2018年7月に各地を襲った西日本豪雨。野村ダムにはかつてない量の水が流れ込んだ。緊急放流により肱川が氾濫を起こし、ダム下流域は甚大な浸水被害に見舞われた。ダム周辺では至る所で土砂崩れが発生して道路が寸断された。被災を受けてから地元の行政や住人の方々、ボランティアの方々の懸命な復興活動により以前の状態に近づいてはいるが、被害の爪痕はまだ大きく残っている。そういった状況にも関わらず、地元の方々の温かいご理解とご協力を頂いての大会開催となった。ダムのコンディションは満水で岸沿いのブッシュは冠水。水質は直前に降った雨の影響からか肱川、稲生川共に濁りが発生していた。水温は13℃前後で安定しており時期的にもプリスポーンの動きを把握出来るかがキーになると思われた。昨年と比べて暖冬だった今年の冬。4月を直前に控えた野村ダムでは、日中の気温が18℃となった日もあり湖畔の桜は綺麗に咲き誇っていた。しかし大会当日は寒の戻りで朝の気温は8℃。午前中は一時雨が強まる等、荒れた天候となった。そして2019年3月31日、愛媛県野村ダムにてチャプター愛媛第1戦サンラインカップが開催されました。
今回優勝したのは、東四国で驚異的なウエイトを叩き出し数々のタイトルを手にしている古参の坂本洋司選手。稲生川の流れ込みが絡んだカバーをメインにドライブビーバーのリーダーレスダウンショットでリミットを揃えた。13時過ぎに肱川中流のレイダウンに入ってカバーの中層をリーダーレスダウンショットでロングシェイク。今大会の最大魚となる2519gをキャッチして4563gをウエインした。第2位は、中流スロープ付近のワンドとバンクをTGブローで攻略した伊藤達弥選手。TGブローにドライブビーバーの組み合わせで500gから700gでリミットを揃えた。その後、サイズが出ない事からトレーラーをヘッドシェイカーに変更して巻きの釣りを展開。岸から離れた位置にある杭の横を通して2358gをキャッチしてトータル3479gをウエインした。第3位は、開幕戦で圧倒的な強さを見せる宇都潔選手。この時期得意とする稲生川でパターンを組み立てた。岩盤とバンクはフットボールとダットカット3インチ。カバー周りは8.8gのテキサスリグにバイズクロー3インチと場所によってリグを使い分けてリミットメイク。11時30分ごろ稲生川中流の水深3mラインにフットボールをダイレクトに落としてキロアップと1600gを連続キャッチして3454gをウエインした。第4位は稲生川のレイダウンをGスティックのライトテキサスで攻めた藤井春平プロ。ジグヘッドワッキーでリミットを揃えたがサイズが小さくウエイトが伸びなかった。昼過ぎに稲生川下流のレイダウンに入り2本のキロアップをキャッチした。その後、帰着間際に肱川上流のブッシュで入れ替えに成功して3177gをウエインした。第5位は、肱川中流のゴミ溜まりとバンクをジャバシャッドのビフテキで攻略した武田和志選手。カバー下にビフテキを落としてボトムパンプで誘うパターンでキロフィッシュ2本を含む2936gをウエインした。
今回の上位入賞者の多くは、昼前から帰着までの終盤に1000gから2500gまでの魚をキャッチしていた。この事から、水温が上昇し始めたタイミングで表層付近のカバーに魚が差して来たと思われる。それに加え濁りと風が強まった事で、一時的に魚の警戒心が薄くなったはずだ。入れ替わりで何度も攻められたカバーからキャッチされたキロオーバーの個体。今回帰着終了時刻は14時となっていたのだが、後30分帰着が遅かったなら更なるビッグウエイトが持ち込まれたかも知れない。リミットメイク率90パーセント、2キロオーバーが2本もウエインされた今シーズンの開幕戦。野村ダム健在を十分に知らせてくれた結果となった。次回は6月2日に同じく野村ダムにて地元SAC主催の岸釣り大会と同時開催される予定だ。
成績表
順位 | 氏名 | 重量 | 匹 | ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 060925 | 坂本洋司 | 4,563g | 3匹 | 30Pts. |
