8月11日に開催された灼熱の第3戦から数日後、台風10号が四国地方を通過した。台風による大きな被害は出なかったが、通過直後から朝晩に気温の変化が現れ始めた。気温35℃を記録した第3戦だったが、最終戦に至っては24℃に止まり僅か2週間で10℃以上の気温差となった。前回多くのキロアップがキャッチされた下流の曝気装置エリアだが、今回は曝気装置が稼働しておらず、鉄板エリアが崩壊する事になった。水温は前回の27℃から24℃と3℃の低下。台風前に大量の放水が行われた事で、高水温だったダムの水が入れ替わる事となった。前日にプラクティスをした選手からは、「数は釣れるがサイズが出ない」との声が多く聞かれた。気温、水温の低下と台風の通過。激変したフィールドコンディションに対して、選手達がどの様に対応して来るのか?非常に楽しみな展開となった。天候は曇りで微風、水位は夏水位の減水傾向。時折小雨が混じる中、2019年8月25日、愛媛県野村ダムにてチャプター愛媛第4戦、エバーグリーンCUPが開催されました。
今回優勝したのは、稲生川上流で2本のキロアップを仕留めた大久保光洋選手。稲生川中流の竹レイダウンでリミットを揃えた後、稲生川最上流に移動。岩周りのサイトで450gをストレートワームのネコリグでキャッチした。その後、下流側に有る滝のインレットに入り、張り出し部分で1300g、落ち込みのドリフトで1000gを追加して2806gをウエインした。第2位は、稲生川上流のインビジブルを攻略した菊池芳郎プロ。最下流の護岸エリアをコンバットクランク320で流して、400gから500gの魚でリミットを揃えた。その後、稲生川へと移動して、沖に沈んだ立木にフットボールジグを投入すると、700gから800gの魚が4連発した。更に1000gを追加して入れ替えを行い、2615gをウエインした。第3位は、肱川本流でパターンを組み立てた白井優プロ。朝一に肱川最上流の瀬の中を、クランキングで攻めて500gをキャッチ。その後、中流スロープ対岸のポケットをスピナーベイトで攻めて500gを追加した。水温が上昇するタイミングで肱川最上流部の橋脚に入り、テキサスリグで1500gのキッカーをキャッチして2510gをウエインした。第4位は、第3戦と同じで曝気装置エリアのミドストパターンが炸裂した平井清博選手。ダウンショットのミドストで今大会の最大魚となった1570gをキャッチして、トータル2470gをウエインした。第5位は、ダム全域の垂直岩盤をフリーリグで攻めた宇都潔選手。朝一に肱川上流の岩の張り出しでキャッチした1500gがキッカーフィッシュとなり2204gをウエインした。
今回は水温低下と天候の影響により、シャローからディープまで広範囲に魚が散っていた様だ。活性の高い300g前後のバイトが多く、500g以上のキーパーを拾う事が難しい状況だった。その様な状況の中、表彰台に上がった選手達は1300gから1600gの個体を交えてリミットを揃えていた。放水と水温の低下で捕食に影響が出たのか?ウエインされた魚は痩せた個体が多く、見た目よりもウエイトが伸びなかった事が印象的だった。2019年度の年間タイトルは、開幕戦で4位に入賞した藤井春平プロが獲得した。全戦10位以内の安定した成績でポイントを重ね、最終戦で逆転しての栄冠だった。2016年の愛媛参戦初年度に5位入賞を果たした時、銅山川水系のダム湖がホームレイクだと語っていた。それから4年を経て頂点に登り詰めた藤井プロ。年間への軌跡に派手さは無かったが、手の内を見せなかった事は来季において大きなアドバンテージになるはずだ。是非とも連覇の偉業に挑戦してもらいたいと思う。
成績表
順位 | 氏名 | 重量 | 匹 | ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 061220 | 大久保光洋 | 2,806g | 3匹 | 30Pts. |
2位 | JII四013 | 菊池芳郎 | 2,615g | 3匹 | 29Pts. |
3位 | JII四003 | 白井優 | 2,510g | 3匹 | 28Pts. |
4位 | 061547 | 平井清博 | 2,470g | 3匹 | 27Pts. |
5位 | 061151 | 宇都潔 | 2,204g | 3匹 | 26Pts. |
6位 | JB旭川026 | 藤井春平 | 2,038g | 3匹 | 25Pts. |
7位 | 061053 | 阿部大吾 | 2,034g | 3匹 | 24Pts. |
8位 | 061537 | 武田和志 | 1,949g | 3匹 | 23Pts. |
9位 | JII四025 | 井原浩二 | 1,762g | 3匹 | 22Pts. |
10位 | 060925 | 坂本洋司 | 1,696g | 3匹 | 21Pts. |
11位 | 061253 | 坂本信之 | 1,582g | 3匹 | 20Pts. |
12位 | 061710 | 伊藤達弥 | 1,380g | 3匹 | 19Pts. |
13位 | JII四034 | 石川秀夫 | 1,335g | 3匹 | 18Pts. |
14位 | 061056 | 上村利弘 | 1,261g | 3匹 | 17Pts. |
15位 | 062030 | 橋本幸司 | 1,238g | 3匹 | 16Pts. |
16位 | 061289 | 普光江たけし | 1,209g | 3匹 | 15Pts. |
