だった。早いものでもう5年前の話。今回はサカマタシャッドのノーシンカーを高速で巻くというパターンを軸に戦い、2日めはサブのFFSでトップウエイトを持ち込み2勝目を上げた。
5位に20歳のルーキー北原麻七都が入賞するも1位~8位は新旧トップ50メンバー、9位10位が地元の選手と経験値の違いが成績に現れる大会となった。
全4戦中3戦を終えAOYレーストップ5は以下の通り。やはり新旧トップ50強し
1位 加木屋守 307p
2位 山下尚輝 304p
3位 佐々一真 297p
4位 西川慧 291p
5位 芳賀龍平 291p
最終戦は10月5日~長野県野尻湖でダイワCUPとして開催予定
写真・レポート:NBCNEWS H.Togashi