新緑の眩しい5月下旬の野村ダム。昨年の同時期に開催されたJBTOP50シリーズ第2戦において、肱川最上流エリアから初日、二日目と連日5キロオーバーがウエインされた事は記憶に新しいはずだ。この時期は田植えの代掻きにより白濁した濁りが発生するのだが、今回に至っては緑掛かった濁りが発生していた。この濁りの色に加え、例年と異なる点が気温差にあった。大会当日の朝の気温は5月下旬にも関わらず10℃と冷え込み、正午過ぎには28℃まで上昇した。この異常とも言える気温差は、水の中に何かしらの影響を与える様に感じられた。逆に例年と共通する点はダムの水位が100%と、湖岸には木々のオーバーハングやブッシュが冠水している事だった。過去のウイニングパターンから見れば、稲生川上流のアフターから回復した個体を狙うパターンが有力である。しかし、今回は下流の曝気装置が稼働しており、回復した第一陣の個体が水の動きとベイトを求めて差して来る可能性があった。これにより時期尚早ながらも、曝気装置周辺が選択肢の一つに加えられた。また少数ながらもネストが確認された為、ダムにはアフター、アフター回復、ネストといった3タイプの魚が混在していた。今年も西予アングラーズクラブ主催の岸釣り大会、灼熱のバスアングラーズin朝霧湖との同時開催。肱川上流の四道橋から上流エリアは、午前中のボート進入禁止が設けられていた。その様な状況の中、2017年5月28日、愛媛県野村ダムにてチャプター愛媛第2戦イマカツ&タックルベリーCUPが開催されました。
今回優勝したのは、最下流オイルフェンス手前のスロープを、1/32オンスのネコリグで攻略した大西弘也プロ。朝一に1本目となる1400gをツインテールリンガーでキャッチ。その後、時間を空けてポイントに入り直してフラッシュJニードルで1700gを追加。終盤に中流スロープ対岸のゴロタ場を、バイズクロー4.5インチの8.8gテキサスリグで攻めて1400gがヒット。2位とのウエイト差を1キロ以上も引き離す4457gで優勝を飾った。第2位は、オーバーハングをベイトフィネスのドライブシャッド4.5インチで攻めた植田誠寛プロ。稲生川のスロープ跡付近のオーバーハングと、稲生川中流のオーバーハングを攻略した。喰わせ方は、スキッピングでノーシンカーのドライブシャッドを岸際まで送り込んでからのフォールで、3110gをウエインした。ベイトフィネスに使用したラインは9ポンドだった。第3位は、3/8オンスのDゾーンでキッカーをキャッチした上村利弘選手。朝一は最下流のブイに入り、中央のゲートで700g、ブイ左側に出来たゴミ溜まりで600gを、1.2gのジグヘッドにトルキーストレートの組み合わせでキャッチした。その後、風が吹いたタイミングで板ヶ谷橋付近のコンクリート護岸に入り、護岸の切れ目でキロアップをキャッチして2379gをウエインした。第4位は、5月の野村で破格の強さを見せる四国最強のトーナメンター石川晴彦選手。朝一に下流、板ヶ谷橋の橋脚にラッテリーのノーシンカーをフォールさせて1200gをキャッチ。その後アフター回復狙いから、レイダウンに付く個体へとパターンの切り替えが見事に的中。エスケープツインの5gリーダーレスダウンショットを使ってリミットを揃え2374gをウエインした。第5位は、開幕戦に続いて連続5位入賞となった寺田直人選手。11時30分までノンキー2本と苦戦していたが、肱川中流のコンクリート護岸とポケットの連なるエリアと、対岸のワンドでカットテールのネコリグが炸裂。僅か30分間でリミットを揃えて2071gをウエインした。
