冨沢真樹、快晴の野尻湖を攻略し2年連続V
2025年9月27日〜28日、長野県・野尻湖で「JBマスターズ第4戦ダイワCUP」が開催された。ローライトに恵まれた前年とは対照的に、今大会は快晴続きでバスのポジションが激変し、選手たちは朝から対応に追われるタフなコンディションとなった。そんな中で、シーズン第1戦に続き冨沢真樹が見事優勝を果たし、野尻湖戦を2年連続で制覇する快挙を達成。また、年間タイトル争いでは暫定2位の山下尚輝が13位に食い込み、兄・一也に続くAOY獲得を決め、シリーズの幕を閉じた。
DAY1 快晴のタフコンディション
初日は快晴のスタート。11時頃から風が出始め、気温は16〜27℃と過ごしやすい一日だった。水温は21℃で安定していたものの、湖の様子は昨年とは一変。曇天続きで各所にボイルが発生し高活性だった前年と比べ、今年は快晴の影響でバスの反応は鈍く、全体的にタフな展開となった。
大崎~国際村沖の船団
湖上を取材艇で一周してみると、一番人気は大崎〜国際村のディープフラットで、船団が形成されていた。しかし、実際には釣果がほとんどなく、沈黙が続いていた。このエリアはバスもベイトも豊富でライブソナーには魅力的な映像が映し出されるが、実際に魚を食わせるのは容易ではないようだった。
湖中央部に浮く初日トップ 峯村祐貴
次に人気が高かったのはカトリック〜竜宮崎周辺。急深な地形に沿ってバンク寄りのポジションを取る選手が多く見られた。また、船団を避けてやや浅めのエリアに腰を据える地元有力選手や、FFSを駆使して湖中央にポジションを取る選手、さらには岬の地形変化に張り付き、回遊待ちに徹するスタイルも散見された。狭い野尻湖では望みのポイントに入れる保証がなく、動き回るよりも地形に着いて腰を落とす戦略が有効と判断する選手も多かった。
1位 峯村祐貴 3,875g 3匹
2位 冨沢真樹 3,438g 3匹
3位 松下友和 3,334g 3匹
結果として、初日の釣果は非常に厳しいものとなった。参加98名のうち検量に持ち込めたのは61名にとどまり、37名はノーフィッシュ。リミットメイクはわずか17名、全体の17.3%に過ぎなかった。2kgを釣れば上位2割に入れる状況で、3kgに届けば優勝争いに絡むというタフな初日となった。
DAY2 朝から強風でやや活性UPか!?
朝から強めの風が吹いた2日目
2日目は朝から南風がやや強く吹き、昼には気温が30℃まで上昇。真夏日を思わせる暑さではあったが、湖上は風が効いて快適に感じられるコンディションだった。取材艇で湖を回ってみると、初日にバス持ち撮影をした選手(2キロ以上の選手を撮影)の多くは群れを避け、やや浅いレンジに浮いて単独行動で勝負する姿が印象的だった。
湖中央部に浮く宇佐見素明
一方、初日の上位陣は湖中央部を動き回り、FFSを駆使した“空中戦”を展開。ライブソナーに反応する魚を追いながら、一瞬のチャンスを仕留める戦いを続けていた。強風がプラスに働いたのか、前日とは対照的に、この日は取材中にもヒットシーンに遭遇することが多く、活性の違いがはっきりと感じられた。
検量を終えてみると、その傾向は数字にも現れた。参加97名のうち73名が検量を果たし、リミットメイクは29名で達成率は29.9%。持ち込まれたバスは合計149匹と、初日を大きく上回る釣果となった。
RESULT 冨沢真樹が今季V2、野尻湖2年連続優勝の快挙!
第1位 冨沢真樹
冨沢は今季の沖の混雑と高プレッシャーを避け、戦略的に「沖からバンクへの魚移動」を想定して試合に挑んだ。前日金曜日の公式練習日はローライトでバスの活性が高く、広範囲で魚の反応が見られた。しかし大会本番の2日間は真逆の快晴。バスのポジションは一変し、多くの選手が朝イチから迷い、対応に苦しんだ。
菅川エリアで初日の3本目ヒット
そんな状況下でも冨沢は揺るがなかった。というのも、プリプラクティス期間にローライトから晴れへと天候が変化する局面を体感し、その際にバスが一気にバンク寄りに移動する傾向を掴んでいたからだ。つまり、大会直前の天気予報で「2日間とも晴れ」と出た時点で、すでに戦略は固まっていた。多くの選手が急な天候変化に翻弄される中、冨沢は事前に想定した菅川エリアのバンクを軸に、確信を持って釣りを展開したのである。
リグはOSPウィスプルのダウンショット。シンカーは17.5gを軸に、1ozも状況によって使い分け、フォール速度を最適化することで追尾した魚を最後まで追わせることに成功した。ここには冨沢ならではの独自性がある。近年はスピニングタックルを用いた1ozクラス(約28g)のスーパーヘビーダウンショットが一般化し、多くの選手が同じアプローチを繰り返すことで、バスがスレて口を使わなくなってきていた。そんな中で冨沢は試行錯誤を重ね、17.5gという微妙なウエイト設定なら口を使う魚がいることを突き止めていたのだ。さらに OSP HPミノー5インチを用いた70gの超ヘビーキャロライナリグ も導入し、初日に1本を追加している。
