開始から30分で2キロオーバーを含む脅威の4キロ越え。肱川上流のベンドロックエリアを完全攻略した牧野陽平プロが、灼熱の野村ダム戦を制した。四国地方の梅雨明けから数日が経過した愛媛県野村ダム。今年も例年と同じく70%程に調整された夏水位での開催となった。水質は緑掛かったステインで、水温は全域的に28℃前後を表示していた。高水温から懸念されるアオコの影響は見られず、流れが停滞する場所には木のチップが浮遊していた。この時期のベイトは小魚に加えて、手長エビやモエビといった甲殻類が捕食されており、釣った魚の喉からエビの爪や触覚が出ている状態をよく目にした。野村ダムでは、7月が最も数が釣れる時期である。高活性な300gから400gのアベレージサイズが先にバイトして来る為、最もサイズが選べない時期でもある。数を釣っても型が混じらない状況に陥るのがこの時期の特徴だ。水の動くエリアとシェードが絡む場所にはベイトが差して来る為、この様な一等地を狙う事が大型の個体への近道となる。夏の定番である肱川と稲生川の両上流エリア、曝気装置周辺がこの条件を満たす為、今戦も選手達の本命エリアとなっていた。今回、冠スポンサー様であるノリーズ様より、製品ブースの出展が行われた。名竿ロードランナーシリーズを筆頭に、新製品の展示や説明をして頂き会場は大盛況を見せた。そして2017年7月23日、愛媛県野村ダムにてノリーズ&プロショップめがねのタカイCUPが開催されました。
優勝した牧野陽平プロは、朝一に肱川上流のベンド部分に点在する大岩を攻略。シェード部分をフットボールジグ9gにダブルモーション3.8インチのトレーラーで攻めて、今大会の最大魚となる50cm、2190gのビッグフィッシュをキャッチした。その後、ベティ5.9インチの1/20オンス、ネコリグを使ってリミットを揃え4337gをウエインした。第2位は、四国最強のトーナメンター石川晴彦選手。朝一に肱川上流のベンド部分でリミットを揃えた後、付近の階段沖にある水没したブッシュに移動。エスケープツインのリーダーレスダウンショットで攻めて1400gをキャッチした。その後入れ替えに苦戦する中、帰着30分前に下流、板ヶ谷橋付近の岬で1800gを追加して3810gまでウエイトを高めた。ダウンショットのウエイトは、ブッシュ打ちの一本は3.5g、それ以外は10gを使用していた。エスケープツインのカラーは、バンドウカワエビとグリーンパンプキンだった。第3位は、2戦連続で3位入賞となった上村利弘選手。300g平均でリミットを揃えた後、板ヶ谷橋付近の岩盤に移動。岩盤のシェードにトルキーストレート4.8インチの1/16オンスジグヘッドをフォールさせて1600gをキャッチした。その後、稲生川のスロープ跡に移動して1500gを追加。終盤に600gをキャッチして入れ替に成功し3777gをウエインした。第4位は、クランクベイトのリアクションパターンが炸裂した吉村真幸選手。稲生川最上流に点在する岩のエグレを、CB350の黒金カラーでトレースさせてグッドサイズを連発。9時からの30分間で、今回ウエインした2377gをキャッチした。先行者に叩かれた後だった為、スローな食わせからリアクションの釣りに切り替えた事が4位入賞に繋がった。第5位は、稲生川でキロフィッシュをキャッチした高橋政義選手。稲生川中流にある竹のレイダウンに岩が絡むエリアに入り、モニカ3.9インチを使って1100gをキャッチ。その後、板ヶ谷橋付近の岬に入り、1.3gのショートダウンショットにマブリーチの組み合わせでリミットを揃えて2132gをウエインした。
大会結果を見ると、表彰台に上がった選手達は各本命エリアでキロオーバーの個体をキャッチしていた。これまでの実績を見る限り、夏場にこのエリアを外して上位に絡む事は難しいかもしれない。ただ本命エリアに入れたとしても、バイトに持ち込めるスポットが存在するのは事実だ。そういったスポットが分かった上でのアプローチの仕方、間合い、ボートポジション、エレキ操作、サイクルタイム・・・表彰台で細かくは語られなかった核心部分について、深く考えさせられた第3戦だった。次回が2017年度チャプター愛媛の最終戦となる。年間ランキングは開幕戦から3戦連続表彰台を獲得した石川晴彦選手が、2位に8ポイント差を付けて首位に躍り出た。破格の強さで2010年に続いて2度目の栄冠を獲得するのか?それとも波乱が起きるのか?次回、8月27日の野村ダム最終戦に注目したい。