17位 | 061990 | 宮本拓哉 | 1,205g | 3匹 | 14Pts. |
18位 | 061295 | 篠崎剛 | 1,076g | 3匹 | 13Pts. |
19位 | 061413 | 三好紀昭 | 1,002g | 2匹 | 12Pts. |
20位 | 061047 | 角元孝生 | 945g | 3匹 | 11Pts. |
21位 | 060632 | 村上太一 | 896g | 3匹 | 10Pts. |
22位 | 061342 | 篠永修一 | 828g | 3匹 | 9Pts. |
23位 | JII四020 | 亀岡広嗣 | 772g | 3匹 | 8Pts. |
24位 | 061296 | 松田拓也 | 379g | 1匹 | 7Pts. |
25位 | 061383 | 長瀬憲章 | 203g | 3匹 | 6Pts. |
上位の釣り方
優勝 大久保光洋
〈エリア〉
稲生川上流
〈釣り方〉
サイトの2匹はバスの少し前方岩などに引っかけて誘う。後1匹は流れに乗せて、ドリフトさせる。
〈タックル〉
・ネコリグ 1/32オンス
・DAIWA 612L
・DAIWAセルテート2004
・フロロ4ポンド
・OSP ドライブクローラー5.5(ゴリミソブラック)
〈メッセージ〉
最終戦、年間及びブロック大会目指すには、表彰台に立たなければと思い参加しました。10時まで、3本で1キロ前後のウエイト、これでは勝てないと、昼前からバックウォーターに魚がさしてくる事に望みをかけ、勝負に出て3バイト3フィッシュ!結果、優勝することが出来ました。会長はじめスタッフの皆様及び、参加された皆様お疲れ様でした。
準優勝 菊池芳郎
〈エリア〉
①下流左岸バンク
②稲生川上流スローエリア
〈釣り方〉
①クランキング
②ベイトが通るタイミングで水深7mのウッドカバーをシューティング
〈タックル①〉
・クランクベイト
・TATULA701MRB
・ダイワSSSV103
・サンラインFCS12
・コンバットクランク320
・プリスポーンダイナマイト
〈タックル②〉
・3/8フットボール
・STZ671HMHFB
・ダイワSSSV103SH
・サンラインBMS16
・ダッドカット3
・イマエグリパン
〈メッセージ〉
今シーズンは苦手な春のノーフィッシュ回避を目標に挑みましたが終わってみれば年間2位と出来すぎの結果に驚いています。中四国ブロック大会は老体に鞭を打ち1尾を目標に頑張ります。日頃の運営に御尽力されている石川会長ならびにスタッフの皆様や毎回暖かく迎えてくださる梅原様はじめとする地元関係者の方々に心より感謝致します。来シーズンも宜しくお願い致します。
第3位 白井優
〈エリア〉
①最上流
②肱川中流インレット
〈釣り方〉
・クランクのただ巻き
・テキサスのフォール
・スピナーベイトのただ巻き
〈タックル①〉
・ノマド C-66MG
・07メタニウムmg
・FCスナイパー12ポンド
・漁師クランク(シトラスシャッド)
〈タックル②〉
・TPMX610MH
・07メタニウムmg7
・FCスナイパー12ポンド
・ウイニングクロー(グリパンブルーフレーク)
〈タックル③〉
・TPMX66M
・09アルデバランmg7
・FCスナイパー12ポンド
・スウェジー3/8oz(チャートホワイト)
〈メッセージ〉
石川会長をはじめ運営スタッフ、地元明間地区の方々、いつもありがとうございます。また、参加されました選手の皆様お疲れ様でした。来期もよろしくお願いします。
第4位 平井清博
〈エリア〉
①肱川筋中流のカバー
②板ケ谷橋下流の曝気装置の沖合
〈釣り方〉
① カバー打ち
②ダウンショットのミドスト
〈タックル①〉
・ネコリグ
・フェンウィック ACES60CULJ
・ダイワ スティーズ CT SV TW 700XHL KTF
・サンライン シューター 6LB
・ノイケ スマイルワーム ダディ(#101 プロブルー)
〈タックル②〉
・ダウンショットリグ
・フェンウィック TPMX62CULJ
・シマノ 10ステラ C2000HGS
・サンライン シューターFCスナーパー 3.5LB+【リーダー】トルネード Vハード 1.5号
・OSP HPミノー 3.1インチ(TW143 ゴーストライムチャート)
・カツイチ デコイ ショットリグ #4
〈メッセージ〉
第3戦に続き連続お立ち台の結果となりました。来シーズンはより好結果が得られるように釣行して魚やフィールドから多くの事を学び、理解する事がまだまだ必要です。(株)ティムコ・(株)サンライン・(株)カツイチ・(有)キャリル・(株)SAWAMURAの各社様からの日頃の支援頂き、感謝とお礼を申し上げます。西日本豪雨からの被災後約1年経過し、復旧・復興過程ですが、地元の愛媛県西予市明間地区の皆様の理解・協力並びに、NBC愛媛チャプターの石川会長並びにスタッフの皆様の本シーズンと来シーズンのトーナメント開催への尽力に感謝いたします。
第5位 宇都潔
〈エリア〉
本流中流とインターセクションの岩盤
〈釣り方〉
シャローギリギリにキャストして6メーターぐらいまでティップを弾くようにして階段落とし
〈タックル〉
・F5-70X
・メタニウム XG MGL
・フロロ14ポンド
・エスケープツイン(バンドウカワエビ)
〈メッセージ〉
無事に大会を開催するにあたって協力していただいた地元の方やスタッフの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。