2位 | 061710 | 伊藤達弥 | 3,479g | 3匹 | 29Pts. |
3位 | 061151 | 宇都潔 | 3,454g | 3匹 | 28Pts. |
4位 | JB旭川026 | 藤井春平 | 3,177g | 3匹 | 27Pts. |
5位 | 061537 | 武田和志 | 2,936g | 3匹 | 26Pts. |
6位 | 061342 | 篠永修一 | 2,895g | 3匹 | 25Pts. |
7位 | 061383 | 長瀬憲章 | 2,502g | 3匹 | 24Pts. |
8位 | 060632 | 村上太一 | 2,364g | 3匹 | 23Pts. |
9位 | JII四013 | 菊池芳郎 | 2,273g | 3匹 | 22Pts. |
10位 | 061056 | 上村利弘 | 2,260g | 3匹 | 21Pts. |
11位 | JB旭川029 | 大西弘也 | 2,155g | 3匹 | 20Pts. |
12位 | 061547 | 平井清博 | 1,921g | 3匹 | 19Pts. |
13位 | 061289 | 普光江たけし | 1,714g | 3匹 | 18Pts. |
14位 | 061295 | 篠崎剛 | 1,581g | 3匹 | 17Pts. |
15位 | 061253 | 坂本信之 | 1,515g | 3匹 | 16Pts. |
16位 | 061220 | 大久保光洋 | 1,506g | 3匹 | 15Pts. |
17位 | 061053 | 阿部大吾 | 1,463g | 3匹 | 14Pts. |
18位 | JII四020 | 亀岡広嗣 | 1,445g | 3匹 | 13Pts. |
19位 | 061713 | 普光江哲也 | 1,406g | 3匹 | 12Pts. |
20位 | 061297 | 松田隆文 | 1,278g | 3匹 | 11Pts. |
21位 | 061296 | 松田拓也 | 1,273g | 3匹 | 10Pts. |
22位 | 061047 | 角元孝生 | 1,224g | 3匹 | 9Pts. |
23位 | JII四025 | 井原浩二 | 1,098g | 3匹 | 8Pts. |
24位 | JII四034 | 石川秀夫 | 635g | 1匹 | 7Pts. |
25位 | JB旭川035 | 牧野陽平 | 553g | 1匹 | 6Pts. |
26位 | JII四003 | 白井優 | 131g | 3匹 | 5Pts. |
27位 | M068 | 村上仁 | 51g | 3匹 | 5Pts. |
28位 | 061413 | 三好紀昭 | 0g | 0匹 | 5Pts. |
上位の釣り方
優勝 坂本洋司
〈エリア〉
中・下流全域、スポーンでさして来そうなワンド状もしくはポケット状になったスポットのウッドチップカバー。
〈釣り方〉
ウッドチップカバーにレイダウンが絡むスポットでカバー直下から中層の範囲で14gリーダーレスダウンショット+O.S.Pドライブビーバーにてロングシェイク。
〈タックルset1〉
・14gリーダーレスダウンショット
・ジャクソン スーパートリックスター610H
・アブガルシア レボ アカツキ
・サンライン シューターFCスナイパーBMS AZAYAKA 16lb
・O.S.Pドライブビーバー4in
・O.S.Pドライブビーバー3.5in
・グリパンチャート、テナガ
〈メッセージ〉
私自身公式戦2014年度のJBII四国戦優勝以来優勝と言うものから遠退いた成績でしたが約5年ぶりの優勝は非常に嬉しく、サポート頂いているサンライン様冠のサンラインカップと言う事でしたので更に嬉しさが倍増です!(笑)
近年、若手の選手がメキメキと成績を伸ばしてる一方で、「もうこれが自分自身の限界か?」と言う思いもありながらでも上を見てやり続けてたらいい事もあるんですよね。こんな経験をしてしまうからオッサンになってもトーナメントは辞められません(笑)キッカーを手にした時、日常では味わえないあの手の震う瞬間はほんとトーナメントの醍醐味です!
