今年の冬は冬型の気圧配置が強く、全国的にも気温が低くて西日本では32年振りの寒さとなった。野村ダムがある西予市では、2月初旬に観測史上最低気温となるマイナス12℃を記録した。しかし3月に入ってからは平年よりも気温が高く、全国的に桜の開花日が早まる等、一気に春めいた感が漂っていた。しかし開幕戦直前の週始めから連日の雨となり、急な増水と濁りが発生していた。肱川、稲生川の両最上流は、水温が9度台の前半とまだ低く生命感は皆無。下流に向かうにつれて水温は高くなり、最下流域では13度台となっていた。ダムの水位は放水により、前日の土曜日から当日までの一晩で60cm程低下。濁りに関しては肱川、稲生川ともに上流から澄み始めていた。最上流にベイトを求めて遡上している個体と下流のプリスポーンの個体はウエイトを稼げる為、この2つをハメる事が出来れば優勝に近付けると思われた。スタート前の気温は3度と真冬並みの寒さの中、2018年3月25日愛媛県野村ダムにてチャプター愛媛開幕戦、サンラインCUPが開催されました。
今回優勝したのは、チャプター愛媛の会長を務める“重鎮”石川秀夫選手。最下流、国土交通省スロープ付近のブレイク2.5mラインを、ツインテールリンガーのヘビダン7gで攻めて1500gをキャッチ。その後、対岸のワンド岬で800gを追加。肱川上流の岩盤で入れ替えとなる1600gをキャッチして3908gをウエインした。第2位は、ビフテキで中下流を攻めた寺田直人選手。朝一に肱川中流のフローティングカバーに入り1300gをキャッチ。その後、付近のワンドと朝一のエリアでリミット揃えた。12時を回ってから下流インターセクションのワンド入口の岬で、入れ替えとなる1600gをキャッチして3525gをウエインした。使用したリグは10gのビフテキにダットカット3インチで、ラインはスーパーFCスナイパーの14ポンドだった。第3位は、稲生川の中流域から上流域を攻略した宇都潔選手。1/2オンスのフットボールジグにダットカット3インチの組み合わせを、底を取らないようにカーブフォールさせる釣り方でキロフィッシュ2本をキャッチ、3本トータル3420gをウエインした。第4位は、最下流の護岸エリアで怒涛の春爆を見せた藤澤宏樹選手。狙った護岸の張出しに春の魚が差していて、釣り始めからの2時間で14本をキャッチした。終了15分前に上流スロープ対岸の冠水ブッシュで入れ替えを行い、3320gをウエインした。ルアーはラッテリーの2.7gダウンショットで、アクションはボトムのズル引きだった。第5位は、肱川中流から上流の差して来る場所を的確に捉えた角元孝生選手。岬周りに差して来た魚に対して5.5インチ、イールクローラーのネコリグを使ってリミットを揃えた。その後、水温上昇で魚が浮き始めた事に気付き、岬から岩盤狙いに変更。岩盤に差して来た1400gをプロストレートのノーシンカーワッキーでキャッチして2529をウエインした。
今回ウエインには、春らしいプリスポーンのメスの個体が多く持ち込まれた。連日の雨は春への進行を加速させた様だが、肱川と稲生川の最上流はまだ水温が低く魚の気配が無かった。特に朝一は最上流エリアで釣りをする選手はほとんど見られず、中下流エリアに選手が集中していた。上位入賞者達は、正午前から帰着時刻となる14時までの間に1500g前後の魚をキャッチしており、水温上昇による時合をモノにしていた。エリアを大きく見ればインサイド、細かく絞れば水が動きにくいワンド、岬、岩盤、カバーである。そして濁った水質はボートのプレッシャー軽減になっていた。4キロに迫る優勝ウエイトは、春の野村ダムのポテンシャルの高さを存分に見せてくれた。続く第2戦は、6月3日に地元SAC主催の岸釣り大会と同時開催される予定だ。
成績表