成績表
順位 | 氏名 | 重量 | 匹 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1位 | 牧野陽平 | 4,337g | 3匹 | 30Pts. |
2位 | 石川晴彦 | 3,810g | 3匹 | 29Pts. |
3位 | 上村利弘 | 3,777g | 3匹 | 28Pts. |
4位 | 吉村真幸 | 2,377g | 3匹 | 27Pts. |
5位 | 髙橋政義 | 2,132g | 3匹 | 26Pts. |
6位 | 白井優 | 2,049g | 3匹 | 25Pts. |
7位 | 菊池芳郎 | 1,970g | 3匹 | 24Pts. |
8位 | 普光江哲也 | 1,855g | 3匹 | 23Pts. |
9位 | 角元孝生 | 1,825g | 3匹 | 22Pts. |
10位 | 大西弘也 | 1,716g | 3匹 | 21Pts. |
11位 | 平井清博 | 1,715g | 3匹 | 20Pts. |
12位 | 寺田直人 | 1,704g | 3匹 | 19Pts. |
13位 | 亀岡広嗣 | 1,585g | 3匹 | 18Pts. |
14位 | 普光江たけし | 1,550g | 3匹 | 17Pts. |
15位 | 植田誠寛 | 1,530g | 3匹 | 16Pts. |
16位 | 武田和志 | 1,488g | 3匹 | 15Pts. |
17位 | 赤松克弘 | 1,452g | 3匹 | 14Pts. |
18位 | 井原浩二 | 1,441g | 3匹 | 13Pts. |
19位 | 松田拓也 | 1,301g | 3匹 | 12Pts. |
20位 | 藤井春平 | 1,282g | 3匹 | 11Pts. |
21位 | 藤本勝司 | 1,197g | 3匹 | 10Pts. |
22位 | 篠永修一 | 1,181g | 3匹 | 9Pts. |
23位 | 森北知宏 | 1,147g | 3匹 | 8Pts. |
24位 | 岸本司 | 1,123g | 3匹 | 7Pts. |
25位 | 岸本忍 | 1,106g | 3匹 | 6Pts. |
26位 | 山原新平 | 1,048g | 3匹 | 5Pts. |
27位 | 宮本拓哉 | 1,031g | 3匹 | 5Pts. |
28位 | 小田崇 | 1,022g | 3匹 | 5Pts. |
29位 | 村上仁 | 928g | 3匹 | 5Pts. |
30位 | 坂本信之 | 880g | 3匹 | 5Pts. |
31位 | 篠崎剛 | 622g | 2匹 | 5Pts. |
32位 | 岩井謙亮 | -200g | 0匹 | 5Pts. |
上位の釣り方
優勝 牧野陽平
<エリア>
梅畑スロープ上流アウトサイドに有る岩
<釣り方>
岩の窪みに出来るシェイドをフットボールやベイトネコで丁寧に狙う。
<タックル①>
ロッド:ディクテイター66MH
リール:ジリオンTWS
ライン:エクスレッド12lb
ルアー:フットボール9g&ダブルモーション3.8in
カラー:グリーンパンプキン
<タックル②>
ロッド:メルトボーン64ML
リール:SS AlR
ライン:エクスレッド8lb
ルアー:BETTY5.9in
カラー:グリーンパンプキン
リグ:1/20ozネコリグ
<メッセージ>
野村ダム戦、初優勝。自分自身想い出に残る素晴らしい試合となりました。サポート頂いているガンクラフト様、東レフィッシング様ありがとうございました。そして、チャプター愛媛スタッフ&参加者の皆さん一日お疲れ様でした。