今回の野村ダムは、例年に比べてアフターから回復した個体が少なく、魚の付き場が絞りにくい状態だった。タフコンディションになった要因は、朝昼の20℃近い気温差が何かしら水中に影響した事と、入ってくる水の状態が悪かった事が考えられる。水質の悪化は代掻き後に散布された除草剤が、数日前に降った大雨で水田から溢れ出し、肱川と稲生川の両バックウォータに流入したからではないだろうか。濁りの色が緑掛かっていた事、上流エリアが沈黙した事、中流エリアと下流エリアから上位入賞者が輩出された事の3点から仮説を立ててみた。過去のパターンに捉われない柔軟な切り替えが重要視された野村ダム戦だった。次回の第3戦は、7月中旬に灼熱の野村ダムで開催される予定だ。
成績表
順位 | 氏名 | 重量 | 匹 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1位 | 大西弘也 | 4,457g | 3匹 | 30Pts. |
2位 | 植田誠寛 | 3,110g | 3匹 | 29Pts. |
3位 | 上村利弘 | 2,379g | 3匹 | 28Pts. |
4位 | 石川晴彦 | 2,374g | 3匹 | 27Pts. |
5位 | 寺田直人 | 2,071g | 3匹 | 26Pts. |
6位 | 篠永修一 | 1,990g | 3匹 | 25Pts. |
7位 | 坂本信之 | 1,940g | 1匹 | 24Pts. |
8位 | 松田隆文 | 1,936g | 3匹 | 23Pts. |
9位 | 石川秀夫 | 1,921g | 3匹 | 22Pts. |
10位 | 白井優 | 1,898g | 3匹 | 21Pts. |
11位 | 六車駿一 | 1,727g | 2匹 | 20Pts. |
12位 | 藤本勝司 | 1,637g | 3匹 | 19Pts. |
13位 | 宇都潔 | 1,566g | 3匹 | 18Pts. |
14位 | 赤松克弘 | 1,471g | 3匹 | 17Pts. |
15位 | 小山雅史 | 1,414g | 3匹 | 16Pts. |
16位 | 松田拓也 | 1,384g | 3匹 | 15Pts. |
17位 | 菊池芳郎 | 1,244g | 3匹 | 14Pts. |
18位 | 久次米良信 | 1,213g | 3匹 | 13Pts. |
19位 | 平井清博 | 1,146g | 3匹 | 12Pts. |
20位 | 亀岡広嗣 | 1,140g | 3匹 | 11Pts. |
21位 | 森北知宏 | 1,133g | 3匹 | 10Pts. |
22位 | 伊藤達弥 | 1,130g | 3匹 | 9Pts. |
23位 | 村上仁 | 1,077g | 3匹 | 8Pts. |
24位 | 角元孝生 | 1,054g | 3匹 | 7Pts. |
25位 | 山原新平 | 1,035g | 3匹 | 6Pts. |
26位 | 篠崎剛 | 1,033g | 2匹 | 5Pts. |
27位 | 普光江たけし | 1,009g | 3匹 | 5Pts. |
28位 | 髙橋政義 | 955g | 3匹 | 5Pts. |
29位 | 井上学 | 926g | 3匹 | 5Pts. |
30位 | 宮本拓哉 | 666g | 2匹 | 5Pts. |
31位 | 岩井謙亮 | 606g | 1匹 | 5Pts. |
32位 | 藤井春平 | 523g | 1匹 | 5Pts. |
33位 | 井原浩二 | 474g | 2匹 | 5Pts. |
34位 | 牧野陽平 | 397g | 1匹 | 5Pts. |
35位 | 橋本幸司 | 337g | 1匹 | 5Pts. |
36位 | 窪田廉 | 0g | 0匹 | 5Pts. |
上位の釣り方
優勝 大西弘也
〈エリア〉
①ダムサイトスロープ周辺、②中流スロープ対岸ゴロタ場
〈釣り方〉
①ダウンショットのステイ、②テキサスリグずる引き
〈タックル〉①
ロッド:ヘラクレス ソリッドセンサー61
リール:ツインパワーmg2500s
ライン:FCスナイパー4lb
ルアー:ツインテールリンガー