順位 | 氏名 | 重量 | 匹 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1位 | 石川秀夫 | 3,908g | 3匹 | 30Pts. |
2位 | 寺田直人 | 3,525g | 3匹 | 29Pts. |
3位 | 宇都潔 | 3,420g | 3匹 | 28Pts. |
4位 | 藤澤宏樹 | 3,320g | 3匹 | 27Pts. |
5位 | 角元孝生 | 2,529g | 3匹 | 26Pts. |
6位 | 牧野陽平 | 2,355g | 2匹 | 25Pts. |
7位 | 坂本信之 | 2,256g | 2匹 | 24Pts. |
8位 | 上村利弘 | 2,217g | 3匹 | 23Pts. |
9位 | 大西弘也 | 2,210g | 1匹 | 22Pts. |
10位 | 普光江哲也 | 2,164g | 3匹 | 21Pts. |
11位 | 長瀬憲章 | 1,735g | 2匹 | 20Pts. |
12位 | 白井優 | 1,734g | 2匹 | 19Pts. |
13位 | 高戸和也 | 1,674g | 3匹 | 18Pts. |
14位 | 普光江たけし | 1,658g | 3匹 | 17Pts. |
15位 | 坂本洋司 | 1,632g | 3匹 | 16Pts. |
16位 | 植田誠寛 | 1,622g | 2匹 | 15Pts. |
17位 | 宮本拓哉 | 1,618g | 3匹 | 14Pts. |
18位 | 井原浩二 | 1,566g | 3匹 | 13Pts. |
19位 | 岩井謙亮 | 1,540g | 2匹 | 12Pts. |
20位 | 阿部大吾 | 1,510g | 3匹 | 11Pts. |
21位 | 橋本幸司 | 1,384g | 2匹 | 10Pts. |
22位 | 吉村真幸 | 1,368g | 1匹 | 9Pts. |
23位 | 大久保光洋 | 1,360g | 2匹 | 8Pts. |
24位 | 菊池芳郎 | 1,300g | 3匹 | 7Pts. |
25位 | 篠崎剛 | 1,204g | 2匹 | 6Pts. |
26位 | 髙橋政義 | 1,049g | 2匹 | 5Pts. |
27位 | 松田拓也 | 1,030g | 1匹 | 5Pts. |
28位 | 大西真守 | 882g | 1匹 | 5Pts. |
29位 | 小田崇 | 795g | 2匹 | 5Pts. |
30位 | 赤松克弘 | 753g | 2匹 | 5Pts. |
31位 | 窪田廉 | 691g | 1匹 | 5Pts. |
32位 | 亀岡広嗣 | 670g | 1匹 | 5Pts. |
33位 | 六車駿一 | 453g | 1匹 | 5Pts. |
34位 | 篠永修一 | 0g | 0匹 | 5Pts. |
35位 | 三好紀昭 | 0g | 0匹 | 5Pts. |
上位の釣り方
優勝 石川秀夫
<エリア>
①最下流、国土交通省スロープ沖のブレイク
②上流スローエリア境界線より下流100mほどの東側ライン
<釣り方>
春メスが通るであろうスポットをタイミングを合わせてランガン。フォール後に3~5回ほどのアクションでピックアップ
<タックル>
リグ:ヘビーダウンショット7g
ロッド:エバーグリーンヘラクレス65ML+PLUSメタルウィップ
ライン:BassSEILマジックハードR12lb
ルアー:ツインテールリンガー4.7インチ
カラー:シナモンBL/SL
<メッセージ>
前日プラでシャローカバーでのバイトが取れなかったことで、アプローチをミドルレンジに落とし釣り方も大きく変えたことが勝因となりました。近年、春のメスバスを1匹釣るのがマックス状態でしたが、なんとか複数のバスを釣ることができほっとしています。