準優勝 石川晴彦
<エリア>
Aスロープ大岩エリア、本部前、板ヶ谷曝気装置の岬
<釣り方>
本部前沈みブッシュには3.5g、その他は10gを使用。
フォールを意識し、岩を丁寧に探る。
沈みブッシュで1400g。
曝気装置では終了間際に1800g。
<タックル①>
ロッド:ノリーズ ロードランナーストラクチャーST700H
リール:シマノ メタニウム
ライン:サンライン シューターFCスナイパー14lb
ルアー:ノリーズ Fエスケープツイン(バンドウカワエビ、ライトグリーンパンプキン)
リグ:リーダーレスダウンショット10g
<タックル②>
ロッド:ノリーズ ロードランナーストラクチャーST640M-Ft
リール:シマノ アルデバラン
ライン:サンライン シューターFCスナイパー10lb
ルアー:ノリーズ Fエスケープツイン(バンドウカワエビ)
リグ:リーダーレスダウンショット3.5g
<メッセージ>
サマーパターンを意識して数か所の重要スポットを回る戦略で臨んだ。朝一の大岩エリアでは生意気な後輩Mとバッティングし、目の前で50UP、キロUPx2と抜かれたため、普通なら精神崩壊となる所だが、絶大な信頼を置くエスケープツインを使用している事と、後輩Mが年間争いから大きく出遅れている事から、私に大したダメージはなかった。そこから落ち着いて、先ずはキーパーを揃え、ブッシュでキッカーを獲り、タイミングを見計らい曝気装置に入り、最後の最後に1800gのスーパーキッカーを入れる事が出来た。試合展開としては次に大きく繋げられる尻上がりの展開で、目標であった年間成績も暫定首位となれたので優勝こそ出来なかったが、自分自身納得のいく1戦となった。諦めない事、自分を信じる事の大切さを改めて感じた1戦でした。
最後になりますが、私をサポートして下さる、ノリーズ様の冠の試合で最高なロッドと激的な釣果をもたらしてくれるルアーを使い準優勝出来た事を嬉しく思います。
サンライン様の最強ライン、アルティメイト田渕店長にも感謝致します。
チャプター愛媛スタッフの皆様、地元明間地区の皆様、色々とお世話になり、ありがとうございました。
参加選手の皆さん、最終戦も楽しく熱い戦いをしましょう!
第3位 上村利弘
<エリア>
肱川下流の岩盤と稲生川下流の張り出し部分
<釣り方>
フォール
<タックル>
ロッド:スティーズ 651LFS
リール:イグニス タイプR
ルアー:トルキーストレイト 4.8
カラー:グリパン
リグ:ジグヘッド 1.8g
<メッセージ>
愛媛チャプター運営スタッフの皆様、いつも運営ありがとうございます。
第4位 吉村真幸
<エリア>
稲生川クリーク最上流部
<釣り方>
岩のエグレにルアーを通す
<タックル>
クランクベイト、
ロッド:タクティクススーパーノバ66
リール:アブレボSX
ライン:バウオ、エクスレッド10lb
ルアー:ラッキークラフトCB350
カラー:黒金
<メッセージ>
久しぶりのお立ち台に嬉しいです、いつもボートの準備、宿泊の予約等お世話になっているピーゲットの会長、選手の皆様いつもありがとうございます。
第5位 高橋政義
<エリア①>
インターセクションより稲生川筋左サイド
<エリア②>
下流爆機装置 流れが当たる岬
<釣り方>
フィーディングの魚狙い
流れの当たる岩盤と平行にリグを投げ少しづつ前に移動させてくる
<タックル①>
ロッド:カレイド セルペンティ サイトホーク
リール:アブ レボ MGX2500S
ライン:エクスレッド4lb
ルアー:T.H タックル モニカ 3.9インチ
カラー:モエビ/ブルーラメ
リグ:ノーシンカー
<タックル②>
ロッド:イマカツ ロデオライド RR-S61ULFF
リール:DAIWA イージス 2506
ライン:エクスレッド4lb
ルアー:マブリーチ 3インチ
カラー:プラム
リグ ショートダウンショット1.3グラム
<メッセージ>
素晴らしいフィールドで楽しく試合ができ感謝致します。
地元地区、運営スタッフ、選手の皆さんありがとうございました。