ダウンショットのタックルは infinite blade 61ULST に PE0.3号+リーダー5lb を組み合わせ、複数セットを用意。ラインに傷が入れば即座に交換し、無駄な時間を極限まで省く徹底した効率重視の姿勢を貫いた。また、 infinite blade 70H でウルトラヘビキャロを操る二刀流を使い分けることで、戦略の幅を広げた。
初日は朝のうちに3本を揃えて3,438gを記録し2位発進。2日目も安定して3本をキャッチし3,154gで4位に入り、合計196ポイントを積み上げた。結果、野尻湖戦を2年連続で制覇。さらに今季第1戦に続くシーズン2勝目を飾り、その存在感を改めて示す快挙となった。
第2位 宇佐見素明
宇佐見は竜宮から寺ヶ崎沖を広域に周回するスタイルで、プラクティスでは好調だったものの、本番ではパターン変化に翻弄された。初日はボイルが消えたためレンジを深場にシフトし、5ヒットから2本をキャッチ。2日目はレンジの浅いワカサギに着く単発・小規模スクールを発見し、ルアーを合わせることで約15本をキャッチするも、サイズが伸び悩んだ。
ルアーはライク2.5(エラストマー)2.7gホバストやダイワ・リアルスラッカー1.7インチのダウンショット。シンカーは1.3~2.7gを状況で使い分けた。タックルはスティーズリアルコントロールS510XUL-SV•STにエアリティ2500番を組み合わせ、口の硬いスモールに対してはドラグを締め込んでフッキングし、掛けた直後に即座に緩めるクイックドラグ特有のファイトで対応。安定感ある試合運びで準優勝を飾った。
第3位 鬼形毅
鬼形は砂間ヶ崎の岬中央付近、8〜10mの急なブレイクに岩や枝が絡むスポットをメインとした。
リグはダウンショットで、シンカー2.2g、リーダー約5cmのショート仕様。ダウンヒル気味にズル引きし、根掛かりを外した直後にワームが「ポロッと落ちる」瞬間を食わせ所とした。フォール速度によって魚のサイズが変わり、1.8gでは小型が先行、2.2gにすると良型が口を使う傾向を掴んでいたのも印象的だった。風が当たるタイミングで一気に反応が良くなり、短時間で4本を連発する場面も。ライブスコープはあえて使わず、風を手掛かりに魚の動きを読む「オールドスクール」なスタイルで勝負した。
タックルはソリッドティップのやや硬めのロッド(ワイルドサイド ヴァリアントモデルWSS-ST510UL/TZ)にサンライン「オーバーテックス」を合わせ、ワームは「ヨゴケムシ」。結果として両日3キロ前後を安定して持ち込み3位に入賞した。
第4位 大野春人
大野は寺ヶ崎のYM寄りに張り付き、両日とも同じエリアで釣り切った。風向きに応じてわずかにポジションを変える以外は、ほぼ固定で展開。
戦略の核心は、風や曇天などの条件変化で魚のスイッチが入る瞬間を逃さないことだった。朝は居着きの魚を、日中はスクールの回遊を待つ二段構え。投入したのはDEPSカバースキャットで、魚が回ってくるまで腰を据えて待つ粘りの釣りを徹底した。初日はミスも重なり2本止まりだったが、2日めには5本を揃え、入れ替えも決めて順位を押し上げ、最終的に4位に食い込んだ。
第5位 瀧本英樹
瀧本は砂間ヶ崎周辺とYM付近の急なブレイクを中心に組み立てた。メインは水深6〜7mで、2日め朝イチのみ沖の10mに沈められたストラクチャーを狙い一発を仕留めている。戦略は沖からウィードアウトサイドエッジ回遊してくる魚をタイミング良く迎え撃つもので、滞留時間が短いため一瞬の勝負が肝心だった。
リグは7g前後のキャロライナリグ。ロングリーダーを取ってワームをノーシンカー状態にし、着底後は1mほどズル引き、反応がなければ迅速にピックアップする効率重視のスタイルで挑んだ。フォール速度を速め、回遊魚が散る前に食わせる狙いも功を奏した。両日ともキーパーを揃え、入れ替えも果たす安定感でお立ち台に立った。
AOYは山下尚輝が獲得!
左兄 一也 右弟 尚輝 写真:バスマガジン
年間タイトル争いは、最終戦の大きな見どころのひとつだった。野尻湖をホームレイクとするミゲル・サントスが暫定トップで最終戦を迎え、地の利を活かしてそのまま逃げ切れるかに注目が集まった。サントスは最終戦を総合28位で終え、決して悪くはない成績を残したものの、優勝圏内に届くインパクトは作れなかった。
一方、暫定2位につけていた山下尚輝は、この野尻湖戦で13位と安定感ある成績を収め、見事逆転で2025年のJBマスターズAOY(アングラー・オブ・ザ・イヤー)を獲得。2020年には兄の山下一也が同タイトルを手にしており、兄弟揃ってのAOY獲得という快挙を達成した。マスターズの長い歴史の中でも極めて珍しい兄弟制覇となり、記録にも記憶にも残るシーズンの締めくくりとなった。
レポート作成:ChatGPT5
写真・構成:NBCNEWS H.Togashi