今回の優勝は、日頃よりお世話になっている野村ダムの地域の方々や関係者さまのご理解とチャプター愛媛のスタッフの日頃の協力ががあってのことだと感じています。そして、いつも野村ダム・別名「朝霧湖」という大切なフィールドを使わせていただきありがとうございます。
梅原様へ
心温まるメッセージをいただき厚く御礼申し上げます。
準優勝 寺田直人
<エリア>
肱川中流S字付近とインターセクション付近
<釣り方>
シャローでのカバー撃ち
<タックル>
リグ:10グラムのビフテキ
ロッド:カレイドTKLC-66MFX
リール:メタマグDC
ライン:FCスナイパー14lb
ルアー:ダットカット3インチ
カラー.グリパン
<メッセージ >
初戦からいいスタートがきれて嬉しく思います。
石川会長ならびにスタッフの皆さんありがとうございました。
第3位 宇都潔
<エリア>
稲生川中流から上流
<釣り方>
水深1メートルから4メートルまでをフットボールのカーブフォール
<タックル>
リグ:1/2フットボールにダットカット3インチグリパン
ロッド:F5-510X
リール:アルデバラン
ライン:フロロ14ポンド
<コメント>
気持ちよく釣りができる環境を作ってくれた地元の方や運営スタッフ、競い合う仲間たちに感謝しています。
第4位 藤澤宏樹
<エリア>
①最下流国交省スロープ下ストレッチ
②インターセクション付近
③上流スロープ対岸
<釣り方>
ゆっくりフォールさせ、しばらく放置後ボトムを感じながらゆっくりズル引く。ヘビーダウンショットは素早くフォールさせ、早くラインを弾くようなアクション。主に岬周り、インビシブルのある一段深い所でベイトが沢山いる所。
<タックル①>
リグ:2.7グラムダウンショット
ロッド:ノリーズストラクチャー680MLS-ULFT
リール:シマノコンプレックス2500HGS
ライン:バークレーバニッシュレボリューション4lb
ルアー:ノリーズラッテリー (ステインワカサギ)
ルアー:OSPドライブクローラー4.5インチ(スカッパノン)OSP HPシャッドテール(ネオンワカサギ)
<タックル②>
リグ:10グラムヘビーダウンショット
ロッド:ノリーズロードランナーLTT680MH
リール:シマノメタニウムHG
ライン:サンラインFCスナイパー14lb
ルアー:HIDEUP スタッガーワイドツインテール (グリーンパンプキン
<メッセージ >
復帰して最初のお立ち台が初出場で年間タイトルを獲得出来たチャプター愛媛、野村ダムでした。気持ち良く試合だけに集中出来る環境を作って下さった石川会長はじめチャプター愛媛のスタッフの方々、地元明間地区の方々に本当に感謝します。これからも良い成績を残せるようにしっかり練習して試合に臨みたいと思います。
本当に嬉しいです。
ありがとうこざいました。
第5位 角元孝生
<エリア>
①肱川筋中流ワンド入口の岬
②肱川筋中流岩盤エリア
<釣り方>
①ネコリグで水深5mまでの岬をなめるようにサーチ
②浮いてきた状況で、 岩盤エリアのシェード にノーシンカーワッキーを入れる
<タックル①>
リグ:0.9gネコリグ
ロッド:ポイズングロリアス264UL-S
リール:ヴァンキッシュC2000HGS
ライン:フロロカーボン4lb
ルアー:イールクローラー5.5
カラー:キャラメルブルーフレーク
<タックル>
リグ:ノーシンカーワッキー
ロッド:ポイズングロリアス264L
リール:ヴァンキッシュ2500HGS
ライン:PE0.8号+フロロカーボン8lb
ルアー:プロストレート5 高比重
カラー:グリーンパンプキン
<メッセージ>
初戦からいいスタートがきれました。
今年も大会が楽しめるのも石川会長はじめチャプター愛媛のスタッフの皆様、SAC、地元明間地区の皆様のおかげです。ありがとうございます。
残り3戦も全力でがんばります!