リグ:1/32ネコリグ(ソリッドブラック)
〈タックル〉②
ロッド:ヘラクレス ブルーマイスター7
リール:メタニウム
ライン:シューター16lb
ルアー:バイズクロー4.5インチ(グリーンパンプキンs)
リグ:8.8gテキサスリグ
〈メッセージ〉
このような大会が楽しめるのも石川会長はじめスタッフの皆様、SACの皆様、西予市明間地区の皆様のおかげです。またfecoフラッシュJストレート5インチをくれた岡山の竹内さん最後に入れ替わったけど序盤にナイスフィッシュが釣れたハンドメイドフラットサイドクランク(BankBeater)をくれた香川の藤澤君、いつも唐突なボートトラブルの面倒を見てくれるショップの店長、入手困難なfecoワームを取り寄せてくれるショップの店長、色々な方々のおかげで優勝する事ができました。ありがとうございます。
準優勝 植田誠寛
〈エリア〉
エリア 稲生川 左岸側オーバーハング
〈釣り方〉
スキッピングしてフォール
〈タックル〉
ロッド:スティーズ ラプター
リール:SS AIR8.1L
ルアー:ドライブスティック4.5
リグ:ノーシンカー
〈メッセージ〉
サポートしていただいているOSP様いつもありがとうございます。ニュートーナメントシャツも、縁起が良いデビューになりました。私を応援していただいている皆様これからも良い結果出せるように頑張っていきますので、これからも宜しくお願い致します。
第3位 上村利弘
〈エリア〉
ダムサイトのブイ、肱川中下流
〈釣り方〉
オーバーハングの隙間に投げてフォール
〈タックル〉
ロッド:スティーズ 651LFS
リール:イグニス タイプR
ルアー:トルキーストレイト 4.8(グリパン)
リグ:ジグペット1.3g
〈メッセージ〉
愛媛チャプター運営スタッフの皆様、いつも運営ありがとうございます。
第4位 石川晴彦
〈エリア〉
板ヶ谷橋橋脚、稲生川上流エリア
〈釣り方〉
板ヶ谷橋橋脚ではノーシンカーリグ
稲生川では5gテキサスリグ
〈タックル〉①
ロッド:ノリーズロードランナーストラクチャーST610LS
リール:スピニング2500番
ライン:ノリーズ Fラッテリー(スカッパノン、ライトグリーンパンプキン)
ルアー:サンライン シューターFCスナイパー4lb
リグ:ノーシンカー
〈タックル〉②
ロッド:ノリーズ ロードランナーストラクチャー6100MH
リール:ベイトハイギア
ライン:サンライン シューターFCスナイパー12lb
ルアー:ノリーズ Fエスケープツイン(ライトグリパン)
リグ:5gテキサス
〈メッセージ〉
例年通りの状況ではなかった今回の試合は、何とか釣れて、何とかお立ち、といったあまり良い所の無い展開でした。
しかしながら、私をサポートして下さる、ノリーズ様の最高なロッドと激的な釣果をもたらしてくれるルアー、サンライン様の最強ライン、アルティメイト田渕店長の楽しいお話しのおかげの4位だと思い感謝しております。
またチャプター愛媛スタッフの皆様、SACの皆様、色々とお世話になり、ありがとうございました。
特に前日の懇親会は最高でした。
バサーを快く受け入れて下さる地元明間地区の皆様にはいつも感謝致しております。
参加選手の皆様方、お疲れ様でした。
2戦を終えて、暫定首位タイのポイントとなりましたので、今以上に集中し、年間優勝を狙います!
第5位 寺田直人
〈エリア〉
肱川中流S字付近
〈釣り方〉
立木+浮きゴミのあるところにキャストして沈めてからのシェイクで食わせる。
〈タックル〉
ロッド:メガバスF1-63XS
リール:レアニウムCl4 2500s
ルアー:カットテール4インチ(グリパン)
リグ:ネコリグ1/32
〈メッセージ〉
2戦連続の5位入賞にビックリしてますが、3戦目も良い成績が残せるように頑張ります。石川会長ならびにスタッフの皆さん、いつも楽しい大会運営ありがとうございます。