そんな興奮できる場を提供してくださってる地元西予市関係者の皆様、明間地区の皆様には心より感謝いたします。
そしてチャプター愛媛石川秀夫会長をはじめ,チャプター愛媛スタッフの皆様,運営ありがとうございました。
あとサポートして下さってるサンライン様、O.S.P様、アルティメイト様にも感謝いたします。
ありがとうございました。
準優勝 伊藤達弥
〈エリア〉
肱川上流デッドスロー終わりから中流全域
〈釣り方〉
フットボールのズル引きでキーパー釣って沖にあるブッシュや杭にはスイムジグ。キッカーの2350gは13時にスイムジグで杭の横を通した瞬間にきました!
〈タックルset1〉
・TGブロー14gにドライブビーバー4インチ
・ブラックレーベル70MH
・ジリオン
・フロロ14ポンド
〈タックルset2〉
・TGブロー14gにヘッドシェイカー5インチ
・ブラックレーベル68MH
・ジリオン
・フロロ14ポンド
〈メッセージ〉
昨年の災害があったにも関わらず我々アングラーを迎えてくれる明間地区の皆様。その為に絶えまのない努力を重ねてくださる石川会長をはじめスタッフの皆様。本当にありがとうございます。朝から今年もよろしくねって声をかけてくれ、素晴らしい雰囲気だと感じました。
野村ダムで釣りができることをあたりまえと思わず、感謝の気持ちを持って参加させていただきたいです。
第3位 宇都潔
〈エリア〉
インターセクションから稲生川中流
〈釣り方〉
シャローから6メートルまでのバンクを1/2グラムのフットボールにダットカット3インチのグリパンをカーブフォール。
シャローカバーは8.8グラムのテキサスリグにバイズクロー3インチポートリーブラックブルー
〈タックルset1〉
・1/2フットボール
・F5-510
・アルデバランMg7
・フロロの14ポンド
〈タックルset2〉
・8.8gテキサスリグ
・F5-70
・メタニウムXG
・フロロ14ポンド
〈メッセージ〉
今回、無事に大会を開催できるように協力していただいた地元の方々やスタッフの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
第4位 藤井春平
〈エリア〉
メインは稲生川
〈釣り方〉
テキサスによるちょっとしたカバー、冠水ブッシュ撃ちでランガン
〈タックルset1〉
・3.5gテキサスリグ
・スーパートリックスター688MML
・アルデバランmg7
・フロロカーボン10lb
・Gスティック4inch
・グリパンブルー
〈メッセージ〉
地域の方々のご理解、ご協力があり大好きな野村ダムで大会を行える事に感謝しております。
また、選手の皆様、スタッフの皆様お疲れ様でした。
次回も参加した際はよろしくお願いいたします。
第5位 武田和志
〈エリア〉
・スロー解禁の下流に向かって右岸側
・中流の道路跡のフローティングカバー
・板ヶ谷橋上流200m位にある崖崩れ跡のカバー
〈釣り方〉
カバーに入れてリフトアンドフォール
〈タックルset1〉
・ビフテキ 10g
・スティーズハリアー 7011HFBーSV
・ダイワTDZ ML
・フロロ4ポンド
・イマカツ ジャバシャッド⒋5インチ
・グリパン
〈メッセージ〉
初戦からいいスタートがきれました。
こうして大会が開催されるのも、地域の皆様の協力やチャプター愛媛のスタッフの皆様、参加選手があってのことだと思います。
本当にありがとうございました。